2017年1月3日(火)
謹賀新年 明けましておめでとうございます。
2017年「丁酉」元旦。まさに「成熟の年」。すべてをじっくりと味わい尽くす年です。
穏やかな朝を迎えた北竜町では、真竜神社では、約30人の町民の方々が、初「豊作と交通安全」を祈願し初詣。
参拝後、体育協会(澤田正人 会長)主催の「第34回豊作祈願・交通安全祈願元旦マラソン」が行われました。
真竜神社境内
真竜神社の大きな鳥居
豊作・交通安全を祈願する初詣
記念撮影
▶ 元旦マラソン
参拝後、北竜消防庁舎の前に集合し、皆で「交通安全」の黄色のたすきをかけて、一斉にスタートです。
消防庁舎横からスタート!
自分のペースで走る元旦マラソン
3kmのコースを、それそれの想いを胸に、体調に合わせ自由に走ります。
交通安全のためのパトカー伴走は、和駐在所の富所秀樹 所長。
和市街を走ります
和駐在所の富所秀樹所長が伴走
トップを走る若者達。
トップを走る若者たち
▶ 新年会
今年から、新年会は公民館講堂にて開催。
新年交流会
中央に掲げられた元旦の鏡餅は、北竜消防連合消防後援会・藤井利昭 会長が栽培されたもち米を使い、(有)ひまわり農産で作られたものです。
元旦の鏡餅
世話人・藤崎正雄さんの司会により、主催者である澤田正人 会長よりご挨拶です。
司会の藤崎正雄さん
▶ 体育協会・澤田正人 会長のご挨拶
体育協会・澤田正人 会長
「あけましておめでとうございます。
今年の元旦マラソンは、34回を迎えました。1年1年歴史として積み上がっていることを感じます。
真竜神社で、今年1年の豊作と交通安全・交通事故死ゼロの継続を祈念し参拝しました。皆様もそれぞれの想いを込めて走られたと思います。
今日の立派な鏡餅は、藤井利昭さんの奉納で作って戴きました。沢山の方々のご支援ご協力を頂いて、この新年会が開催されています。心より感謝申し上げます。
今年1年が健康で良い年でありますよう、ご祈念申し上げます。本日は大変おめでとうございます」。
▶ 佐野豊 町長のご挨拶
北竜町・佐野豊 町長
「あけましておめでとうございます。
今年は静かな穏やかな元旦になりました。
私達は、新しい年を迎えるたびに夢や希望を掲げて、実現に向けて頑張ろうと決意を新たにいたします。
皆さんが、今日真竜神社に誓った想いが成就することを願っております。
何年か前に北竜町商工会・金山信次元会長の『今年はしんちゃんらしく生きる』というお言葉が強く心に残っています。
今年の私の想いは、『自分らしく、町長らしく、ゆー坊らしく』を目標に頑張っていきたいと思います。
今年もどうぞ宜しくお願いいたします」。(※ ゆー坊:佐野町長の幼少の頃からのニックネーム)
新年会の模様
▶ 北竜町教育委員会・本多一志 教育長のご挨拶
本多一志 教育長
「あけましておめでとうございます。
大勢の皆さんにお集まり頂き、元旦マラソンがこうして続けていけることが、それぞれの祈願を叶えていけることだと思います。
教育委員会としましては、公民館の使用に協力させて頂くことを嬉しく思います。
年のはじめの元旦マラソンからスタートし、運動を継続して健康的な良い年になることをご祈念申し上げます。
これからもどうぞ宜しくお願いいたします」。
▶JAきたそらち・北清裕邦 北竜地区代表理事・乾杯の音頭
JAきたそらち・北清裕邦 北竜地区代表理事
「あけましておめでとうございます。
今年の4つの願いは、『日本農業賞で大賞を受賞すること』『JA青年部がJA青年主張全国大会に出場すること』『ひまわり油の販売が順調に進むこと』、そして一番大事な『今年も豊作であること』。この4つの願いを欲張ってお願いしました。この4つの成果がしっかりと成就できるよう頑張って参りたいと思います」。
新年会の模様
今年一年の皆様のご健康とご多幸をご祈念申し上げて乾杯いたします。乾杯!
