黒千石大豆の収穫体験・農協観光「食と農を学ぶ農感塾バスツアー」開催

2018/10/28 15:15 に 寺内昇 が投稿   [ 2019/08/04 17:33 に更新しました ]
2018年10月29日(月)

10月25日(木)、(株)農協観光・北海道統括事業部 主催による「食と農を学ぶ農感塾バスツアー」が、北竜町&滝川市にて実施されました。



(株)農協観光とは

 株式会社農協観光(のうきょうかんこう)は日本の大手旅行代理店の一つ。「N Tour」(エヌ・ツアー)のブランド名で知られる。会社名が示すとおりJAグループの一員。農協観光は本社及び全国11箇所の販売企画センターの下に直営の支店を置くほか、一部の単位農協が旅行代理業の資格を持ち、農協観光の代理店(JA旅行センター)として企画旅行の募集・受付を行っている。利用者はJAの組合員が中心となるが、組合員以外でも利用が可能。企画旅行ではJAグループと一体化した商品企画に特徴を持ち、JAの信用事業(JAバンク・JA共済など)と連動した団体旅行や、グリーンツーリズムを実践するための農業体験などを盛り込んだツアーなどを販売している。(wekiより引用


農協観光バスツアー「黒千石大豆・ごぼうの収穫作業体験&そば打ち体験!」 
農協観光バスツアー「黒千石大豆・ごぼうの収穫作業体験&そば打ち体験!」


食と農を学ぶ農感塾バスツアー

食と農を学ぶ農感塾バスツアーは、農林水産省補助事業「地域の魅力再発見:新北海道らしい食育推進事業」に伴う農業体験ツアーの一貫として行われたもので、10月25日(木)は、旭川中央交通の大型バスで20名の方々が参加しました。また、10月26日(金)は、若干内容を変化させた、札幌市発のバスツアーが予定されているとのことです。


北竜町の田園を走るツアーバス 
北竜町の田園を走るツアーバス

コース内容は、北竜町にて黒千石大豆収穫体験、黒千石大豆を使った調理実習と試食、そして滝川市平沢農場でのごぼうの収穫作業体験、さらに、新十津川町「ゆめりあ」にて、そば打ち体験を行う農業体験満載ツアーです。


「黒千石大豆・ごぼうの収穫作業体験&そば打ち体験!」御一行様 
「黒千石大豆・ごぼうの収穫作業体験&そば打ち体験!」御一行様


朝8時30分に旭川駅を出発、道の駅サンフラワー北竜にてトイレ休憩し、北竜町の収穫直前の黒千石大豆畑を訪問。黒千石事業協同組合・高田幸男理事長のお話を伺い、黒千石大豆畑での収穫作業体験。

体験後、北竜町公民館に移動し、黒千石大豆を使った調理実習と試食を実施。お料理の数々は、北竜町の黒千石大豆生産者の若奥さん達&関係者の方々が準備し料理してくださったものです。

試食後、2つ目の農業体験として、滝川市平沢農場でのごぼうの収穫作業体験。さらに、新十津川町「ゆめりあ」にて、そば打ち体験をし、自分で打った新そばを持ち帰ります。16時40分頃には、旭川駅前到着、解散となります。


黒千石大豆の圃場 
黒千石大豆の圃場

北竜町での黒千石大豆収穫体験

黒千石事業協同組合・高田幸男理事長のお話


黒千石事業協同組合・高田幸男 理事長 
黒千石事業協同組合・高田幸男 理事長


「今年の北海道は、台風などの自然災害により、様々な被害を被りました。この畑は、その中でも比較的順調に育った畑です。明日収穫となります。3町(3ha)ほどの畑です。300kg/10a程収穫できれば、10トン近くの豆がとれる予定ですが、今年は量が少ないようです。今年の農作物は、水稲、麦、豆などほとんどが平年を下回っています。

黒千石大豆の需要としては、半分は納豆です。栃木県宇都宮にあるあづま食品、そして道内では、江別市オシキリ食品(株)にて、納豆を製造しています。

黒千石大豆は、皮が固くて納豆菌が入りづらいこともあり、発芽させた黒千石大豆を納豆にしています。発芽することによって、ギャバという成分が高くなり、消化吸収しやすく、栄養素の高い納豆になります。この発芽納豆は、サンフラワーパーク北竜温泉、深川市の道の駅ライスランドふかがわ、滝川市の道の駅、砂川市の砂川ハイウェイオアシス館などで販売しています。

