楽しくて美味しい・北竜町クッキング教室(高橋是 講師)開催

2012/03/24 21:30 に 寺内昇 が投稿   [ 2015/04/04 21:10 に更新しました ]
2012年3月25日(日)


3月23日(金)、雪解けが徐々にすすむ、彼岸明け。
北竜町公民館調理室では、教育委員会主催によるクッキング教室が開催されました。

3名の男性を含む町民15名の方々が参加。アシスタントは栄養士の杉山恵理子さん
教育委員会の独身若手職員・中村奨平さんも、やる気満々で参加です。


写真:プログラム
クッキング教室・フランス料理に挑戦

写真:材料    写真:材料
出番を待つ様々な材料たち


今回の料理教室は、「フランス料理教室」。講師は、北竜町在住の高橋是(70歳)さん。
4年前に神奈川県から北竜町に移住。北竜町では、絵画同好会の代表を務められたり、英語や数学の無料の寺子屋(児童塾)の開催、ラムサール条約の登録湿地に認定されている「雨竜沼湿原」(雨竜町)の保存活動をしたり、幅広く活躍していらっしゃいます。

高橋さんは、大学時代はラグビーに夢中、今までもマラソン、スキー、スイミングなどさまざまなスポーツに親しんでいらっしゃいます。高橋さんのご兄弟もスポーツに精通されていて、北海道マラソンクラブ初代会長の高橋彰さんは、お兄様。

高橋さんが、多くの趣味の中で、特に興味深く取り組んだものが、お料理。
大手のエネルギー会社の関連会社の経営を引退された後、日本国内のフランス料理教室で、5年間学ばれました。
その後、単身イタリアへ渡り、ホームステイをしながらイタリア料理修行。3か月間イタリアの各地域を歩いて、本格的なイタリア料理をマスターされたそうです。


写真:高橋是 講師    写真:ヒマワリ油ページ『北の料理人』
左:高橋是 講師   右:ひまわり油『北の料理人』と藤崎さん


まずは、主催された教育委員会・社会教育係長の高橋淳さんの開会のご挨拶に続いて、高橋是さんのお言葉です。

今日のお料理は、男性でも簡単にできる家庭料理という趣旨でメニューを考えました。
そのため、フランス料理と題した割には、内容はイタリア料理となってしまいましたことをご了解いただければと思います。

もう一つお伝えしたいことがあります。

今日は、そばの名人である藤崎正雄(四段)さんが参加されていらっしゃいます。
先日、藤崎さんから、札幌の知り合いのシェフを、私に紹介したいというお話があり、そのシェフとは『北の料理人』(晶文社)の著者である貫田桂一さんでした。
そしてこの『北の料理人』の本は、偶然にも、私が北海道に来る前に、北海道にはどんな食材があるのか知りたくて購入した本だったのです。
その本の中で「北竜町のひまわり油」が紹介されていて、書き出しの文章には、藤崎正雄さんの名前が登場してます。

この本には、シェフ・貫田さんが、北海道の100を超える市町村を駆け巡り、地域の元気で美味しい食材を探し出し、ご自身の目と舌で選んだ50品が紹介されています。

貫田さんは、ご自分が1994年頃からヒマワリ油を使っていたことが切っ掛けで、1995年8月に北竜町に来町。

この時、貫田シェフ指導による料理教室が開催されました。
今お集りの、ここ北竜町の公民館を会場に、女性達が地元の野菜を使ったフランス料理のフルコースに挑戦。
試食した町長をはじめ、役場や農協の男性達を驚かせました。
そして、当時ホテルの特製ドレッシングの材料にヒマワリ油を使用していたこともあり、1998年に再び来町。
その時の案内役が、当時の農協職員の藤崎正雄さんだったのです。

  『北竜町民は、皆さんひまわりの花のように、明るく元気で微笑ましく感じました。
   ヒマワリ油のサラダを口にするたびに、北竜町民の応援歌が聞こえてくるようです』

と貫田さんは、本の中で語っていらっしゃいます。


写真:『北の料理人』本の表紙    写真:貫田桂一さん
左:『北の料理人』著:貫田桂一   右:貫田桂一さん


貫田桂一さんは、1960年生まれの52歳。大阪の調理師学校を卒業し、札幌市内のホテルなどで修業され、32歳でホテル料理長(ホテルクラビーサッポロ)となり14年間勤めた後、早期退職。

