恵岱別町内会長・佐藤健一さんにお話を伺いました(2014年2月)。
・恵岱別町内会は、現在13戸で2班に分かれています(6戸と7戸)
・平成12年(1990年)の農協合併へ向けて平成10年(1998年)頃から農家の高齢化と経営不振のため農家が離散。恵岱別町内会では、田んぼが45町減となりました
・平成17年(2005年)には、竜西町内会の人口が減少したため、恵岱別町内会と合併しました
・町内会の各家庭は全戸自家用車をもっているので、今のところ買い物に出かけることができています
▶ 町内会行事
・今年、瑞穂町内会、三谷町内会、19区地区町内会の合併が予定されています。恵岱別町内会にも参加の打診がありました。町内会で話し合った結果、町内会館が遠くなること、恵岱別神社を守っていくことなどもあるので、恵岱別町内会は合併に参加しないこととなりました。
① 町内会の会館(都市と農村交流センター)の管理
屋根の雪下ろし、草取り、 会館の掃除(女性部員)を行っています。
② 忘年会・新年会
新年会は以前行われていましたが、高齢のため参加者が減り、忘年会のみ開催されています。
③ 神社関係行事
地鎮祭、秋季大祭等各神社行事は行われています。
④ 町民体育祭
テントを立てる人数を確保できない程参加者が減少しています。
▶町内会で困っていること
・街灯が無いので、夜道は真っ暗。危険ですし防犯上も好ましくない環境にあります。過去に、ライスセンターの灯油の盗難が発生しました。現在は、灯油を抜いているので被害はありません
・農作業者の高齢化により、春の田植え時期の人手の確保が年々困難になってきています
▶自主防災組織の取り組みが進められています
・自主防災組織は地域住民が自分たちの地域は自分で守るという自覚や連帯感に基づき、自主的に結成する組織です
・まずは、4町内会(西川・恵岱別・桜岡・碧水地区)で試験的に行い、全町内会で取り組みをすすめていきます
・避難場所や組織的な避難方法を検討し、ダムの決壊があった場合の対応策を準備しておきます
・自主防災活動の取り組み事例としては、① 防災マップの作成 ② 災害図上訓練(DIG)の実施 ③ 防災ウォーキングの実施 ④ 災害時の炊き出し訓練、講習会実施などをしています
▶これからの町内会の姿
町の基幹産業は農業です。5年後には大きく状況は変化していると思います。TPP問題、農業政策の見直し、減反政策がなくなった場合の経営など問題は山積みです。
国で考えることは全国一律なので、北海道など地域の特性にはマッチしない農業政策も多いと思います。例えば本州では、農地は財産との意識が強いようで、貸し借りはあっても、なかなか売買にはいたりません。
しかし、北海道では貸借より売買が多い。
国の制度には、貸借を対象とした助成金制度はありますが、北海道で見られる売買に対する助成金制度はありません。
5年後、10年後の日本の農業、そして町の農業の大きな変化をじっくりと考えた上で、一歩ずつ確実に進んでいければと考えています。
▶佐藤健一さんの農業
・田んぼ19町、畑(大豆)3町
・去年蕎麦栽培、今年は大豆栽培。
去年までメロンを栽培していましたが、体力的にきつくなってきたので今年から辞めることにしました
・佐藤さん自身、今年65歳を迎え農業を引退する予定。経営は、後継者である息子さんに移譲されます
▶農業委員会 委員長に就任中
・平成17年から4期(1期3年)12年間就任(任期今年7月まで)
・農業者の代表機関であり、国と農業者をつなぐ架け橋の役目を果たす農業委員会の委員長を12年間も努めていらっしゃる佐藤さんです。
▷ 職務:
・町の行政組織で農地法のにも続き業務を実施
・農地移動の仲介、農地売買、農地斡旋業務など農地利用関係の調整を行う
▷ 委員:10名
・平成17年の行政改革で13名から10名に減)
・公選委員が6名
・団体委員4名(農協、共済、土地改良区、議会から各1名選出)
・議会からは、議員でない場合は議会の推薦があるものとする
▷ 公選委員の選挙権:
・60日以上農業に従事し、あるいは手伝っている人
(父、母、息子など)
・20歳以上で、農業経営者の身内の人
・毎年1月1日に農業委員会組合員名簿に本人が申請し登載する
▷ 委員の任期:3年
▷ 全国農業委員会会長大会:
・毎年5月に日比谷公会堂で開催されています
