2016年12月21日(水)
12月17日(土)、降りしきる雪の中、「農事組合法人ほのか」のお母さんにお集まり頂きお話を伺いました。
お忙しい中、ありがとうございました。
農事組合法人ほのか・事務所(北竜町美葉牛)
▶ 今年の法人としての2年目に関する感想
「家族での農業から法人に入って仕事をさせていただいています。大勢の仕事を初めて体験し、協同で行うことの能率の良さ、そして気持ちも元気になることをじみじみと実感しています。農作業はとても辛いですが、大勢で笑いながら楽しくやれば、収穫や様々な喜びも倍になるので、『ほのか』に入ってよかった思います。これからも皆さんと一緒に頑張っていきたいと思います」。
「もともと独立していた農家が集まって一緒になるので、大変なことや衝突も多々あります。でも、その中で良いところを繋ぎ合わせると、良い結果が生まれてきます。作業面においても、一人では大変なことも、皆で協力してやると、なんとかこなしてしまうものです。広い畑で、ひとりで草取りをするのは、とても辛いことですが、皆で作業すると、話しているうちに終わってしまいます。一人作業と協同作業の違い、相乗効果、勢いでやることの能率の良さ、集中力の効果を実感しています」。
山田のぞみさん(左)、水谷恵さん(中)、鵜飼喜美子さん(右)
「嫌にならないうちに終わるよね」。
「子どもがまだ小さくて子育て中なので、なかなか作業に参加できないこともあります。参加できたときは、色んなことを教わりながら、今はひたすら覚えることに精一杯取り組んでいます」。
「一人で農家をやっていたときよりも、私自身、身体が楽に感じます」。
「みんなでやると仕事は早くなりますが、反面、自分のペースでできないこともあります。自分の都合で時間を取りたい時でも、皆がやっているのに申し訳ないという思いで我慢することも多いです。
個人の都合と法人の都合とを上手く調整していく難しさが多少あります。天候に左右される農作業なので、定休日というものはありません。個人農家だと自分の生活に合わせて、自由に時間を設定することは可能ですが、法人の場合は全体の作業状況に合わせなければならないので、我慢することも不便を感じることもあります」。
「もう年なので、あと何年この仕事が続けられるかわかりませんが、今後、若い人たちに、仕事を上手く繋げていければいいなと思います」。
板垣美千代さん(左)、山田久子さん(右)
「私自身、身体が弱いので、なかなか農家の仕事を手伝うことが難しいのですが、息子達が、父親が農業で働く姿を見て、今のところ将来農業をやりたいと希望していることが嬉しい。将来、息子達が農業を継いでくれることを願っています」。
「体調を崩して、自分が仕事に出られなかったときでも、仕事は進んでいくので、本当にありがたいと思います。色々なことがあっても、みんなで励まし合ったり、話し合ったりして様々な問題を解決しています。毎年、皆の考えや力で仕事が改良され、全体の作業能率が向上してることは素晴らしいことだと思います」。
▶ご主人でなく、他のお父さんと一緒に仕事をしての感想
「夫婦だと言いたいことを言い合って時にきつくなることもありますが、よその旦那さんが逆に気を使ってくれたりします」。
「よその旦那さんが行動も言葉がけも優しくしてくれたりするし、こちらも遠慮したりするので、スムーズに作業が流れて、やりやすこともあります」。
「言うことは言うけど、さっぱりしています」。
「美葉牛地区の特徴になるのかなぁ、揉め事はあまり聞いたことがないですね。言いたいことはバシッといいますが、おおを引かずになくさっぱりしています」。
「住民同士の会話のやり取りや呼びかけなどを聞かれて『仲が良いですね』とよく言われます。昔から、地域のみんなが名字ではなくて、名前や愛称で呼び合っています」。
皆さん、子どもの頃から一緒に育ち、生活してきたので、名前についての話題で大変盛り上がりました。
「あの子が小さい頃は『おばさん』と呼ばれていたのに、最近では『〇〇ちゃん』と呼んでくれるので、最初は照れますが嬉しいですね」。
吉尾千佳さん(左)、森島みゆきさん(右)
▶ 給与について
「時給制で、月払いです」。
「以前は、家計費をもらう立場で、労働が目に見えないものでした。法人になると自分の労働時間によって支払われるので、主婦の労働が目に見えるようになり張り合いがあります」。
「全体はお父さんが管理していますが、生活のごまごました部分の諸経費は、自分で働いた給料で賄っています」。
「家庭全体の家計はお父さん任せなので、主婦は全体までは理解していません」。
「農家は、お米と野菜があるので、食べるものには不自由しません」。
▶ 冬期の過ごし方は?
