<最終回のご挨拶>

 今回最終回ということで、ホッとしたような気持ちと同時にまた、もうすぐ待ちに待ったひまわり油ができる!という緊張感が湧いて参りました。
 文章を書きながら、改めて皆様の「本当に良いひまわり油を作る!」という気持ちが伝わってきました。私も、少しでも町の役に立てたら、という思いをますます強くした次第です。
 これからもよろしくお願いいたします。

 2016年12月19日(月)
 北竜町役場企画振興課 ひまわり油再生専門官・東郷弘之

(新商品発表後、2017年3月14日に内容更新済)

ひまわり油再生プロジェクト【No.08】

早いもので、いよいよ北竜町産「ひまわり油」の誕生が秒読み段階となって参りました!
期待に胸を膨らませつつ、今回の話はたくさんの方々に支えられてやっと生まれる「ひまわり油」の誕生までのお話を紹介させて頂きます。

 1.ひまわり油再生プロジェクトの発足

NPO法人代表として実績のある「NPOえがおつなげて」の代表で、総務省地域力創造アドバイザー曽根原久司氏が仲立ちとなり、農業研修を通じて6次産業化にビジネスチャンスがあるとの仮説を発想するオイリオグループと、高品質の水稲生産が強みでありながら人口減に直面している北海道北竜町の「ひまわり」から油脂製品を生産し、その製造販売を通じて交流人口の増加を図りたいというニーズが結びついて、「北竜町ひまわり油再生協議会」が本年2月に設立。具体的な計画がスタートしました。


日清オイリオと提携
日清オイリオと提携

ひまわり油再生事業フローチャート
ひまわり油再生事業フローチャート


 2.新聞にも取り上げられる(5月31日「北海道新聞・中北空知版」)

「ひまわり油再生プロジェクト」は、その注目度の高さから新聞にも取り上げられました。
タイトルは 「北竜ヒマワリ油 復活へ種まき」

生産が途絶えたひまわり油の復活だけでなく、企業の農業体験、交流人口の拡大などを通じた町の活性化も目的として実施することが紹介されました。
以下は記事の内容の抜粋です。

農事組合法人ほのか ・プロジェクトは「北竜町」「日清オイリオグループ(株)」の合同作業
・今秋には、ひまわり種子を約1.5トンを収穫
・農業法人「ほのか」と農家2戸の協力で、6ヘクタールに播種
・種子収穫後、搾油して製品化し反響を見て次年度の作付面積を決定
・「ほのか」代表の板垣さん談「ヒマワリは町の誇り。協力したい。機械や手作業で草取りに手間をかける」。プロジェクトは国の地方創生加速化交付金を活用。次年度も栽培委託費等に充てる
・「香り付き」「手に塗れる」など付加価値の高い商品を開発し農家の収入増に繋げる
・交付金が続くうちに、農家が自立して栽培できる体制を目指す
・ヒマワリ油のほか、エゴマ油、亜麻仁油の商品開発も試験栽培していく
・ヒマワリ油復活を町の活性化に。ひまわりの里で種まき、草取りツアーも計画
・農業体験を「企業の研修プログラム」として広げていきたい


ひまわり  3.機能性にこだわった品種

本プロジェクトでは、健康に役立つ機能性食用油の製造をめざし「ビタミンE」と「オレイン酸」を豊富に含む「コバルトII」という品種を採用しました。
(※オレイン酸:HDLコレステロール(善玉コレステロール)を減らさず、狭心症などの冠状動脈性疾患の原因となるLDLコレステロール(悪玉コレステロール)のみを減らすと言われている脂肪酸)

「コバルトII」は耐倒伏性および耐病性に優れた油分の多い品種で、雨や風 にも強く、背丈が中程度の茎径が太い油糧用ひまわりです。


 4.ひまわりの成長

5月上旬に播種を終えたひまわりは、天候にも恵まれ順調に育っていきましたが、6月に入ると低温と長雨の影響で一部、病害の心配も出てきました。
しかし7月になると気温も上がりひまわりまつりを迎えるころは、満開のひまわり畑となり一安心することができました。
ところが8月になると、観測史上初めてという連続台風が北海道に上陸しました。各地に大きな被害をもたらしましたが、幸い北竜町のひまわり畑は大きな被害はありませんでした。


