初日の出卑弥呼の謎の解けぬまま
初硯おもむろに決む筆の腹
掛軸に般若心経梅三分
鈴蘭やむかし半鐘ありし里
師の忌来る総立ちとなる松の芯
しづしづと祈りの育つ穀雨かな
翁逝く青田になるを確めて
古都守る幾重の山や利休の忌
向日葵の一本立ちや子のと
炎天の譫言めきし一鵜かな
碧水で生まれ和で秋桜
蜩や住めば都と唄いおり
魚偏の飴屋の湯のみ鰯雪
日勝の未完の馬や走り星
黒板の一足す一や雁渡る
人の知の果なき宇宙星月夜
櫓田のねぎらい青く伸びにけり
廃校の碑文明かるき冬の雨
数え日の静かすぎたる社かな
人脈の厚きわが村山眠る
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