「病院や歯医者など、夏期には通院できない身体治療などに集中して時間を費やします。また、普段できない家の片付けやショッピングなど様々です」。
「冬季に期間限定の仕事が少ないことが現状です」。
「夏に働いた分を貯めて、少しずつ使っています」。
「冬はミニバレーなどや子供達のスキー等のスポーツを皆で楽しんでいます。若い頃は、働きにいく時間もないくらい毎日のように練習や行事が立て込んでいました」。
「美葉牛地区は、希望者だけの参加ではなく、全員参加の行事がほとんどです」。
話に花が咲きます
▶ 来年の目標は?
「みんなで旅行したいですね」。
「遠くでなくても、近場でもいいよね」。
「女子会は、時々やっています。近場の美味しいレストランなど、ご飯食べににみんなで行ったりすることもあります」。
「農家の仕事は、毎年毎年、覚えることがいっぱいあって、毎年初心者です」。
「隙間を埋めるように仕事が入り、隙間を埋めるように物を作っている感じかな?」。
「少~しの隙間を作ってほしいねぇ~」。
「初年度からみると段取りがよくなっているし、徐々に経営が安定して少しでもゆとりができれば、隙間も作れるようになるかもね」。
「色んな機械も購入してきているので、徐々に能率は良くなってきています」。
「10月頃には、年間計画ができてくるので、女性陣はそれを受け止めて、計画に従って一生懸命頑張るのが精一杯ですね」。
「男性陣は、仕事が終わるとこの事務所で一杯飲むのを楽しみにして、コミュニケーションを取っているみたいですよ」。
農作業の大切な細かい所をフォローし支えていく、
お母さんたちの強力な底力!!!
お母さんたちの明るさと笑顔で、農業の苦しさを楽しさに変えていく、
農事組合法人「ほのか」の偉大なるお母さんパワーに、
限りない尊敬と感謝と愛をこめて。。。
美葉牛の景色(撮影:2016年12月15日)
▶ 農事組合法人ほのか・写真(2016年:1,808枚)
・3月(245枚)
・4月(426枚)
・5月(284枚)
・6月(193枚)
・7月(95枚)
・9月(7枚)
・10月(38枚)
・12月(18枚)
・定期総会(37枚)
・ひまわり油用ひまわり(146枚)
・ナッツ用ひまわり(40枚)
・ナッツ用ひまわり収穫(41枚)・ナッツ用ひまわりの種殻剥き(30枚)
・北竜町の稲(106枚)・稲刈り(64枚)・補助モミ暗渠(9枚)
・大豆収穫(29枚)
▶ 農事組合法人ほのか・特集記事
・農事組合法人ほのか・紹介ページ(2016年12月24日作成)
・【No.01】平成27年度(第2期)定期総会(2016年2月15日)
・【No.02】除雪作業スタート(2016年3月14日)
・【No.03】育苗ハウスの耕起作業など(2016年4月7日)
・【No.04】種籾浸漬作業(2016年4月11日)
・【No.05】水稲播種へ向けての準備作業(2016年4月18日)
・【No.06】水稲播種完了!田植えへ向けて準備中(2016年5月2日)
・【No.07】メロン定植 & インゲン播種(2016年5月6日)
・【No.08】田植えスタート(2016年5月23日)
・【No.09】ひまわり播種(2016年6月6日)
・【No.10】大豆播種(2016年6月9日)
・【No.11】メロン摘果作業(2016年6月16日)
・【No.12】メロン初出荷(2016年7月25日)
・【No.13】ひまわりナッツ用のひまわりの種収穫(2016年9月20日)
・【No.14】黄金に実った稲の収穫が始まりました(2016年9月23日)
・【No.15】ひまわり油用のひまわりの種収穫(2016年9月29日)
・【No.16】大豆収穫(2016年10月20日)
・【No.17】ナッツ用ひまわりの種殻剥き & 選別作業(2016年10月31日)
・【No.18】農業は達成感が魅力(2016年12月12日)
・【No.19】元気いっぱい!ほのかのお母さん達(2016年12月12日)
◇ 撮影・編集=寺内昇 取材・文=寺内郁子