2019年11月11日(月)
10月27日(日)13:30〜、北竜町公民館大ホールにて、北空知地域医療介護確保推進協議会主催による「『在宅医療・介護を考える 北空知地域住民フォーラム in 北竜』〜いずれはみんに訪れる人生の最期 どう迎えたいですか? どう送りたいですか?〜」が開催されました。
在宅医療・介護を考える北空知地域住民フォーラム in 北竜
・主催:北空知地域医療介護確保推進協議会
・共催:北竜町、北竜町社会福祉協議会、北空知介護支援専門員連絡協議会
・後援:北海道深川保健所、一般社団法人深川医師会、北空知歯科医会、北海道薬剤師北空知支部深川部会、公益社団法人北海道看護協会北空知支部、北空知栄養士会
配布資料
▶ 総合司会:北竜町地域包括支援センター・南祐美子 センター長
北竜町地域包括支援センター・南祐美子 センター長
▶ 開催地挨拶:北竜町・高橋利昌 副町長
北竜町・高橋利昌 副町長
「台風19号等の災害により多くの方々が亡くなられ、被災された方々に対しお悔やみ申し上げます。支援を必要とされる方々の防災対策についても改めて考えていくところです。
北竜町におきましては、今年のひまわりまつりに多くの観光客の方々が訪れ賑わいました。お米の稲刈りも終わり、豊作基調という報告を受けております。また、死亡事故死ゼロも4500日を経過し継続されています。今後とも、大きな事件事故、災害のない中で、住民の皆さんが安心安全に暮らせる町づくりに務めて参りたいと思います。
本日『北空知地域住民フォーラム in 北竜』において、北翔大学の小田先生には、足掛け3〜4年、何度も北竜町に足を運んでいただきご指導いただいております。本日もお忙しい中、お越しいただき本当にありがとうございます。
今回のフォーラムが、ご参加の皆様にとって有意義なものとなりますことをご祈念申し上げまして挨拶にさせていただきます。よろしくお願いいたします」
▶ 北空知地域の在宅医療・介護の取組紹介「自宅で安心して暮らすために~チーム北空知の取組」:北空知地域医療介護連携支援センター・三ツ井隆博 事務局長
北空知地域医療介護連携支援センター・三ツ井隆博 事務局長
「今日はよろしくお願いいたします。私の母が、北竜町和出身です。北竜町には度々訪れています。
本日は、北空知地域の在宅医療・介護の取組紹介 ということでお話させていただきたいと思います。『医療や介護が必要になっても 住み慣れた自宅や地域で 自分らしく暮らしたい』その想いを叶えるための支援としての北空知の公益事業として行っています。このパンフレットは、北空知1市4町の全戸に配布をしています。
▶ 北空知の人口について
北空知の人口推移
2015年の北空知1市4町の人口は3万2千人。
・高齢者は1万3千人。団塊の世代が高齢者になる2025年(令和7年)には、北空知の人口が2万6千人で、6千人減少しますが、高齢者は800人の減少となります。
・15歳から64歳の労働人口より65歳以上の人口が上回ると推計されています。高齢化率は、北空知は21圏域で最も高い高齢化率41.8%を示しています(北海道では31.1%)。
・介護認定率は、北海道が19.6%、北空知は17.7%、北竜町は17.2%(平成29年集計)となっています。沼田町では、平成27年が17.6%、そして平成29年に13.8%と減少しています。これは『介護予防』に力をいれてきたことが要因となっているといわれています。
認知症高齢者の推計としては、令和7年には高齢者の5人に1人が認知症になると推計されています。
介護認定者の推定
▶ 北空知の介護サービス事業所の状況
北空知の介護保険施設系の定員は、特別養護老人ホームは390人、老人保健施設は176人と、比較的施設は充実してますが、居住系や介護人材は不足しています。
<減少する医療資源>
・北空知管内の病院病床数は、平成17年に1,458床から平成29年には1,039床と減少しているものの、人口10万対では道の値の約2倍、21圏域で最高となっています
・北空知地域では、医療保険等による在宅サービス(往診・訪問診療・看取り)を実施している医療機関はありません
