豊湖に宿る祈り — 令和8年度 恵岱別ダム通水式

2026年5月7日(木)

5月1日(金)、晴れ渡る春の空のもと、令和8年度「北竜土地改良区 恵岱別ダム通水式」が厳粛に執り行われました。明治の開拓の志と13年の歳月をかけて完成したダムは、今年も深川大國神社・大西康太 宮司の奉納献笛と祝詞に見守られ、町内約2,300haの農耕地へと清らかな雪解け水を送り出します。「天と地と水」への感謝と今秋の豊穣を祈る、北竜の農の魂が息づく厳かな一日。

豊湖に宿る祈り — 令和8年度 恵岱別ダム通水式

恵岱別ダムとは

5月1日(金)、晴れ渡る春の青空のもと、令和8年度 北竜土地改良区 恵岱別ダム通水式(深瀬純一 理事長)が、厳粛に執り行われました。

恵岱別ダムは、雪解け水や雨水をたくわえ、農耕期間中(5月〜10月)、町内約2,300haの農耕地に農業用水を供給します。水稲栽培に必要な水を存分に供給するとともに、治水により各種施設の災害を防ぐことを目的として建設されました。

開拓の志から生まれた、13年の大事業

その歴史は、明治26年(1893年)、吉植庄一郎ほか20人が昼なお暗い密林を切り拓いた開拓の始まりまでさかのぼります。明治44年(1911年)には恵岱別用水組合が設立され、開田1,000haを目標に水利権を獲得。大正6年(1917年)には土功組合の認可が下り、流域一帯に豊かな穀倉地帯が形成されていきました。

しかし水田開発が当初の予想を大きく超え、源流量の減少とともに年々深刻な水不足に悩まされ続けます。この行き詰まりを打開する唯一の方策として立案されたのが、恵岱別ダムの建設でした。昭和28年度(1953年度)に着工、その後13年の歳月と莫大な国費を費やし、昭和42年度(1967年度)に完成。先人たちの熱意と英知が結実した、北竜農業の礎です。

満々と水を讃える恵岱別ダム
満々と水を讃える恵岱別ダム
田畑へ流れ込むダムの雪解け水
田畑へ流れ込むダムの雪解け水

令和8年度 通水式 — 式の流れ

冬の祠が開かれる朝

通水式には、深い雪に閉ざされていた祠が開かれ、お供え物として御米、塩、酒、魚、野菜、果物、お菓子などが献上されます。今年一年の豊作と安全を祈願する、厳かな瞬間です。

お供物
お供物

総合司会は、北竜土地改良区 総務課の香川翔太 係長が務め、式は静かに、丁寧に進められました。

司会進行は北竜土地改良区 総務課の香川翔太 係長
司会進行は北竜土地改良区 総務課の香川翔太 係長

深川大國神社 大西康太宮司による奉納献笛・祝詞

深川大國神社(深川市一己町)の大西康太 宮司様より、奉納献笛、そして祝詞が厳かに奏上されました。風と山と水だけが響く恵岱別ダムに、笛の音が清らかに満ちていきます。

ダムの通水式は、自然の恵みに感謝し、神様に安全と豊作を委ねる日本古来の魂が宿る尊い儀式。

宮司様の祝詞には、水の神様への感謝、送り出した水が田畑を潤し米や作物が豊かに実り、地域の人々が豊かに暮らせる幸せ、無水害の穏やかなるダムの存在などなど、神様への感謝と祈りが込められています。

大西康太 宮司様の奉納献笛
大西康太 宮司様の奉納献笛
お祓い
お祓い
祝詞奏上
祝詞奏上

玉串奉奠

北竜土地改良区・深瀬純一 理事長、佐々木康宏 町長をはじめ、参列者の方々による玉串奉奠が行われました。

玉串奉奠
玉串奉奠
玉串奉奠
玉串奉奠
  • 北竜土地改良区 理事長 深瀬純一 様
  • 北竜町長 佐々木康宏 様
  • きたそらち農業協同組合 北竜地区代表理事 永井稔 様
  • 北竜土地改良区 理事長代理 白岡直樹 様
  • 総括監事 岩倉祥隆 様
  • 管理委員長 平林和美 様
  • 理事 斎藤克司 様
  • 理事 渡辺恵一 様
  • 理事 志部谷悟 様
  • 監事 西野友也 様
  • 恵岱別ダム 管理主任技術者 岡部秀文 様
  • 管理責任者 藤井洋人 様

