2026年2月26日(木)
瑠璃紺色の夜空に灯る思いやりの火。第5回アイスキャンドルin北竜町2026
例年にないほどのちょっぴり温かな空気を纏う空の下、2月21日(土)と22日(日)の両日、サンフラワーパーク北竜温泉を舞台に、温かく優しく照らし出す光の祭典「アイスキャンドル in 北竜町」が開催されました。
今年で早くも5年目の節目を迎えるこのイベント。会場に足を踏み入れると、約300個のアイスキャンドルと、80個を超えるスノーキャンドルが、訪れる人々を無数の光の瞬きで出迎えます。
氷と雪で作られた手作りの小さな器のなかで、オレンジ色の炎が風に吹かれてゆらゆらと揺らめく光景。
それは単なる照明ではなく、まるで北竜町に住む人々の胸の奥に宿る「思いやりの心」が、一つひとつ形となって夜空に舞い上がっていくかのようです。
厳しい寒さの中に身を置くからこそ、火の温もりが心に深く、切ないほどに染み渡ります。
氷と雪に命を吹き込む、世代を超えた「和の心」の結晶
光の海となった会場の中央で、ひときわ強い存在感を放ち、幻想的な輝きで人々の視線を釘付けにしていたのは、精巧に彫り上げられた見事な氷雪像の数々です。
透明な氷の塊から削り出されたのは、北海道教育大学旭川校彫刻ゼミの学生4人の手によって命を吹き込まれた「ひまわり咲ちゃんを背中に乗せて空を泳ぐ竜」の姿。
大空を悠然と舞う竜の躍動する体軀。その背中には、北竜町のシンボルである「ひまわり咲ちゃん」がちょこんと乗り、満面の笑みを浮かべています。
冷たく硬い無機質な氷という素材に、冷え切った指先でチェーンソーやノミを入れ、文字通り命を削るようにして形作られたこの芸術作品。
そこからこれほどまでに温かく、希望に満ちた物語を紡ぎ出すことができるのは、制作に携わった若き学生たちの熱い情熱と、この町に対する深い愛情、そして「訪れる人に心から喜んでもらいたい」という
純粋な祈りが、氷のひとひらひとひらに込められているからです。
学生たちが北竜町の人々と交流し、その風土の温かさに触れて感じ取った「和の心」が、この美しい氷像として結実したのでしょう。
さらに会場の空気を温かく盛り上げていたのは、地域を守る頼もしい大人たちによる力作です。
深川支局消防署北竜支署の皆様による大迫力の「消防車」、そして深川警察署碧水駐在所の星野有紀 巡査部長による「パトカー」の雪像。
日夜、いかなる時も町民の命と安全を守るために奔走されている方々が、激務の合間を縫って、冷たい雪と格闘しながら作り上げた渾身の作品です。
「制服を着た仕事」という厳格な枠を優しく超え、地域の子どもたちの喜ぶ顔が見たい、町の人々と心を通わせたいという、溢れんばかりの地域愛が形となっています。
雪で作られたや消防車の滑り台から歓声を上げながらソリで滑る子どもたちの無邪気な笑顔。それを見守る大人たちの、目を細めるような優しい眼差しの微笑ましい光景が広がっています。
「北竜っ子放課後光のギャラリー」学童保育元気っ子クラブのみんなの心を込めた作品の数々!
太古の記憶を呼び覚ます炎。スウェーデントーチと焼きマシュマロの魔法
夜の帳が完全に下り、吐く息がさらに白さを増して一段と冷え込みが厳しくなるなか、会場の一角から「パチパチ」という心地よい木が爆ぜる音と、鼻腔をくすぐる甘く香ばしい匂いが漂ってきました。
自伐型林業「自然下」の上井達也 代表によって丹念に用意された「スウェーデントーチ」の炎です。切り出された太い丸太を垂直に立て、木の幹に十字の切り込みを入れて内側から燃やすこのダイナミックなトーチ。
森の恵みである木が、自らの身を赤々と焦がしながら、集う人々に惜しみなく暖を提供してくれるその姿は、自然の力に逆らうのではなく、その恵みに感謝し、共に生きることを選んできた北竜町の精神そのものを表しているようです。
この神聖なスウェーデントーチの炎を囲んで行われたのが、子どもから大人まで大人気の「焼きマシュマロ体験」です。
驚くべきことに、160個ものマシュマロが無料で配布され、誰もが童心に帰って、炎という大自然の魔法と無心に向き合いました。
地域おこし協力隊員の新井田翼さんは、手にした長い串を巧みに操りながら、マシュマロを美味しく焼く極意を、周りを囲む人々に笑顔で伝授してくれます。
「マシュマロは、火に直接つけないことが一番のコツなんですよ。火から少しだけ離して、焦らずにじっくり、オーブンを使っているかのように、ゆっくり時間をかけて焼くんです。
そうすると、マシュマロの芯までじんわりと温まって、外はカリッと香ばしく、中はとろーりとろけて、もう最高に美味しくなるんです」とコツを語ってくれました。
新井田さんの言葉に頷きながら、焦がさないように息を詰め、真剣な眼差しで慎重に串を回す子どもたち。見事にきつね色に焼き上がった熱々のマシュマロを頬張り、「美味しい!」と目を輝かせる至福の瞬間。