・人口比では、全道で北空知がもっとも多い病床数・介護施設定員数となっています(2012年報告)
・産業別構成人口(2015年度国勢調査)は、総数10,006人の内医療・福祉関係が1,800人(内女性が1,351人)で全体の18%を占め、他の産業の中でも高い比率になっています
・今後人口減少が推測され、医療機関の人材確保、担い手の維持・確保が最大の課題になってきます
▶ 北空知地域医療介護確保推進協議会の設置
少子高齢化・人口減少が進む中、各市町村単独では対応困難なため、限られた資源を維持確保し有効に活用するために、広域的な連帯対応が必要であると考え、平成28年6月に「北空知地域医療介護確保推進協議会」が設置されました。
連携づくりの拠点といて、深川市立病院内に『北空知地域医療介護連携支援センター』を設置。在宅医療・介護の連携推進事業などの広域事業を実施し、北空知における地域包括ケアシステムの構築を目指しています。
▶ 地域包括ケアシステムの構築イメージ
医療・介護などが連携して総合的に医療サービスを推進していきます。
北空知圏域における地域包括ケアシステムの構築イメージ
▶ 在宅生活を支える関係図
北空知地域での暮らしを支える「地域包括ケア」
▶ 北空知地域医療介護確保推進協議会とは
・地域医療・介護に係る連携推進事業を広域的に実施しています
・関係市町長、保健所長、医師会長、介護事務所の代表などが委員となって運営。『チーム北空知』となって、地域包括ケアシステムの構築を目指しています
・『北空知地域医療介護連携支援センター(深川市立病院)』を連携拠点に、顔の見える関係を築き、多職種協働によるチーム支援に取り組んでいます
・3つの専門部会『医療・介護情報共有支援部会』『退院調整・在宅生活支援部会』『多職種・地域啓発部会』があります
▶ 各種研修事業
令和減年度 北空知地域医療介護確保彗心協議会 各種研修事業等
▶ 北空知地域の連携でできたらいいこと
北空知地域の連携を見える化
▶ 認知症初期集中支援事業事例共有検討会
北竜町すこやかセンターにて、認知症サポート医、診療所医師、保健師、ケアマネージャー、ホームヘルパー、地域包括支援センーの職員など23名が集まり、事例検討しました。
認知症初期集中支援事業事例共有検討会
▶ 地域包括ケアに携わる多職種合同研修会
深川市立病院・大会議室にて、『顔の見える関係』から『多職種協働』そして『チーム北空知』へ〜『第1回ケア・カフェきたそらち〜蘊奥〜』が開催され、関係者88名が参加しました。
「顔の見える関係」から「多職種協働」、そして「チーム北空知」へ
▶ 在宅医療・介護を考える北空知地域住民フォーラム in 妹背牛
妹背牛町・わかち愛もせうしひろばにて、地域づくりをテーマに開催。
在宅医療・介護を考える北空知地域住民フォーラム in 妹背牛の開催報告
▶ 第1回北空知地域入退院支援研修会
深川市立病院にて、入退院支援をテーマに開催。
第1回北空知地域入退院支援研修会
▶ 北空知地域リハビリテーション活動支援事業
個別訪問、通所訪問、地域ケア会議、地域予防事業、研修会などを開催。平成30年度は、1市4町で306の支援事業が開始されました。
北空知地域リハビリテーション活動支援事業
▶ 我が家で健康に過ごすために
・運動・健康診断・食事・病気への備え(かかりつけの病院・歯科)に対する意識をもって、自分でできることは自分で積極的に取り組んで行きましょう
<各種サービスの利用>
それぞれの状況に応じた、医療保険や介護保険サービスが利用できます。主治医、各市町の地域包括支援センター、北空知地域医療介護支援センターにご相談ください。
在宅医療の相談
▶ 地域で支え合いの輪作り
・見守り、生活相談、緊急時の備えについて、各地域で意見交換します
誰もが希望する療養生活を選択でき、安心して暮らせる北空知地域にするために
▶ 緊急時の連絡メモ
・救急車を呼ぶ時に、必要事項(伝える事項)
緊急時の連絡メモ
▶ 救急あんしんカードの活用
・『救急あんしんカード』に必要事項を記入し、各市町の担当窓口に提出。各家庭の冷蔵庫に『保管マーク』シールを貼り、カードを入れた保管容器を冷蔵庫のドアポケットに入れておきます
救急あんしんカードを活用しよう!
