2016年11月14日(月)
2016年11月4日(金)~7日(月)の4日間、財団法人 台湾観光協会が主催する「第24回台北国際旅行博(ITF2016)」が台北世界貿易センター(台北市)にて開催されました。
日本エリアは、(公財)日本観光振興協会が主催。北海道ゾーンは、(公財)北海道観光振興機構主催。北海道空知総合振興局主催グループとして、空知総合振興局、滝川市、美唄市、北竜町が参加し、町の魅力をアピールしました。
第24回台北国際旅行博(ITF2016)@台北世界貿易センター(台北市)
台北国際旅行博は、世界各国の自治体や企業が出展し、旅行のPR合戦が繰り広げられるアジア最大規模の旅行博です。
昨年2015年は、世界60か国から950の団体、1,450ブースが出展。今年は4日間の会期に、36万人を超える来場者を記録しました。
台北市内の旅行会社5社へのセールスコール
台北国際旅行博初日の11月4日(金)、空知総合振興局主催のセールスコールが行われ、空知総合振興局、滝川市、美唄市、北竜町が、台湾大手の5つの旅行会社を訪問しました。
9時半から18時半まで8時間、マイクロバスで移動。事務局は、(株)ファウンド企画部・横山知己 部長、武藤直子 氏が担当し、通訳は黄浩烈 氏です。
台北市内
小型バスにて移動・セールスコール準備中
旅行会社訪問では、空知総合振興局、滝川市、美唄市、北竜町の各担当者が、プレゼンを行い、町の魅力を精一杯PRしました。
セールスコールは各旅行社1時間程。皆さん、熱心かつ真剣に、活発なディスカッションが繰り広げられました。
訪問したの旅行会社は台湾でも大手で、社員は若い男女スタッフがほとんど。その若さにびっくり。
旅行会社の担当者の方々は、空知の情報については初めての方も多く、空知に興味深々。
北海道は、人気の高い観光地でリピーターも多い。有名な観光地は既に体験済みなので、観光地としてあまり知られていない、小さな街の情報を積極的に取り入れることを強く希望していますとのお話でした。
(各旅行会社の紹介文は、(株)ファウンドの資料より引用)
・旅行内容が良品質と評判。
・対応:呂元凱(ケビン)企画部長は、日本への旅行開発責任者
上順旅行社(Fantasy Travel)
▶ 北竜町・佐野豊町長が空知を代表してご挨拶
北竜町・佐野豊 町長
「北竜町の町長です。北竜町は、札幌市と旭川市のちょうど真ん中あたりに位置し、とても自然環境の優れた、交通の便が良い地域です。
空知総合振興局からワインの里について、滝川市は咲き誇る菜の花祭りにつて、北竜町は日本一のひまわりについて、美唄市はサイクリングによる台湾との交流ついて、それぞれの町の観光PRで訪問させて頂きました。
この後、それぞれの町からプレゼンテーションさせて頂きます。
台湾から多くの観光客の皆様を北海道に来て頂くよう宜しくお願いいたします」と、北竜町・佐野豊 町長のご挨拶です。
▶ 空知総合振興局プレゼン
北海道空知総合振興局産業振興部商工労働観光課長 兼 空知ワイン室長・長島正己 氏、廣瀬彩 係長
北海道空知総合振興局産業振興部商工労働観光課長 兼 空知ワイン室長・長島正己 氏
「『空知(そらち)』という地域名は、アイヌという先住民族の『滝が落ちる場所』という名前の音読みを漢字に当てはめて、大空を知る・空知(そらち)と名付けられました。広い平野があり、空が実に広く見えます。
特徴としましては、
1.ファームレストランでは、農家の生産者が栽培した野菜等を使った料理が並びます。
玉葱・南瓜など季節の野菜で料理し、20~30名入店できるところもあります
2.ジンギスカン料理は羊の肉をタレに漬け込んで焼いたもの。滝川市が味付けジンギスカン発祥の地です
3.ワインの産地で、空知に8つのワイナリーがあります。ワインを栽培し、醸造し販売しています。
「ぶどうの涙」という映画の舞台になったほど、広大なぶどう畑があり、周りの景色が素晴らしい場所です
4.空知の花として、8月の北竜町のひまわりの花、5月の滝川市の菜の花、秩父別のバラ園など、
北海道でも新しいスポットになっています
5.沼田町夜高あんどん祭りは、北海道唯一の喧嘩祭りとして有名で、大行燈のぶつかり合いが行われます
6.体験としては、
・果物刈りとして、さくらんぼ、ぶどう、ブルーベリー、いちごなど、季節によって体験できます
・グライダー体験飛行(滝川市)
・雲海の風景として、歌志内市のかもい岳温泉で、春と秋に発生し、頂上にカメラが設置され、
発生時に車で15分程で頂上に向い、雲海の風景を観察できます
・カヌー体験(夕張市)