黒千石大豆の美味しい食べ方のひとつに、黒千石大豆入り炊き込みごはんがあります。今日収穫した黒千石大豆をご飯に入れて、豆ご飯で食べていただければと思います。豆ご飯の場合は、お米の10分の1の豆の量を入れます。3合(450g)であえば、45g〜50gほどの黒千石大豆を入れて炊いてください。黒千石大豆は一晩水に浸け、ご飯と一緒に炊き上げます。隠し味に、塩、昆布、酢。黒千石大豆を酢を入れて漬けると、炊いたご飯が色鮮やかになり、大変美味しい豆ごはんができます」。

黒千石大豆について熱く語る高田理事長 
黒千石大豆について熱く語る高田理事長


「私達が黒千石大豆の栽培を始めて13年になります。最初の頃は、札幌市の赤レンガ庁舎前で、毎年5月〜10月頃までに開催される『北のめぐみ愛食フェア』に毎月参加し、試食用豆ごはんをつくって、札幌のお母さん方に食べてただきました。それを10年間継続した結果、黒千石ファンが増加。札幌市のお母さん方が応援販売してくださるようになりました。

先日行われた『旭川駅マルシェ 2018』に3日間ブースを出展した際、3日間の内2日間シャキッとしたおばあちゃんが黒千石大豆を買いに来店されました。『おばあちゃん、お歳いくつですか?』という問に、『90歳になりました!』と、おばあちゃん。いつも食べているものは、豆と玄米とのこと! やはり、健康で元気の元は、豆と玄米ですね!

私も昭和18年生まれの75歳。黒千石大豆を毎日いただいて、こうして元気に働いています。豆に感謝しながら毎日を過ごしています。こうして黒千石大豆を知って食べていただき、おかわりしていただけることを願っています」と熱く語ってくださった高田理事長です。


熱心に聞き入るツアー参加者達 
熱心に聞き入るツアー参加者達


黒千石大豆収穫作業体験


黒千石大豆収穫作業の体験開始 
黒千石大豆収穫作業の体験開始


「一株を根元からすっと抜いて、土を落とした根っこをポキッと折り、15株まとめてビニールに入れます」と、高田理事長より、収穫方法を説明いただき、皆さんに実際に畑に入って収穫体験していただきました。

「収穫した黒千石大豆を自宅に持ち帰り、野菜ネット(編ネット)に入れて、逆さまに吊るして1か月間ほど乾燥させます。ネットに入れたまま、叩くと、鞘から脱粒します。その後は、美味しく食べてください」と高田理事長。

黒千石大豆収穫中 
黒千石大豆収穫中

おひとり15株 
おひとり15株

収穫を終えて 
収穫を終えて


質疑応答

Q:どんな方法で植えるのですか?
A:種を直播きしています。今年は5月12日頃、直藩しました。豆の中では一番先に種を播いて、一番最後に収穫するのがこの黒千石大豆です。その分、太陽の光を沢山浴びて、太陽の力をいっぱいいただいているのがこの黒千石大豆です。

Q:庭に植えた時、追肥の必要がありますか?
A:花が咲いた時、追肥をするといいです。花が咲いて実をつけるときに追肥したほうが、より実が大きく育ちます。肥料を与えすぎると、かえって実がつかない場合があるので、肥料はあまり必要ありません。


収穫期を迎えた黒千石大豆 
収穫期を迎えた黒千石大豆


Q:大阪在住なのですが、この豆を大阪に持ち帰って植えても育ちますか?
A:残念ですが育ちません。この黒千石大豆は、北海道の在来種なので北海道の気候の中で育つ豆です。気温環境により、豆の大きさや色などが変化して、上手く育ちません。

Q:北海道の在来種の豆ということですが、北海道で野生していたのですか?
A:早生黒千石大豆という在来種は、もともと野生でツルになっていたものを、栽培しやすいように品種改良を重ねた豆です。この畑の豆は、拓殖大学の教授に依頼し、黒千石大豆の品種改良を重ねて誕生した、草丈は伸びても倒れないようしっかりとした茎、早生で収穫量の多い新しい品種の豆です」と、沢山の質問に真摯に応えてくださった高田理事長です。

質疑応答 
質疑応答


今回、高田理事長より、皆様に感謝の気持ちをこめて、おひとりに「黒千石きな粉」1袋のプレゼントがありました。


ありがとうございました! 
ありがとうございました!