・全国から農業員会関係者約2千人が出席し、様々な要請を決議。
※ その他の役員:北空知農業委員会連絡協議会 副会長、空知農業連絡協議会 役員など
▶ 奥様の美根子さん
奥様の美根子さんは、北空知管内女性農業者グループ「きらる」に参加し、積極的に学び、活動されています。冬期間は、北竜町の大豆加工研究会のメンバーの方々と一緒に、
北竜町加工センター食農工房・パルムでお豆腐・味噌作りに励んでいらっしゃいます。
▶ 深瀬友博さん(38歳)美利さん(38歳)さんご夫妻のお話
佐藤町内会長から「町内で頑張っている若者」を紹介していただき、深瀬友博さんにお話を伺いました。
恵岱別で農業を営む深瀬友博さんは、北竜町出身。真竜小学校、北竜中学校、沼田高校を卒業後、親戚の家で1年間修行。その後ご両親の農家の手伝いをしながら、農閑期には大型トラック(ダンプ)の運転手として石炭運搬業務に就いていらっしゃいました。
▶ 高校の同級生である美利さんとの結婚、そして農業生活
深川出身の奥様の美利さんは、友博さんと高校時代の同級生。
8年前結婚し、現在5歳(長女)と2歳(長男)の二人の可愛いお子様に恵まれ、笑顔いっぱいのファミリーです。
美利さんに、農家の生活に対する感想をお聞きしたところ、
「農家の生活を知らなかったので、農家に嫁ぐことに、最初は抵抗がありました。
しかし『農家の手伝いは、出来る範囲でいいし、気負わずに、忙しい時だけ手伝ってくれればいいから。農閑期は好きなことをして、好きな所に出かけていいよ』という友博さんの優しい言葉に、気持ちが楽になりました」とにっこり。
▶ 好きで始めた農業は楽しい!
「好きではじめた農業です!
私は人に使われるのが好きではありません。
農業は、自分でしっかりと運営していけば、好きなように時間が作れます。
春と秋の作業は大変ですが、それ以外の時間は、自分の工夫次第で、自分の自由な時間を持つことができます。
若い頃に『農業は大変ですか』と聞かれたら、『大変です』と答えたかもしれません。
しかし、20年近くずっとやってきた今は、経験を積み重ねてきた『慣れ』もあり、『農業は大変だ』と感じることはありません。
両親から、農業を受け継ぎ、自分で経営するようになってから10年以上になります。
今は自分のペースで経営しています」ときっぱりと言い切る友博さん
▶ 農地22町の農業経営(稲作:19町、畑(豆):3町)
・稲作で一番神経を使う作業は「苗管理」。
苗の育成状況がその年の稲作全体を左右します。芽がしっかりと揃い、いかに根が張っていくかが勝負どころ。水やりの調整、ハウスの温度、湿度の微調整には細心の神経を配ります
・お米は「きらら397」「おぼろづき」「ななつぼし」「ゆめぴりか」の4品種を栽培しています
・稲の収穫は、各農家が単独で行うのではなく、営農組合による協同作業。コンバイン担当です
・お米の品種ごとに収穫適期が異なるので、品種によって刈り取りの時期が設定されます
・ライスセンターの稼働状況によっては、コンバインのライトを点灯し夜間に作業することも4~5日間あります。
▶ 安定した農業経営
・両親から引きけ継いだ農業を、毎年試行錯誤を繰り返しながら、自分なりのやり方で工夫しています
・反収は10俵程で、現段階では安定した経営となっています
・今後、農地の拡大を考えていますが、一人でやっていくのは、稲作20町くらいが限度かと思います
・農地が増えた分は、泥炭地を畑にするなど、条件の良い土地で稲作を行うことを考えています
・自然が相手の農業なので、人間がどんなに頑張っても自然を左右することはできません。いかに自然と向き合えるかが勝負となります
▶ 農業法人に関する考え方
・恵岱別地区でも3~4年前に、農業法人化の話も持ち上がり、勉強会や視察を行いました
・当時は、各農家ごと経営状況にバラ付きがあり、ひとつにまとまることは困難でした。また、各自の農業に対する考え方も異なっていたので、法人化までは至りませんでした
・小規模ではあっても、個人経営のほうが自由にやっていける気楽さがあります
▶ 後継者について
息子(2歳)に農業を引き継いでもらいたいという気持ちは正直ありません。将来、高齢化が進み、人口減少となっていく町での農業経営の難しさを感じています。 ただし、息子自身が、農業が好きでやりたいと言い出したら、そのときは、好きにさせたいと思います。