・空知管内では、夏に、食も楽しめるサイクリングイベントが開催されます
・スキーとして、夕張市のマウントレースイでは、雪質もよく、大きなホテルもあります
・釣り体験として、三笠市で、冬場に湖の氷を割って『わかさぎ釣り』ができます
と、空知の紹介をされた長島正己 氏。
▶ 北竜町プレゼン
・北竜町産業課・有馬一志 課長
北竜町産業課・有馬一志 課長
「北竜町は空知エリアの北西部に位置し、札幌市より100km、車で2時間、旭川市まで50km、車で1時間程の距離にあります。稲作を中心とした農業の町です。夏は温暖で過ごしやすく、冬は雪が2m近く降り積もる地域です。3分程のビデオを御覧ください。
『今年の夏もひまわり畑があなたを待っています。北竜町で素敵な思い出を!』というメッセージです。
北竜町はひまわりの町で23.1ヘクタールに150万本のひまわりが咲き誇ります。来年のひまわり祭りは7月15日(土)から8月20日(日)まで予定されています。一番の見頃は、8月の上旬で、満開のひまわりをお楽しみ頂けます。入場料・駐車場は無料。迷路や遊覧車は有料となっています。
今年は期間中26万6千人の来場者となり、海外からのお客様も年々増加しています。
北竜町はひまわりの花の他に、特産品が、ひまわりライス、ひまわりメロン、ひまわりスイカ、黒千石大豆などがあります。
近隣の地域をめぐる観光コースもありますので、是非、北竜町に来て頂けますように、宜しくお願いいたします」と、北竜町をアピールされた有馬一志 課長です。
▶ 呂元凱(ケビン)企画部長
・「毎年北竜町へのひまわり鑑賞ツアーをセッティングしてますが、人気ですぐに満席となります」と、北竜町のひまわりの人気の高さをお話しされた呂元凱 企画部長です。
▶ 滝川市プレゼン
・滝川市産業振興部国際課・運上琢諭 課長補佐
滝川市産業振興部国際課・運上琢諭 課長補佐
「滝川市は交通のアクセスも電車・バスともに良い環境にあります。
滝川市では菜種油を採取するための『なたね』を栽培しています。今年は175ヘクタールの作付面積があり、日本一でした。この菜の花畑の美しい景色が、人気スポットになっています。
冬は紙袋で作った『ランタンフェスティバル』で、市民が15,000個のランタンを作って並べます。観光客の方々も、ランタン作り体験ができます。
サイクリングコースも農道がしっかりと整備されていて、人気のコースとなっています。
東洋一の施設が整備されたスカイパークでは、グライダーの体験飛行ができます。グライダー体験では、菜の花畑を見渡しながら飛行できる『菜の花フライト』も楽しむことができます。
また、滝川市は、味付けジンギスカンの発祥地です。『松尾ジンギスカン』は創業60年を迎え、一度に300人集客できるレストランがあります。団体のお客さまのランチ・ディナーなどにも対応可能です。
さらに、10人が宿泊可能なコテージなどの設備が用意されています。
丸加高原では、夏は雲海、冬はスノーシューの体験が可能です」と、運上琢諭 課長補佐のお話です。
▶ 美唄市プレゼン
・美唄市経済部商工観光課・栗林覚 主幹
美唄市経済部商工観光課・栗林覚 主観
美唄市は、かつて1970年代は炭鉱の街として栄えていましたが、近年は農業・商業の街として、魅力ある観光資源を活用して、サイクリングツーリズムに力を入れています。
美唄市の魅力である、食(お米・アスパラガス・ハスカップ・焼き鳥・鶏飯)北海道遺産に指定されている炭鉱メモリアル森林公園、芸術広場では、美唄出身の安田侃氏の作品が展示された彫刻美術館アルテピアッツァ美唄が人気で、毎年大勢の人々が訪れています。
毎年、春と秋には、6万羽のマガン(国指定の天然記念物)が集結する宮島沼が、日本最大の飛来地となっています。
さらに春の宮島沼は、2,000本の桜の名所でもあります。
最近では、サイクリングに力を入れていて、田園風景を眺めながらのサイクリングコースが人気です」と、栗林覚 主幹。
▶ ゆ~りん館のPR
(株)アンビックス海外事業部インバウンドセンター・段娜(ダン ナ)氏
(株)アンビックス 海外事業部インバウンドセンター・段娜氏
「美唄市の温泉『ピパの湯・ゆ~りん館』は2003年設立された温泉。
台湾の観光客の方々の北海道旅行は人気が高くリピーターが多く、最初は、小樽・札幌・ニセコ・富良野など定番コースを経験されますが、2~3回目の旅行になると新しい地域のコースとして『ピパの湯・ゆ~りん館』がおすすめです。札幌から1時間半くらいの距離で行きやすい地域です。
