2013年12月16日(月)
12月12日(木)08:50より、雪降りしきる中、平成25年度「こども議会」が北竜町議場にて開催されました。
こども議会では、真竜小学校(竹原文晴 校長)6年生12人が議員を務め、一般質問を行いました。
北竜町議場(撮影:2013年12月12日)
こども議会の議長は、澤田真斗さん、司会は、井上孝 議会事務局長です。
澤田真斗 議長による議事進行
「子ども議会」は、未来を担う子どもたちが町に対する質問や提案などを通じて、行政運営のしくみを理解し、政治への関心を深めることを目的に、全国で開催されています。北竜町では「こども議会」と称して、12名の子ども議員の質問に、町長、副町長、教育長、議員、各担当課長が、分かりやすい言葉で丁寧に答えます。
北竜町の「子ども議会」は、2006年(平成18年)に「中学生議会」がスタート。その後、小学生による「こども議会」が開催され、中学生と小学生が2年毎に交互に開催。今回で4回目を迎えます。
小学生議員の皆さん
▶ 佐野豊 町長のご挨拶
「今日の議会は、皆さんが日頃考えていること、北竜町の現状についての一般質問に対し、私達が答えるものです。
過疎化が進行している北竜町でありますが、町民が主役の町づくりを進めておりますので、貴重な皆さんのご意見を頂戴したいと考えております。
限られた時間の中での議会ではありますが、今後の皆さんの成長の中で、大きな力となりますことをご期待申し上げて、開会のご挨拶とさせていただきます。今日は元気よく質問してください。よろしくお願いいたします」
▶ 佐々木康宏 町議会議長のご挨拶
「今日は、皆さんに一般質問という形で、町に望むことや質問をしていただきます。
皆さんの意見は、町の議員さんの意見よりも実現する可能性が大きいので、期待していてください(笑)。
北竜町では、3年前に北竜町独自の議会基本条例を作りました。今日は、その基本条例を分かりやすい言葉で表現したものを、皆さんに用意しました。少し難しい所もあるかもしれませんが、将来の夢を実現するためのひとつの資料となればと思います。
先月、真竜小学校で行われた主張大会で、川本太一くんが代表で発表し、「北竜町はとても仲の良い町、私は北竜町が大好きです。これからも北竜町がどんどん良い町になっていけるようなことができればいいと思います」と主張してくれました。
今日は皆さん、間違ってもいいですから、堂々と大きな声で町長、議員さんに語りかけてください。楽しみにしています。どうぞよろしくお願いします」
▶ 澤田真斗 議長による議事進行
「私達の町・北竜町がより住み良い町に成るよう頑張りたいと思いますので、皆さんのご協力をよろしくお願いします」
と澤田議長の堂々とした力強い言葉でスタートしました。
▶12議員による12の質問が通告
▶(1)石田雄哉 議員「町長の仕事について」
町長さんは、議会が開かれていないとき、どんな仕事をしているのですか?
▷ 答弁:佐野豊 町長
議会の他に様々な会議、陳情、研修会などに、北竜町民を代表して出席しています。
また、北竜町の農業施策、ひまわりの町をPRする観光振興、福祉施策、教育・文化・スポーツの振興などその他様々な幅広い分野において地方公共団体のトップとして携わっています。
役場は、町民の皆さんに役に立つ場所です。これからも町民の皆さんが、安心安全で幸せな生活が送れるよう日々努力して参ります。
▶(2)岡部俊希 議員「ひまわりの里について」
ひまわりの種蒔きや水やりの管理についての取り組みを教えてください
▷ 答弁:有馬一志 産業課長
23.13haの敷地のひまわりの里の管理は、専門的技術をもった会社「NPOひまわり」にお願いしています。作業は機械を使い、延べ約500人もの人々で行っています。
また毎年6月下旬には、「草刈り十字軍」と名付けられた町民ボランティアの人々で草刈りを行っています。今年は、2日間に渡り、延べ250を超える町民の皆さんにお手伝いを戴きました。
▷ 答弁:佐光勉 町議会議員(ひまわり観光協会 副会長)
ひまわり観光協会の補足説明をします。
今から25年前の平成元年(1989年)に、今の4分の1の6haを作り上げたのが、現在の「ひまわりの里」の始まりです。また「世界のひまわり」は、皆さんの先輩である中学生の皆さんが、毎年栽培・管理をして長年守り続けているものです。さらにガイドまで行って、たくさんの観光客の方々よりお礼状をいただいています。いずれ、皆さんも中学生となり、ガイドに携わることになると思います。
