2011年5月17日(火)
5月に入り、続く雨や暖かい日が入り混じった落ち着かない日々が続いています。ナチュラルファーム黄倉(おうくら)では、種籾処理、播種作業、育苗と稲達の成長を見守る大切な時期を迎えています。大変お忙しい作業の中、黄倉正泰さんにお話をお伺いすることができました。
◆ 農薬を使用しない種籾殺菌消毒 播種前に、種籾の消毒と発芽を促すための処理をします。方法は「温湯+食酢浸漬による種籾消毒による催芽時種籾処理法」。 ナチュラルファーム黄倉では、食酢を加えた温湯で処理することにより、農薬を使用せずに種籾の殺菌消毒を行っています。温湯に食酢を加えることによって、防除効果を高めることができます。手順は以下の通りです。 (1)温湯処理:種籾を60℃のお湯に10分間侵漬。 (2)11℃の水に8~10日間侵漬(この間、プラスマイナス1℃の温度調整管理をしていく) (3)30℃のお湯に1日(24時間)侵漬。このお湯に食酢を加える(食酢は殺菌効果をもたらし、イネの種子伝染性病害を防御する) こうして処理された種籾から白い小さな芽が1~2mm伸びてきたら、天日干しで乾かしていきます。
◆ 播種作業: 水分を含んでふっくらとした種籾を土の入った育苗ポットに2~3粒ずつ播き、さらに、土で覆います。土のサンドイッチです。
◆ 苗伏せ作業: 育苗ポットをハウス内に並べていきます。
◆ 育苗(保温・かん水): 出芽から1.5葉(葉が1枚半)になる時期までは、低温被害や高温被害を受けやすいので、温度調節をしっかり行い大切に育てていきます。発芽の初期は、保温の為、ビニール+アルミシートで二重に覆います(一週間ほどで白い芽がでて、日光に当たると緑色に成長していきます)。 次第に成長してきたら、枠付きのビニールシートを張ってトンネルのように覆います。 イネは、1.5葉期を過ぎると、胚乳から自根での成長に移行する時期となります。自分の根から水分を吸収し始める時期なので、逞しく成長するように、過保護にならないように気を配っていらっしゃるそうです。 育苗ハウス内では、ちょっとした温度変化で苗の根の発育に影響を及ぼします。 日の出とともにハウス内の温度はどんどん上昇。そこで、日中は換気調整、夜間は保温など、温度管理・水分調節に十分な注意が必要となります。育苗は、生まれたばかりのふっくらとしたイネの赤ちゃんが、すくすくと成長していく大切な大切な時期です。
◆ 有機肥料散布 5月12日(木)、訪れたこの日、圃場では、有機肥料+ボカシ肥料の散布が行われていました(魚かすを加える場合もあるそうです)。 黄倉正泰さん運転する肥料散布用のトラクターは、複数農家による共同利用。そこで、トラクターを使用する前に、有機栽培法に基づいて、高圧洗浄のジェット噴射で丁寧に洗浄されていました。 いよいよ、完熟のボカシ肥料たちの田んぼへの旅立ちです。トラクターが、甘酸っぱい香りを漂わせたボカシ肥料を、煙のように散布しながら、勇ましく圃場を駆け巡ります。
ぼかし堆肥(5月9日)
五穀豊穣、秋の黄金の豊かに実りを、心から祈りながら。。。 自然の恵み・大地のエネルギーをいっぱいに浴びて豊かに成長する、 命の源・お米さんに 大いなる愛と感謝と祈りをこめて。。。
◆ 参考・特集記事 ほか ・特別栽培米・おぼろづき(北海道北竜町産)の新米が満天☆青空レストランで紹介されました(2011年10月22日放映) ・スマートスーツ・ライト(北海道大学の田中孝之准教授と(株)スマートサポート(札幌市、鈴木善人社長)が開発)を、有機栽培米の草取りでモニター中(2011年7月21日) ◆ ナチュラルファーム黄倉(おうくら) ◇ いくこ&のぼる |