〒078-2513 北海道雨竜郡北竜町字三谷
(2015年10月1日現在)
町内会名 |
三谷町内会(みたに)
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戸数 / 人口 |
65戸 / 191名 |
高齢者数 / 高齢化率 |
88名 / 46%
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班数 |
10班
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昔、北竜町は24区に分かれていました。その時代から今回の合併を含めて、三谷地区は大きな3回の合併を行いました。今回の合併は、4町内会(19区、瑞穂、恵岱別、三谷)が合併して三谷町内会となりました。
合併のきっかけは、「集会所のトイレ改築」です。
集会所のトイレが古くなったので水洗にするという話が持ち上り、この話を町に持ち込んだところ、「合併市町村に対する補助金が道より交付される」という話。そこで、現役の町内会長が集まって「合併の検討委員会」が発足。各町内会から3名を選考委員会の役員に任命し話し合いが行われました。
最初から、様々な問題が浮上し、反対意見が多数出現。ひとつひとつの意見に対し、丁寧に対応し解決。
今回の合併では、難問が最初に一気に出て、早い段階で解決できたことが、合併成立の鍵となったと思います。難問は時間が立てば立つほど、難解になりクリアできなくなります。
また、新設される施設で快適な利用が可能になるなど、良い点をアピールして説得したり、反対する人に対しては、「反対するのはいいが、ただ反対ではダメ(嫌だから反対ではダメ)。反対する以上は、反対する事柄に対する前進的な代案を出してください」と発言してきました。
今回の合併によって、一番よかったことは、いままで各町内会に存在していた「老人クラブ・女性部・地鎮祭」などがひとつになったことです。実はいままでの数多くの合併で、一番難しいポイントが「ひとつになること」です。
今年11月には、今回の合併により、三谷のコミュニティーセンターが新設されます。新しい施設で、気持よく楽しく町内会の活動が活発に行われることを願っています」という山下会長のお言葉です。
▶ 1.荒井勇貴さん(32歳)
深川市の拓殖大学北海道短期大学 農業分野を学び、卒業後 20歳から父親を継ぎ、農業に従事。
現在は、水稲とそばを栽培。
「水稲の田んぼを増やしたばかり。農地も農機も分かれて存在するので、作業がしづらいことも多々あります。
毎年、様々なことを調整しながら作業しています。農業をやっている同級生の仲間も数人います。
将来は農業法人化も考慮していかなければとも考えています」と荒井勇貴さん。
▶ 2.三谷町内会で頑張っている若者・西野友也さん(31歳)
西野友也さんは、札幌の専門学校(大原簿記専門学校)を卒業後、
20歳から30歳までの10年間を札幌で、建築関係の会社、トヨタの工場、福祉関係の仕事などに従事。
農業を継ぐ決意をしたのは、30歳になってから。
福祉関係の仕事で知り合った奥様と去年結婚。
北竜町で両親の農家を継いで、農業で生きていくことを決意。奥様は、社会福祉士として、北空知障害者支援センターに勤務されています。
「農業に関してはわからないことばかり。見たり聞いたり、実践しながら身体に叩き込んでいます。自分なりに勉強しながら、試行錯誤の連続です。これからは、美味しいお米をたくさん作っていくことを目標にしています」と西野さん。
三谷町内会の風景
・2015年9月1日・山下会長よりお話しを伺いました。
▶ 経過
・2013年暮:合併検討委員会設立
・2014年秋:合併を発表
・2015年1月1日:合併
・2015年10月中:新三谷コミュニティセンター建設
▶ 合併を重ねてきた三谷町内会
・以前、北竜町は24区に区分けされていた
・区分けの合併:当時三谷地区は、21区と22区の2つに分かれていて、集会所も2つあった。合併により21区となる
町より、区名にそれぞれ名前をつけるように指導あり。21区は、三谷農場があったことから三谷と決定
・恵岱別川向いの雨竜地区と合併する
・北竜町ペンケの町内会との合併
・竜西と恵岱別の合併
・2015年の合併:4町内会の合併(19区、瑞穂、恵岱別、三谷)
▶ 今回の合併のきっかけ
・合併のきっかけは「三谷集会所のトイレ改築」の話から
・集会所のトイレが古くなったので水洗にするという話が持ち上がった
・この話を町に持ち込んだところ、「合併市町村に対する補助金が道より交付される」という
▶ 合併検討委員会の設立
・そこで、現役の町内会長が集まって「合併の検討委員会」が発足
・合併がいいか悪いか、どういうものかを検討する目的
・各町内会から3名が参加し選考委員会の役員に任命することとなった
▶ 最初の会合での話題
・合併とはひとつ屋根の下に住む家族のようなもの。全てのグループを合併しよう
今までの合併では、婦人部、地鎮祭、老人クラブは、合併前の町内組織のまま維持しているが今回は、
それぞれ全てがひとつになろう
・合併すると集会所が道からの補助金で建設できる
▶ どこに集会所を建てるか
・19区の集会所は漏電で全焼した
・瑞穂集会所は土地が借り物
・三谷集会所の場所に建設してもよい
しかし、
・何で町が近いのに、わざわざ遠くの集会所に行かなければならないのか?
