2011年8月2日(火)
北竜町では、7月下旬、早朝4時を少し過ぎた頃、太陽が顔を出し始めます。日の出の明るさと共に、人々の作業が開始されます。
有機栽培トマトのビニールハウスでは、天井に届きそうなくらい、ぐんぐん伸びていく茎。収穫も出荷も最盛期を迎えています。 そして、これから気をつけなければいけなのが、病気。(有)ファームトゥモロウでは、トマト栽培において、病原菌予防の為に、納豆菌を使用しています。 「納豆菌は、それに含まれている酵素が病原菌を分解したり、抗菌物質を出すことによって、病原菌を寄せ付けない作用を持っているんですよ。病気になってしまったら、取り除くしかないので、病気にならないように予防することに最大の注意を払っています」と土居さん。 免疫力を高めて、丈夫で元気なトマト達が育つよう、土居さんの絶え間ぬ努力は続きます。 収穫は、早朝6時前から始められ、大玉、中玉、ミニトマトと選別されていきます。 選果場の小屋いっぱいに並ぶトマト達。 大玉の桃太郎は、規定外を含むと大きさで7種類にも分けられます。計量器は、乗せられたかごからひとつずつトマトを取り出す度に、音声で大きさを知らせてくれます。
それぞれの出荷先によって、数量もパッケージも異なり、貼られるシールも数種類。 熟成度を瞬間に判断しながら、選果したものを丁寧にパッキングしていきます。 収穫の最盛期には、この選果・パッキング作業が午後9時を過ぎても終わらないことがあるとのこと。収穫量の凄さを物語っています。 出荷先は、札幌市「ラルズ」「大丸」、埼玉県「ロビンソン」、東京都「東急ストア」「小田急」、大阪市「大丸」など全国各地へ出荷されます。すべての出荷先は、土居さんの営業努力で、自ら開拓されたものです。
ファームトゥモロウのトマトは、全品 有機JASマーク付き 左:有機栽培とまと 右:桃太郎とまと 健・康・菜・果 北海道北竜町産
今年3月から半年間、土居さんのトマトの有機栽培を見学させていただき、たくさんのお話をお伺いしました。 なかなか考えつかないアイデアの数々。。。例えば、次のようなものです。 ・有機栽培トマト栽培へのこだわり ・栽培・収穫、選果・パッキング、流通・販売までの一環作業による多品種・少量注文への対応 ・作業の合理化を他業種の形態からヒントを得て採用(ハウスの横からの苗搬入、ハウス支柱へのマーキング) ・シフト制労働、労働別賃金制の採用(働く人にとっては時間、労働の種類(賃金)が選択可能) ・経営の安定努力(多品種栽培による病害リスクの抑制) ・栽培の労働が期間を通じて過大や過小にならないように作物を選定(有機栽培トマト、有機栽培カボチャ、アスパラガス) ・適切な価格設定(子育て家庭の主婦や高齢者も、日常の食卓用に買うことのできるように、ちょっとだけ高い価格設定) ・営業努力(有機栽培を、企業経営に例えて表現し、スーパーなどの担当者にわかり易く説明する) ・出荷先別にブランドを創り、消費者にアピールできるシールを専用に作成 このようにファームトゥモロウでは6次産業(1次産業の農家が、2次産業の製造・加工、さらに第3次産業の流通・販売を行うこと:1次産業+2次産業+3次産業)に、時代に先駆けてチャレンジしていらっしゃいます。 その中で、「土居さん独自の深く考え抜かれた思考と行動に基づた栽培法や経営法の素晴らしさ」、さらに「農業以外の事例にヒントを得て、創意工夫のアイデアを考え出す積極的思考」、そして「常にアンテナを立てて、新しい情報をキャッチし、すぐに採用する実行力」、こうしたすべてに、なかなか真似のできない、土居さんならではの凄さ・強さが存在するように感じました。
燃えるような真っ赤なトマトに秘められた限りない生命力、 そこに注がれ続ける愛情と壮大なる想いに 無限の尊敬と感謝をこめて。。。
ファームトゥモロウの有機栽培トマト 2011 写真(73枚)はこちら
Youtube ファームトゥモロウ 2012(土居健一さん)3分45秒
◆(有)ファームトゥモロウ(代表取締役社長・土居健一)
◆ 参考・特集記事 ほか ・有機栽培トマトの収穫スタート@(有)ファームトゥモロウ(2011年6月22日)
・有機栽培トマト@(有)ファームトゥモロウ(社長・土居健一)(2010年6月9日)
◇ いくこ&のぼる |