▶ 地域住民向け講演会
・リハビリ専門職による介護予防のお話・体操・実技指導
・訪問介護ステーション職員からの在宅療養のお話
・深川医師会で『暮らしの医学公開講座』を開催しています
いざとなったときに、上手に病気や介護と付き合っていただけるような地域づくりを皆さんと一緒に取り組んでいきたいと思います。ご静聴ありがとうございました。
会場の様子
▶ 「自宅で安心して暮らすために~訪問看護の取組」訪問看護師からの事例紹介:深川地域訪問看護ステーション 「みのり」立花洋子 管理者
2015年10月に深川市立病院に深川地域訪問看護ステーションを開設し、北空知の利用者さんを訪問。3事例を元に、どのようにその人らしく、自宅で過ごすことができたのかをご紹介いたします。
深川地域訪問看護ステーション 「みのり」立花洋子 管理者
▶ 事例1:Aさん
80歳男性、糖尿病、心不全などで、入退院を繰り返す。在宅医療を希望し、訪問看護の導入、デイサービス・配食サービスを利用。1年3ヶ月後、家族に見守られながら永眠。家族の思いは『しんどいと思うこともあったけど、家でゆっくり過ごせて良かった』。
▶ 事例2:Bさん
80歳女性、大腸癌で人工肛門造設。訪問看護を導入し、体調管理、入浴介助、人口肛門管理等をお願いする。本人の表情も明るく穏やかになり、家族の心配事も軽減。
▶ 事例3:Cさん
60代男性、消化器癌末期。暖和ケア病棟に入院し、一旦自宅に戻られ、、数日後永眠される。ご本人より『家でいい時間を過ごすことができた』といわれていたとのことです。
▶ まとめ
Aさん、Bさん、Cさん、そのご家族に共通していたことは、残された人生をどう過ごしたいか明確に述べられ、困った時は、その都度相談できていたことではないかと思います。
私達は、生まれてから成長過程の中で、節目節目でそれぞれの決断を決めて前に進んでいたのではないでしょうか。進学、就職、結婚、育児等など。例えば、高校進学のときには、どこの高校に進みたいのか、家族や学校の先生、友人と話し合い、それを目標に前に進んで行ったと思います。
しかし、病気や介護が必要になった時は、その場面にあって慌ててしまうことが現状ではないでしょうか? 今一度、これからの人生を自分が過ごしたいのか、家族、パートナーと元気な頃から話し合っていくことが大切なのではないかと思います。
在宅医療で、Aさん、Bさん、Cさんがその人らしく過ごせたのは、様々な職種の人がいて、支えることで安全に安心して在宅で過ごすことができたからだと思います。在宅医療・介護のことで困った時は、いつでも相談していただきたく思います。
保健所、市町村役場、病院スタッフ、近所の方々、身近なところで相談してください。私達は、地域の方々が、安心して過ごすことができるように、これからも多職種と連携しながら、お手伝いさせていただきたいと思います。
ご静聴、ありがとうございました!
多職種連携
▶ 講演『認知症を予防するために大切なこと〜あたまの元気度テスト2年間のまとめから〜』北翔大学生涯スポーツ学部健康福祉学科・小田史郎 教授
北翔大学生涯スポーツ学部健康福祉学科・小田史郎 教授
▶ 講師紹介
・1973年生まれ、広島県出身。北海道大学大学院教育研究科修士課程 博士後期課程を修了
・北海道浅井学園大学講師、北翔大学生涯スポーツ学部スポーツ教育学科准教授、教授を経て、2013年より北翔大学大学院生涯スポーツ学研究科教授、北翔大学生涯スポーツ学部健康福祉学科教授
・専門分野:健康科学、睡眠学、認知症予防
・賞与:第38回日本睡眠学会定期学術集会・べストプレゼンテーション賞
・資格:博士(教育学)、健康運動指導士
・著書:『新版生涯スポーツと運動の科学』(志村出版 平成28年3月)
北竜町には、およそ2年間半通っています。年に10〜20回くらい訪問させていただいております。
▶ 本日の話題
・なぜ認知症の予防が必要なのか?
・認知症の発症や進行を遅らせるためにできることは?
