北竜町ロゴ ワークショップ:デザインは「思いやり」の形。北竜町の未来を彩る、北竜小中学校・子どもたちの「色」と「和の心」

2025年10月27日(月)

10月23日(木)、北竜町の新しいロゴを「町ぐるみ」で創るプロジェクトの一環として、北竜町の小中学生がオンラインWSに参加しました。プロから「デザインは思いやり」と学んだ子どもたち。「雪の氷の色」「土の色」など、故郷への想いが詰まった多様な「色」が発表されました。一人ひとりの個性が繋がり、町の未来を咲かせます。

デザインは「思いやり」の形。北竜町の未来を彩る、子どもたちの「色」と「和の心」

10月23日(木)、北竜町の真竜小学校と北竜中学校の教室が、東京のプロのデザイナーとオンラインで繋がりました。これは、北竜町の新しいロゴマークとキャッチフレーズ「次は、何を咲かそう。」を「町ぐるみ」で創り上げていくプロジェクトの一環。

未来の北竜町を担う子どもたちに、デザインの楽しさと、自分たちの町の未来を「自分ごと」として考えるきっかけに触れてもらうための、特別な授業です。真竜小学校では4・5・6年生が図書室に集合し、北竜中学校では1・2・3年生が教室に集合し合同授業を実施。

共に大型モニターに教室の様子が映し出されます。

オンライン授業
オンライン授業
真竜小学校4年生・5年生・6年生合同授業
真竜小学校4年生・5年生・6年生合同授業

町の魅力を「形」にするために:高橋克嘉 総合政策官

授業の冒頭、企画した北竜町役場の高橋克嘉 総合政策官は、子どもたちにこう語りかけました。

高橋克嘉 総合政策官ご挨拶
高橋克嘉 総合政策官ご挨拶

「今回のロゴづくりの目的は、みんなで北竜町の魅力をもう一度見つめ直し、まちの思いを形にすることです。北竜町には、豊かな自然、人の温かさ、挑戦を続ける力があります。このロゴとキャッチフレーズには、これまでの歩み、これからの挑戦、そして人と人との輪をつなぐ思いを込めています」。

新しいロゴのモチーフは「ひまわりの花びら」。それは、北竜町の皆さん一人ひとりの「個性」と「つながり」を表しています。その一枚一枚が集まって、大きな北竜町の未来を咲かせていく。そんな温かいイメージが共有されました。

生徒さん達は、全員が真竜小学校のWifiに接続されたノートパッドを使って、全員のデザイン情報を共有。ごく当たり前に使っている姿に驚きました。

各自wifiに接続されたノートパッドで情報共有する生徒さん達
各自wifiに接続されたノートパッドで情報共有する生徒さん達

デザインは「問題解決」であり「思いやり」

今回、講師を務めるのは、ひまわりまつりのロゴやホームページなども手掛けるソウルドアウト株式会社(東京都文京区)の皆さん。

山上直人さんによる総合司会で進められ、アートディレクターの小澤菜穂さんから、「デザインとは何か?」という本質に迫る講義が始まりました。

ソウルドアウト株式会社

ソウルドアウトは、地方を含む日本全国の中小・ベンチャー企業の成長をデジタルマーケティング、ソフトウェア開発、メディア制作…

小澤さんのデザインについての説明
小澤さんのデザインについての説明

身近なデザインに囲まれた世界:小澤菜穂さん

「皆さん、デザインと聞くと何を思い浮かべますか?」

小澤さんは、大好きな漫画、よく食べるお菓子、遊んでいるゲームなど、私たちの生活がデザインに囲まれていることを紹介します。デザインの種類を分けると、ファッションデザイン、空間デザイン、プロダクトデザイン、ビジュアルデザイン(グラフィックデザイン)などがあります。

その中でも、ポスターやロゴ、パッケージなどを扱う「ビジュアルデザイン」の役割は、「見ること(視覚)で、それを瞬時に伝えること」にあると説明します。

デザインの種類
デザインの種類

エレベーターのボタンに隠された「良くないデザイン」

ここで、小澤さんから一つの問題が出されました。それは「よくあるエレベーターのボタン」。

どんなところが問題ですか?
どんなところが問題ですか?