乾杯!
▶ 美味しいお雑煮と祝酒で新年会
北竜温泉レストラン・山森和樹料理長のお雑煮には、黄倉良二様ご夫妻が、初回以来毎年真心こめて杵でついた、貴重なお餅が添えられます。美味しいお雑煮は、お母さん達が準備し温めて、皆さんに振る舞われました。
お母さん達によるお雑煮準備
公民館の厨房にて
お雑煮
テーブルを飾るミカン・乾き物
お年始の数々
厳しい大自然の中で、育まれていく生命の糧、
五穀豊穣を願う農民の心。。。
現在と過去の語り合いの歴史の中で、
受け継がれていく偉大なる魂に
大いなる尊敬と感謝と祈りをこめて。。。
白く霞む東の空
▶ 北竜町元旦マラソン実行委員会
元旦マラソンの原点とは34年間受け継がれてきた熱い想いを、次世代に伝え受け継いでいくこと
2016年12月15日(木)、北竜町元旦マラソン実行委員会が、北竜町公民館講堂にて開催。
今後の元旦マラソンについての協議が行われました。
北竜町元旦マラソン実行委員会
<北竜町元旦マラソン実行委員会>
・主催:北海道体育協会
・後援:北竜町教育委員会、JAきたそらち北竜支所、サンフラワーパーク北竜温泉
・世話人:黄倉良二、谷本明、藤崎正雄
これまで、新年会の会場は、北竜消防署の2階で開催していましたが、2017年に開催される第34回より、公民館講堂にて行われる事となりました。
鏡餅については、藤井利昭さんが奉納され今後継続してくださるとのことです。藤井さんが丹精込めて栽培されたもち米を使って、(有)ひまわり農産が作ってくださった鏡餅が提供されます。
お雑煮については、サンフラワーパーク北竜温泉の山森和樹 料理長が、快く引き受けてくださいました。雑煮に入れるお餅は、初回より継続されている黄倉良二様ご夫妻が杵でつかれた貴重なお餅です。
「身体が動くまで杵をつき、元旦のお雑煮に皆さんに食べて頂けることは、私達の喜びであり心から感謝しています」と世話人・黄倉良二様のお言葉。
さらに、元旦マラソンの始まりについての黄倉良二様のお話です。
世話人・黄倉良二さん
▶ 歴史とは現代と過去の語りあい
「今から50年程前、衰退していた北竜農協の青年部会の時代に、田中盛亮さんが親分、金山信次さんが子分、私・黄倉良二が事務局となり、『青年はいかにあるべきか』というスローガンの元、町おこしに立ち上がりました。力を尽くした結果、5年の歳月を経て、様々な活動で北空知でナンバーワンになりました。
西洋の哲学者の言葉に『歴史とは現代と過去の語り合い』という言葉がありますが、この語り合いの中で、『何が正しいのか、何を削らなければならないのか、何を正さなければならないか』を繰り返し繰り返し語っていくのが歴史です。歴史を大切にしなければ、世の中が停滞していくと思います。
本日は、2018年の記念すべき第35回元旦マラソンにおいて、どのように進めていくのか協議して頂きたいと思います。
田中保さんが2年間にわたり編集してくださった渾身の『農協史』(769ページ)に記載されている『昭和58年(1983年)の農協出来事』の記載を引用します。
▶ 大冷害を克服し豊作を祈願しよう!