・あたまの元気度テストの結果から
▶ 年齢を重ねるごとに認知症の有病率は高くなる
長く生きていく上で、たとえ認知症になっても、元気で自分らしく過ごしていこうと考えていただければと思います。
▶ 認知症の現状
厚生労働省の2015年1月の発表によると、日本の認知症患者数は約462万人(65歳以上の高齢者の約7人に1人)。さらに、認知症予備群が約400万人。
2025年には、700万人(65歳以上の高齢者の5人に1人)前後に達する見通し。我が国の高齢化スピードは世界一。
一方、生産年齢人口(15歳〜64歳)が減少傾向にあるので、元気な高齢者を増やしていく必要があります。世界でも、3秒に1人のペースで認知症が増えている統計が出ているので、大きな問題と捉えられています。
▶ 認知症対策の新大綱:『共生』『予防』の2本柱
車の両輪のように、どちらも必要不可欠であり『共生』を実現するために『予防』の視点が必要です。
・共生:認知症になっても安心してくらせる社会の実現
・予防:認知症になるのを遅らせ、進行を緩やかする
・一次予防:認知症を発症しないための予防
・二次予防:早期発見、早期治療
・三次予防:病気の進行防止(大切な要素)
たとえ、認知症になったとしても、その人らしさを尊重するケアを行い、生活の不安を軽減できるように対処していくことが大切。
認知症予防とは
▶認知症を発症したら何が不安?
・家族に負担をかける
・地域や周辺の人の負担をかける
・認知症に対する誤解や偏見が、認知症の方やその家族を苦しめているほか、早期発見・早期治療をためらわせています
「予防」を進めるためには「共生」が必要!
▶ 認知症の行動・心理症状
徘徊や暴力などのマイナスのイメージがありますが、認知症の行動・心理症状は、周囲の接し方やサポートによって軽減できます。
・中核症状:記憶障害、見当障害、失認・失語・失行、実行機能障害
・心理症状:不安、焦燥、妄想、幻覚
・行動症状:徘徊、多動、不潔行為、収集癖、暴言・暴力、介護への抵抗
徘徊や暴力などのマイナスイメージばかりあるが・・
▶ 理解の輪を広げる取り組み
・認知症サポーター:認知症について学び、正しい理解と知識をもって、身近にいる認知症の方やその家族をそっと見守り、支える『応援者』
・ご近所力:地域の方の協力や見守りによるご近所パワー
この2年間、調査のために北竜町に訪問していますが、北竜町は、一緒に集まって協力し合う『ご近所パワーが強い』と感じています。例えば、パークゴルフなどスポーツにおいても、住民のどんな人達とでも打ち解けあって、楽しんでプレーしています。
記憶が低下して、外にでるとみんなに迷惑をかけてしまうのではないかと心配して家に閉じこもってしまうような社会ではなくて、『出ておいでよ、なんとかなるから』というような関係があれば、良い関係が築けるのではないかと思います。
家族だけでは、とても支えられるものでは無いので、ご近所同士で、助け合える互助関係が大切になってきます。
・スコットランド:認知症の方々が住んでいる施設において、鍵はかけずに、出入り自由です。外に出てしまった場合も、町の人々が理解していて、施設に連れ戻してくれるようになっています。
スコットランドの事例
▶ 日本人はアルツハイマー型認知症が多い
アルツハイマー型、脳血管性型、レビー小体型、中には、治る認知症もあります。
日本人ではアルツハイマー型認知症が多い
▶ アルツハイマー型認知症は、新しいことを覚える脳の中の海馬が萎縮します
新しいことを覚える脳のなかの海馬が小さくなる(萎縮する)
海馬が小さくなるのは、脳の中にたまったゴミ(アミロイドβ)が神経細胞を破壊することによっておきてきます。
なぜ海馬が小さくなる? 脳の中にたまったゴミが神経細胞を破壊する
▶ 軽度認知障害(MCI)
アルツハイマー型認知症はゆっくりと進行するのが特徴。発症前に「物忘れはるけれど、生活に障害がない」MCIの時期があります。MCIは、認知症を発症するか、MCIのまま維持するのか、正常なレベルまで回復するのかの分岐点。この時期がとても大事な時期となります。
非認知症から認知症への移行率は、1年間で10%、5年間で40%になります。MCIの状態で、健常者への回復率は14%〜44%あり、MCIは、正常なレベルまで回復できる最終段階でもあります。この時期の過ごし方がとても大事になってきます。
MCIは ① 認知症を発症するか、② MCIのまま維持するか、③ 正常なレベルまで回復するかの分岐点
・早期発見は、早期絶望ではなく、対処が早いほど「できる」ことを多く残せます
・MCIの方をしっかりとキャッチすることがとても大切です
▶生涯にわたる認知症の危険因子