→ 今は車の時代。昔は選挙のときに町内会に投票箱を持ってきたが、今は皆公民館に行く。
それに町内会の堺の人は公民館に行くのも三谷集会所へいくのも距離は変わらない
→ それもそうだな
三谷集会所を壊して新築することが合意された。
三谷地区コミュニティセンター(2015年10月竣工予定)
▶ それまでそれぞれ4つあったものが1つになった
・婦人部、老人クラブ、地鎮祭
▶ 地鎮碑の撤去は町に負担してもらった
・合併すると町の負担も減るので、撤去費用を町が負担してくれるように要請、町が負担
▶ 金比羅宮
・合併後の町内会は金毘羅宮の氏子となった
・三谷地区の開拓には、四国から入ってきた人々が多かった
・金比羅公園のお堂は北空知では最も大きい
・以前は全町的な位置づけで、氏子が全町にいた
・その後、19区、瑞穂、三谷の町内会が氏子になった(規約として制定された)
・そして、今回、恵岱別町内会(旧竜西を含む)が合併することになった
・金毘羅宮の氏子は、合併前と同様に別々のままでも不思議はなかった
・合併前の恵岱別町内会に、氏子になることを打診したところ受諾
・合併前の恵岱別町内会に、金毘羅宮の役員がいる
▶神社
・恵岱別には恵岱別神社があった
・三谷、19区、瑞穂は真竜神社
・それぞれ宗派が異なる
・真竜神社に合祀するために、山下さんは、初代会長として両神社の間に入って問題解決にあたった
・19区の地鎮宮の横に「水稲発祥の地」の碑があった(北竜町で最初に水稲を作ったのは三谷地区)
・水稲発祥の御参りをする神主さんは、恵岱別神社を担当する神主さんだった
・19区の地鎮祭は、恵岱別神社の神主さんが御参りしていた
・三谷は今まで神主さんに御参りを頼んでいなかった
・今後は、19区の「水稲発祥の地」の碑を三谷集会所の敷地内に持ってくる
・それぞれの町内会毎にしていた地鎮祭もひとつにし、地鎮宮を新たに「水稲発祥の地」の碑の横に設置する
・「水稲発祥の地」と地鎮祭の御参りは、今まで通り恵岱別神社を担当する神主さんにお願いすることを条件に、
恵岱別神社を真竜神社に合祀することの合意を得た
・真竜神社側も合意
新設した「水稲発祥に地」の碑と、ひとつになった「地鎮宮」の碑
▶ 北海道新四国八十八ヶ所三谷霊場(大師堂)
・始めは北竜町の信者だけだった
・合併に伴い、三谷町内会が責任を持って管理することとなった
・旧恵岱別町内会の皆さんも、北海道新四国八十八ヶ所三谷霊場の役員になってくれている
▶ 三谷老人クラブ
・北竜町内の老人クラブでは、最も人数が多くなった。参加率も髙い
▶ 御神幸
・三谷集会所が建設中で使えないので、今年の御神幸は恵岱別の「都市と農村の交流センター」で行う
▶ お祝い等の酒の集会はサンフラワーパーク北竜温泉を使う
・新年会など酒の席で、参加人数の多い全町内会の集会などの行事はサンフラワーパーク北竜温泉を使う
・サンフラワーパーク北竜温泉を使うと、バスで一戸一戸の前まで送迎をしてくれる
・酒の席に折角新しくなったコミセンを使いたいという声もあったが、コミセンから遠い住民は帰宅が大変であり、
サンフラワーパーク北竜温泉を使うことが一番良いということになった
▶ 新しいコミュニティセンターは10月中に引き渡し
▶ 検討委員会による合併について
・検討委員会の委員長は、小松正美氏(北竜町議会議員)
・山下さんは、相談役としていろいろな問題解決についてアドバイスをしてきた
・合併は時間がかかるとできない
・一気にやらないと実現しない
・まとまりそうになったときに、新たな問題が出てくると、まとまるものもまとまらなくなる
・先に2015年1月1日に合併することを検討委員会で決め、宣言した
・2015年の新年会を止め、合併祝賀会をすることを決めた
・短い時間に多くのゴタゴタが一挙に出たのがよかった
(神社が違うから入らない、金毘羅宮に入れられるからいやだ、北海道新四国八十八ヶ所三谷霊場に
入れられるからいやだ、など)
・検討委員会のメンバー構成は、各町内会を代表する三役(会長、総務、会計)
・検討委員会で決定したことを、各町内会に報告する。町内会を代表する三役が出席した会議で決定されたことは、
各町内会で尊重される
・ある町内会が「2年ほど待ってくれ」と言ってきた
→ 「いいよ、ただし2年後に入ってくるときはタダで入ってくるつもりではないよね」と確認。
「どうして?」と聞かれて、
「我々が合併して苦労した後に、スッと入ってくるのならお土産ぐらい持ってこなければどうにもならん」
と応える
