2019年12月27日(金)
この度、世界ジュニアBカーリング選手権大会がフィンランドのロホヤにて開催され、札幌国際大学チームの一員として、北竜町教育委員会職員である清水野梨希(しみずの りんき)さんが選手権に出場されました。
12月6日(金)に日本を出発してフィンランドへ向かい、12月20日(金)に帰国されました。お忙しい中、清水野梨希(しみずの りんき)さんにカーリングについてのお話をお伺いしました。
清水野梨希(しみずの りんき)さん(20歳)
▶ 清水野梨希(しみずの りんき)さん
清水野梨希(りんき)さんは、1999年(平成11年)生まれの20歳、妹背牛町出身。
▶ カーリングファミリー
「母親がカーリングをやっていたので、私は小さい頃から母について、妹背牛町のカーリングホールに行っていました。最初に兄が始めたので、一緒のチームで小学校5年生頃からやりはじめました。兄が大学に入る前、私が高校2年生まで、ずっと一緒のチームでやってました。
私のスポーツ歴は、小学校時代はバスケット、中学校・深川西高校時代は軟式野球部で、それとは別にカーリングをやっていました。夏場は部活をやり、冬場はカーリングの練習でした。
▶ 兄と一緒のカーリングチーム
最初のチームは、兄と兄の友達2人、私と私の友達との5人のチームでやっていました。大会に出場するようになると、専属の土田コーチ(妹背牛町)の指導を受けながら練習を重ねてました。
その後、兄とその友達(2人)、南富良野にいた兄の同級生が、札幌学院大学に入学し、そのメンバー4人でチームを組むことになりました。私は大学生ではないので、その大学のチームには入れませんでした。
▶ カーリングチーム「絆そらぷち」
その頃から、小さい頃から大会など出ていたチーム『絆そらぷち』に参加して一緒にやることになりました。私と同級生2人と1歳年下の仲間の4人でチームを組んで練習し大会に参加していました。その後、私以外の3人は札幌国際大学に入学。私は、特別に『札幌国際大学』のメンバーとして参加することとなりました。
清水野梨希さん
▶ 世界ジュニアBカーリング選手権大会
世界ジュニアBカーリング選手権は、世界カーリング連盟が主催するカーリングの21日歳未満の選手による世界選手権大会です。
世界選手権の予選という形で、ワールドBが作られました。ワールドB選手権の上位3チームが、ワールドA世界選手権への出場権を獲得できます。ワールドAの世界選手権の本戦で、上位6チームに残れば、次回は最初からワールドAで戦うことができます。
▶ 第28回日本ジュニア選手権大会で私達「札幌国際大学」チームが優勝
今回、11月に妹背牛町カーリングホールで開催された、第28回日本ジュニア選手権大会で、私も所属している『札幌国際大学』チームが優勝を獲得し、フィンランド・ロホヤでの世界ジュニアBカーリング選手権の参加資格を得ることができました。
JOCジュニアオリンピックカップ 第28回 日本ジュニアカーリング選手権 JJCC 2019
引用:日本カーリング協会・公式ホームページ
▶ 清水野梨希さんとカーリング
▶ カーリングの練習
小さい頃から、カーリングをする母の姿を見ていましたし、小学校5年生から本格的に兄と一緒にやっていて、10年程ずっと続けています。
▶ カーリングの魅力
私がはじめた頃は、カーリングは、あまり知られていないマイナーなスポーツでした。年を重ねるごとに、ルールも新しくなっていき、最近では、世界選手権大会参加などで認知されるようになってきました。
カーリングは、やればやるほど、突き詰めれば突き詰めるほど、上達していくのが感じられるスポーツです。やっていて成長を実感できます。小さい頃から大人相手に戦ったりしていたので、どんどんその感覚は身についてきました。年齢関係なく楽しめるのがカーリングの魅力だと思います。
▶ カーリングの難しい点
身体の成長に合わせて、フォームを改善し、変化させていかなければならないところが難しいです。これまでは、一定の形でずっとプレーしていたのですが、最近そのフォームを変化させる時期にきていて、今、研究中です。
コーチが撮影してくださった試合中のビデオをみながら、コーチの指導を受け、修正・改善しながら毎日研究しています。
プレーにおける感覚を鋭くするのは、毎日の練習の積み重ねによって磨き上げられていきます。チームに合わせてストーンを動かすスピードの測り方は変わります。そのスピード感は、チームによって異なるので、練習を重ねていくことによって、次第にその感覚が身についてきます。
