2019年2月22日(金)
2月15日(金)、北竜町商業施設ココワ(COCOWA)多目的スペースにて、北竜町ひまわり観光大使・鈴木輝隆 先生(立正大学経済学部 特任教授)による講演会「農業・観光・デザイン・まちづくり」が開催されました。およそ20名の方々が参加し、熱心に耳を傾けました。 ▶ 講演会「農業・観光・デザイン・まちづくり」
▶ 北竜町ひまわり観光大使・鈴木輝隆 先生のご紹介北竜町役場企画振興課・南波肇 課長より鈴木 先生のご紹介がありました。
「鈴木輝隆 先生は、立正大学経済学部 特任教授として、教鞭を振るわれる傍ら、本町をはじめ、全国の市町村でまちづくりについて幅広い人脈を駆使し、アドバイスされています。北竜町とは、30年来のお付き合いをいただいており、平成29年より北竜町ひまわり観光大使を務めていただいています。
▶ 鈴木輝隆 先生のお話:日本のまちづくりの現状
▶ 観光客の3分の2がインバウンド観光客
去年、日本を訪れた外国人観光客は3,119万人で、日本政府観光局の調べでは、今後6,000万人になると予想されています。このままいくと、2022年には、日本人の観光客数とインバウンドの観光客数が入れ替わってしまう。日本は高齢者も多くなり、人口減少になるが、インバウンドは年々増加傾向になっていく。東京でも、以前は電気釜を買っていく人々が多かったのですが、中国でも電気釜が開発されているので、爆買いをする人が減少したようです。
▶ 今までとは違う農業が展開農業においてもドローンや自動運転技術搭載の無人操縦などによる運営が行われるようになってきています。全国の大学では農学部が増えていて、農業は新しいベンチャービジネスの方向で進められており、今までとは違う農業が展開しています。農業も観光も、日本の地域も変わり、AIの登場などで日本の生活が日々大きく変化を遂げています。
▶ そばを通じた地域づくり今年1月にそばを通じた地域づくりいうことで、全麺協の方と蕎麦栽培を行っている岩手県八幡平市に行ってきました。全麺協は浅草に道場を作っています。現在、モンゴルで切りそばが流行り、イタリアでも切りそばのそば屋が繁盛していたり、海外においても蕎麦を栽培し体験したいというということが求められています。東京では、東京観光・はとバスツアーのそば打ち体験が今後予定されていて、海外の人々にもそば打ち体験が注目を浴びています。今年北竜町において、10月19日(土)20日(日)に、全麺協素人そば打ち4段位認定大会が行われます。現在5段位が全国で115人程。4段位認定大会の開催は、名誉なことです。全国からトップクラスの人々が北竜町を訪れます。 岩手県立盛岡農業高校では「そば打ち甲子園」 に参加し、個人で2位、団体で3位を受賞し、 そば打ちでまちづくりを行っていこうと盛り上がっています。 今まで実施されていなかったそば打ち認定試験を岩手県で行い、高校時代からそばに馴染むような子供達を育て、海外の人々をもてなそうと盛り上がっています。 ▶ 退場を余儀なくされる市町村
・いかなる地域モデルにも寿命があり、進化している市町村は、新陳代謝を繰り返している ▶ MAAS(マース)
・出発点から目的地まで、あらゆる交通手段を使って、人間がいかに自由に動けるかの研究が進んでいます ▶ 今までの観光とは違う新たな観光形態が誕生・自分を町を宣伝しなければ、自分の町を知ってもらえない。知らないことはないものと同じになる。観光の中に農業体験を行って、町や特産物を知ってもらうように行動していく ▶熱海観光の発展
・最近、危機を乗り越えた熱海観光が注目を浴びている。熱海での新しい観光分野の視点を見出すことにより、今までにない新たな開発が注目されています。食も新しい食が開発されています ▶ 行動力
・信念、自治、アイデア、デザイン、ネットワークをもって行動する
