今年2015年の3月末まで、北竜町の保健師として健康増進に関する仕事をしてきましたが、めでたく(?)退職。
北竜ポータル管理者の寺内ご夫妻からお誘いをいただき、今までの経験を活かして健康に関するコラムを書かせていただくことに
なりました。これからは、北竜町に住む「由美子さん」が日々のよもやま話から健康についての考えや情報を皆様にお伝えしたいと
思います。
いやぁ、そんなこと言っていつまで続けられるか不安いっぱいですが、気負わずやってみようと思ので。
暇なとき、ちょっと読んでやって下さいませ。
めたぼミステリアス?【No.5】
2016年2月
突然ですが、私はミステリー小説が好きです。 サスペンスドラマも大好き。2時間ドラマならば前半の30分で犯人と動機を予測してしまうほどです
(外れることが多いですが・・・)。
今回は身近にあったミステリアス?な話。
ショッピングモールの駐車場で、J氏(60代男性)に会いました。
J氏とは、以前の仕事仲間。おいしいスイーツを差し入れてくれたり、食事に連れて行ってくれたり、
やさしい先輩です。
年齢が離れていますが、考え方がよく合い、映画や音楽、本の話などで盛り上がっていた仲です。
J氏は見事な太鼓腹をしています。おそらく30代からその体形は変わりません。
そして、ダイエットの神(自称です、あくまでも!)でもあります。
その気になれば1ヶ月もあれば、10キロ近く体重を落とすことができるのです。
こんなことがありました。
ある日、飲み屋さんで飲んでいたとき、J氏の好みの女性が現れました。 どうしてもお近づきになりたいJ氏は、その日以来週末毎にそのお店に通い詰め、とうとうその彼女を口説くチャンスを得ました。
すると彼女、言葉を濁して他のお客様のところへ行ってしまいました。
席に残っていたもう一人の女性が、J氏に申し訳なさそうな顔で言ったのです。
「ごめんなさいねぇ。あの子おデブさんは生理的にだめなのよぉ」。
翌日、J氏はこの話を憮然とした顔で皆に話し、宣言しました。
「スマートになってまたあの店に行き、彼女にぎゃふんと言わせてやるっ!!!」
そして、涙ぐましい日々が始まりました。彼のダイエット方法はこの2つ。 その一、食事は夕食のみ。 その二、口にするのは、牛乳とりんご、水のみ
最終的には確か17~8キロ減量したはずです。
顔も小さくなりました。来ていたスーツも肩が下がるほどです。
でもねぇ・・・。そのころ職場の皆で噂していたのです。
「Jさんさぁ、めっきり老け顔になったよね」、
「なんか知らないけど、よくイライラしてるよね」、
「最近ポカミス多くね?Jさん」、
「この間、飲み会で立ちくらみ起こして先に帰ったってさ」。
そして、意気込んで例の飲み屋さんに行ったのですが、その彼女はもう店をやめていました。
がっかりしていたら、お店のママさんが一緒にチークダンスを踊ってくれたのだそうですが、
ここでトドメの一発。 「やだぁ。お腹がぶつかってうまく踊れませんねぇ。」
翌日からJ氏の生活が元に戻ったのは、いうまでもありません。
「なんで腹だけ引っ込まないのぉ? 俺の体ミステリーだよなぁ!!」 カラオケ用エコー付きマイクでこう叫んでいたのを思い出します。
そんなJ氏。今は結婚して妻と2人でお買い物に来ていたところを、私と再会したのでした。 駐車場近くのフードコートで近況を話しあいました。
私 「せっかく2人で来たのに。一緒に買い物すればいいのに」。 J 「いやあ、面倒くさいさ~。あちこち歩き回るのはさぁ。 それに女ってすぐ買わないだろ? 何回も同じ店入ったり出たり」。 「俺はさぁ、いっつも車の中でアイス食べて待ってるの。ああ、お前も食う?」
本当に久しぶりにJ氏のおごりにありついた私。小躍りでアイスを選んでいたら、その横でJ氏が
トリプルプラス1カップをオーダー。
私 「!!?・・・さっき食べたって言ってなかった?」。
J 「だってお前食べるんだし、付き合わないと(にっこり)」。
あきれた私とベンチで並んで食べていたら、買い物が済んだ奥様が登場。
にこやかに挨拶して夫に向かって一言。 「よかったわね~あなた、おいしい? ところで、またボタン飛ばしちゃったわね!」
ほんとだ。よくみたらJ氏のジャケットのおなか部分のボタンが無くなってる・・・。
ダイエット=食べない
簡単に痩せることだけを考えれば、すぐに思いつく公式です。
しかし、痩せるということと、美しい体形を取り戻すということは、決してイコールではないと思います。
私は、今まで痩せてもお腹が引っ込まない事例をたくさんみてきました。
「引っ込まない大きなおなか」に詰まっているもの、大抵それは内臓脂肪です。
まだまだ研究段階のようですが、内臓脂肪は主に3つの「悪さ」をすると言われています。
其の壱 血圧を上昇させる物質を出す。
其の弐 動脈硬化を進めてしまう物質を出す。
其の参 インスリンの働きを悪くして糖尿病にいざなう。
脂肪は燃焼させないと減りません。
偏ったダイエットは、脂肪どころか筋肉を減らしてしまったり、体内の免疫機能や自律神経機能を乱してしまいます。
筋肉が痩せると、体力も落ちることはみなさん知っていると思いますが、上記のような理由で気力も低下し、抑うつ状態になってしまうこともあるようです。
以前のJ氏は節食ばかりに方法を追求したあまり、筋肉を痩せさせてしまいました。
それにしてもJ氏、今はダイエットそのものとかけ離れた生活をしているようですが・・・・。
J氏の自慢の若い奥さん。背が高くて素敵なスタイル。
「そうだろー?こいつはさぁ、いくら食べても太らないんだ。 おっかしいよな、同じに食べてる俺だけ何でこんななの?・・・ ミステリーだよなぁ。はははっ!」
いくら食べても太らない妻と仲良く同じ(いやそれ以上に)食べているJ氏。
ミステリーどころかサスペンスになってしまう気がするのは、私だけでしょうか?
「めたぼミステリアス?」作・高橋由美子さん
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