今年2015年の3月末まで、北竜町の保健師として健康増進に関する仕事をしてきましたが、めでたく(?)退職。
 北竜ポータル管理者の寺内ご夫妻からお誘いをいただき、今までの経験を活かして健康に関するコラムを書かせていただくことに
 なりました。これからは、北竜町に住む「由美子さん」が日々のよもやま話から健康についての考えや情報を皆様にお伝えしたいと
 思います。
 いやぁ、そんなこと言っていつまで続けられるか不安いっぱいですが、気負わずやってみようと思ので。
 暇なとき、ちょっと読んでやって下さいませ。

食卓余白恐怖症【No.3】

2015年12月

 少し前の夏の頃。
10年ぶりに悪友と再会した時の話。

 彼女とは20代前半、「バブル時代」と呼ばれる少し前の頃。よく一緒に遊んだものでした。
彼女はかわいらしく、明るく、楽しく、お酒も強く、そして何よりとても女子力が強い。
仕事場には毎日手作りのお弁当を持参。
お料理、お菓子作りはお手のもの。
ご飯支度? そんなものは目を閉じていてもできるわよ。・・・これが彼女の決め台詞。
当時、「三高」といわれる競争率の高かった男性の心と胃袋をしっかり掴み、早々と結婚しました。
・・・その彼女と再開したのです。
可愛らしいその姿は、今も十分面影が残っている。2倍くらいに拡大してるけど・・・。

女2人、20代の頃の話は「コイバナ」でも、お互い50台に突入するとやっぱり「健康の話」。

彼女曰く、夫が糖尿病になってしまったそうです。
そして、自分も境界域糖尿病なのだそう。夫の写真を愛しそうに見せてくれました。
・・・う~ん、夫もこれまた面影あるけど2倍拡大バージョン・・・。

 彼女は栄養バランスを重視し、一生懸命食事を作ってきました。どんなに忙しくても、体の具合が悪くても、夫や子供たちに食事のことでクレームが出ることだけは阻止してきたそうです。
そんな彼女が、かかりつけ病院の栄養指導を受けたのだそうです。栄養士さんから重大な課題を突き付けられてしまいました。

『◯◯さん、あなたは食事作りすぎです!』
『食事は、主食、汁物、主菜1、副菜2。これだけでいいんです。』

そして、栄養指導を受けた後、主食と汁物、おかずは3品を守るようにしたそうです。
しかし今度は、
『◯◯さんの食事のおかずはすべて主菜級ですね。』といわれたそう。

◯◯子「だって、そんなんじゃ栄養バランスが保てないじゃないの。それに食卓が淋しいわよ!
    お茶碗と、お皿3枚と、お椀と・・・。何かもっと食卓に乗せないと!」
私  「は?そういう問題?」
◯◯子「そうよ! 私は食卓が食べ物で一杯になっているのがいいの。テーブルがスカスカだと何か   
     言われるんじゃないかって、不安なのよ。もう!私どうしたらいいのっ!」
  「食卓テーブル小さくしたら?」
◯◯子「えーっ!(苦笑)」
   「それに主菜と副菜ってどう違うのよ~!
    ガツンとしたものとあっさりしたものの違いじゃないの~?」
  「・・・そうじゃないと思うけど・・・。」


 北竜町では平成26年度に「北竜町健康づくり計画(後期計画)」というものを策定しました。
その際に、北竜町の住民を対象に「栄養調査」を行いました。
町内に住む住民さんを無作為に抽出し、成人家族の一日分の飲食を記録していただき、栄養分析を行ったものです。その調査の結果で大きな課題だったのは、食事摂取カロリーオーバー気味の人が多かったことです。
また、脂質摂取割合が高い人が多数いたということも特徴的でした。


この結果を受けて、今年のヘルシー講座のテーマは『糖尿病予防』。
栄養学習のテーマは、『500キロカロリーメニュー』や『主菜1と副菜2』となっているようです。
今一度食卓に並ぶお料理のことを見直したいと思っている方は、ぜひ参加してみてはいかがでしょう。
そして、私の友人のような食卓余白恐怖症の方は是非に。


・・・ちなみに我が家の食卓は余白広いです。
主菜も副菜も一緒に大皿一つに乗ってしまうこともしばしば。

まるで、「風神雷神図屏風」の如く、余白があることで両端の神々が躍動するように。
躍動的な食卓とでもいいましょうか(屁理屈ですね)。

私は彼女のように目をつぶっていてもご飯支度できるほど女子力無いのです。
そして食卓余白恐怖症ではないのですね、きっと。

逆に栄養的に足りないかもしれない!これも、問題ですね。
いつか栄養不足についても書きましょう。


食卓余白恐怖症 
「風神雷神図屏風」アレンジ・高橋由美子さん


ゆみこさんの健康よもやま話