その後、北竜町公民館へ移動。黒千石大豆の調理実習とお料理の試食会が行われました。


昼食会場の北竜町公民館に向かいます 
昼食会場の北竜町公民館に向かいます

黒千石大豆の調理実習とお料理の試食会(北竜町公民館)


昼食:北竜町公民館 
昼食:北竜町公民館


3班に分かれて、料理実習(黒千石大豆入り春巻き)が行われました。


料理実習(黒千石大豆入り春巻き) 
料理実習・(株)農協観光・小田啓介 旭川支店長からの説明

講師:永井美保子さん

講師は、黒千石大豆生産者の奥様・永井美保子さん。


講師:黒千石大豆生産者の奥様・永井美保子さん 
講師:黒千石大豆生産者の奥様・永井美保子さん


黒千石大豆入り春巻きのレクチャーをする永井さん。予め用意された具材を春巻の皮で包み、油で揚げます。


料理の説明中 
料理の説明中

「黒千石大豆入り春巻き」作り 
「黒千石大豆入り春巻き」作り

こんがりきつね色 
こんがりきつね色

皆さん楽しく 
皆さん楽しく

試食タイム


試食タイム 
試食タイム


料理メニュー

1.黒千石大豆入り混ぜご飯
2.黒千石大豆入り春巻き
3.黒千石味噌(かぼちゃとさつまいも素揚げ添え)
4.黒千石豆腐入味噌汁
5.黒千石シフォンケーキ
6.白菜とキュウリの漬物


黒千石大豆入り昼食 
黒千石大豆入り昼食


1.黒千石大豆入り混ぜご飯
鶏肉、しいたけ、人参、ごぼう、油揚げを煮汁(黒千石大豆の煮汁の加えます)で炊き込んだ混ぜご飯。黒千石大豆は、柔らかく煮たものを、炊きあがりに混ぜ込みます


黒千石大豆入り混ぜご飯 
黒千石大豆入り混ぜご飯

2.黒千石大豆入り春巻き
豚ひき肉、にら、もやしを混ぜて味付けし具材を準備。参加者の皆さんが、具材を春巻きの皮に巻いて、油であげるという調理実習を行います


黒千石大豆入り春巻き 
黒千石大豆入り春巻き


3.黒千石味噌
柔らかく煮た黒千石大豆に、味噌、酒、みりん、白練りごまを混ぜ合わせた豆味噌。素揚げしたかぼちゃ、さつまいもにつけていただきます


黒千石味噌 
黒千石味噌

4.黒千石豆腐入味噌汁
黒千石豆腐とネギがたっぷり入り、北竜町産「あったか味噌」を使用した味噌汁。「手作りあったか味噌」は、北竜町の竜西農場で作られている味噌。クリーン栽培米の麹を使用し、無添加の安心安全な手作り味噌です


黒千石豆腐入味噌汁 
黒千石豆腐入味噌汁


5.黒千石シフォンケーキ
黒千石大豆の煮豆と煮汁を加え、米粉と卵でつくるシフォンケーキ


黒千石シフォンケーキ 
黒千石シフォンケーキ

6.手作り白菜のお漬物


手作り白菜のお漬物 
手作り白菜のお漬物

MIHO'S黒千石cooking

レシピは、北竜町ポータル「MIHO'S黒千石cooking」に掲載されています。


MIHO's 黒千石 Cooking 
MIHO's 黒千石 Cooking


ご協力いただいた北竜町・農協観光の皆さん

・永井稔さん&美保子さん


永井稔さん&美保子さん 
永井稔さん&美保子さん

・渡部鮎美さん(保育士)、竜西農場奥様・安達直子さん、美葉牛農家の奥様・道下里美さん

真心込めてご協力いただいた皆さんに、心から感謝いたします。ありがとうございます!

渡部鮎美さん(保育士)、竜西農場奥様・安達直子さん 
渡部鮎美さん(保育士)、竜西農場奥様・安達直子さん

美葉牛農家の奥様・道下里美さん 
美葉牛農家の奥様・道下里美さん

お料理の準備中 
お料理の準備中

農協観光のスタッフさんもお手伝い 
(株)農協観光の皆さんもお手伝い
北海道統括事業部・西出光秀さん(左)、植田誠さん(右)

参加の皆さん、美味しく大満足で、黒千石大豆料理の数々をいただきました。


いただきます 
いただきます

美味しい! 
美味しい!

美味しくいただきました! ごちそうさまでした!!!


ありがとうございました! 
ありがとうございました!

黒千石大豆の圃場 
黒千石大豆の圃場


北海道の大地が育む食と農の架け橋、
地域の魅力に光をあて、生産者と消費者の心と生命を紡ぐ農協観光ツアーに、
限りない愛と感謝と祈りをこめて。。。


黒千石大豆 
黒千石大豆

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◇ 撮影・編集=寺内昇 取材・文=寺内郁子