 2007年:個人事務所ヌキタ・ロフィスドを設立
 2008年:北海道洞爺湖サミットではロシア政府代表団の料理指導を担当
 2008年:農林水産省「地産地消の仕事人」(第1回選定)
 2011年:6月、食育クッキング教室「スタジオNUKITA」(会員制クッキングスタジオ)を
                       IKEUCHI・5F(札幌市)にオープン

札幌市在住の貫田さんは、講演や食に関するご指導・演出されるなど、農業者と消費者の間を料理で橋渡しするフードディレクターとしてご活躍されていらっしゃいます。

北海道の旅のWEBサイト「ぐうたび」のスペシャルBLOG「 シェフ貫田の北海道・うまうま大辞典」で情報発信中!
貫田シェフ監修による、北海道産原料にこだわったコロッケ、「コロッケ de 北海道」が大人気!

ご縁がご縁を紡いで、今日の料理教室が開催されていくことに深く感銘いたしました。

続いて、今日の料理内容の順番と説明です。


メーンデッシュ:鶏肉のバスク風

■ 材料:すべて7人分
 鶏もも肉4枚、玉ねぎ1個、赤ピーマン2個、黄ピーマン2個、トマト水煮缶1缶、
 ニンニク1片、ローズマリー1枚、セージ適量、オリーブオイル、塩、コショウ適量

■ 作り方:
 1.鶏肉は2つに切って、塩、コショウし、オリーブオイルで両面を焦げ目がつくぐらいに強火で焼く
 2.オリーブオイルを熱して、みじん切りしたニンニク、玉ねぎ、セージ、ローズマリー、赤唐辛子を加え中火で炒める
 3.1に2を入れ、白ワイン、千切りしたピーマン、トマト水煮を加え、塩、コショウをして 1時間煮こむ


写真:鶏肉料理    写真:トマトソース
左:鶏肉をたまねぎとローズマリーで炒めて  右:パプリカとホールトマトでソース作り


デザート:ガトーショコラ(チョコレートケーキ)

■ ポイント:
 ・ケーキを作る場合は、上白糖ではなくグラニュー糖を必ず使用
  グラニュー糖はさわやかな甘さが保てる。(上白糖はしつこい味になりがちで焦げやすい)
 ・グラニュー糖は、卵白用 30g、卵黄用 30gと分けて使う
 ・卵は必ずMサイズ(殆どの大きさが卵黄 20g、卵白 30g)のものを使用すること
  サイズによって、量が変化し、出来具合を左右する
 ・お菓子作りは、修正が効かないので、正確な量を測り、丁寧に作業を進めていくことが大切
  お菓子づくりはとても繊細な作業
 ・粉は必ず振るうこと。だまを取ると同時に、粉に空気を入れて、溶けやすくしたり、
  均等に混ざるようにすることが目的
 ・卵白を泡立てる時は、使用するボールに水気が入らないように、十分注意すること
  水気が入ってしまうと泡立ちが悪くなることがあります

■ 材料:
 卵(Mサイズ2個)、ブラックチョコレート 85g、無塩バター 85g、
 薄力粉 60g、グラニュー糖 60g、粉砂糖少々

■ 作り方:
 1.チョコレートを刻み、バターも溶けやすい大きさに刻む
 2.卵白にひとつまみのグラニュー糖を入れて泡立て、角がたったら
   残りのグラニュー糖を 5回にわけて入れさらに泡立てる
 3.卵黄にグラニュー糖を入れ白っぽくなるまで混ぜる
 4.湯煎でチョコレートとバターを溶かし、40度C くらいまで冷まして、
   3の卵黄を加え、2のメレンゲ一握りを混ぜる
 5.4に振るった粉をさっくりと混ぜあわせ、さらに2のメレンゲを半量ずつ加え、
   泡が潰れないようにカットするように混ぜる
 6.ケーキ型にいれて、170度 で 35分、オープンで焼く
 7.焼きあがったら、粗熱を冷まし、粉砂糖を振るって切り分ける