「これの良くないところはどこでしょう?」。

指名された生徒からは、「『開』と『閉』の漢字が、目が悪い人にはぼやけて見えて、どっちだかわからない」「形もほとんど同じ」「(漢字ではなく)矢印にしてもらった方がわかりやすい」といった、的確な答えが次々と飛び出します。

小澤さんは深く頷き、まさにそれがデザインの「問題点」だと解説します。「エレベーターは一瞬でボタンを押さないといけないのに、漢字は似ていてわかりづらい。そもそも漢字が読めない人もいますよね」。

わかりやすいデザインとは!
わかりやすいデザインとは!

「思いやり」を形にするデザインの仕事

「デザインの仕事は、この『問題を見つける』ことから始まります。

『漢字がわかりづらい』という問題を解決するために、デザイナーは考えます。『三角形の向きで表現したらどうか?」「ひらがなを入れたらもっとわかりやすいか?』『おじいさん・おばあさんが多いなら、文字を大きくしよう』『外国人が多い場所なら、英語を入れよう』『急いでいる人が多いなら、色を変えて区別しやすくしよう』。

さらに、言葉が通じない人にも伝わるよう、イラストやシンプルな記号を使うこともあります。直感的に意味も伝わったり、さらに楽しく伝えることができます。もっと早く、誰が見ても伝わることをイメージしていきます。

どんな形で、どんな文字、どんな色を使えば、伝えたいことが、伝えたい人に、まっすぐ伝わるか。それを考えるのがグラフィックデザイナーの仕事です」と説明する小澤さんです。

それはまさに、相手に寄り添い、相手の立場に立って、相手の状況を深く想像する「思いやり」を形にする作業なのです。

北竜町の「ひまわり」ロゴが生まれるまで

小澤さんは、現在使われている「ひまわりまつり」のロゴマークが生まれた背景も紹介しました。

ロゴマークの誕生過程
ロゴマークの誕生過程

北竜町らしさの探求

ロゴを作る時、デザイナーはその場所について「よく知る」ことから始めます。 「200万本のひまわり」「黄色が街のカラー」「行くだけで元気になる場所」など、町のいろんな人からいろんな話を聞いてイメージしていきます。

最初は、ひまわり畑の風景や、ひまわりの花の愛らしさ、太陽のエネルギーなどを組み合わせた案が考えられました。しかし、「これでは、他のひまわり畑でも使えるロゴになってしまうのではないか?」という疑問が残ります。

土づくりへの想いを込めたデザイン

そこで、さらに北竜町ならではの特徴を探っていきました。「ひまわり畑自体が『丘』になっている」「毎年ひまわりを咲かせ続けるため、『土づくり』を何よりも大切にしている」。

この「北竜町だからこそ」の要素を抽出し、単なる花の形ではなく、「ひまわりの里の『丘』のシルエット」や「そこに沈む夕日」、そして「土づくりへの想い」を込めたロゴが完成したのです。

ひまわりのイメージ
ひまわりのイメージ

「このマークができて、北竜町の皆さんが受け入れて、大切に使ってくださっていることが、デザイナーとしてとても幸せです」と小澤さんは笑顔で語りました。

北竜町で使用されているデザインマーク
北竜町で使用されているデザインマーク

新ロゴに込めた「個性」と「つながり」

「そして今、ひまわりまつりだけでなく、町全体を象徴する新たなマークが必要とされています。

それが、今回のワークショップの題材となった新しいロゴデザインです。ひまわりまつりのロゴの精神を受け継ぎながら、モチーフである「ひまわり」の花びらを、あえて形も大きさも違う「四角」で表現し、全体で北竜町の12カ月を表現しています。花びらがくるくると周り、それが永遠に続いていくようなイメージです」と語る小澤さん。

これは、町民一人ひとりの『個性』の豊かさ。そして、それらが重なり合い、繋がり合って、一つの『和』を形づくる姿を表現しています。

『次は、何を咲かそう』。

このキャッチフレーズには、伝統を守るだけでなく、これから生まれる新たなチャレンジを皆で大切に育てていこう、という未来への問いかけが込められています」。

北竜町の12カ月をイメージする色のデザイン
北竜町の12カ月をイメージする色のデザイン

子どもたちが選んだ、北竜町の「色」

今回のワークショップで、子どもたちには「北竜町のそれぞれの月をイメージする色」をロゴに塗る、という宿題が出されていました。

「12月でも、人それぞれ色が違うなと思って、面白く見ています」と、司会の山上直人さん。

子どもたちは、隣の席の友達と自分たちの作品を見比べ、なぜその色を選んだのかを話し合います。

生徒同士の話し合い
生徒同士の話し合い

十人十色の「12か月」:青沼克哉さん

ここから、青沼克哉さんに生徒さん達とのコミュニケーションをバトンタッチ。「今回の生徒さん達のワークショップは、今後ロゴを作る上で、大変参考になる大切な作業です」とお話しを始めた青沼さん。

