2019年8月23日(金)
令和元年6月30日(日)午後6時30分より、北竜町役場2階会議室にて、第2回ひまわりの里基本計画策定委員会が、町民が自由に傍聴できる公開形式で開催されました。
委員会資料
▶ 北竜町・高橋利昌副町長のご挨拶、委員等紹介
開会にあたり、北竜町・高橋利昌副町長のご挨拶、そして、新規委員、関係者のご紹介がありました。
委員会の様子
▶ 今回新しく参加された関係者の方々のご紹介
・町内会長連絡協議会・谷本明 会長
・NPOひまわり・藤信清彦 施設担当者
・チームノースドラゴン・高田昌幸 代表
・北竜町議会 まちづくり等調査特別委員会・北島勝美 副委員長
▶ 今回オブザーバーとして同席された方々
・梅原デザイン事務所・大西町子 様
・地方独立行政法人 北海道立総合研究機構 建築研究本部 企画調整部 企画課・佐々木優二 様
オブザーバー:佐々木優二様(左)、大西町子様(右)
▶ 第1回委員会のまとめ
本題に入り前に、第1回ひまわりの里基本計画策定委員会における提案内容のまとめが、北竜町役場産業課・吉田浩幸 係長より紹介されました。
北竜町役場産業課・吉田浩幸 係長
▶ 新ひまわりの里展望台への希望や提案
・混雑や事故の防止のため、階段の付け方について上り下りを別々にしてほしい
・展望台は、ひまわりの里を望むために必須であり、新観光センターの屋上という案に賛成。カフェ併設については、冬期利用が多くないと思うので反対
・上り下りの階段を別にし、階段の幅もゆったりとり、展望スペースをもっと広くし、階上や階下にイスを置き、展望したり休憩できるようにしてはどうか
▶ ひまわり観光センターへの希望と提案
・観光センターも老朽化)世界のひまわりコーナーの方に建設し、その屋上を展望台するのはどうか
・建て直すのであれば、ただの箱物にするのではなく、ユニークな建物がいい(北海道で見た事のない建物)。また、使い勝手のいいもの、無駄のないものにするべき
・世界のひまわりの場所にて展望台を兼任した観光センターの建て替え(展望台へのエレベーターも設置)
▶ ひまわりの里を含ねた北竜町の通年を通しての来訪者の増加策(あかるい農法、物産、体験、ショップ、サービスなど)
・ひまわりの間を抜けるそり(滑り台)、ターザンロープでひまわりの上を移動する
・ひまわりを低い位置から見上げることのできるトンネルを作る等々。こうしたアトラクションが多ければ、子供連れを中心に滞在時間が長くなり、アイス・フルーツ・飲み物の販売量が増えると思われる
・ひまわり畑の上段部に外周の遊歩道が欲しい
・夜のひまわりライトアップ(明るすぎないもの・夜の滞在者が少ないというアンケート結果もあるので)
・「あぜ道を歩く」とか、「ひまわりの種まきや草取り」「ひまわりの刈り取り」などの 体験観光はどうか
・ふるさと納税で、返礼品を米やひまわり油にするのではなく、田んぼの一区画やひまわり畑の一区画のオーナーになり、返礼品はその区画から収穫できるお米やひまわり油を送る(豊作であれば例年よりも多く、不作であれば少しになってしまうというのも面白いかもしれない )
寄付した区画が収穫の時期を迎えたら、自ら収穫に来ても らうこともできるようにする。可能であれば苗や種を植えるところから参加してもらう。農業体験と絡めてもいい。ひまわりの時期以外に初めて北竜町を訪れた人は、 ひまわりの時期になれば間違いなく北竜町に遊びに来るから、ひまわり以外で訪れる きっかけを提供する
・いま本州で北海道に泊まりで農業体験したいという人が待機だけで2万人いるということを聞いたことがある。農業体験をさせてはどうか
・1日だけではなく長期滞在できるように。連泊なら宿泊費を安くするとか。家族何 人来ても10万円など、長期滞在させるための企画があってもいいのでは
▶ パブリックコメントによる提案内容
・ひまわり畑内(道路付近)に雨宿りや、日よけの場所が無いので、そのような施設が欲しい
・ひまわり畑の西部の山林に桜を植樹すれば、花見をする観光客が来るのでは
・ノンノの森の中にジンギスカンコーナーや焼き鳥コーナーがあると良い
・ひまわりの上から下へ移動するジップラインは良いと思う
・花火は規模は大きくないが工夫がなされており、評判が良いので続けて欲しい
・体験型の観光が人気を集めているので農業体験はビジネスチャンスだと思う。
・体験として、「北竜町のお米でご飯を炊く」「大豆を使って豆腐を作る」「ひまわりの花びらで染める」「カゴを作る」というのはどうか。また、冬に温泉に泊まるお客様 にも色々な体験ができると案内する
▶ その他(何でもアイデアを)