今後も「お・も・て・な・し」の心で皆さん、頑張ってください。
▶(3)加藤あかり 議員「人口を増やすための取り組みについて」
将来、北竜町が人口減少により合併がなされないような、人口増加の取り組みを教えてください。
▷ 答弁:髙橋利昌 企画振興課長
人口を増やす仕組みとして、今住んでいる人が健康で長生きして、赤ちゃんがいっぱい生まれて、町から出て行く人を少なくし、町に入ってくる人を多くすることだと思います。
一例として、親の農業を継ぐと60万円、結婚すると20万円、赤ちゃんが生まれると20万円、家を建てると200万円の助成など、30余りの様々な支援策に取り組んでいます。1人でも多くの人が北竜町を好きになり、北竜町を誇りに思い、北竜町に住み続けていただきたいと思います。
▶(4)川島健太 議員 碧水の街灯について
スクールバスを降りてから家まで光がないので、ぜひ街灯をおいてほしい
▷ 答弁:山田英喜 住民課長
町内の街灯については、虫除け対策や電気代節約を期待し、長寿命で高効率なLED照明器具の取り替えをいたしました。
現在、街灯については、一定間隔で設置されており、市街地以外の地区では未整備の場所が多くあります。
今後、町内会の方々とも協議を進め、住民生活の安全安心の向上を図るべく計画していきたいと思います。
▶(5)川本太一 議員 竜西線のバスの時刻について
登校、下校に利用している竜西線バスの下校時の時刻が遅いので、早くしてほしい
▷ 答弁:大矢良幸 教育次長
竜西線のバスは、住民混乗方式で一般の方々が乗ることのできる運行となっています。
児童生徒の時間にあわせた時刻の運行だけでの運行は難しい状況です。
今待っている時間を友達との遊びや勉強に有効活用して戴きたいと思いますので、ご理解いただきますよう、よろしくお願い致します。
▶(6)後藤陸人 議員 北竜町の予算について
北竜町の予算額と支出内容(特に一番つかわれているものと子ども手当てについて)を教えてください
▷ 答弁:中村道人 総務課長
北竜町では、行政予算として一般会計、特別会計(国民健康保険会計、町立診療所会計、後期高齢者医療会計、介護保険会計、永楽園運営会計、下水道会計、水道会計)の併せて8会計で行っています。
平成25年度当初予算規模は、一般会計・25億2400万円、他の7会計合計・13億6870万円、総計・38億9270万円です。
一般会計で一番多く使われているのは、「公債費(道路工事、公営住宅建て直し、ひまわりの里や北竜温泉の工事など)」です。
子ども手当てに関しては、子どもたちが参加する教育委員会の行事に予算を計上して、運営費、賞状、景品に当てています。また各種少年団活動に対して補助金の交付などを行っています。
▶(7)齋藤朱里 議員「TPPについて」
TPPに対する議員の皆さんの考え・意見をお聞かせください
▷ 答弁:小松正美 議会議員
議員8人全員、TPPに反対しています。
TPPは、Tranns-Pacific Partnership (環太平洋戦略的経済連携協定)の略であり、太平洋を取り囲む12の国々で話し合いが行われています。関税や規制をなくして、貿易の自由度を高めようとする政府間交渉です。
このことをお米で考えてみると、今北海道のお米は、1俵が1万2千円。外国から入ってくるお米は、1俵1,500円~1,700円です。安い外国のお米が日本に入ってくると、日本のお米は売れなくなって農家も農業を続けられなくなってしまいます。現在は、外国からの食糧に関税をかけているので、まだそのようなことになっていません。
一方、日本の高いお米を買わずに、外国の安いお米を買えばいいじゃないかという考え方もあります。
現在、日本の食糧自給率は10%を切り、穀物での自給率は40%と言われています。100%自給できているのは、唯一「お米」だけです。食糧を輸入に頼ってしまうと、供給先の国で災害が起きて作物が取れなくなったり、政治的な関係により輸出が規制された場合、日本に食糧が供給されなくなってしまう恐れがあります。日本がそうした状況に陥らないためにも、輸入に頼らずに、日本の食料は日本国内でしっかりと供給していこうという考え方です。こうした考え方に基いて、TPPに反対しています。
