今年2015年の3月末まで、北竜町の保健師として健康増進に関する仕事をしてきましたが、めでたく(?)退職。
 北竜ポータル管理者の寺内ご夫妻からお誘いをいただき、今までの経験を活かして健康に関するコラムを書かせていただくことに
 なりました。これからは、北竜町に住む「由美子さん」が日々のよもやま話から健康についての考えや情報を皆様にお伝えしたいと
 思います。
 いやぁ、そんなこと言っていつまで続けられるか不安いっぱいですが、気負わずやってみようと思ので。
 暇なとき、ちょっと読んでやって下さいませ。

春眠暁を覚えず【No.7】

2016年4月

 春本番。
日差しがまぶしくなってきました。
もう寒さに体を丸めていた日々にもサヨウナラです。

先日、息子が
「次のコラムは何書くの?」と聞いてきました。
おおっ!母のコラムに興味を持ってくれたのね。と心中にんまりしながら、
「質の良い睡眠について書こうと思っているの。」と答えました。
すると、
「はっ?!母さんが?今回は自虐ものでいくのかぁ(失笑)」
母絶句・・・。

 皆さんは大体何時間睡眠をとっていますか?
理想的には7時間の睡眠といわれていますね。
しかし、睡眠時間と「ぐっすり眠る」といことは、必ずしも一緒ではないことは皆さんも経験されているでしょう。

例えば、明日は早く起きなければならないからといって、前日早々にベッドに入ってもなかなか寝付けず、結局寝不足。
または、明日はお休みだからと言って深夜まで起きていて、翌日昼近くに起きる。7時間以上眠ったといっても、なんだか体がだるく結局その日は何にもできなかったなんて。

 なぜそんな事があるのかというと、眠りには一定のリズムがあるといわれているからです。
そのリズムを活かす眠り方、それこそ「質の良い睡眠」という事なのでしょう。

睡眠 ここで少しおさらい。
睡眠には大切な役割があります。
 ① 脳と身体の疲れをとる
 ② 情報の整理を行う(記憶や学習効果の定着)
 ③ 身体の成長を促す。または若さを維持する。
 ④ 病気の予防(免疫機能の維持、心肺機能の安静)

人間の睡眠には、大きく2つの種類があります。
 ① ノンレム睡眠:
  脳が眠っている状態で、眠りの深さによって4段階にわかれています。
  眠りは浅い眠りからだんだん深い眠りへと移行し、一番深い眠りに達すると、今度は逆に徐々に
  浅い眠りになりレム睡眠へ移行します。
 ② レム睡眠:
  身体は深く眠っているのに、脳は覚醒しているという状態。目覚めの準備状態と言われており、
  この段階で目覚めると気分がすっきりするといわれています。
このノンレムとレム睡眠が現れる平均90分間を1クールとし、平均5クールを睡眠リズムとしています。

そして重要なのは、脳が眠るノンレム睡眠の深さ。
就寝時間中の前半に深いノンレム睡眠が現れ、目覚めに向けて徐々に浅くなり、レム睡眠の占める時間が多くなるのです。
そういうことで、寝つきの良さと途中覚醒のないことが、深いノンレム睡眠を獲得するポイントといえます。

ということで、「質の良い睡眠」をとるためのポイントを調べてみました。
 ① ぐっすり眠れる部屋の環境を整える
  (室内の温度、湿度、寝具の色、照明、香り、音など)
 ② 寝る前にストレッチ
  (ストレッチすることで、脳に休む時間だと伝える)
 ③ 寝る前にPC、スマホを見ない癖をつける
  (画面の光や情報が脳を刺激してしまう)
 ④ 睡眠の2~3時間前に飲食は終わらせる
  (消化器官が動いていると脳が眠れない)
 ⑤ お風呂は寝る1時間前までに入っておく
  (お風呂上がりたてのホカホカ状態では、熟睡のための体温低下ができない
   逆に体が冷えすぎていても、床に入る事により体温が上昇してしまう)
 ⑥ 悩みを睡眠に持ち込まない。
  (布団に入る前にぶちまけスッキリしてから)

他にもいろいろなものがありましたが、上記がよく言われていることです。

 冒頭、息子が私に言った言葉。
なぜそんな事を言うのかといいますと、実は私「夜ふかし人間」でして
質の良い睡眠とは程遠い眠り方をしているのです。
真夜中12時過ぎまで起きているのは当たり前。なのに早朝から起きだし午前中は気が張ってシャンとできるけれど、午後は眠くてふらふらしていることもあったりして。

この季節、「春眠暁を覚えず」のあの漢詩が頭をぐるぐる回っているのでした。
「寝ていると外で雨風が吹いているのが聞こえた。せっかく咲いた桜が散ってしまうじゃないかっ!」っていうあの詩。
「そんなこと気にして眠れないなんて心配性なんだから~。どんだけ桜好き?」って学生の頃は思っていましたが。
今はその気持ちの乱れたまま寝ているシチュエーションが良くわかる。

夜中まで起きていて何をしているのかって?
それは、上記ポイントでいえば ⑥ でしょうか。
今こそ少なくなりましたが、日中の問題をうまく消化できず、眠れないなんて日常茶飯事。
ぶちまけることができないので、気持ちを整理するため、様々な私流儀式をしておりました。
(その内容についてはまた今度)

今は、睡眠の役割を最大に発揮すべくリズムを調整中ですが、それでもたまに我が家の窓がおそ~い時間までほんのり薄明るいときは、儀式中ということで・・・・。


春眠暁を覚えず 
「春眠暁を覚えず」デザイン・高橋由美子さん


ゆみこさんの健康よもやま話