「誰だって1年くらい待って、出来上がったところに入る。楽だから」
「町内会員ひとり頭◯万円くらい持ってこれないなら、一緒に頭悩ませて苦労して、合併しましょう」
「厳しいことを言うな。それもそうだ」と納得。
・合併前の町内会の大先輩の方から「施設なんかいらない、合併は反対」という人がいた
→ 「残りの人生、きれいで温かい集会所で、水洗のトイレを使えて、しかもお金を払わないのならいいではないか」
「それもそうだな」と納得
・反対する人に対して
→ 「反対するのはいいが、ただ反対ではダメ。嫌だから反対ではダメ。反対する以上は、反対する事柄に対する
前進的な代案を出してください」
「俺に聞かれてもわかるか。反対だ」では前に進まない
若い人は大先輩から言われると萎縮しがちなので、中先輩が大先輩へ説明する
・今回は、険悪なことにはならなかった
・時間がかかって前に進まない場合は、一度組織を解散して白紙に戻した方が良い
・熱が冷め、その後再度、将来が不安になってきたとき、メンバーを変えて、再度検討委員会を設置して検討を開始する
▶ 班長(10班)
・合併前と同じ数の班長
・歩いて班内の家庭をまわらなければいけない
・年配の班長のときは、範囲が広いとまわりきれない
・班長の任期は1年
▶ 役員・事業予算の決定方法
・役員の任期は1年、但し再任を妨げない
・翌年度からの班長が「選考委員」となり、前年度の暮れに新役員を決定することが、各旧町内会で承認された
・選考委員には絶対の権限を与えている。決定したことは最大に尊重されることが大前提
・婦人部、老人クラブ、神社、金毘羅宮、北海道新四国八十八ヶ所三谷霊場の役員全てを決める
・総会で決定方法を決めている
・行事、予算も、班長による「検討委員会」が決定する
▶ もしかすると町内会の長さ(距離)が日本一かもしれない
・旧19区の東端(和の交差点近く)から町の西端(留萌市との境界線)まで、直線距離で約28.6kmある
▶ コミセンの使い方
・町内会の皆で使ってもらいたいので、文句がでそうなことを事前につぶしておく
・会長の意見として「おばあちゃん2〜3人でも使って良い、電気料・燃料代などは不要」と日頃から言っている
・すると、様々な集まりで「2〜3人で使ってもいいと、会長が言っている」と口コミで町内に広まっていく
▶ 合併効果
・合併前の4つの町内会の老人クラブの会員数の合計より、合併後の老人クラブの会員数が多い
・新たに老人クラブに入会してきている
・年に3〜4回開催される「お楽しみ会」の参加率が髙い
・酒の席ではサンフラワーパーク北竜温泉を使う。温泉のバスが三谷町内会を巡回して一戸一戸送迎してくれる
▶ これから
・将来的には、三谷コミュニティセンターの管理が負担になっていくだろう
・町内会の若い人たちには、頑張ってもらいたい
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<特集記事> 農薬節減米「ひまわりライス」を支える農機具「無人ヘリコプター」の技能研修(2015年2月12日)
2月4日(水)、北竜町三谷地区にて、ヤンマーによる産業用無人ヘリコプターのオペレーター技能研修が開催されました。
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<町内会> 恵岱別町内会(えたいべつちょうないかい)(2014年2月)
恵岱別町内会長・佐藤健一さんにお話を伺いました(2014年2月)。
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<特集記事> ひまわりすいかの徹底した品質管理システム「巡回糖度検査」(2011年6月17日)
抜けるような青空が広がる中、北竜町ひまわりすいか部会で、毎週行われる巡回糖度検査の初回が行われました。
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<特集記事> 北海道新四国八十八ヶ所三谷霊場御山開き@北竜町金比羅公園(2010年5月16日)
北海道新四国八十八ヶ所三谷霊場御山開き式典が北竜町の金比羅公園で催されました。
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◆ 関連ページ
・北竜町の町内会・紹介ページ
◇ 撮影・編集=寺内昇 取材・文=寺内郁子
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