『10月24日と30日の2回に亘る降雪で、全町約400ヘクタールに及ぶ稲が倒伏。9つの営農集団240ヘクタールに達する『稲起こし援農』を11月5日から5日間、述べ707人が参加し行われた』・・・
これは、全町1,762ヘクタールの20%以上にあたる稲の倒伏でした。この年の出荷数は、96,199俵で、基準数141,756俵に対する、出荷比率68%の大冷害となりました。
当時、1俵あたり16,585円、31,680俵分の共済金5億2,540万円を受けることができました。
当時、4台のコンバインで稲を刈っていったのですが、雪のために田んぼがドボドボになっており、最悪状態でした。
北竜農協で米を担当した藤崎正雄さんが『この事態をなんとか克服したい』と発言!この言葉は今でも忘れられない言葉として心に刻まれています。
『元旦に真竜神社で皆で手を合わせてはどうか?』と提案したところ、『そうだ!元旦に皆で参拝し、大冷害を克服し今後の豊穣を祈願しよう!』ということになったのです。
さらに、当時、北竜土地改良区の谷本明さんご夫妻をはじめとして、マラソンをしていた仲間達が賛同し応援してくれました。
こうした農協青年達の熱い想いが、『元旦祈願と元旦マラソン』の形となって、今に受け継がれているのです。
討議模様
▶ 参拝とは「一生懸命努力して実践していくことを神様に誓うこと」
元旦祭は、神社にお神酒を捧げ、神様に感謝をして、各自そのお神酒を分けて戴きます。
更に、お雑煮を皆で戴こうとお母さん達が協力してお雑煮を作ってくださいました。本当に大変だったと思います。心から感謝いたします。
「神社に参拝するということは、『『想い』と『願い』と『努力』を『実践』しますので、どうか神様、私達をきちっと見守ってください』と願うことです。
想いを実現させるために、一生懸命努力して実践していくことを神様に誓うことであり、お願いすることではありません。
▶ 元旦マラソンとは、熱い想いを次世代に伝え受け継いでいくこと
『想いを努力し実践していく』ことは人間の生きる道です。
34年間受け継がれてきた熱い想いを、次世代に伝え受け継いでいくことに、元旦マラソンの原点が存在します。
藤崎さんの熱い想いのひと言からスタートした元旦マラソンです。最初の頃は賛同者も多く、80名位の参加がありました。体育協会を主管とし、谷本さんと藤崎さんを中心に継続されてきました。
123年前(明治26年・1893年)、吉植庄一郎氏を団長として入植し、大正元年には1,000へタールの田んぼをつくる事ができたということから北竜の歴史が始まります。
米作りにおける北竜は、山間山切・4つの沢。山風や山水が入って冷害の頻度が高かった。北竜は北海道でも米の評価ランクがCとDとされていたほど冷害が多かった地区。冷害が多いということは一等米が出ないことを示します。米作りに適さない土地において、冷害を克服しようという並々ならぬ努力が繰り返されたのです。
歴史をしっかりと辿って、北竜町において冷害を克服しようとした方々の魂を守り繋げて行くことが、今を生きる人々の道だと思います。
農民の努力により、昭和59年(1984年)より7年間豊作が続きましたが、再び平成5年(1993年)に大冷害がおきました。
この時、北竜農協は50億円の販売額に到達したのです。大冷害の時に、農協の史上最高額となりました。
大冷害に遭遇したとき、私達は『絶対に基準単価まで取る』と決意しました。
その時、役場で手伝ってくれたのが当時課長だった佐野さん(現在の佐野豊 町長)でした。
豊作は必ず続くものではない、災害のときこそどう対処していくかが重要です。大冷害のとき、町が真剣に手伝ってくれました。
こうして歴史は繋がっていきます。
北竜町は『国民の命と健康を守る安全な食糧生産宣言の町』であり、『食べものはいのち(生命)の精神』がひたひたと守り継がれている町です。
元旦に農業者が地元の神社に参拝し、豊作祈願をしてマラソンをする地区は珍しいことと思います。
今後、誇りをもってこの精神を受け継いで頂きたいと思います」と黄倉良二さんの熱い想いが語られました。
北竜町の稲穂(撮影:2016年9月14日)
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◇ 撮影・編集=寺内昇 取材・文=寺内郁子