2011年5月12日(木) 5月に入り、雨が続く毎日でしたが、久しぶりのいいお天気です。 ファームトゥモロウでは、3月の育苗のスタートから2か月が経過。一日一日と成長を重ねていく苗たちに驚きと感動の連続。トマトの成長に合わせて、大忙しの作業の毎日です。
トマトの可愛い黄色い花
◆マルチング: マルチシートで土を覆います。土の乾燥防止、雑草抑制、湿度調整機能、さらに定植前に地温を温めるなどの効果があります。 ◆脇芽(わきめ)かき: 主役となる株を健康に育てるために脇芽を取っていきます。脇芽を取ることによって、果実が大きくなり、日当たりや風通しも良くなります。 ◆定植(ていしょく): ポットから苗を取り出し、掘った穴に入れ、土をかぶせます。 ◆支柱立て : 枝の成長を支える誘引紐を吊るすための支柱を立てていきます。 ◆誘引(ゆういん): トマトは放っておくと地面を這うように成長するので、誘引して立ち木にします。支柱にワイヤーを渡して、麻ヒモを吊り下げ、トマトの茎にらせん状に巻きつけていきます。 お手伝いのアルバイトの皆さんは、ビニールハウス内で正座の姿勢で、脇芽かきや、定植の作業をテキパキと能率良く進めていました。 「あっという間に時間が過ぎます。お喋りをしながらの作業は、とても楽しいですよ」と皆さん和気あいあい。 アルバイトの皆さんの作業は、フレックスタイム制で、作業内容も選択することができます。そして、大変な作業は他の作業に比べて高い時間給が設定されています。 無理のない労働環境は、継続と作業能率を向上させる大事な要素だと思いました。 ◆ 創意工夫 お忙しい作業が続く中、土居健一さんにお話をお伺いすることができました。土居さんは、事業計画作成・経営・作業効率の向上などなど、常に色々な方向にアンテナを張り巡らし、情報収集を心がけていらっしゃいます。能率良く作業するための方法について、常に思考を巡らし、試行錯誤の繰り返し。 今回、多くのアイデアの一部である、作業効率アップの工夫について教えて戴きました。 ◆ 赤ペンキによるマーキング: ハウス内に支柱を立てるための目印として、ハウスを構成するパイプに、等間隔で赤ペンキでマークをつけておく方法。 それまでは、ハウスのパイプの本数を数えて、支柱を立てていましたが、間違った間隔で立ててしまうこともしばしばありました。それが、赤ペンキでマーキングしてからは一目で支柱を立てることができ、誰でも間違うことなく作業できて、時間と労力の節約が可能となりました。
◆ 定植時の苗の運搬方法: 一般的には、苗は一輪車などを使って、ハウスの正面入り口から、順に奥へと苗を運びます。 ところが、ファームトゥモロウでは、ハウスの横に苗をつんだ軽トラを横付けして、ハウスの横から中へと苗(15ポットづつ)をハウス内へ搬入していきます。その後、15ポットの苗は、ハウス内で放射状に、配置していくのです。 この運搬方法を取り入れることによって、人の動線も、作業時間も、従来の3分の1と大幅に削減することができました。 ◆ 環境に優しい「生分解マルチシート」、「光崩壊性マルチシート」を使用: 生分解マルチシートとは、土壌中の微生物によって分解されるフィルムをいいます。また、光崩壊性マルチシートは、原料に石灰が使用され、日光に当たった部分は徐々に光崩壊し、もろくなっていくフィルムです。 これらのマルチシートは、使用後、トマトの枝などと一緒に堆肥化することができることから、回収コストや廃棄処分コストがかからないという利点があるそうです。ただし、両マルチシート本体の価格は、通常のマルチシートより高価ですが、ファームトゥモロウではこのシートを採用しています。 次から次へと産み出されていく土居さんのアイデア!!!流石です。
土居さんの効率アップのための、小さいながら工夫にあふれたアイデアには、ただただ感動です。とはいえ一方では、手作業を大切にされていて、植物への愛情をたっぷりと注いていくことに妥協しない土居さんの熱い想いに感激しました。 「どんなに機械化しても、トマトの茎にヒモを丁寧にひとつひとつ結びつけていく手作業は、人間の感覚が一番なのです。トマトの様子は、人が接して初めてわかるものです」とお話くださった土居さんの熱いお言葉が私達の心に響きました。
作業をする人々への思いやりたっぷり、 植物への愛情たっぷり、 「王様のアイデア」ならぬ「土居様のアイデア」に たくさんの尊敬と感謝と拍手喝采をこめて。。。
◆ 参考・特集記事 ・トマトの黄色の花、可憐に花開く(2011年5月6日) ◇ いくこ&のぼる
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