お料理は地元の野菜やお肉を使っての会席料理を提供しています。もちろん、お客様のニーズや希望料金に対応可能です。
魅力的な『青の洞窟温泉』は、夜にはライトアップされ、幻想的で美しい風景の中で、温泉を味わえます。何より良質な温泉の湯が、肌をすべすべになって、女性客にも人気が高い温泉です。家族風呂などもあります。
一年中、それぞれの季節を味わうことのできる、素敵な風景が広がっています」と説明され、さらに同社が経営する北海道各地のホテルの魅力的も紹介。各ホテルを繋いだ観光コース設定もPRされた段娜さんです。
▶ 呂元凱(ケビン)企画部長
呂元凱(ケビン)企画部長
「台湾人は、3時間半もかけてあこがれの北海道へ行くので、経験したことのない体験や、行ったことのない場所を希望します。
地元人との交流や地元のお祭り等にも参加したいと思っています。北海道では、大自然の中での農業体験等ができます。今、来年に計画している『ひまわりの里』の観光コースの集客に努めています。お料理も地産地消のものが提供できるよう、情報収集しています」と、流暢な日本語で語る呂元凱(ケビン)企画部長さん。
すでに、北竜町のひまわりを観光コースに取り入れて販売しているとのことです。
(注:飛行時間:台湾桃園国際空港 → 新千歳空港=3時間半、新千歳空港 → 台湾桃園国際空港=4時間半)
▶まとめのご挨拶
・(公財)北海道観光振興機構 事業企画推進部 人材育成サービス向上グループ・梶川郁子 リーダー
(公財)北海道観光振興機構 事業企画推進部 人材育成サービス向上グループ・梶川郁子 リーダー
「空知は景色の美しく、美味しい物もある地域です。たくさんのお客様を送客して頂きたいと思います。欲しい情報をリクエスト戴ければ、出来る限り協力させて頂きたいと思います。本日はありがとうございました」と、ご挨拶された梶川郁子 さんです。
記念撮影
・高雄に本社をおく台湾最大の旅行会社。訪日7万人を超える
五福旅行社(Life Travel)
▶ 企画副理・朱昱潔(シュ ユ ジェ)氏 (日本への旅行開発責任者)
企画副理・朱昱潔(シュ ユ ジェ)氏(右)
「満開の花の写真はあるけれど、実際に訪問した時に満開でないとお客様からの不満の声がでます。
お客様が満足できるような風景が確保できますか? ホテルの宿泊可能な客数は?
近年、ニセコ地域は、ホテル料金等が高騰して、とてもツアーが組めない状態です。
リーゾナブルな金額でセッティング可能な観光コースの情報を宜しくお願いします」と、朱昱潔 氏は、ホテルの集客人数や安価な料金設定、花の開花時期の情報提供を要望されました。
空知を代表して北竜町・佐野豊 町長のご挨拶
最初に空知総合振興局からプレゼン
皆さん各自、それぞれの町の魅力をアピールしながら、しっかりと対応していました。
記念撮影
・大手旅行社のひとつ。2015年9月~10月には、計6,000名の保険会社報奨旅行を北海道に送客
雄獅旅行社(Lion Travel)
▶ 商品企画主題旅遊部・王郁菁(ワン イクキ)氏
・日本へのマラソン・サイクリング等スポーツ旅行開発責任者、女性スタッフの方々
会場模様
「北海道は自然が多く、心が癒される風景が広がっています。
団体の宿泊可能なホテル情報はありますか? 台湾人は、価格の高いニセコ・ルスツへの需要は多くありません。それに変わる地域として、夕張地域などでのスキー場や観光コースを今後検討してみたいと思います」と王イクキ氏
雄獅旅行社(Lion Travel)の皆さん
▶ 北竜町産業課・有馬一志 課長
「北竜町では、ひまわり祭りの期間中にマラソンイベントを開催しています。公式のマラソン大会ではなく、ひまわり畑を回る市民レースなので、観光客の皆さんの体験コースの一貫として取り入れて頂ければと思います」と、有馬一志 課長。
北竜町のプレゼン
▶ 滝川市・運上琢諭 課長補佐
「2年程前から、滝川市では、マラソンとピクニックを合体させたような『マラニック』を行っています。タイムや順位は競わず、自分のペースゆっくりと、野山や景色を眺めたり、参加者や地元の方との交流を楽しんだりする新しいスポーツです。春にイベントが開催されていて、人気が上がってきています」と、運上琢諭 課長補佐。
滝川市のプレゼン
スキーやマラソン等の体験ツアーの話題で盛り上がったセールスコールでした。
記念撮影
・北海道でのキャンピング&キャンピングカーツアーを台湾向けの富裕層に年間40ツアー程を主催
アウトドアショップUNRV
▶ 劉立人 社長
劉立人 社長
「台湾人の旅行客(富裕層)が、北海道でキャンプをすることを望んでいます。