▶(8)髙井夏稀 議員「プールについて」
プールと建物を広くして、使いやすくしてほしい
▷ 答弁:大矢良幸 教育次長
北竜町のプールは、昭和63年(1988年)に建設され、現在25年が経過しています。これまで、様々な部分の修理や取替を行いながら現在に至っています。
プールは、長さ25m、幅13mで、6コースの公認規格プールとなっています。横に幼児用プールもあり、プールサイドも十分なスペースがもうけられ、シャワー室や更衣室も完備されています。
現在の環境の中で、楽しく安全にプールを利用していただきたく、よろしくお願いします。
▶(9)髙橋翔太 議員「スキー場について」
スキー場の山を高くしてほしい
▷ 答弁:大矢良幸 教育次長
町営スキー場は、昭和42年(1967年)に開設されたもので、初心者の方や各学校の授業等で利用し、基礎的な技術を習得し、スキーの楽しさなどを学んでもらうために設置したものです。
山を高くするには、山の整備や土地の購入、ロープリフトの延長工事などが必要となり、現状ではスロープを長くすることは難しい状況です。
上級者の方には物足りないと思いますが、今のままでの利用をお願い致します。
▶(10)藤信亜里 議員「改善センターのトレーニングルームについて」
小学生同士でも使えるようなトレーニング機械を買ってください
▷ 答弁:大矢良幸 教育次長
トレーニングルームは、2013年10月に改善センター耐震大規模改修工事が完了後、トレーニング器具を5種類導入し、10月22日オープンしました。
小学校高学年は、身体的成長に個人差があります。トレーニング器具を使う運動において、体の成長に影響を及ぼす恐れがあるので、十分注意が必要です。トレーニング器具利用者は、高校生以上の方を対象としています。
今後も小学生を対象とした器具購入については計画していませんので、ご理解いただきますよう、よろしくお願い致します。
▶(11)渡邊美夢 議員 スキー場のことについて
スキー場の休憩所を広くして、食べものを売ってほしい
▷ 答弁:大矢良幸 教育次長
町営スキー場の休憩竚は、昭和59年(1984年)に建設されたもので、広さは、スキー場の規模と利用者数に十分な休憩スペースが確保されているものと考えております。
休憩所内での食べものの販売に関しては、今後町内の業者の方々と協議を行い、カップ食品などの販売が可能かどうか検討したいと思います。
▶(12)澤田真斗 議員「公民館のパソコンについて」
公民館にパソコンがあれば、勉強やしらべものができるので、公民館にパソコンを置いてください
▷ 答弁:大矢良幸 教育次長
パソコンの維持管理面などを考慮し、公民館ロビーでのパソコンを設置する計画はありません。勉強や調べものは、休み時間などに、学校のパソコン教室のパソコンを有効活用していただきますよう、ご理解いただきますようよろしくお願いいたします。
▶こども議員を代表して、石田雄哉 議員よりお礼のことば
今日は私達の質問や疑問にわかり易く答えていただきありがとうございました。私が知りたかった町長さんの仕事の内容がわかりましたし、議員として議会で話しをする貴重な体験ができて、大変嬉しく思っております。6年生全員もそう思っています。
これからも、自然がいっぱいな北竜町、笑顔がいっぱいな北竜町であるように、この経験を活かしてしっかり勉強していきます。今日は本当にありがとうございました。
この後、全員で写真撮影、笑顔でニッコリ、無事終了となりました。
命育む素晴らしい自然に恵まれた町・北竜町 。
愛情いっぱいに包まれて、遊び、学び、のびのびと成長してきたこどもたち
一歩踏み出す度に、驚きと感動とともに見えてくる未知の世界。
無限に広がり続ける世界の中で、
いつの日がきっと、
足元に煌めく素晴らしい宝物を見つけることができるでしょう。
そんな未来輝くこどもたちに
大いなる愛と感謝と祈りをこめて。。。
全員で記念撮影
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・北竜町の「中学生議会」2011 開催(2011年12月11日)
◇ 撮影・編集=寺内昇 取材・文=寺内郁子