▶ 新陳代謝・進化
・地域から「発見するデザイン」
▶ 農業+観光+デザイン
・まちづくり=北竜町のデザインを発見する ▶ 北海道ひまわりの北竜町 明るい農法
▶ 農業を観光に活かしていく・明るい農法とは、地域の素晴らしい農業を知ってもらうために、農業とまちづくりの理念を結びつけたもの。このデザインによって、北竜町は明るく面白そうな町だ、美味しく楽しそうな町だと、全国や世界にアピールし、認知してもらう戦略です。これにより北竜の町のイメージが一変すると思っています ▶ 発見するデザイン
・自分が絵を描けなくても、発案することで、変化が変化を生んで共感が生まれる ▶ マルシェ(株)の「ふるさと応援団マルシェ」活動
マルシェ(株)では、「ふるさと応援団マルシェ」の活動を通して、小規模な市町村地域で地方創生に係る人々の志に共感し、特産品を利用した商品づくりや販売をお手伝いすることにより、地域の活性化に繋げ、地域を応援していく活動を展開しています。
▶ 関連記事:北竜町ポータル・特集記事
2018年8月6日(月)・8月7日(火)北竜町にて、建築家・隈研吾 先生、デザイナー・梅原真 先生、プロデューサー鈴木輝隆 先生をはじめ、町の地域活性化に関わる専門家の方々20名を招いて、現地調査や意見交換がおこなわれた際の特集記事(北竜町ポータル)
▶ ステレオタイプの社会心理学
・ジャーナリストであるウォルター・リップマン
▶ ステレオタイプ化の利点
・すばやく他者を判断することができる ▶ 人はイメージを確認するために町を訪れる▶ 学問の先端は、越境学習・今の学問の先端は、越境学習。垣根を超えた学び。大手の企業がベンチャーを学びに行く。無意識の思い込みを消さないと成り立たない行動 ▶ 常識が絶対だ:アイデアは浮かばない▶ 人の脳は、慣れないことに対して面倒だと拒絶する性質がある新しいことに対して面倒だと否定する思考(慣れないことはやりたくない)が存在したとしても、常に変化する世の中で、若者の新しい考えを取り入れ、それに対応していかないと次の時代は育てられないという時代を迎えている。世界の平均年齢でインドは20代、日本は40代という時代の中で、現在の若者は、コミュニケーションのとり方も違うし、今までの常識とは異なる思考をもち、キャッシュレスで生活している若者が増えています。
▶ 地域を未知化し、可能性に挑戦する・地域を未知化し、可能性に挑戦することで、枠(既成概念)を超えることができる>世界中が変化している ▶ 新しい地域の価値の発見・地域スタイルやデザインの発見は、住民を覚醒させ、新しい地域の価値の発見につながる>新しい意味をもたせたひまわりの町を考えていく ▶ 使い慣れた言葉に、新しい意味を持たせる・これまでの30年間使ってきたひまわりのイメージに新しい風をふかせ、新しい意味を持たせる。新しいイメージを生かして、様々なネットワークを張り巡ぐらせていく ▶ 信念+自治+アイデア+デザイン+ネットワーク
・地域の精神+自由な発想+行動力 ▶ 共有価値の創造
・共有価値の創造=社会的価値+経済的価値
▶ みつばち先生 鈴木輝隆展・2012年、松屋銀座7Fにて開催された「第687回デザインギャラリー1953企画展『みつばち先生 鈴木輝隆展』」。全国各地のそれぞれの地域を活かしたデザインに30年間取り組んできた鈴木氏の10ブランドが紹介されました。
▶ 展示対象の10項目
1.たんぽぽの酒(北海道勇払郡むかわ町)
▶ みつばち先生 鈴木輝隆展・あいさつ
・地域には独自の個性や文化があり、理想を持つ土地の人がいますが、思いはあっても形にすることができません ▶ サーファの米(鹿児島県西之表市種子島)・サーファー米は、サーファーが作る無農薬のお米。宇宙センターから打ち上げられるロケットをイメージしたパッケージ