そして、数名の生徒が自分たちの選んだ「色」の理由を発表してくれました。

同じ8月で、ひまわりの黄色のイメージが多い中、暑い季節で「赤」を選ぶ生徒もいれば、空の「青」を選ぶ生徒もいます。

9月、10月が「グレー」になっていくと発表した生徒に理由を尋ねます。「大人だと凝り固まった色をイメージしがちですが、皆さんはいろんな発想があって、聞いててすごく面白いです」と生徒さんのイメージに感心する青沼さん。

青沼さんからの質問
青沼さんからの質問

氷を意味する水色、土を意味するベージュ

  • 6月の色を水色にした生徒さんは「雪が溶けて、空が青くなっていくので水色にしました」。
    「梅雨の時期で紫陽花が咲き始めるので、紫陽花の色にしました」と6月を紫色にした生徒さん。
     
  • 10月を黄緑色にした生徒さんは「10月は稲の色がついてくるので黄緑にしました」。
     
  • 一方、「10月は、草などが枯れ始めて茶色になっていくので茶色にしました」と語る生徒さん。
     

  • 12月を水色にした生徒さんは「雪が降り始める時に、凍りついているところがたまにあって。その氷を意味して水色にしました」。
     
  • 3月をベージュにした生徒さんは「雪が溶け始めて、土とかが出てくるかなって思ったので」と個性豊かに発表する生徒さん達です。
    北竜町の厳しい冬の「氷」の透明感。雪解けとともに現れる「土」の温かさ。
     

それは、北竜町で暮らし、肌で感じているからこそ選べる、解像度の高い「色」。子どもたちの純粋な感性が、故郷の風景を鮮やかに切り取っていました。

イメージカラーを描いて。。。
イメージカラーを描いて。。。
自分のイメージを伝える生徒さん
自分のイメージを伝える生徒さん
心一つに北竜町の未来への思いを込めて。。。
心一つに北竜町の未来への思いを込めて。。。

町全体の「想い」を集めて、未来のロゴへ

皆さんと新しいロゴの色を作っていきます:山上直人さん

山上直人さんは、最後にこう締めくくりました。「皆さんと、北竜町に関わるすべての皆さん、そしてお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんの色を合わせて、最後に新しいロゴの色を作っていきます。12月頃に発表予定なので、ぜひ楽しみにしてください」。

子どもたちに感謝:高橋克嘉 総合政策官

高橋総合政策官も、子どもたちに感謝を伝えます。

高橋総合政策官の感謝のメッセージ
高橋総合政策官の感謝のメッセージ

「それぞれの思いが色に詰まっていて、とても面白かったです。デザインって奥が深いな、自分の想いを形にするって面白いなと感じたと思います。

今回の企画は、ただ絵に描くというものではなくて、みんなで北竜町の魅力を見つけて、その魅力を未来の形とすること、ひまわりの花びらのように、一人一人の個性や想いが集まって、北竜町という大きな花を咲かせるというのが、皆さんの作品がその代一歩になると思います。

今日の経験から、日頃感じたことや自分の想いを言葉やデザインとして表現すること挑戦してくれたら嬉しいなと思っています。町では今、皆さんがいろんなことを体験できる機会やチャレンジできる機会を作っています。

今回の経験が、少しでも自分の町を誇れる力になってくれたら嬉しいです。皆さん、今日は本当にありがとうございました」と感謝のメッセージを伝える高橋総合政策官。

一人ひとりの「個性」と「思いやり」。子どもたちから集まった多様な「色」は、町全体から集まるたくさんの「想い」と重なり合い、やがて北竜町の未来を象徴する、ただ一つの「和の心」のロゴとなって咲き誇るはずです。

みんなで描く北竜町の大きなひまわりの花を咲かせる想いを込めて!
みんなで描く北竜町の大きなひまわりの花を咲かせる想いを込めて!

町民一人一人の想いが集まって、心一つに和の心と思いやりの心を描いていく、唯一無二の北竜町の花を咲かせるひまわりロゴに、限りない愛と感謝と祈りを込めて。。。

北竜町の四季風景
北竜町の四季風景

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