2012年2月2日(木)
新しい年が明け、雪深い日々が続く中、1月も最後の日を迎えました。
1月31日(火)、空知農業改良普及センター北空知支所(深川市)にて、北海道主催「平成23年度生産者がつくる愛食料理コンテスト」で優秀賞を受賞された作品・永井美保子さんの「フライパンで焼く!黒千石入り米粉パントリオ」のクッキング教室が開催されました。
◆ 若手女性農業者グループ「きら☆そら」
参加された皆さんは、若手女性農業者グループ「きら☆そら」の方々10名。
「きら☆そら」(代表・深瀬アユミさん・北竜町)は、2011年春に誕生した、北空知で農業を営んでいる若手女性農業者のグループです。メンバーの15名は、北竜町6名、秩父別町4名、妹背牛2名、深川市1名、沼田町1名、雨竜町1名。
グループ誕生のきっかけは2009年・・・遡ること3年前・・・空知農業改良普及センター北空知支所が主催して行われた講座「ニューファーマー塾2」でした。
「ニューファーマー塾2」とは、結婚を機に初めて就農した女性が、パートナーとしてご主人をしっかりとサポートできるように、農業経営を含め様々なことを学ぶ講座です。
ほぼ月に1回、実習、現地研修、座学の形で講座が開催。活動範囲も広く、秩父別町では田植え作業研修、北竜町では水稲の有機栽培の圃場視察、深川市の加工施設では米粉料理実習など、様々な学習を重ねました。地元を超えて隣接市町村との広域活動を実践したのです。
3年間で培われた知識と農業への想いが、仲間として絆を深め、さらに活性化して広がっていくために、新しいグループとして「きら☆そら」が誕生しました。皆さんの心が深く繋がり、熱い想いがふくらんでいったのです。
グループの活動を支援し、バックアップされているのが、空知総合振興局・空知農業改良普及センター北空知支所の専門普及指導員・岩谷信子さんと沼田地域第3係の古家貴美子さん。グループの活動についてアドバイスされ、いつも優しく見守っていらっしゃる、頼り甲斐のある指導員のお二人です。
「そら☆きら」は、月刊誌『農家の友』平成24年1月号で紹介されました。
昨年の春に生まれた「きら☆そら」です!
注目したい女性グループ・女性起業家登場 Vol.55『農家の友』平成24年1月号
きら☆そらメンバー:15名(敬称略・会員数順・氏名50音順)
北竜町(6名):深瀬アユミ(代表)、赤松未紀、齋藤ひとみ、永井美保子、干場友美、森島みゆき
秩父別町(4名):我部山真美、高松君恵、戸田王恵、松永幸恵 妹背牛町(2名):蔵本こずえ、森由紀
深川市(1名):馳桂子 沼田町(1名):松本恵利 雨竜町(1名):野原郁美
この日の活動は、「米粉製粉機見学」と「クッキング教室」。
◆ 米粉製粉機(北空知産直センター)見学
まず、訪れたのは、北海道深川市納内町にある北空知産直センター。
素晴らしい性能を誇る「米粉製粉機」を見学しながら、施設長の溝口公彦さん(64歳)のお話を伺いました。
北空知産直センターにて説明を受ける「きら☆そら」メンバー
左:溝口公彦(64歳)さん 右:サタケ・小型製粉機「SRG10A」
施設長の溝口公彦さんのお話。
2008年に小型製粉機を導入し、米粉の生産を開始しました。それまでにも、米粉の製粉機はありましたが粉砕が荒く、できた米粉で団子等を作ることはできましたが、パンやお菓子に使うことは困難でした。
その後、パン食が増えるにつれ、パンを作るための米粉の需要が増加してきました。そのような時代背景の中、小型で手が届く価格(約260万円)の製粉機が、株式会社サタケ(広島県)から発売されたので、早速導入しました。日本全国で4機目、北海道では初めての導入でした。コンパクトで、ボタンを押すだけで運転が可能な操作性の良いものです。
導入したサタケの小型製粉機「SRG10A」は、米を1時間に10キロ製粉できます。製粉された米粉の平均粒径は90ミクロン。まず、米を8等分くらい粗く砕き、さらに高速粉砕で細かく砕いていきます。この2段階方式の採用により製粉時の米粉の損傷を低減することができ、良質の米粉の製粉が可能で、パンが作ることができるようになりました。
この製粉機は、ミクロン単位の粉を生成するため、湿度が高いとメッシュが詰まり易いのです。湿度の高い夏場は、晴れた日に製粉するようにしています。また、製粉時にはかなりの粉が舞うので、定期的に屋外に機器を運び、高圧エアーで掃除しています。機器の設置場所にも配慮が必要です。
米粉に興味をもつ皆さん、いくつもの質問を投げかけながら、熱心にメモをとり、聞き入っていらっしゃいました。
溝口さん、貴重なお話をありがとうございました。
もともとお米は、硬くて粉砕しにくい作物。粉砕時に、米のでんぷん粒に傷がつくと、水分の吸収率が高くなり、パンのように、ふっくらとした生地になりません。そのため、でんぷん粒を損傷することなく、小麦に近い微細な粒に製粉する技術が開発されてきました。そしてパンやケーキ、麺など、さまざまな用途に使い分けられる上質な米粉が生産されるようになったのですね。これから先、米粉製粉機のますますの発展が楽しみです。