▶ GRACE WINE 甲州・中央葡萄酒(山梨県甲州市勝沼町+北杜市)
▶ 人吉球磨 日本遺産
▶ 日本遺産とは
・文化庁が、地域の歴史的魅力や特色を通じて日本の文化・伝統を語るストーリーとして「日本遺産」を認定
・球磨工業高校は、伝統建築専攻科において、文化財保護のスペシャリストとなる棟梁・宮大工を育てる全国公立高校として日本唯一
▶ デザインとは、掃除をし、掃き清め、本質を明らかにすること・京都の庭は、長年掃き清められている。簡素は豪華に勝てる ▶ ローカルデザインとは
・地域に眠る文化資本の質を高める手法
▶ 日本で行く価値のある場所10傑
・日本は観光資源が極めて豊富な国。四方を海に囲まれているほか、山地や丘陵が多い。建築文化や飲食文化も非常に独特で、人気の観光目的地であり続ける ▶ 一人やる気のある人がいればいい信念をもち、情熱をもって行動していけば、たった一人でスタートしたとしても、人々の繋がりによって、大きく輪が広がっていき、物事の実現に限りなく近づいていくことができる ▶ 八幡平地熱活用プロジェクト
・岩手県八幡平市の八幡平地熱活用プロジェクト代表の船橋慶延さん(33歳)は、引退した馬の馬糞を集め、温泉の地熱を利用して、馬糞堆肥の発酵を行い、さらにその堆肥でマッシュルームを栽培するという循環型有機農業を実施中。馬糞堆肥は、東京の「銀座ミツバチプロジェクト」の銀座のビルの屋上庭園の堆肥にも使われています。さらに、引退した馬を育て、酪農体験型リゾートホテルを設立 ▶ ジオファーム八幡平
・馬✕地熱で馬糞堆肥の安定生産やマッシュルームを栽培し、馬たちの居場所づくりとサスティナブルな環境を目指している企業組合八幡平地熱活用プロジェクトの運営する農場 ▶ クラウドリアルティ社との連携と優先順位
・P2P型の不動産クラウドファンディングサービス「クラウドリアリティ」と連携し不動産施設の整備を検討 ▶ 価値の誕生
・町のストーリーには寿命があり、新たなストーリーによる既成概念からの脱却と新価値創造
▶ 流動性知能と結晶性知能
・頭の良さには「流動性知能」と「結晶性知能」がある
▶ 質疑応答この後、質疑応答が行われました。沢山の貴重なお話をありがとうございました。
揺るがない信念、斬新なアイデア、あたらしい価値を見出すデザイン、それらを結びつけるネットワークと行動力によって、ヒト・モノ・コトに生命が蘇る素晴らしい町づくり。。。
▶ 講演「農業・観光・デザイン・まちづくり」鈴木輝隆氏の写真(166枚)はこちら >>▶ 関連記事・サイト
・ひまわりライスおむすびコンテスト 2019 結果発表・表彰式・懇親パーティ(2019年8月30
日)
・第2回ひまわりの里基本計画策定委員会・新ひまわりの里全体の考え方(2019年8月23 日) ・第1回ひまわりの里基本計画策定委員会・令和時代のひまわりの里・検討開始(2019年4月29日) ・北竜町ひまわり観光大使・鈴木輝隆 氏講演「農業・観光・デザイン・まちづくり」(2019年2月25日) ・1日目(1)視察・北竜町をデザインで活性化するプロジェクト(2018年8月13日) ・1日目(2)北竜町まちづくり意見交換会・北竜町をデザインで活性化するプロジェクト(2018年8月13日) ・2日目・視察&北竜町まちづくり意見交換会・北竜町をデザインで活性化するプロジェクト(2018年8月13日) ・プチマルシェ@ファームエイド銀座 2018 夏・北竜町ひまわりライス&燦燦ひまわり油の販促(2018年7月11日) ・梅原真氏デザイン「あかるい農法 北海道ひまわりの北竜町」北竜町ロゴマーク&ふるさと納税用米袋 町民発表会(2018年3月28日) ・梅原真氏、鈴木輝隆氏に「北海道北竜町ひまわり観光大使」を委嘱(2017年10月27日)
◇ 撮影・編集=寺内昇 取材・文=寺内郁子 |