・北竜町公認の「明るい農法ファミリー(仮)」を創設して、ファミリーには名前入りチェックの名刺を持ってもらう(北竜町のファンであれば誰でもファミリ ーになれる)
ただ町の観光大使というと芸能人とかが務めているイメージがあるから、出張先などで「元気で健康なエネルギーを生み出す、北竜町の明るい農法ファミ リーです」と自慢しながら、名刺を配って北竜町をアピールしてもらう
・商品開発のデザインを考えている人、新しいビジネスをしたい人、会社を作りたい人、「何でもクリエイティブ・カフェ」の創設
・渋滞緩和のため)墓地線を拡げる、西川方面へ抜ける道路の新設
▶ 意見交換開始
鈴木輝隆 委員長の議事進行により委員会スタート。
鈴木輝隆 委員長(右)と梅原真 委員(左)
▶ 検討事項
▶ 新ひまわりの里全体の考え方・全体計画:ハード計画
・新展望台建設
・観光センター改修:雨漏り、会場内の証明設備改修など施設環境の改善
・ノンノの森整備:花木の植栽計画の検討
・観光案内所・協力金受付小屋:様々な機能の集約および分散の検討
・ひまわりの里・魅力アップ計画:周辺を含め、中長期計画の立案
▶ 新ひまわりの里全体の考え方・全体計画:ソフト計画
・ひまわりの里における魅力アップにより、来訪者の拡大をはかる
・ひまわりの里経営計画により、自立した経営から永続性のある経営を目指す
・ひまわりの里の情報発信により、ひまわりの里の魅力アップやPRの検討を行う
・ひまわりの里の名物料理や商品開発を検討する
・ひまわりの里の資源の発掘・工夫・活用により、四季を通したひまわりの里の活用方法を考えていく
▶ 現存展望台の改修デザイン
田口誉 委員(隈研吾都市設計事務所・ 主任技師)より説明がありました。
隈研吾都市設計事務所・田口誉 主任技師
既存展望を木材で補強し、展望台全体をギンガムチェックで形どる。
展望台全体をギンガムチェックの木で覆う
・ギンガムチェックを立体的にデザイン。単に補強ではなくてメッセージ性のある展望台をイメージ
・質問:展望台のどの部分の老朽化が激しいのですか?
・回答:木材は腐っていないので丈夫ですが、木材を連結する金具が錆びてきていて、そのままにしておくと展望台が崩れる恐れがあります
展望台の説明
▶ NPO明るい農法・竹林由美子 副代表理事
NPO明るい農法・竹林由美子 副代表理事(左)
・手作りギンガムチェックTシャツの販売を検討中
・Tシャツ名「明るいTシャツ」と命名
・ギンガムチェックバックは、町民がみんなで作れるような教室(講習会)を開催予定
・ひまわり油、米粉、おから等を使ったスイーツを試作中
・たいやき焼きおにぎりを試作中
ギンガムチェックバック
ひまわり油、米粉、おから等を使ったスイーツ
たいやき焼きおにぎり
試食中
▶ 梅原真 委員デザインのTシャツ
手作りギンガムチェックTシャツ
梅原真 委員(右)、谷垣雅之 委員(左)
▶ ギンガムチェック籠の値段に付け方についてのお話
・理由のある値段設定をしていく
・小さい籠を編むのに4時間以上かかる。1時間における最低賃金が、825円ほどなので、賃金的には3,300円の仕事として換算できる。突然、3,000円と言われても買わないが、時給で換算していくと、購入者は、3,000以上の籠として納得感がある
・販売するディスプレーについてのお話
・ニュースソースを上手く利用してアピールしていく
▶ 地方独立行政法人 北海道立総合研究機構 建築研究本部 企画調整部 企画課・佐々木優二 様
・ソフト面の対策は重要です。北竜町で進められているこのような取り組みは、全国的にみてもあまり行われていない、非常に珍しいケースです。魅力的なことを、ハード面とソフト面も揃えてやっていくことが重要です。その点において、ソフト面におけるTシャツや籠の販売は必要なことだと思います
海道立総合研究機構 建築研究本部 企画調整部 企画課 佐々木優二 様
▶ 谷垣雅之 委員(マルシェ株式会社・ 取締役会長)
おむすびコンテストについてのお話がありました。
谷垣雅之 委員(マルシェ株式会社 取締役会長)
▶ 町関係者意見
・観光客の方々に喜んでもらえるには、何をすればいいのか、どんなふうにやっていけばいいのかをみんなで考えることが大切。どのように受け入れる環境を変えていったらいいのかを考え、発展させていくにはどうしたらいいのか。そこで、北竜町でしか味わえないものを生み出して、観光客を呼び込んでいこうと思案中です
・まず観光センターへの訪問者のことを考え、そして、観光センターで働く人々のことを考えていく。観光客が、北竜町でしか見れないもの、食べれないもの、買えないものを考えていくには、どうしたらいいのか、どんなものを提供していけばいいのか、町民みんなで考えていかなければと思います