▶ 農閑期の過ごし方
・仕事:北竜町内の除雪・排雪業務(NPOひまわり)は8年目
冬期は除雪・排雪業務に就いています(通常朝5時から全車出動。降雪状況により、夜中の緊急出動もある)
▶ 個人的活動
・夏期:焼き肉パーティー
・冬期:スノーモービル
高校の時代からの趣味。町内はもとより、音江町・北見市・当別町など道内各地にも遠征しています
北竜町の仲間が集まって、休日に6~7台でツーリング。
午前10時から午後5時頃終了まで。スノーモービルの走行距離は1日で30km程。
スノーモービルグループ「HMK(碧水モービル組合)」に所属。
(「HMK」名前の変遷秘話:ブーツメーカー「HMK」を参考に「HMK:Hokuryu Mountain King」と命名 → その後「北竜モービルクラブ」と変わり → いつの間にか「碧水モービル組合」となり定着中)
除雪・排雪(NPOひまわり)、スノーモービル(HMK)
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「農業は、マイペースで楽しくやっています!」
素敵な笑顔で語ってくださった深瀬さん。
難しい農業経営の中で、自分なりの楽しさを見出し、
自分独自の農業を築いている深瀬ファミリーです。
物事の捉え方ひとつで、
困難を楽しさに変えていくことができる心の在り方。
これからの農業を担っていく若者たちの
新しい方向性に繋がっていくような
「すべてを楽しむ心」に、
大いなる愛と感謝と笑顔をこめて。。。
恵岱別町内会の風景・町道など(一部鴨井沢の写真は雨竜町)
恵岱別町内会の風景(GoogleMapと連動)
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<特集記事> 北竜土地改良区通水式 2013(恵岱別ダム)(2013年5月3日)
5月1日(水)、平成25年度北竜土地改良区通水式(金山信幸 理事長)が、15:30より、恵岱別(えたいべつ)ダムにて厳粛に執り行われました。
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<特集記事>北竜町土地改良区 断水式が執り行われました(2011年9月2日)
9月1日(木)、恵岱別ダム(北竜町)にて平成23年度(2011年度)「北竜土地改良区断水式」(土地改良区・金山信幸 理事長)が厳かに執り行われました。
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<特集記事>佐藤稔さん(田からもの・社長)農業技術の匠として有機栽培米を育てる(2011年6月8日)
稲作の中心的存在である「北竜ひまわりライス生産組合」の組合長・佐藤稔(さとうみのる)さん(56歳)にお話をお伺いすることができました。
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<特集記事> 北竜町民スキー大会&ゆきんこ祭り(北竜町営スキー場)が開催されました!(2011年2月11日)
時折、チラチラと雪が舞う中、お陽様も顔をのぞかせるスキー日和。たくさんの北竜町民・ご家族の皆さんが集い、盛り沢山のスキーイベントを思う存分楽しみました。
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<特集記事>除雪・排雪作業(NPOひまわり・北海道北竜町)(2011年1月28日)
雪深い季節の中、こうした除雪作業のお陰で、私達は雪道を車で走行することができるのです。毎日除雪車を目にする度に、感謝の気持ちでいっぱいになります。
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<特集記事> 北竜土地改良区断水式が執り行われました(2010年9月1日)
北竜土地改良区・金山信幸理事長のご挨拶、西野陽一町長をはじめ、ご来賓の方々の玉串奉納が厳粛に行われました。
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◆ 関連ページ
・北竜町の町内会・紹介ページ
◇ 撮影・編集=寺内昇 取材・文=寺内郁子 (撮影・取材:2014年2月)