スープ:チーズ風味の卵スープ

この料理で今回使用されたチーズは、イタリア産のパルミジャーノ・レッジャーノ。
時間をかけて熟成されたハードタイプのチーズ。
チーズグレーターというチーズ専用のおろし器で、高橋シェフが自らおろします。

高橋さんは、こうした珍しい食材においても、深いこだわりをもって常に取り組んでいらっしゃいます。
チーズをちょっぴり味見させて頂きましたが、粉末のパルメザンチーズとは異なる、
熟成された豊潤な風味が口の中に広がりました。

■ 材料:
 卵(4個)、パルメザンチーズ(or パルミジャーノ・レッジャーノ)大6、
 イタリアンパセリ(6本)、固形スープ4個、水7カップ

■ 作り方:
 1.ボウルに卵、パルメザンチーズ、パセリのみじん切りを加え混ぜる
 2,鍋に水と固形スープを煮立て、1を流し入れる


パスタ:アサリのスパゲッティ

■ ポイント:
 ・パスタは、茹で上がったらすぐに食すことを目標に、最後に料理する
 ・表示されている茹で時間より1分半くらい短くすると、歯ごたえのあるアルデンテに仕上がる
 ・アサリは良くこすり合わせて水洗いする
 ・アサリを炒めて、開いたころにスパゲッティがゆであがっているのが理想的

■ 材料:
 スパゲッティ600g、ニンニク3片、赤唐辛子3本、オリーブオイル大さじ4、
 アサリ(砂抜き済み)700g~800、パセリ6本、塩適量

■ 作り方:
 1.お湯を沸騰させ塩 1% 程度加える。
 2.みじん切りのニンニク、種を抜いた赤唐辛子をオリーブオイルで炒める
 3.ニンニクが色付いたら、アサリをいれ、蓋をして、貝の口が開くのを待つ
 4,アサリの口が開いたら、茹で上がったスパゲティを入れて、パセリを加え混ぜ、盛り付ける


写真:玉ねぎのみじん切り    写真:料理指導
左:玉ねぎのみじん切りをお母さんがお手本   右:パプリカは潰すといいよ

写真:作業風景    写真:作業風景
左:皆で分担して手際良く  右:高橋先生のご指導にみんな真剣


皆さん料理のベテラン揃い。状況に応じて役割分担をわきまえていらっしゃって、
手際よく能率的に作業が進められていきました。

大変そうな卵白の泡たては、しっかりとミキサーを握りしめて、男性達が張り切って挑戦。
玉ねぎのみじん切りは、ベテラン主婦の指導を受けながら、目にしみる涙をこらえながら頑張ったお父さん。
たくさんのお母さんに囲まれて、たくさんのアドバイスを受けながら、精一杯頑張った独身男性の中村さん。

お父さんが、ケーキの上に降りかける粉砂糖は、薄っすらと降り積もる粉雪ではなく、北海道らしくどっしりと大雪。
ばっちり甘くて美味しい、ガトーショコラができあがりました。

ケーキカットも、初めて出会ったようなカッティングナイフを慣れない手つきで、上手に盛り付けるお役目を担った男性群。
美味しい匂いがプンプン漂う教室内は、ワイワイ、楽しい笑い声でいっぱい。

途中、学校帰りの子供たちが、美味しい匂いに誘われて、「どんなご馳走?、美味しそうぉ~」と調理室の窓から覗き込んでいました。


写真:完成
    写真:おいしい〜
左:完成!  右:おいしい〜 ♬


そして完成したフルコースのお料理「スープ、スパゲティ、メーンデッシュ、ケーキ」。
本多一志 教育長をご招待して、皆さん一緒にいただきました。
「う~ん、美味しい~」の声が飛び交います。
本当に、美味しい、楽しい、幸せ時間をありがとうございました。


写真:全員集合
とっても楽しくて美味しいクッキング教室でした



お父さんもお母さんも子供たちも

家族みんなで一緒に楽しむクッキング

時にフレンチ、時にイタリアン、時にアジアン

いろんな国のいろんな味わいを楽しむクッキングに

たくさんの愛と感謝と笑顔をこめて。。。


クッキング教室(高橋是 講師)  写真(86枚)はこちら


◇ いくこ&のぼる