国の「地方創生2.0」と人口1,553人の北竜町の挑戦(2025年9月〜2026年2月)

2026年3月17日(火)

国の「地方創生2.0」において、全国トップクラスの約19億円規模の交付金事業が採択された北海道北竜町。人口1,553人の小さな町が、まち全体を一つの経営体とする「ひまわりホールディングス」構想のもと、2025年9月から2026年2月にかけて北竜町ポータルに掲載された10の挑戦の模様を抜粋しました。キャリアデザインキャンプ、ハンドメイドとの共創、地域公共交通、子どもたちの創造教育、その一つひとつに宿る「和の心」の物語をお届けします。

国の「地方創生2.0」と北竜町の挑戦

2024年10月、国はこれまでの地方創生政策を抜本的に見直し、「地方創生2.0」を打ち出しました。交付金は従来の年間1,000億円から2,000億円へ倍増。「地方こそ成長の主役」という理念のもと、「新しい地方経済・生活環境創生交付金(第2世代交付金)」が創設されました。

北海道北竜町は、この第2世代交付金において全国トップクラスとなる約19億1,094万円規模の事業が採択されています。人口わずか1,553人、高齢化率46.2%の町で、これほどの規模の事業が動き出したこと自体が、全国の自治体関係者を驚かせました。

北竜町が掲げたのは、まち全体を一つの経営体として捉える「ひまわりホールディングス」構想です。7つの柱・コンパクトタウンの推進、新たな公共交通ネットワーク、まちづくり人財・組織の育成、共創的な教育・子育て、ブランド確立とプロモーション、交流人口・関係人口の創出、デジタル地域社会の形成を掲げ、子どもから高齢者まで町民総参加で施策を一体的に推進します。

佐々木康宏 町長の言葉が象徴的です。「小さな子どもたちからは『冬でも遊べる場所が欲しい』という声。働き盛りの女性たちからは『心を込めて作ったものを商売にできないか』という相談。そして40年間ひまわりの里を守ってきた先輩方からは『これからどうしていくんだ』という厳しい問いかけ」。すべての世代の声に応えようとする姿勢が、この壮大な構想の原点です。

ここでは、『広報ほくりゅう・9月号』以降の「地方創生トピックス」コーナーに掲載された事業から、北竜町ポータルで取材したイベント10を抜粋してご紹介します。

人を育てる:未来への種まき

1. キャリアデザインキャンプ2025(2025年9月1日~6日)

都市部の大学生や若手社会人が北竜町に滞在し、町の暮らしと仕事を体験する6日間のプログラムが開催されました。建設業社長から町長へと転身した佐々木康宏町長の人生そのものが、参加者にとって最大の「キャリアデザイン教材」となりました。

9期38年の議員経験を経て、なぜ町長への道を選んだのか。その問いに向き合うことで、参加者たちは「働く」ことの本質を見つめ直す機会を得ました。涙と笑顔が入り混じる6日間は、町民と参加者の双方にとってかけがえのない時間となっています。

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2. ハンドメイド作家によるワークショップ(2025年9月14日)

日本最大級のハンドメイドマーケットプレイス「Creema」と連携し、つまみ細工や裂き編みのワークショップが開催されました。全国で活躍するプロの作家が講師を務め、町民の皆さんが真剣な表情で制作に取り組む姿が印象的でした。手仕事の温もりが人と人をつなぐ。効率や合理性だけでは測れない価値が、ここにあります。

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3. 地域公共交通実証運行開始(2025年10月1日~)

北竜町の新しい地域公共交通が実証運行を開始しました。愛称は「ひまわる」。広大な面積を持ちながら公共交通に乏しかった町に、住民の足が生まれました。「買い物、通院、通学」日常生活を支えるこの一歩は、地方創生2.0が重視する「日常生活に不可欠なサービスの維持向上」を体現しています。

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4. ひまわりのまちクラフトマルシェ開催(2025年10月18日・19日)