深瀬純一 理事長 ご挨拶

深瀬純一 理事長 ご挨拶
深瀬純一 理事長 ご挨拶

「本日は、令和8年度 土地改良区「恵岱別ダム通水式」にご参列いただき誠にありがとうございます。ただいま、大西宮司により、式を滞りなく終了していただきありがとうございました。また公務ご多忙の中、佐々木 町長、JAより永井 地区代表理事、町より集落支援員・寺内ご夫妻にご参列いただき、誠にありがとうございます。

本年度は積雪が少ない年で、水位が1mほど少なかったのではないかと思います。ある水で使うしか方法はないのではないかと思います。あとは良い天気を待つのが今年の課題だと思っております。

この道中もほぼ田畑の耕起も終わり、今日から水を田んぼに入れている方もいます。この水が、この秋の出来高につながるということで大事だと思います。水を心配する農家の方もいると思いますが、土地改良区の職員が毎日見にきてくれているので、あまり気にしないで、いつも通りの仕事をやっていただければと思っております。

そして何より『天と地と水』のお言葉にあるように、本当にこのダムの水が大事だと思っております。最後に、ご参加の皆さんのご健勝を、無災害の一年をご祈念申し上げて挨拶に返させていただきます。本日はありがとうございます」と深瀬理事長のご挨拶でした。

記念碑「豊湖」が語る、先人の魂

ダムのほとりに建つ記念碑。碑石に刻まれた「豊湖」の文字は、元自治大臣兼国家公安委員長・衆議院議員 篠田弘作 氏の揮毫によるものです。台は白御影石、碑は黒御影石。

先人の魂に浸る佐々木町長
先人の魂に浸る佐々木町長
記念碑「豊湖」
記念碑「豊湖」

碑文(土地改良区 松原作造 理事長)

北竜地区の開拓は、明治26年(1893年)、吉植庄一郎ほか20人が昼なお暗い密林を伐開して畑作にいそしんだことに始まる。明治44年協議の結果 恵岱別 用水組合を設立開田 1,000 ha を目標に 水利権 2,145 ㎥/sec を獲得造田に着手した。大正6年に土功組合の認可があり、流域一帯に豊かな穀倉地帯をつくり上げた。しかし、水田開発が当初の予想を遙かに越え、また奥地の開発によって源流量減少、年々極度の用水不足に悩まされ続けてきた。この行詰りを打開しさらに開田をすすめる唯一の方策として立案されたのが本ダムの建設で、昭和28年着工。その後13年の歳月と莫大な国費を費して、ここに完成を見たものである。もちろん、この大事業完成のかげには、地域住民の熱意と先覚者の指導鞭撻と、当局の理解が、渾然として存在したことを忘れてはならない。われわれは、それらの人びとと直接この難工事を担当された技術関係各位に感謝の微意を表するため、この記念碑を建立する。
昭和42年9月8日 土地改良区理事長 松原作造

賛辞(北竜町 森正一 町長)

賛辞
賛辞

宿願のダムここに成る。今に見るこの偉容。やがて知る無限の恩恵。洪水を整え美田を潤し、町民に豊かな憩いを与える悠久たる希望の象徴。われわれは、これを「豊湖」と称し讃えたい。多年に亘る関係各位の熱意と努力に満腔の謝意を捧げつつ、われらはこの偉業完成に応え結束協力一致団結し、本町発展に最善を尽さんことを誓いたい。
昭和42年9月8日 北竜町長 森正一

水利使用標識

水利使用標識
水利使用標識

水利使用標識

河川名       :一級河川石狩川水系恵岱別川
許可年月日・許可番号:平成29年8月22日 北開局建行第211号
許可期限      :平成39年3月31日
許可権者名     :農林水産大臣
水利使用者名    :北海道開発局長
水利使用の目的   :かんがい用

取水量:
苗代期 5月 1日から 5月10日まで 3.171m3/s
代掻期 5月11日から 5月25日まで 4.542m3/s
普通期 5月26日から 6月30日まで 3.399m3/s
深水期 7月 1日から 7月10日まで 4.847m3/s
普通期 7月11日から 8月31日まで 3.399m3/s

かんがい期総取水量:21,390千m3
取水施設管理者名 :雨竜郡北竜町字和11-1 北竜町
所轄事務所名   :北海道開発局札幌開発建設部(011-611-0328)

龍神様と豊湖への祈り

清らかな水、肥沃な土地を見守る偉大なる水の神「龍神様」に、今年の安全と豊穣を心より祈念いたします。

雪解けの清らかな水を湛え、町全体の田畑に注ぎ込む偉大なる恵岱別ダムに、限りない愛と感謝と祈りをこめて。。。

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