北竜町ふるさと納税応援基金寄付金・10年間で累計10億円突破(H20〜H29)の情報公開

2018/10/21 16:05 に 寺内昇 が投稿   [ 2018/10/21 19:39 に更新しました ]
2018年10月22日(月)

個人住民税の寄付金税制である「ふるさと納税」が2008年( 平成20年)からスタートして昨年で10年。そこで、この10年間におけるふるさと納税の状況とその使いみちについて、佐野町長にお話を伺いました。



北竜町・佐野豊 町長 
北竜町・佐野豊 町長

北竜町ふるさと納税応援基金寄付金10年間の累計(平成20年度〜平成29年度)

北竜町のふるさと納税は、初年度の2008年度(平成20年度)、件数:34件、寄付金:875,000円からスタート。2017年度(平成29年度)には、件数32,141件、3億8,000万円を上回る寄付金が寄せられています。この10年間で北竜町への寄付金は累計10億円を超えました。

寄付額が大きく増加したのは、2014年度(平成26年度)。ふるさとチョイスのサイトを活用し、寄付金の納付方法にクレジット決済を導入したところ、申し込み数が急激にアップしました。 平成25年度が件数15件、寄付金23万円、そして平成26年度には件数2,512件、寄付金2,559万円超。

さらに、平成27年度税制改正による「ふるさと納税ワンストップ特例制度」の手続きの簡素化などにより、納税しやすくなったことも影響していると考えられます。


北竜町ふるさと応援基金寄付金:金額

xxx  北竜町ふるさと応援基金寄付金(金額)一覧表(平成28年度より事業名を変更・整合)

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北竜町ふるさと応援基金寄付金(金額)グラフ

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北竜町ふるさと納税・使途希望分野(金額)

北竜町ふるさと応援基金寄付金:件数

北竜町ふるさと応援基金寄付金(件数)一覧表  北竜町ふるさと応援基金寄付金(件数)一覧表(平成28年度より事業名を変更・整合)

北竜町ふるさと応援基金寄付金(件数)グラフ 
北竜町ふるさと応援基金寄付金(件数)グラフ

北竜町ふるさと納税・使途希望分野(件数) 
北竜町ふるさと納税・使途希望分野(件数)

 返礼品の8割超は「ひまわりライス」

返礼品の中で、8割を超える品が「北竜町産米ひまわりライス」です。

歴史を紐解くと、ひまわりライスは、2006年(平成18年)に北竜ひまわりライス生産組合が、水稲「ひまわりライス」で「生産情報公表農産物JAS規格」の認証を取得し、生産情報のトレーサビリティーが確保されました。これにより、生産組合の農家全戸が、化学合成農薬を50%以上カット(一般的な農薬使用成分数22成分を11成分に減農薬)した特別栽培米を生産。

そして、集荷されたお米の8割をホクレンに納め、2割強を独自販売しています。生産者の皆さんをはじめ、JAきたそらち北竜支所の職員の皆さん、役場職員、さらには、組織を超えて北竜町商工会など町中の若者が参加するアグリファイターノースドラゴン、北竜町のキャラクター・ひまわり咲ちゃんなど、町ぐるみで一致団結して、北竜町のPRに努め、消費者の皆さんに直接販売する努力を継続しています。

こうした地道な販売促進が認められ、昨年2017年には、第46回日本農業賞集団組織の部で「北竜ひまわりライス生産組合」が大賞を受賞。北竜町産米「ひまわりライス」の質の高さと美味しさが認められ、名実ともに高く評価されました。

北竜町のお米は、40年を超える先人の絶え間ぬ努力と熱い魂が脈々と受け継がれ、それを現代に繋げている若者たちの熱意があってこそ、現在の安心安全な北竜町産米が存在し、多くの方々に認められ、認知されているのだと思います」と、真摯に語ってくださった佐野町長です。

続いて、皆さんからの有り難いふるさと納税を活用した事業内容についてお伺いしました。

平成29年度ふるさと納税推進事業実績

寄付金の約50%が返礼品品代や送料などの経費

平成29年度ふるさと納税推進事業実績において、ふるさと応援寄附金3億7,911万円に対して、ふるさと納税謝礼品代やその他の諸経費が2億3,533万円かかり、その金額を差し引いた1億4,378万円が、ふるさと応援基金積立金に繰入れることができました


ふるさと納税の使途の内訳 
ふるさと納税の使途の内訳

寄付金の約62%が経費 
寄付金の50%が返礼品と発送経費等

平成29年度のふるさと応援基金積立金の主な事業内容

平成29年度ふるさと応援基金積立金の主な事業内容は、観光・産業の振興、教育・子育ての充実、医療・福祉の充実、その他の目的に分別されます。


このふるさと応援基金積立金の主な事業内容 
ふるさと応援基金積立金の主な事業内容

ふるさと応援基金積立金の主な事業内容・グラフ 
ふるさと応援基金積立金の主な事業内容・グラフ

佐野豊 町長のお話

「寄付をしていてだいている皆様には、町民を代表して深く感謝申し上げます。今後とも、安心安全な食料を生産し日本中にお届けするとともに、町民が活き活きと幸せに生活できるよう、寄付金を大切に使わせていただきます。