ひまわりの生育経過
北竜町・油r糧ひまわりの生育経過


 5.ひまわりの生育と収穫

油糧ひまわりの生育状況
油糧ひまわりの生育状況


8月中旬には満開だった花も終わり、種が成熟する時期となります。種を触ってみると油分が 多いのか、しっとり感が伝わってきました。やがて種の重みでお辞儀をするようになります。

(1)収穫
9月24日いよいよ収穫です。収穫はコンバインで行いますがひまわりの背が高いため、分茎板(ツース)を装着します。刈り取られたひまわりはコンバインの中で種だけに分離され種はトラックに積んで乾燥施設へ運ばれます。

(2)乾燥
収穫した種は水分を含んでいるため品質が悪くなってしまします。そのため乾燥機に投入し昼夜を問わず作業を行い、水分を7%以下にします。

(3)選別
乾燥した種には細かい茎や葉、雑草などが混じっているため唐箕(とうみ)という機械で選別し、フレコンバッグという大きな袋に詰められます。

(4)搬出
袋詰めされた種は油を搾るため大型トラックに積まれ、関係者の見守る中10月4日に名寄市の「ひまわり工房・北の耀き」へ出荷されました。


コンバインでのひまわり収穫
コンバインでのひまわり収穫


今年収穫した種は、約6haから合計で6,248kg! 上々の出来です。
初めて採用した品種を見事に実らせて頂いた3農場の皆様に感謝申し上げます。


 6.ひまわり原油の搾油(名寄ひまわり工房「北の耀き」にて製造)

工場に到着した種は、まず重量・水分・酸価を検査し、基準を満たしたものが搾油されます。


名寄での製造工程①
名寄での製造工程 ①

名寄での製造工程②
名寄での製造工程 ②


 7.オイリオ工場で「燦燦ひまわり油」ができるまで(日清オイリオ堺事業場)

名寄で充填されたひまわり油原油ドラム缶は、日清オイリオの大阪堺事業場にて最終の製品に仕上げられます。この工場で徹底した品質管理のもと、清澄なひまわり油が生まれます。


オイリオでの油ができるまで


オイリオでの油ができるまで ①
オイリオでの油ができるまで ①


<パッケージは素敵なひまわりのデザイン!>

製品は275g(300ml)ガラス瓶入り。北竜町らしさを意識した大きなひまわりの花が中心の明るい高級感のあるラベルを用い、「燦燦々ひまわり油」と命名しました。
外箱のデザインは、ひまわりまつりのお土産用やふるさと納税の返礼品などの使用を考え、広大な北竜町のひまわり畑をイメージした連続絵柄のデザインとしました。4本だけでなく、何本並べてもひまわり畑がずっと続くエンドレスの素敵なデザインとなっています。

燦々ひまわり油


 8.商品発売と製造数量

商品の発表は2月13日(月)、札幌のホテルにて。 ひまわり油の誕生までに、お世話になった関係者並びに報道関係者をお呼びして大々的に発表されました。

製造数量は、約1,800kg の原油から5,000本!このうち約3,000本が北竜町で販売される予定です(2,000本はコープ札幌と日清オイリオ社内販売へ)。

また、道の駅の売り場改装に合わせ、陳列BOXやポスター、パンフレットなども作成。北竜町産ひまわり油の上質感や、北海道らしさをお客様へ訴求していきます。

そしてふるさと納税の返礼品や、ひまわり祭りのお土産、道の駅での販売、サンフラワー パークホテルのメニューでの使用など、いろんな場面でPRしていく予定です。


これからも、日清オイリオグループ(株)は皆様の健康と楽しい食生活をサポートすべく、「植物のチカラ」で「あったらいいな」と思う食品をご提案していきます。
今後とも、日清オイリオグループ株式会社をどうぞよろしくお願い申し上げます。

美味しく食べてお元気に!(これ、日清オイリオグループのギフトのキャッチフレーズ)



お問合せ:

北竜町役場企画振興課 ひまわり油再生専門官・東郷弘之

〒078-2512 北海道雨竜郡北竜町字和11-1 北竜町役場
Tel: 0164-34-2111(代) Fax: 0164-34-2117
mail: info◇hokuryu.info(◇を@への変換をお願いします)


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