２０１９年５月１４日（火）

３月より、北海道指導農業士・渡邊靖範さんファームにて、メロン栽培の新規就農をスタートした金田絵利紗さん（３８歳）。定植が始まったので、４月２８日（日）お忙しい中、お話を伺いました。

▶ 青肉メロン栽培

播種は、３月２８日（木）に雨竜町の育苗センターに依頼し、１週間後ハウスへ持ち帰り育苗。ハウス１棟２２０株の苗を３棟分育成・栽培。初出荷は、７月下旬を予定。

 
メロンの苗床

 
金田絵利紗さん

 
苗運び

 
定植の準備

 
一苗づつ丁寧に定植

「定植作業は、１棟（８８ｍのハウス）、４～５時間、半日程度かかかります。
作業においては、湿度、温度、天気、防虫などに対する対応を判断するのが難しく、変化にいかに迅速に対応できるかが勝負です。師匠の渡邊さんがすぐに対処法を指導してくださるので、大変勉強になります」と、金田絵利紗さん。

 
優しく見守る師匠・渡邊靖範さん

▶ メロン栽培との出会い

金田絵利紗さんは、以前様々な職種を経験され、介護福祉士として介護の仕事にも勤務されていました。

北竜町の農業との出会いは、２０１５年度の農業体験実習から開始。半年間、数箇所の農家で研修後、渡邊ファームでのメロン栽培を決意。

当時、同じ研修員といして働く金田知樹さんと意気投合し結婚。現在、金田知樹さんは、農事組合法人ほのかのスタッフとして勤務されています。

翌年２０１６年２月から、渡邊ファームにて農業次世代⼈材投資事業（準備型）として、２年間の研修へ。２年目の２０１７年に妊娠・出産され、２０１８年の１年間は出産育児休業となりました。

そして今年、２０１９年３月には、農業次世代⼈材投資事業（経営開始型）としての独立・自営就農がスタートしました。

▶ 農業次世代⼈材投資事業

農業次世代⼈材投資事業とは、次世代を担う農業者に対し、農林水産省が支援金を交付する事業。就農前の研修における準備期間（２年以内）及び、就農直後の経営開始期間（５年以内）を支援する資金が年間最大１５０万円交付されます。

交付にあたっては、新規就農者に対して、農業実績・経営確⽴の⾒込み等について中間評価・調査等が実施されます。

▶ 就農の心構え・将来の夢

「これまで、渡邊ファームにて、これ以上ないような恵まれた環境で研修し学べたことは、とても幸せで心より感謝しています。

渡邊ファームの皆さんは、農業に対する考え方が立派で、取り組み方も丁寧で迅速。観察力が鋭く、洞察力が深くて、理想的な農業の在り方で実施されています。お手本にすべき素晴らしい農家なので、今後もしっかりと技術を身に着け、学んでいきたいと思います。

将来的には、渡邊ファームのように二期作までできればいいなと思っていますが、まずは、しっかりと地盤固めをしていく覚悟です。また、夫婦一緒にメロン栽培を行うのか、あるいは、研修生などを受け入れて生産を拡大していければと考えています。

今後、経営についてもしっかりと学ばなければならないし、とにかく、いろんな状況が考えられるので、その都度、ベストな方向で対処していきたいと思います」。

 
丁寧なご指導

▶ 渡邊靖範さんのお話：先人の農業を第三者継承する

「新規就農研修の実情としては、農作業の手伝いで終わってしまうケースが多く、なかなか独立・自立経営まで進むのが難しいのが現状です。

農業の担い手を増やす目的は、先人の開拓地を守っていくことであり、それが農地・農業を受け継いで来た者の義務であると考えています。そのためにも、第三者継承として農家に入り、指導を受けながら技術を習得して農業・そして土地を受け継いでいくことは重要な施策です。

北竜町では、今年から集落支援員として、新規就農を担当する専門職員が就任されました。今後、新規就農者の住宅・環境、各制度等、町の受け入れ体制が改善され、整っていくと期待しています。

とにかく、どのような環境においても、新規就農者の『やる気』が一番！　これからの日本の農業を担っていく若者たちの逞しい意欲に期待し、力の限り精一杯応援していきたいと思います」と、誠実な笑顔で語ってくださった渡邊靖範さんです。

 
渡邊ファームから見る恵岱岳と暑寒別岳

生命宿る食べものを育む、これからの農業を担い受け継いでいく若者たち、
そして、これまでの農業を指導し伝えていく農業者たちの尊い魂に、
限りない尊敬と感謝と祈りをこめて。。。

 
恵岱岳（左）と暑寒別岳（右）

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　〒078-2512　北海道雨竜郡北竜町字和11番地1
　北竜町役場産業課農業担い手係
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◇ 撮影・編集＝寺内昇　取材・文＝寺内郁子