北竜町の「中学生議会」2011 開催

2011/12/11 6:47 に 寺内昇 が投稿   [ 2013/12/11 22:12 に更新しました ]
2011年12月11日(日)

12月8日(木)、北竜町議場において、北竜町議会第4回定例会が開催されました。
町議会に先がけ、午前11時から「中学生議会」が開催され、北竜町立北竜中学校(大橋誠 校長)3年生、20名全員が議員を務め「一日町議」として一般質問を行いました。司会は、橋本義幸 議会事務局長です。


    
左:議場を後方より臨む  右:議場を前方より臨む


司会進行を勤める 橋本義幸 議会事務局長


この「中学生会議」は、北竜町では今回で3回目。

2006年(平成18年)に第1回がスタートし、中学生29名が参加。第2回は、2009年(平成21年)に開催され、北竜町立真竜小学校6年生、14名が参加しました。
この「中学生会議」は、生徒達が地域の課題点について中学生の立場で考え、町に様々な提案を述べていきます。行政が真剣に受け止め説明することによって、町に対する理解を深めていくことが目的。

生徒達は、政治・行政・議会について授業内で学び、質問事項も予め検討しての挑戦です。
そしてこの日の議会は、実際の町の会議と同じ場所、同じ形式で執り行われました。

    
左:西野陽一町長ご挨拶  右:佐々木康宏議長ご挨拶


最初に、西野陽一町長のご挨拶。

北竜町の町は、町独自の行政で、町民の皆さんが毎日を安心して過ごせるよう、いろいろな仕事をしています。
 その仕事の内容は、道路や住宅、各種施設の建設や改修など、社会資本の整備、農業・商業・観光の振興、保健・医療の福祉の推進、教育・文化の振興などです。

北竜町の一年間の予算額は、一般会計で24億4千万円。町民の人口が2,200人で、一人あたり110万円の経費が使われていることになります。一般会計の他に7つの特別会計があり、それらを合計した39億1千万円が、私達の住む北竜町で1年間に必要な経費ということになります。

このお金が無駄遣いをされることなく、町民の皆さんひとりひとりに有効に使われているかどうか、また町長の私が町民の皆さんの要請に応えているかどうか、行政に正していくのが議会の役割・存在です。
議会の議決があって、はじめて行政の仕事が出来るのです。

行政と議会は、町民ひとりひとりの幸せを願って、町民の皆さんが毎日を安心して暮らせる為に、頑張っていることを是非ともご理解戴きたいと思います。
皆さんのご意見に従って、良い町作りにがんばっていきますので、よろしくお願いを申し上げます。


議会は、前半を中学生の中村真彰さんが議長を、後半を同じく中学生の滝本恵梨さんが副議長を務め、議事が進行。
生徒達20人全員が議員の席に座り、10名の生徒さんから11問の一般質問。
答弁するのは、佐々木康宏議長はじめ議員の方々、役場の幹部職員の方々です。


◆ 一般質問


1,就農希望者の募集について(平林優哉 議員)

 答弁:山田伸裕 産業課長

北竜町では、1993年(平成5年)より新規就農者を応援する条例を制定して、支援を進めています。これまでに、20名の方々が北竜町に来られ、現在個人経営の方5組、法人構成員が2名農業をして働いています。農業体験の方も今年までに17名の方を受け入れ、4名の方が結婚して北竜町でパートナーとして農業経営に従事しています。今後も引き続き、たくさんの就農希望者を受け入れることのできる環境作りを進めていきたいと思います。

2.北竜に高校を建てる(大前慶太 議員)

高校は普通科ではなくて、デザインや美術などの学科を作れば、若い人たちが集まり町に活気がでると思います。

 答弁:坂井荘壱郎 教育次長

以前、1978年(昭和53年)3月までは、北竜町にも北竜高等学校があったのですが、生徒数の減少と産業構造の変化により閉校となりました。新たに高校を設置するには、少ない生徒数、専門の先生の確保、建設・運営維持にかかる多額な経費など多くの問題を解決しなければならず、現状では難しいと思います。

3.黒千石の豆の普及について(深津佳央理 議員)

