2011年4月11日(月) 大地一面を覆いつくしていた真っ白な雪たちは、春の温かな太陽の光を浴びて、ゆっくりと溶け始めています。尊い雪溶けの水が、息づく大地に栄養と豊かな恵みを与えてくださっているのです。 今年1年間私達は、有機栽培法でお米を育てていらっしゃる「ナチュラルファーム黄倉(おうくら)」さんを、取材させていただくことになりました。 「ナチュラルファーム黄倉」さんの皆さんは、去年2010年10月に取材させていただいた、北竜町農業協同組合8代組合長、及びJAきたそらち・前代表理事組合長・黄倉良二(おうくらりょうじ)さんのご家族です。 農法は、息子さんの正泰さん、奥さん・桂子さんご夫婦が引き継がれた自然農法によるものです。 黄倉正泰さんは、北海道大学農学部を卒業され、お父様の黄倉良二さんが1983年(昭和48年)から始められた自然農法水田を引き継がれました。 北竜町で25年間、ご家族の皆さん協力し合い、一体となって、大切に心をこめて、有機栽培米を栽培されていらっしゃいます。 雪深い2月@ナチュラルファーム黄倉・おうくら (北海道北竜町)撮影:2011年2月28日 黄倉正泰の特別栽培米「おぼろづき」 農薬の使用は除草剤1回・殺菌剤1回だけに限り、殺虫剤は一切使用していません。 化学肥料の使用量を大幅に削減して、有機質肥料を使用して栽培しました。 ─・─・─・─・─・─・─・─・─・─ お父様・黄倉良二さん、お母様・真佐子さん、 黄倉正泰さん、奥様・桂子さん、長男・大輔さん、長女・ゆきのさん ─・─・─・─・─・─・─・─・─・─ ◆2010年10月・秋起こし 去年10月、稲刈りが終わった後、秋起こし作業から、母なる大地の手入れがはじめられました。 秋起こしをすることで、土に空気をいれて、土を柔らかくします。空気が入ることによって、水田の地中深くに発生するオモダカ等、雑草の腐敗を促進する役目を果たします。 荒く田起こしが行われた田んぼは、およそ3カ月の間、深い雪に覆われます。そして、真っ白な雪のお布団で長い間冬眠した大地は、春の太陽のあたたかさで目を覚します。 太陽の恵み豊かな大地は、栄養たっぷりの雪溶け水をいっぱいに吸い込みながら、体調を整えていきます。 ◆ 参考・特集記事 ・有機栽培米の草取り@ナチュラルファーム黄倉(2011年7月10日) ・有機栽培米の田植え@ナチュラルファーム黄倉(2011年6月14日) 秋起こし(2010年10月) 雪も溶けてきた3月下旬 ◆2011年3月・堆肥・ボカシ肥料作り 今年3月に入り、雪溶けを待つ間、堆肥・ボカシ肥料作りが行われました。 ボカシ肥料とは、有機肥料を発酵させて肥効をボカシ(穏やかにした)たものをいいます。 ナチュラルファーム黄倉でのボカシの原料となる有機肥料は、大豆油かす、米ぬか、水を2:1:1の割合でブレンドしたものに、田んぼの土を少々混ぜ合わせてつくっていきます。 こうして作られたボカシは、ビニールハウスの中のあたたかい土の上で、1か月の間、じっくりと熟成していきます。 その間、肥料の温度調整をしながら、2週間置きに切り返し(混ぜ合わせる)作業を行っていきます。 ◆2011年4月・苗床の土の準備 4月11日、農場を訪れた日、雪溶けも進み、大地から春の息づかいが聞こえてきそうな、あたたかな日和。 ビニールハウスの中では、こんもりと小山に積み上げられた「ボカシ肥料」はネットで覆われ、発酵が促進。 発酵が進み熱を持ち、ゆっくり、じっくりと熟成が進んでいました。 そして、7棟のハウス内では,育苗のための床土(とこつち)の耕起が着々と進められています。 ハウスのビニールがけ、床土の耕起、地温調整、肥料作りなどなど、春を迎えた農家の仕事は、尽きることがありません。 ひとりではできないことも、ご家族皆さんで協力し合い、役割分担された手際良さは感動的で、実に素晴らしいものです。 余すところなく、時間が有効に利用されて、沢山の農作業をこなされています。 自然の恵み、大地の偉大なるパワーをしっかりと受けとり、 逞しく、元気に成長していく「ナチュラルファーム黄倉」のお米さんたちに 限りない感動と感謝と生命をこめて。。。 黄倉ファミリー 右:お父さん・正泰さん、中央:お母さん・桂子さん、左:長女・ゆきのさん @ナチュラルファーム黄倉・おうくら(北海道北竜町)
◆ 参考・特集記事 ほか ・特別栽培米・おぼろづき(北海道北竜町産)の新米が満天☆青空レストランで紹介されました(2011年10月22日放映) ・スマートスーツ・ライト(北海道大学の田中孝之准教授と(株)スマートサポート(札幌市、鈴木善人社長)が開発)を、有機栽培米の草取りでモニター中(2011年7月21日) ◆ ナチュラルファーム黄倉(おうくら) ◇ いくこ&のぼる |