ハック(蹴り台)を蹴る力、リリース(手放す)時の押し方など、微妙な力の入れ具合で距離が変わります。リリースもスイパー(ブラシで磨く人)も、それぞれが相手の状態を理解していないと良いショットが決まりません。メンバーがお互いの状態を認識するチームとしてのプレーが求められ、心理面が大きく影響するスポーツです。
スキップ(指示を出す人)が戦略を考えて指示を出しますが、選手全員がその場の作戦を理解していないと、うまくいきません。スイパーも作戦を考えられるようになるのが、今シーズンの目標になっています。
また、天気などの環境により湿度や気温が変化し、リンクの状態が変化します。その時々の変化に応じて、プレーにおける微妙な調整をしていかなければなりません。身体や環境に合わせた全体調整が大変むずかしいスポーツです」。
▶ 意識と体調維持の難しさ
今回の選手権大会では、清水野さんはフィフス(補欠選手)という立場で参加し、クロアチア戦に出場しました。
「選手は怪我をして試合参加が不可能な場合以外、試合途中で交代することはできません。私は、クロアチア戦の1試合に出場しました。これまでは、レギュラーとして出場していましたが、今回補欠という形で参加しました。
大会中は試合に出ていないので、突然参加ということになり、意識と体調を整えるのが難しかったです。気持ちの上では、準備しているつもりだったのですが、実際突然参加となると、身体調整が上手くいかず、100%のプレーができなかったことが悔しかったです。今回大変勉強になりました。
今期、予選全勝で進んでいたので、チームとしては、世界選手権Aの本戦でのメダル獲得が目標でしたが、残念でした」と清水野さん。
今年、小笠原歩さん(40歳:冬季五輪に女子日本代表として3度出場)が、日本オリンピック委員会(JOC)から委嘱され、ジュニアアスリート担当(男女ともに)の専任コーチ(総監督)に決定しました。
引用:Japan men at the World Junior B Curling Championships 2019 © WCF / Stephen Fisher
▶ 北竜町教育委員会の仕事が終了後、毎日練習
妹背牛町カーリングホールにて、北竜町教育委員会の仕事が終了後、基本的に夜の7時〜9時までの2時間、ほぼ毎日練習しています。普段は一人でやっていますが、妹背牛町の地元の団体と一緒に練習することもあります。
妹背牛町では、シーズン的には11月から3月末までホールが開いています。夏期は、土日の休日に札幌まで行って練習しています。
妹背牛町カーリングホール・引用:妹背牛町ホームページ
▶ 就職先について
札幌国際大学からの推薦のお話もありましたが、父親が妹背牛町の役場勤務という影響もあり、公務員になることを考えていました。大学卒業後より、高卒後すぐにカーリングに専念した方がいいかな思い、就職を決意しました。
仕事をしながらのカーリング練習は大変なことも色々ありますが、北竜町で皆さんが、こんなに応援してくださるし良かったと思います。
▶ 海外遠征(フィンランド)について
フィンランドでの試合は、チームとしては4回目です。私は2年前に行ったのが初めてでした。フィンランドは、カーリングホールと宿泊場所が隣接していて、徒歩5分の距離に位置しています。食事場所やトレーニングジムも隣接していて施設環境が整っています。車移動もなく全て歩いていける距離にあります。
食事は、お米10kgと炊飯器を持参しました。試合3時間前に食事を取ることが良いとされていたり、試合後のエネルギー補給が必要となります。その時間帯に食堂が開いていなかったりするので、その時は、ご飯を炊いておにぎりを持参します。
栄養学など色々学んだり、チームで話し合いながら、料理内容を考えたりしています。大会前には、ドーピングに対する注意が重要視され、食事や薬の検査が厳密になります。スポーツによってドーピングの内容が異なるので、カーリングの専門医がついて検査を行っています。
▶ 将来の夢はオリンピック出場!
「将来の夢はオリンピック出場です! まずは、来年世界選手権出場を目指し、長期の目標としては、オリンピックメダル獲得までいきたいと思います!」と、力強く語ってくださった清水野さんです。
清水野さんのこれからのご活躍を心よりお祈りし、応援しています。
北竜町三谷の景色
氷上のチェストも呼ばれるウインタースポーツ「カーリング」、
高度な戦略に秘められた熱い想いに、限りない愛と感謝と祈りをこめて。。。
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◇ 撮影・編集=寺内昇 取材・文=寺内郁子