 答弁:山田 産業課長

北竜町農業振興協議会の事業計画で「北竜町の農畜産物のPR並びに販路拡大」を進めています。今や「幻の黒千石」として一躍有名になった、栄養価の高い北竜町の「黒千石」を「ひまわりの町」とともに北竜町の農産物として積極的に、これからもPRしていきたいと思います。

4.お店を増やしてくれませんか(田中沙知 議員)
5.商業施設について(荒田啓太郎 議員)

現在ある碧水地区のコンビニまで和地区から遠いので、板谷地区や和地区に、コンビニ、本屋、スーパーマーケットなどを増やして欲しい。

 答弁:山田 産業課長

コンビエンスストアで商圏人口3,000人以上、本屋さん20,000人以上、小型スーパーマーケットで1,500世帯以上が必要条件となっています。この要件を満たしていなければ商店として採算が採れず、廃業となってしまいます。また、商業施設は市街地区域または宅地でなければ建設できません。北竜町は、人口が少ないことと町内のほとんどが農業振興地域整備計画で制限されているので、商業用地への転用が難しいのが実態です。しかし、町としては、新しく商店の営業をする人や商店を新築する人に対して支援する制度を設けています。

6.ひまわり畑でイベントをして、有名人を呼んでくれませんか(金子謹 大議員)

 答弁:山田 産業課長

ひまわりまつりのイベントは、ひまわり観光協会が実施しています。イベント運営費には、高額の費用がかかります。多くの人々を収容する施設のない北竜町での有名人のイベント開催は難しいものと考えます。

また、佐光勉 議員から、町民自らが参加した、ひまわりの里造りに関する熱い想いが語られました。

7.歩行者と自転車について(丸山翔大 議員)

事故を減らすためにも、歩行者と自転車の道を分けてほしいです。

 答弁:本田一志 住民課長

2008年(平成20年)6月の道路交通法改正により、自転車が歩道を通行する事ができるようになりました。自転車道を作ることによって、事故の減少につながります。現在、北海道開発局で、モデル地区を設定し、自転車道の設置を行っています。今後、その取り組み状況についてお知らせいたします。

また、松永毅 議員より、交通法規に関する詳しい説明がありました。

8.人が働いて住める町(柳谷征槻 議員)

北竜町に働く場がなく、町から若い人が出て行くので働き口を増やしてほしい。

 答弁:井上孝 総務課長

北竜町は、農業を主体とした町づくりを行ってきたため、企業誘致政策は積極的に実施していないのが現状です。近年の経済情勢により、いかにコストをかけずに大消費地に安く供給するかが求められている現状で、北竜町は必ずしも良い条件とはいえません。これからも魅力のある町づくりを行うことにより、町の気候、風土をいかした企業の参入により、多くの若者が地元で働くことが出来るよう努力して参ります。

9,太陽パネルの設置について(千代崎文哉 議員)

北竜町は太陽を味方にした町です。太陽光パネルを、観光センター、改善センター、学校に設置することにより、災害避難所となった時にも活用できると良いと思います。

 答弁:山田英喜 建設課長 

本日の北海道新聞の「自然エネルギー」に関する記事やソフトバンクのメガソーラーの記事などを参考にしてください。北竜町では、2010年(平成22年)10月から個人住宅に太陽光発電システムを設置する方を対象に、発電1kwあたり7万円・上限21万円の補助金制度を制定しました。国の補助金も10kw未満・約70万年が補助されます。設置工事費の自己負担が軽減され、余剰発電は、北海道電力び買戻してもらえます。「我が家にも太陽光パネルを設置しよう」とご両親に提案してみてください。

10.音楽室の改装(千代崎文哉 議員)

音楽室に机が設置できるよう段差をなくしてほしい。音楽室の扉が、スムーズに開かないので直してほしい。

 答弁:坂井 教育次長

北竜中学校は、1975年(昭和50年)に校舎が新築されました。1993年(平成5年)に大規模改修工事が実施され、すでに20年が経過しています。今後予定している大規模改修工事の際には、段差をなくしたフラットな教室に改装するなど、皆さんのご要望を聞いて改善していきたいと思います。音楽室の扉についても、現場を確認のうえ、なるべく早く修理いたします。