現在の研究結果によると、認知症の危険因子は、65%ありますが、そのうち、改善可能な要因とされるものが35%あります。年代によって、その要因内容が変化してきます。
・中年期:高血圧(2%)、肥満(1%)、難聴(9%)
・更年期:喫煙(5%)、抑うつ(4%)、運動不足(3%)、社会的孤独(2%)、糖尿病(1%)
生涯にわたる認知症の危険因子
▶認知症の予防のためのガイドライン
世界保険機関(WHO)は、2019年5月4日に、世界的に増加している認知症予防のための『ガイドライン(12項目)』を公表。
1.身体活動の介入 2.禁煙の介入 3.栄養の介入 4.適正飲酒の介入 5.認知機能の介入 6.社会活動 7.体重の管理 8.高血圧症の管理 9.糖尿病の管理 10.脂質異常症の管理 11.うつ病の管理 12.難聴の管理
生活習慣病に繋がる要素と重なっている部分もあります。
認知症の予防のためのガイドライン
アメリカにおけるアルツハイマー病の危険因子として最も高いものは『身体的不活動』となっています。
アメリカにおけるアルツハイマー病の危険因子
・運動が認知症の発症予防につながる可能性を示した報告が増えています
・認知機能の維持・改善には、有酸素運動、複合的運動が重要
・運動によって神経細胞の再生を促すBDNF(脳の栄誉)が増え、ニューロン(脳細胞)新生が促進されます
・これまでは、脳細胞は再生されないとされていましたが、現代医学では神経細胞の再生が可能とされています
・刺激が多い環境ではBDNFが増加し、シナプス形成が促進されます
・豊かな環境での楽しい運動が老人斑(βアミロイド)を減らします
運動が認知症の発症予防につながる可能性を示した報告が増えている
知的活動、趣味活動などが、脳を活性化します。楽しい活動を続けていくことが大切です。
知的活動、趣味活動・・・脳の活性化
・社会的コミュニケーション(他者とのコミュニケーション)は、前頭葉を活性化します
・独居で友人も家族も訪ねてこない高齢者は認知症発症のリスクが8倍になっています
・コミュニケーション型運動(まる元、ゆる元)は、身体を動かして楽しいと感じ、社会的コミュニケーションをとることによって、脳が活性化していきます
コミュニケーション型運動(まる元、ゆる元)
・バランスの良い食事を心がけることが大切。魚を中心とした和食など、肉、魚介、野菜などバランスよく食材に取り入れる
バランスの良い食事
睡眠中にアミロイドβの除去が進みます。睡眠中に神経細胞のまわりに隙間ができ、神経細胞を洗い流すリンパ流が増加し、老廃物を含んだリンパ液は、静脈に沿って脳外へと運び出されます。
睡眠中にアミロイドβの除去が進む
▶あたまの元気度テストの結果
平成29年度から3カ年計画で悉皆調査(しっかいちょうさ)を実施。
・北竜町では『認知症になりにくい町づくり宣言』を実施しているので、悉皆調査を依頼
「あたまの元気度」調査と生活習慣との関連をみました。どのような生活をすることによって、頭の元気度を保つことができるかを調査。認知症予防実験を70歳以上の方を対照に、寿都町(高齢化率40.2%)と北竜町(高齢化率43.5%)の2つの町で実施。調査完了者数合計1,189名。
平成29年度から3か年計画で恣皆調査を実施
▶ 物忘れ相談プログラム、TDAS(日本光電)
あたまの元気度テスト
▶ 認知機能を維持できた要因
2年目に維持できた方が8割、少し弱っている方が2割で、この違いがなぜ生じたのか要因を抽出。
<維持できた要因>
1.年齢が低い
2.教育を受けた年数が長い
3.他社と一緒に運動した
4.よく噛んで食事をした
北竜町だけでみた結果
<維持・改善の割合が高い要因>
・社会的役割・責任あり
・旅行・遠出に行った
・積雪期の外出をした(週3〜4日)
・非積雪期の外出をした(週3〜4日)
・まる元に参加した
・楽しみなことがあった
まる元・楽しみなこと
▶ 本日のまとめ
・認知症は誰もがなる可能性のあるありふれた病気である
・認知症になっても安心な暮らしができる共生社会を実現するためには、予防の考え方も重要である
・近所での見守りや助け合いがあれば、認知症の負担はかなり軽減でき、予防も進めやすい。認知症に対する誤解や偏見をなくすため、認知症の正しい理解が必要である
・認知症の発症を完全に阻止はできないが、運動などによる予防効果のエビデンスは増えてきている。よいと考えられている活動には行う価値がある
・2年間の悉皆調査の結果から『仲間と運動する』『よく噛んで食べる』『体力を維持する』等が認知機能の維持に関わっていると考えられる
ご清聴ありがとうございました」。
ありがとうございました!