北空知産直センター(深川市納内町2−7−3 電話:0164-24-3106)では、「萌えぎ里・米粉・農を結びっ粉」を、米粉1kg:500円、もち米粉1kg:750円で販売しています。また、精米を持ち込んだ場合は、1kg:180円で米粉にしてくれます。
◆ クッキング教室
午前11時、空知農業改良普及センターに戻り、調理室にて、クッキング開始です。
永井美保子さんが、すぐにスタートできるよう、予め材料や道具を準備し、セッティングしてくださっていました。
永井さんの説明を混じえながら、実演スタート。
左:空知農業改良普及センター北空知支所(北海道深川合同庁舎)
右:黒千石入りパントリオの材料
◆「黒千石入り米粉パントリオ」レシピ(分量12個分)
◆ 材料
(1)米粉100g、強力粉200g、塩5g、ドライイースト4g、砂糖20g
(2)牛乳150ml、卵1コ、バター20g
(3)ビビンバ:
・豚ひき肉50g、もやし50g、ニラ30g、人参1/3本(千切り)、キムチ40g(ザク切り)
・コチュジャン小さじ1/2、テンメンジャン小さじ1、醤油小さじ1、ごま油適量、サラダ油適量
(4)きんぴら:
・ごぼう、人参各1/3本(ささがき)
・砂糖大さじ1、醤油大さじ1,みりん大さじ1,ごま油少々、鷹の爪(輪切り)少々
(5)黒千石大豆あんこ120g(1コ30g×4コ)
(6)黒千石大豆50g(柔らかく煮ておく)
(7)海苔、白ごま、黒ごま各適量
◆ 作り方
・米粉を使用しているので、二次発酵は不要
(1)フードプロセッサーに、材料の(1)を入れて攪拌し、(2)を少しずつ加える
・砂糖は、イーストの養分として、発酵をさかんにし、同時にこんがりとした焼き色と
よい香りをつける役目あるので、イーストの近くに砂糖をいれます
・逆に、塩はイーストのそばに置くと、発酵を抑えることがあるので、
できるだけイーストと離して入れるとよいそうですよ
(2)ひとまとまりになったらバターを加え、さらによくこねる
フードプロセッサーに、材料を入れて攪拌
(3)生地の2/3に黒千石大豆を混ぜ込み、丸めて一次発酵させる(50℃で20分程度保温)
黒千石大豆を混ぜ込み、丸めて一次発酵
(4)一次発酵の間に具材をつくる:
・ビビンバ、きんぴらは、それぞれ野菜を炒め味付ける
・黒千石大豆あんこは、1コ30gにして丸めておく(4コ分)
(5)一次発酵した生地を12等分にして丸め、10分ほどベンチタイムを取ったあとに具を包む
左:一次発酵の間に具材をつくる 右:生地を12等分にして丸め具を包む
(6)プレーン生地:あんぱんは、黒ごまをつける
・黒千石入り生地:ビビンバパンは、 刻んだ海苔
・きんぴらパンは、白ごま
(7)ホットプレート180°Cで15分焼き、ひっくり返して170°Cにしてさらに10分焼く
左:具材を包みます 右:ホットプレート180°Cで15分焼きます
あつあつほっかほっかの美味しいパントリオが完成!
試食タイムは、和気あいあい楽しいおしゃべり♫
左:あつあつの出来上がり 右:和気あいあいの試食
中に入れる具材のアイデアが次々と飛び出してきます。
カレー味、カボチャあん、チョコレート、カスタードクリーム、栗きんとんあんなどなど、アイデアしだいで、お気に入りパンのできあがり!
さらに、パンが冷めたときに硬くなってしまわないように、入れる具材の工夫などなど、活発な意見の数々に花が咲きます。
「米粉にはグルテンが入っていないので、料理をするときにダマにならないし、固まりにくい。そんな特徴があるので、シチューなどのとろみをつける料理につかったり、工夫しだいでいろいろな料理に使えるよね!」
米粉のもつ素晴らしい特性を活かした料理のさらなる広がりが、皆さんのお話からじんわりと伝わってきました。
左:戸田さん手作りの極上羊羹と抹茶 右:お弁当ランチタイム
そして、部屋を移動し、各自持参したお弁当ランチを戴きながら、これからの活動計画会議。
そこに、メンバーの戸田さん手作りの極上羊羹と抹茶のおもてなし!なんともリッチな、なんとも心豊な、ハッピータイム!
たくさんの笑い声が飛び交い、楽しい会話が続きました。
元気一杯!若手女性農業者グループ「きら☆そら」の皆さん
地域を超えて、広がり繋がっていくヤングパワー
学び、気づいて、一歩前進していく行動力は、
自分自身を磨き、まわりをも輝かせるミラクルパワー
限りなく発展するこれからの農業を担い、
家族みんなが安心して、楽しく暮らしていけるように
リードしていく女性パワーに
大いなる尊敬と感謝と笑顔をこめて。。。
◆ 関連記事ほか
・平成24年度「生産者がつくる愛食料理コンテスト」で北竜町の2チームが優秀賞を受賞!(2013年1月21日)
・平成23年度「生産者がつくる愛食料理コンテスト」で永井美保子さん「フライパンで焼く!!黒千石入り米粉パントリオ」が優秀賞受賞!(2012年1月16日)
・<北海道庁ホームページ>平成23年度「生産者がつくる愛食料理コンテスト」の入賞作品が決定しました!
・北竜町の黒千石大豆紹介ページ
◆ お問い合わせ先:
◆ 黒千石事業共同組合
〒078-2503 北海道雨竜郡北竜町字碧水31-1
TEL(FAX) 0164-34-2377
◆ 空知農業改良普及センター北空知支所
〒074-0002 北海道深川市2条19番13号
TEL 0164-23-4267
◇ いくこ&のぼる