・いままでのように施設があればいいというのでは、これからの観光は成り立っていかないと思います。魅力的な町こそ観光の基本。魅力的な町づくりのプランについては、従来の地元の発想では限界にきています
・今後も、ひまわりを継続し残していきたいという想いがあります。人を呼べる町でなければ、商業や農業にしても難しい。その中で必要なことは、今までにない実行力だと思います
・プロの方々の頭脳をお借りして、その中で町民の様々な意見を取り入れながら、素晴らしいひまわりの里に発展していければと思っています
活発な意見交換
▶ ひまわりの里・マスタープラン説明:田口誉 委員
・既存の観光センターを改善して使っていくのか、新たな観光センターを作って、ひまわりの里をさらに魅力的なものにしていくかという2のプランがある。
ひまわりの里・マスタープランの説明
ひまわりの里の現状の問題点としては、観光センターとひまわりの里までの高低差があり、各エリアが分断されていること。建物を介して、観光客をひまわりの里まで導く必要があり、観光センターから展望台への動線を考えたいと思います。
分断されている各エリア
◎ 「さんさん商店街」のプランの提案
・外に開かれた賑わいと景色を融合させ一体的に計画する
観光センターと展望台のコンセプト
▶ 1.観光センター改修・横長配置案
・大階段広場イメージ。ノンノの森への抜け道とひまわり畑の一体感をもたせる
観光センター改修・横長配置案
田口誉 委員
◎ 観光センター新築・一体型案
・観光センターと展望台を一体にし、滞在時間を長くする
▶ 2.観光センター新築・中央配置型案
・中央に配置し、広がるビューのイメージ
観光センター新築・中央配置型-
田口誉 委員
会議の様子
▶ 3.ノンノの森と面した場所に一体型の建物を作るプラン
観光センター新築・一体型案
▶ 意見交換
・観光センターの建物の現状としては、屋上の防水工事を1年以内に改修する必要があるという状態が、5年前から続いている
北海道では、冬になると漏れた水が凍って膨張し部材を剥離させる。それがどんどんひどくなって、雨漏りどころか、ジャジャ漏れになっている状態です。今は、なんとか対処しようとしています。屋上の防水工事には、足場も組まなければならないし1千万円以上必要です。
以前、総合計画で観光センターの改築を掲げたときは3億円の費用がかかると積算されました。建物は、かつて竜巻の被害を受けていて、シャッターも閉まらない状態の中で、どうにかやっと現状を保っている現状です。
・冬季間の観光センターは、中学生の野球などスポーツセンターとして使用されています。このことも考慮していただきたい
参加者:農業の匠・佐藤稔さん
・全体的にひまわり畑の土力がなくなっているので、ひまわり畑の改修を年数をかけてやっていただきたい。年々、ひまわりの開花が悪くなってきている。観光客を呼ぶにあたり、ひまわりが咲かなくなってきている現状にどう対処していくかを検討する必要がある
今後、土の入れ替え、肥料の種類・散布方法等を検討し、ひまわりの地力を上げる方法を考える必要がある
・これまでに、連作障害防止方法として、秋蒔き小麦がひまわりと相性が良いということで、ひまわりの後に秋蒔き小麦を播いてすき込む方法を継続している
・ひまわりの里開設当初は、粘度が高くて、土の塊がゴロゴロしている所にひまわりを植えていました。さらに、出てきたひまわりの芽を鳥がつついて食べてしまい、みんなで補植をしたこともあります。その土地が、今、あそこまで開花できる土地になったことも歴史の積み上げだと思います
ただ、時代は常に進歩しているので、良い対処方があれば積極的に取り入れていきたいと思います。堆肥をいれることは必要なので、継続的にいれていきたいと思います。
▶ 石川直也 委員(税理士法人JAZY会計事務所・ 東京事務所長)
最後に、石川直也 委員(税理士法人JAZY会計事務所・ 東京事務所長)による「会社設立の手順・運営上の必要手続き」などについての説明がありました。
会社設立の手順・運営上の必要手続き
石川直也 委員(税理士法人JAZY会計事務所・ 東京事務所長)
会社は7万円で作れる!!
会場の様子
町民の熱い想いが結集し、33年の時を超えて、守り抜き、受け継がれていくひまわりの里。。。
令和元年に、新たな光を放って活性化し、発展する偉大なるひまわりの里に、大いなる愛と感謝と祈りをこめて。。。
ひまわりの里(撮影:2019年7月11日)
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◇ 撮影・編集=寺内昇 取材・文=寺内郁子