11.街灯設置について(金山世奈 議員)

板谷地区の一部の道路が夜暗いので、街灯を設置してほしい。

 答弁:山田 建設課長

昨年2010年、北竜町と各町内会が所有している全ての街路灯を、虫が寄ってこないと言われるLED灯、またはナトリウム灯の証明器具に取り替え、住環境の改善と使用電気の削減を図りました。板谷地区の一部の暗い場所については、場所を特定していただき、町内会長さんとも協議のうえ、街路灯の設置改善に努めていきたいと考えておりますので、宜しくご理解をお願いいたします。



締めくくりとして、佐々木議長のご挨拶です。

課長の人達が一生懸命答えたと思います。「やる事はやる」姿勢で、音楽室の修理などの対応について答えて戴きました。その他に、10年、20年先の皆さんの願いに応えたつもりです。
20名の皆さんは、北竜の宝ものです。
これからも気楽に声をかけてください。今日は、いい質問をありがとうございました。


    
北竜中学生による議長


そして最後に、澤田理来 議員より、中学生代表として挨拶です。

私達は、政治について学んでいます。政治の世界は、複雑で難しいのですが、この議会に参加させて戴くことで、またひとつ学ばせていただくことができました。
 
私は、小学校2年生の時に、この町に転校してきました。隣町に比べ、静かでのどかな町だとおもいました。
クラスメイトや町の人々みんなが、優しい挨拶を返してくれたり、親しみやすいという印象を持っています。やはりこういうところが北竜町の素晴らしい所だと思います。

人口が少ないため、街灯が少ないところもあるので、改善してほしいと思います。来年は、町外の高校に進学しますが、バスの本数が少なく通学に不便なので、バスの便数を増やしてほしいとバス会社に働きかけて戴きたいです。

北竜町は観光に力を入れていると実感することがあります。温泉の駐車場のキャンピングカーが停まっているのをみかけます。しかし、コテージがもっとあると、ゆっくり宿泊できるので、もっとコテージを増やしみてはいかがでしょうか。

北竜町には、「太陽を味方につけた町」という看板があちこちにあるので、太陽光発電をもっと広めていってほしいと思います。今年3月11日に起きた東日本大震災、原発事故を踏まえて、自然エネルギーを利用した発電をした方が北竜の今後のためにも良いのではないかと思います。

今後私達たちは、高校を卒業し社会人となります。その時、北竜に住み続けるかはわかりませんが、帰省することがあると思います。その時、この町がこれまでの長所を活かし、和やかな町であってほしいし、人口も増え、活気づいた町であったらいいなぁと思います。

町を活性化するのは、大変なことでありますが、私達も北竜町民として、少しでも役に立てればと思います。

本日は、貴重な機会を戴き、ありがとうございました。

北竜町の町を心から愛し、町を想う心がじんわりと伝わってくる、生徒の皆さんの熱い言葉に大変感動しました。



北竜中学校の議員皆さんと記念撮影



この町の人々の温かい心、
町民の要望に真摯に応える議員、行政の皆さんの真心に包まれて、
育ち、学び、遊んできた生徒の皆さん。

皆さんは、この町を離れて、高校へと旅立っていきます。

この町を遠く離れているからこそ、
見えてくる大切な宝物が、北竜町には存在しています。

これからの旅路は、
宝物の存在に気づくための旅立ちです。

いろいろなことをたくさん経験し、
難しいことも、楽しいことも
思いっきり味わってきてください。

そして、北竜町の宝物の存在に気づいた時には、
「ただいま!」と元気に戻ってきてください。

  私達は今「千の北竜町の宝物」を目指して模索中です。

いつも、どこでも、北竜町より
皆さんのことを心から応援しています。

永遠の愛と感謝と笑顔をこめて。。。



中学生議会2011  写真(19枚)はこちら


◆ 参考ページ

平成22年度第4回北竜町議会定例会を傍聴しました(2010年12月8日)
北竜町議会


◇ いくこ&のぼる



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