その歓喜の声を聞いて、周りで見守る大人たちも自然と顔をほころばせ、温かい笑顔の輪が幾重にも広がっていきます。
太古の昔から、人類はこうして揺らめく炎を囲み、共に暖を取り、食を分け合うことで、夜の闇の恐怖や厳しい寒さを乗り越え、互いの絆を確かめ合ってきました。
スウェーデントーチの小さな、しかし力強い炎は、効率とスピードばかりを追い求める現代社会がいつしか忘れかけている「共に生きる喜び」という根源的な記憶を、私たちの魂の奥底に静かに、そして確実に呼び覚ましてくれるのです。
手間ひまを惜しまない「食」がもたらす、無償の愛の美しい循環
そして、北竜町のイベントを語る上で決して欠かすことができないのが、冷えた心と体を芯から温めてくれる、愛情たっぷりの美味しい「食」の数々です。
暖かな館内では、目を輝かせる中学生以下の子どもたち全員に、心躍るお菓子のプレゼントが手渡されました。袋を受け取った時の、あの驚きと喜びに満ちた笑顔。
「子どもたちの笑顔が見たい」「この町で楽しい思い出を作ってほしい」という大人たちの純粋な願いが、こうして目に見える形となって手渡されていく光景は、見る者の心を打つ深い温かさがあります。
屋外の会場には、人気のキッチンカー「黒米クレープ」が来店し、地元ならではの味わいで来場者の舌を楽しませました。
さらに、館内で販売されているのは、女性農業者グループ昴「うづら」の皆様による、熱々の「焼き芋」です。
「うづら」の皆さんが、まだ雪の残る春の土作りから始まり、照りつける夏の炎天下での草むしり、そして実りの秋の収穫まで、まるで自分自身の我が子を育てるように、惜しみない愛情を込めて栽培した小ぶりのさつまいも。
その命の結晶を、今度はじっくり、ゆっくりと、決して焦らずに時間をかけて、専用の石焼き器で焼き上げていきます。とろ〜りとろけるような黄金色の果肉を口に含むと、農家の皆様の深い深い愛情が、上品で奥深い甘みとなって口いっぱいに広がります。
ボタン一つで何でもすぐに手に入る、効率やスピードばかりが重視される現代において、種をまき、育て、収穫し、調理し、誰かの口に入るまでの途方もない時間と手間を決して惜しまないこと。それこそが、命に対する究極の敬意であり、相手の幸福を願い、思いやる「和の心」の最高の実践に他なりません。
「お土産いっぱい!」中学生以下のお子様には、お菓子のプレゼント!
灯台守たちの祈り。揺るぎない継続が放つ希望の光
企画者であり、このイベントの立ち上げから5年間、中心となって奔走されてきた北竜町集落支援員の村上信行さんは、静かに、そして力強く語ってくださいました。
「今年で早くも5年目となりました。こうして継続できるのも、地域の皆様の多大なるご協力があってこそです。
今年は、去年に引き続き、北海道教育大学旭川校の学生さんによる氷像『ひまわり咲ちゃんを背中に乗せた竜』が会場を華やかに彩ってくれています。
また、雪像は、深川支局消防署北竜支署の皆様による消防車、碧水駐在所の星野有紀 巡査部長によるパトカーを制作していただき、会場は例年以上の盛り上がりを見せています。
焼きマシュマロも子どもたちから大人まで大人気で、こんなにもたくさんの方々に楽しんでいただき、本当に嬉しく思います」と村上さん
村上さんのその言葉の端々には、イベントの成功という目に見える「結果」だけでなく、共に準備をし、共に笑い合い、共に厳しい寒さを乗り越えてきたすべての仲間たちへの、深く限りない「感謝」が満ち溢れていました。
たった一つのアイスキャンドルの火は、吹雪が吹けばいとも簡単に消えてしまうほどか弱く、小さなものです。
しかし、その小さな火を絶やさぬように、一人ひとりが凍える両手で大切に包み込み、隣の人へと火を分け与え、300個、400個と光が集まったとき、それは漆黒の夜の闇を完全に打ち払う、圧倒的な希望の光の海となります。
誰かの笑顔のために冷たい雪を掘り、誰かの心を温めるために水を凍らせ、誰かの未来を照らすために火を灯す。
この、一切の見返りを求めない無償の愛の連鎖こそが、世界から対立や争いをなくし、真の平和をもたらすための唯一の道であると、北竜町の人々は声高に叫ぶのではなく、その温かい背中と絶やさぬ笑顔で、私たちに静かに教えてくれます。
瑠璃紺色の夜空に、一つ、また一つと瞬くアイスキャンドルの優しい灯火。その温かい光は、凍てつく空気を溶かしながら天高く昇り、目には見えない尊い祈りとなって、北竜町から世界中へと広がっていくことでしょう。
「争うのではなく、共に火を囲みましょう」、
「奪い合うのではなく、分け合いましょう」、
「誰もが、ありのままで美しい存在なのだから」。。。
冬の夜空に輝く、希望に満ちた未来の神秘なる光「アイスキャンドり in 北竜町 2026」に、限りない愛と感謝、そして世界平和への祈りを込めて。。。
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