今年2015年の3月末まで、北竜町の保健師として健康増進に関する仕事をしてきましたが、めでたく(?)退職。
北竜ポータル管理者の寺内ご夫妻からお誘いをいただき、今までの経験を活かして健康に関するコラムを書かせていただくことに
なりました。これからは、北竜町に住む「由美子さん」が日々のよもやま話から健康についての考えや情報を皆様にお伝えしたいと
思います。
いやぁ、そんなこと言っていつまで続けられるか不安いっぱいですが、気負わずやってみようと思ので。
暇なとき、ちょっと読んでやって下さいませ。
5月病【No.8】
2016年5月
ゴールデンウイークも終わりました。
この長いお休み中に北海道の桜も咲き始めました。
北竜町の桜は札幌よりも満開時期が遅れますから、少しゆっくり楽しめますね。
ということで、ゴールデンウイーク(GWと書きます)が終わってしまうと、あの時期です。
そう「5月病」。
実は「5月病」なんていう疾病はないってご存知でしたか?
これは、一つの俗称のようなものでしょうか。
高校生から大学生に、学生から社会人にと大きく生活環境が変わり、約1か月。
何でも自分でやらなくてはならない、自分で考え判断しなくてはならない日々が、 GWというつかの間のインターバルで、それまで張りつめていた気持ちが一気に緩む。
そして、休みが終わりまた緊張の日々が始まるかと思うと・・・。
気分が持ち上がらなくなっている自分に気づく。
「仕事(学校)行きたくないよぉぉぉ!」
言葉に出せればいいけれど、出せないものだから体の症状が出たり、精神的に落ちてしまったりするのです。
実はこれ、新人さんだけに起こる事ではないと言われています。
職場で異動になったり、新しい仕事を手掛けるようになったり、そんな事から起こることもあります。 大体そういう事は4月始まりが多いですから、5月頃疲労が出てくるといことになります。
しかも、皆が皆5月に起こるとは限らないようです。半年後くらいになる人もいるようですよ。
・・・変則的な例としては、こんな事もあります。
N子さんは新社会人になりました。
笑顔が印象的で、明るい声。フットワークの軽い気の付く女性です。
職場の上司や先輩にも良い評価をされています。
彼女自身もそんな周りの期待感が感じ取れるので、早く一人前に仕事ができるようになりたいと毎日のように居残りで仕事をします。
そして就職と同時に、一人暮らしも始まりました。
早起きして掃除洗濯、朝食も食べ、お弁当持参で出社します。
GWになりました。
休暇中は学生時代の友達と一緒に遊ぶ約束をしていたのに、ドタキャンしました。
実家に戻ったN子さんは、一日中眠ってばかりいたのです。
「せっかくのGWだから」と、家族に無理やり連れ出されて買い物に出かけましたが、イライラし通し。
GW期間中、親と喧嘩ばかりして、休みが終わり自分の家に戻る日には、なんだか涙が止まらなかったとか。
その後、N子さんはいつもの生活に戻れたのでしょうか?
答えはYES。またいつもの日常生活が始まったのです。
・・・がしかし・・・。
その半年後、彼女は「抑うつ」のために約1か月休養することとなりました。
N子さんは多分「5月病」を患ったのでしょう。
しかし、それを自覚しないまま一生懸命新しい生活に適応しようと頑張り続けてしまいました。
本当は「疲れちゃったよ」と言いたかったけれど、言えなかった?
いや、ひょっとしたらその心の声に気が付くことすらできなかったのかもしれません。
N子さんはこの事を経験して、生活の方針を考えたそうです。それは次の5つ。
① 他人の期待に応えるのではなく、私のなりたい私になる努力をする ② 嫌なことがあったらなるべく誰かに話してしまおう ③ (掃除洗濯は出来なくても)朝ごはんは毎日食べる ④ 仕事以外の人間関係をつくろう ⑤ 疲れたら休もう
これは、あくまでN子さんのペースで考えた事ですから、皆に通用することではないのかもしれません。
でも不調になったとき、自分に何が起きたかを見つめることと、自分らしさを取り戻す事は誰にも共通で大切だと思います。
GWのN子さんの様子は明らかに変ですが、病気と言い切れない感じでもあります。
よくあるうつや心身症の症状に比べれば軽く感じてしまいます。
でも、5月病って本格的な不調に陥る前のサインなのでは?
恐れずに早いうちにうまく乗り切れれば、大丈夫。
それには、焦らず自分のペースを掴むこと。
新人さん、それ以外の新しいことを始めた皆さん。
心揺れる5月です。
あなたらしく前に進んでいってくださいね。
「5月病」デザイン・高橋由美子さん
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