▶意見交換「支え合う地域づくり」コーディネーター:北竜町地域包括支援センター・大井敬太 介護予防係長
北竜町地域包括支援センター・大井敬太 介護予防係長
▶ 介護保険サービス利用の例:北清喜初さん(和本町)
奥様が大腸の手術後に、北竜町の訪問介護サービスを3年間に亘り受ける。介護サービスを利用する際に、支援センター・南センター長さんより、丁寧にわかりやすく様々な説明を受けました。お陰で、様々なサービス(デイサービスの利用、住宅改修・修理の利用、福祉用具サービス)を1割負担で受けることができ、大変助かっているというお話。
「一人でも多くの方々が、介護保険の内容を知り、積極的に利用して、素晴らしいサービスの恩恵を受けることができるよう願っています」とお話くださいました。
北清喜初さん(和本町)
▶ 「碧水支え合いの会」の活動について:浅野進 事務局長
碧水支え合いの会・浅野進 事務局長
「碧水支え合いセンターは、平成2年から平成17年まで15年間続いたセブンイレブンの跡地に建設され、平成29年4月オープンとなりました。月・水・金の週3日のボランティア活動、火曜日は「まる元」(午前中2回・2班に分かれて)を実施しています。
平成30年度には、一人暮らしの高齢者(15名)を対象に、月1回「昼食会」を提供しています。その際、カラオケ、舞踊、ダンス、大正琴などの同好会の皆さんが演芸を披露しています。平成31年度においては、警察署長、郵便局長、保健師・看護師、町長さんの様々な方々の人生経験・仕事内容についてのお話をしていただきながら、昼食会を進めて参りました。
週間のイベントとして、月曜日はカラオケ、火曜日はまる元の体操、金曜日は囲碁を楽しんでいます。お茶は無料サービスを行い、1日平均13名の方々が参加訪問されています。お手伝いして頂いてるボランテァの方々が40名(65歳〜88歳で平均年齢74.3歳の男性20名・女性20名)でていただいています。
▶ 地域での支え合いの実例:鈴木節也さん(碧水)
砂川病院に通院されている80歳の高齢者の方の自動車での送り迎えを3年半継続してる実例。
「3か月に1回の受診。バスや電車を利用すると、乗り換えが大変で、かなり身体に負担がかかるということで、自動車の送り迎えをお手伝いしています。さらに、普段でも、近所の方々がスーパーなどまで送ってほしいと依頼されるので、今後も可能なかぎり、お手伝いができるようにしていきたいと思っています」。
鈴木節也さん(碧水)
▶ 「若年認知症家族会 空知ひまわり」の活動内容について:田中盛亮 副代表
「北竜町の町長さんがアルツハイマー認知症を患い、町長を退任されました。彩星の会(東京都)干場功 代表が、北竜町出身であり、是非、認知症家族会を北竜町で立ち上げたいと切願し有志が集まり、平成19年11月家族会が設立しました。
当時、50代で若年アルツハイマーを診断された方のご家族が、北竜町に移住されました。ご本人は68歳で死去されましたが、9年間、家族会のメンバーで共に協力し合いお世話しました。毎週4日間、パークゴルフ、太鼓、陶芸、ウォーキング、卓球など交代でお世話していきました。数々の研修会では、この『空知ひまわり』の活動内容が高く評価され、ご紹介されています。
現在は、和地区に去年建設された北竜町商業活性化施設ココワ(COCOWA)にて、週3回(月・水・金)10時〜12時までの2時間、メンバーによる当番制で、ココワを訪れる方々のお話を聞いたり、相談に応じたり、買い物支援のお手伝い、お出かけ支援のお手伝い等、コミュニケーションの場を設けています」。
若年認知症家族会「空知ひまわり」田中盛亮 副代表
たくさんの貴重なご意見、ありがとうございました。
たくさんの貴重なご意見、ありがとうございました
地域のあたたかい支え合いのもと、積極的に活動し、健康で楽しい老後生活に導いてくださる地域支援活動に、限りない愛と感謝と祈りをこめて。。。
公民館横の公園に降り注ぐ天使のはしご
▶ 関連記事・サイト
◇ 撮影・編集=寺内昇 取材・文=寺内郁子