現在、北海道ではレンタル・キャンピングカーの数が少ないですが、台数が増えれば、台湾からの北海道へ訪れる客数は、さらに増加するのではないかと思います。
また、北海道でのキャンプツアーを設定しています。北海道のレンタカー屋さんでレンタルテントなどキャンピング道具を用意できるとさらに良いのですが、無理であれば、こちらから発送することも可能です。
夏場の北海道のキャンプ場については、メジャーで人気があるキャンプ場ではなくて、景色の良い場所、あまり知られていない小さなキャンプ場の情報があれば嬉しいです。
キャンプ場のマップや周辺のレストランなどの情報が、入手しづらいのでどんどん情報提供して頂けるとありがたいです。
キャンプ場から次のキャンプ場までの50kmくらいの範囲内に、アクティビティを楽しめる場所についての情報が重要です。
また、近隣の民宿や民家の庭先をお借りしてテントを張り、バスルームとトイレが利用可能となれば、キャンパーにとって大変嬉しい場所となります。
民宿や民家の住民から提供される地元の様々な情報提供によって、地元がPRされるので、地元と観光客の双方にとってメリットが大きいでしょう。
キャンプ場で必要なことは、バスルームとトイレ、さらにお湯の提供が可能であることが大切なポイントになります」等、色々お話くださった劉立人 社長。
▶ 北竜町・佐野豊 町長
「北竜町の夏場は、道の駅『サンフラワー北竜』を拠点にして、観光地を回るキャンピングカーが沢山訪れます。道の駅には水もトイレもあり、そして、何より早朝から温泉に入ることができます」と、佐野豊町長。
意見交換の様子
▶ 劉立人 社長
「どこで、その情報を得ることができますか? 英語版はありますか?
もし、情報提供して戴ければ、こちらから広く台湾内に情報発信することができます。
北海道の地元の情報マップを作って、レストランや遊びのスポットの位置情報を掲載してほしい」と、地元の情報提供の必要性をお話くださった劉立人 社長です。
情報提供の必要性をお話くださった劉立人 社長
記念撮影
・ネットでチケット&ツアーを販売。台湾のHISと言われている
易遊網旅行社(EZ Travel)
▶ 商品企画資深・呉雨軒(エリック ウ)主任
・日本向け旅行開発の責任者
北竜町のプレゼン
「来年は、ラベンダーとひまわりを観る観光ツアーを計画しています。
滝川市でのサイクリングの場合はルートが確保されていますか? グライダーの場合は団体客の受け入れは可能ですか? 40〜50人の昼食が用意できるレストランがありますか?
ネット上に地元の細かい情報を掲載していただければ、観光ツアーの組み合わせをどんどんセットしていきたいと思います」、ネットに掲載されている情報の大切さ、詳細な情報収集の重要性を強調された呉雨軒氏です。
笑いが溢れるプレゼンテーション
最後に、各会社へ町の自慢のお土産を渡して、セールスコールの全過程が終了。
午前9時半にスタートし、1時間ほどの昼食を挟んで、午後6時半までの約8時間に渡る台湾市内5つの会社へのセールスコールでした。
〜 ☆ 〜 ☆ 〜 ☆ 〜 ☆ 〜 ☆ 〜
台湾の大手旅行会社を5社を丁寧にまわり、現場で活躍されている担当者の方々とface to faceでお話をすることによって見えてきたもの。それは、台湾の方々が、台湾にはない、心癒される大自然の美しさにあこがれ、いきいきとした新鮮な地元ならではの美味しさを求めているということ。
日本への観光は、リピーターの方々も多く、有名な観光地めぐりはすでに体験済み。いままでに知られていない地域を訪れ、地元の人々と接して、地元の暮らしや日常に触れ、体験してみたいと希望される観光客の方々。
地域の魅力を観光客の方々に実感して戴くには、地域の情報提供や情報発信がいかに必要であり重要であるかを実感。これからの観光は、観る旅行から体験する旅行へと観光の在り方が変化してきたように感じる貴重なひとときでした。
プレゼンした市町からのお土産
記念撮影
第24回台北国際旅行博(ITF2016)・関連行事にて配布されたフライヤー
第31回ひまわりまつり2017 (クリックすると別画面で拡大します)
▶ その2に続く>>
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・第24回台北国際旅行博(ITF2016・台湾)北竜町参加・その1(2016年11月14日)
・第24回台北国際旅行博(ITF2016・台湾)北竜町参加・その2(2016年11月14日)
◇ 撮影・編集=寺内昇 取材・文=寺内郁子