今年2015年の3月末まで、北竜町の保健師として健康増進に関する仕事をしてきましたが、めでたく(?)退職。
 北竜ポータル管理者の寺内ご夫妻からお誘いをいただき、今までの経験を活かして健康に関するコラムを書かせていただくことに
 なりました。これからは、北竜町に住む「由美子さん」が日々のよもやま話から健康についての考えや情報を皆様にお伝えしたいと
 思います。
 いやぁ、そんなこと言っていつまで続けられるか不安いっぱいですが、気負わずやってみようと思ので。
 暇なとき、ちょっと読んでやって下さいませ。

蚊に注目!【No.11】

2016年8月

さあ夏ど真ん中。
里のひまわりもきれいに咲いていますよ。
今年も恒例の、ひまわりの里駐車場誘導作業をしている職員の皆さま、暑い中お疲れ様です!
熱中症には十分お気をつけて。

さて、今回は「蚊」にご注目。
でも、蚊の生態ではなくて蚊が運んでくる(媒介する)感染症のお話です。

蚊に刺されることで起こる感染症で、最近話題なのは、「ジカ熱」。
そして、子育て中の親御さんが最近身近な「日本脳炎」。
そして、昨年某公園で多数の患者さんを出した「デング熱」や「マラリア」もそうです。
いずれも、これらウイルスを持っている蚊がヒトを刺すことで感染し、病気を発症するのです。

以下は、今話題に出した感染症の概要(抜粋)です。 (出典:東京都感染症情報センター

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出典:東京都感染症情報センター

日本脳炎以外の感染症は、発生地域に渡航することで、国内に持ち込むということになります。
昨年本州で流行した「デング熱」はその一例です。

リオオリンピックを間近に控え、話題になっている「ジカウイルス感染症(ジカ熱)」は、国内発生の心配は今のところありませんが、デング熱同様、流行地域からの持ち込みが懸念されており、対策が講じられています。最近ニュースでこの病気の感染を憂慮しオリンピック出場を断念したスポーツ選手がいましたね。

そして、ご覧になってわかるように、日本は「日本脳炎」の発生地域として有名(?)です。
病名に「日本」ってついちゃってるし・・・。
日本脳炎ウイルスを媒介する「コガタアカイエカ」は国内では関西地方以南に生息しており、昭和40年代前半までは年間国内患者数が1,000人前後。致死率30~50%と高いものでしたが、近年では患者数10人未満、致死率も17%まで減少しました。それでも高齢者や小児を中心に発症しているようです。
日本脳炎患者数が減ってきた背景には、予防ワクチンの普及と、衛生的な生活環境の向上が特に上げられます。

ここで、蚊に刺されないための環境づくりのポイントを少し載せておきます。

 ① 蚊が発生する時間帯や場所に行くときには、肌を露出しない格好にすること。
   (特に素足のサンダル履きは盲点になるので、気をつけて)
 ② 虫よけスプレー、シートなどを利用する
 ③ 家の周りにため水があるとボウフラが発生し、蚊の大量発生につながるので、チェック
   (特に植木鉢にたまった雨水やタイヤの間にたまった水、いつまでも無くならない
    大きな水たまりなど気を付けて)

今年4月から、北海道でも日本脳炎の予防接種が定期接種化されました。
今までは北海道には「コガタアカイエカ」は生息していないことを理由に、北海道知事の特例で免除されてきた予防接種です。 でも、少し考えてみればわかるように、道産子はその一生を道内で生きるわけではないのです。それに、地球温暖化の影響で、いつこの蚊が北海道に上陸するとは限らないしね。

北竜町内でも、お子さんのいるお母さん方は接種を検討されていますよね。

我が家にも高校生が一人おりまして、20歳までにこの予防接種を済ませてしまおうと企んでおります。
北竜町は子育て家庭に優しい町ですので、子供の定期予防接種は自己負担がありません。
今年中に初回の3回分接種を何とか終わらせるべく、息子の早く帰宅する日をチェックし、本人を捕獲(蚊じゃないし笑)し、町立診療所へ連れていくのです。

しかし、既に巣立ってしまったお子さんのいるご家庭は、もっと大変でしょうね。
お子さんの住む地域で予防接種を受ける方法は、すこやかセンターで保健師さんに相談してくださいね。
良い方法を教えてくれますから。

私事ですが、実はこの予防接種の周知が来たとき、接種を受けさせるかどうか考えました。
正直いって、面倒くさかったのです。今までしていなかったのになぁって少し頭をよぎりました(保健師のくせに正直すぎる?)。
しかし、息子の健康状態や将来の暮らし、そして性格(親に似て面倒くさがりや)を考え、親の目の届くうちにしてあげられる事はやろうと決めました。
おかげで、初回3回目を12月の冬休み中にできるところまでこぎつけました。
しかし、問題は4回目の追加接種・・・。
望ましい接種時期を考えると、20歳超えてしまう!任意接種になっちゃうなぁ。

さあ、これから夏の夜の行事が目白押し。キャンプや花火大会やビールパーティーですね。
蚊があなたのお肌を狙っていますよ。
感染症は心配ないとしても、刺されだしたらあっという間に10か所20か所になってしまいますからね。
虫よけスプレー買っておかないと!

蚊
デザイン・作:高橋由美子さん


ゆみこさんの健康よもやま話