2026年4月17日(金)
倉庫の中の静かな営み ― 密苗・種籾芽出し作業
「きたそらち農協での温湯消毒は、種籾を60°C10分間、その後10°Cの水に5分浸水後、乾燥します。この種籾の温湯消毒は、化学農薬を使わずに熱の力で病原菌を殺菌する方法で、いもち病、ばか苗病(苗が徒長して枯死する病気)などの予防効果があります」と丁寧に説明する西野友也さん。
きたそらち農協での温湯消毒を終えた種籾は、まず「浸種(しんしゅ)」へ。
約10℃の水に10日間じっくりと浸され、命をじわりと呼び覚まされます。その後、30℃のお湯に酢を加えた催芽機で24時間浸します。この時、酢(食酢)を入れることによって、褐条病(かつじょうびょう)をはじめとする種子伝染性の細菌病を防ぐことができます。
この「催芽(さいが)」の工程で、1mm程度の幼芽と幼根が出た「鳩胸状態」となり、その後丁寧に乾燥させ、播種の準備を整えます。
現在は2槽ですが、順次種籾が増え、最終的には4槽に。水はポンプで循環させて3日間で交換しているとのことでした。
急かすことなく、焦ることなく。自然のリズムに寄り添いながら、最良の状態で種を土へ届ける。その静かな準備の積み重ねが、秋の実りへとつながっています。
ハウスに広がる希望の粒 ― サニーショコラ播種
品種と規模
今年のスイートコーンは、甘さと風味に定評のある「サニーショコラ」。株式会社みずほでは今年で栽培3年目を迎え、着実に経験と技術を積み上げています。
- 1棟のハウスに約5,000粒の種を播種
- 間引き後、約2,400株に育てる
- 1株から1本(1番株のみ)を出荷
- 6棟合計で約14,400本の収穫を見込む
- 1ケース22本入り、年間約600ケース以上の出荷を予定
- 収穫時期は7月10日〜20日を目処
播種のこだわり ― 株間と成長の関係
1か所に2〜3粒ずつ落とし、後から1本に間引く。この手間を惜しまない工程が、健やかな成長を支えています。
「間隔を少し開けてあげないと、栄養がちゃんと行き届かない。なるべく間隔を開けて、成長を良くして、なるべく大きいものを目指しています」。
と長谷川清隆さんの言葉には、作物への深いまなざしが宿ります。
収穫から出荷まで ― 鮮度という誠実さ
収穫の合図は、手の感覚。先の方まで実がパンパンに詰まったその瞬間を見極め、早朝から収穫して10時過ぎには出荷。翌日には市場へ届く、その日のうちの鮮度勝負です。
出荷先はJAきたそらちを通じ、雨竜町の選果場(マイナリー)へ。大地から食卓まで、一本のとうもろこしがたどる道のりも、また誠実です。
大地を起こす、自動操舵の精密な仕事 ― 田起こし作業
小松正美 代表取締役、自ら操る播種床づくり
ハウスでの播種床づくりは、小松 代表取締役自らトラクターに乗り込んで行いました。使用したのは「アッパーローター」。土を細かく砕きながら、表面の土と深い部分の土を入れ替え、ふかふかの播種床を作ることに特化した機械です。「深耕ローター」かけも小松社長がご担当。
天井まで光が差し込む100mのハウスの中を、赤いトラクターが静かに走る。その光景は、農業の力強さと繊細さを同時に体現していました。
田んぼに走る自動操舵の軌跡
田んぼの田起こしには、自動操舵トラクター(ヤンマー YT5113A)が活躍。運転席に搭載されたCHCNAVのナビゲーション画面には、赤いラインが直進の自動操舵を、緑のエリアが耕起済みの場所を示し、作業の全体像がリアルタイムで可視化されます。
「自動操舵だとハンドルを持たなくていい分、楽で快適です。空調も付いています」。
と説明するオペレーターの佐藤勇樹さん。
ハンドルを握らなくても、トラクターは精密に直進を保ちます。手動操作では避けられなかった微妙なズレや重複耕起がなくなり、時間効率も大きく向上。作業者の身体的負担も軽減されました。
自動操舵トラクターRTK(リアルタイムキネマティック)測位を使ったこの自動操舵は、空知ではまだ導入している農家は多くないといいます。
衛星から精密な位置情報を受け取り、誤差わずか数cmという精度で走行する技術は、北竜町の農業が静かに、しかし着実に未来へ向かっていることを示しています。
今後の作業予定
- 播種作業 :4月27日〜5月7日まで継続
- ポット並べ:出芽後、育苗ポットに移し、ハウスに並べる
- 田植え開始:5月15日(〜24日頃まで)予定
土を耕し、種を蒔き、水を張って苗を迎える。北竜町の農業の歳時記は、今日も確かなリズムを刻んでいます。
みずほ’s REPORT
みずほさんから、営みに関する画像をいただいておりますので、ご紹介いたします。
4月10日(金)トウモロコシハウス内に水を撒くチューブを取り付け
小松代表・深耕ローターかけ
Youtube動画
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