平成29年度、ひまわりの里では、満開のひまわりの里をライトアップし花火大会も併せて開催しました。参加者からは『とても感動しました。夏の素晴らしい思い出になりました』との、お言葉をいただきました。


このふるさと応援基金積立金の主な事業内容 
光と色と音が奏でる、真夏の夜のエンターテインメントショー(事業紹介のための事例:平成30年度実施)


また、観光振興として、町の観光客の拠点である『サンフラワーパーク北竜温泉』の大規模改修(北竜温泉・ホテル「サンフラワーホテル」・レストラン「風車」・厨房・ショップ・外壁・外構)の一部に使わせていただきました。観光客の皆さんが、安全・快適にお過ごしいただけるように施設を整備しています。


北竜温泉(サンフラワーパーク北竜温泉)リニューアルオープン! 
北竜温泉(サンフラワーパーク北竜温泉)リニューアルオープン!
大規模改修は、ホテル・レストラン・ショップ・外壁・外構等全体に及びます


産業の振興としましては、ひまわりメロンハウスの新設の際の助成、農産物加工実習センター・パルムの冷凍冷蔵庫購入、ふるさと納税返礼品『ひまわりライス』のパッケージ用ロゴ作成、ひまわりライス日本農業賞大賞受賞記念看板建立助成に使わせていただきました。


北竜町ロゴマーク&ふるさと納税用米袋 町民発表会 
北竜町ロゴマーク&ふるさと納税用米袋 町民発表会


教育・子育て支援としては、和保育所の運営、さらには、小学校・中学校の給食費全額補助に使わせていただいております。小中学校の生徒の給食費は無料となっております。人口が1,900名を割る北竜町ですが、健やかな子どもたちの育成を目指して有効に使わせていただきます。

福祉・医療の充実につきましては、高齢化率43%を超える北竜町にとって、重要なポイントです。北竜町社会福祉協議会、北竜町役場住民課、北竜町教育委員会、町内の各種ボランティア活動が高齢者の生活支援を行っております。2千万円を超える金額を使わせていただいております。


まる元・地域まるごと元気アッププログラム(北竜町) 
まる元・地域まるごと元気アッププログラム(北竜町)


独り暮らし高齢者の昼食会@碧水地域支え合いセンター 
独り暮らし高齢者の昼食会@碧水地域支え合いセンター(事業紹介のための事例)


最後になりますが、最も使わせていただいた事業は、商業活性化施設「 COCOWA(ココワ)」の施設整備運営事業です。


このふるさと応援基金積立金の主な事業内容 
北竜町商業活性化施設・ココワ(COCOWA)オープン


2017年12月、農協の直営店舗である、町内唯一のスーバー『Aコープ北竜店』が施設の老朽化・業績不振を理由に閉鎖されました。閉鎖にあたっては事前に知らされ、代替店舗の検討にも入り、流通大手からも前向きな話をいただていました。しかし、人口が2,000人を割ると、経営が難しいと辞退されました。

高齢化率43%を超え、70%を超える町内会もある北竜町では、買い物弱者対策、商店街の活性化は重要な課題です。

様々な苦労を乗り越え、2018年4月に、商業活性化施設「 COCOWA(ココワ)」を新築・運営開始することができました。町の第3セクター・株式会社 北竜振興公社(代表取締役・佐野豊町長)が運営主体となり、生鮮食料・日曜雑貨などを扱うスーパーマーケットを中心に、住民のコミュニティスペースや、高齢者や若年認知症の相談・健康づくり・各種支援に対応する『和地区支え合いセンター』、北竜町商工会事務局などがあります。

建物・駐車場などの外構・備品を含めた総額は約3億7,600万円。約8,000万円は経産省の補助金、町は2億9,600万円を単費で負担。ふるさと応援基金積立金から、1億6,200万円程を使わせていただきました。
町民が安心して住み続けられる北竜町として、ふるさと納税でいただいた寄付金を有効に使わせていただいています。

これからも、町民一致団結して、安心・安全な食糧を生産して提供してまいる所存です」。

平成30年11月より還元率3割へ

「総務省は全国の自治体に対し、返礼品額の比率を寄付額の3割までとするなどの要請を行いました。法改正としては来年4月以降となります。北竜町では、検討を重ねた結果、平成30年11月より還元率を3割とすることを決定いたしました。納税者の皆様にはご不便をおかけしますが、北竜町としましてはしっかり準備を整え、11月より対応させていただきます。今後とも、北竜町の応援をよろしくお願いします」と、お話くださった佐野豊 町長です。


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◇ 撮影・編集=寺内昇 取材・文=寺内郁子