Creemaと北竜町の共創により、日本一のひまわりの里で初めてのクラフトマルシェが実現しました。全国から作り手が集い、北竜町公民館の2階大ホールが温かな手仕事の世界に包まれた2日間。ひまわりの季節だけではない北竜町の魅力を、新たな形で発信する試みです。

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5. 北竜町ロゴマークワークショップ(2025年10月23日)

小学4年生から中学生を対象に、プロのクリエーターとオンラインでつながるワークショップが開催されました。「北竜町のロゴマークを自分たちの手で考える」という挑戦。子どもたちが真剣な眼差しでデザインに向き合う姿は、この町の未来そのものです。プロの技と子どもの感性が出会う場を、小さな町が実現したこと。それは、地方創生2.0が掲げる「若者に選ばれる地域づくり」を、もっとも純粋な形で体現しています。

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6. 日本最大級祭典「ハンドメイドinジャパンフェス冬2026」出展(2026年1月17日・18日)

東京ビッグサイトで開催された日本最大級のクリエーターの祭典に、北竜町として出展しました。人口1,553人の町が、数万人が来場する全国規模のイベントに名を連ねる。ハンドメイド文化と地方創生をかけ合わせた、まったく新しい挑戦です。

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7. 北竜町ひまわり地域づくり協同組合設立(2026年1月19日)

地域の多様な事業者が連携し、人材の確保・育成を共同で行う協同組合が設立されました。介護職員や運転手をはじめ深刻化する人材不足に対し、個々の事業者が単独で立ち向かうのではなく、町ぐるみで支え合う仕組みです。「和の心」が制度として形になった瞬間です。

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8. 株式会社じゃばらいず北山ふるさと納税共創協定(2026年1月28日)

外部企業との共創協定により、ふるさと納税の新たな展開が始まりました。単なる返礼品のやり取りではなく、「共に創る」という姿勢。地域と企業が対等なパートナーとして手を携える、新しい関係性の構築です。

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9. まちづくりフォーラム2026開催(2026年2月15日)

町民が一堂に会し、北竜町の未来を語り合うフォーラムが開催されました。地方創生2.0の交付金事業の進捗報告だけではなく、町民同士が「自分たちのまちをどうしていきたいか」を率直に話し合う場。行政から町民へという一方通行ではなく、町民の声が行政を動かす双方向の関係が、ここに生きています。

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10. 世界に一冊のオリジナル絵本「きみのえほん」贈呈式(2026年2月19日)

北竜町に新しい命が誕生したことを祝い、町ぐるみで赤ちゃんを歓迎する贈呈式。一人ひとりの子どもに、世界に一冊だけのオリジナル絵本が届けられます。名前が刻まれたその絵本は、「あなたはこの町に望まれて生まれてきた」というメッセージそのもの。人口減少という数字の裏側にある「一つひとつのいのちを大切にする」という北竜町の哲学が、ここに結晶しています。

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多くの挑戦が描く「ひまわりホールディングス」の未来

一つひとつのトピックスを振り返ると、そこに共通する一つの精神が浮かび上がります。それは、北竜町民が無意識のうちに実践してきた「和の心」「思いやりの心」です。

キャリアデザインキャンプで若者を迎え入れる温かさ。手仕事のワークショップで真剣にものづくりに向き合う姿。子どもたちと一緒にロゴマークを考えるプロの敬意。新しく生まれた赤ちゃんに絵本を届ける喜び。。。

人口1,553人(2026年3月1日現在)。全国トップクラスの「新しい地方経済・生活環境創生交付金事業:約19億円」。数字だけを見れば驚くかもしれません。けれども、北竜町の真の強さは数字にはありません。ひまわりのように太陽に向かって顔を上げ、隣の花と寄り添いながら咲く、その姿を、町民一人ひとりが体現していること。それこそが、この町の地方創生の核心です。

2029年には、ひまわりの里に「わくわく未来創造館(仮称)」が誕生する予定です。0歳から100歳まで、すべての世代がチャレンジできる場所。北竜町の物語は、まだ始まったばかりです。

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