2015年11月12日(木)
11月5日(木)、古作町内会の老人クラブ「古作長生会」と岩村町内会の老人クラブ「岩村老人クラブ」の合同研修会が、サンフラワーパーク北竜温泉において開催されました。昨年より、古作長生会と岩村老人クラブが合同で催しを開催しています。
今回は、言語聴覚士・北風祐子 氏を講師をお招きし、「お口から始める介護予防・スマイル教室」と題する講演会。
約25名ほどの方々が参加し、熱心に耳を傾けました。
古作長生会・岩村老人クラブ 合同研修会(サンフラワーパーク北竜温泉にて)
▶ 開会
岩村老人クラブ・竹林攻さんの司会、同クラブ・木村和雄 会長のご挨拶で研修会がスタート。
岩村老人クラブ・竹林攻さん
岩村老人クラブ・木村和雄 会長
「本日は、岩村老人クラブと古作長生会との合同研修会です。今回は、役場住民課・西野保健師のお力添えにより、言語聴覚士・北風祐子先生をお迎えしてご講演いただくことになりました。よろしくお願いします」と、木村会長がご挨拶されました。
▶ 講師ご紹介
はじめに、役場住民課・西野麻奈美 保健師より、講師・北風祐子 先生のご紹介がありました。
「言語聴覚士・北風祐子先生は、1994年(平成6年)に、北海道医療大学言語療法学科卒業後、苫小牧市の病院に勤務。2013年度(平成25年度)より、NPO法人 地域リハ実践プロジェクト りらいふに参画。道内各地で言語リハビリの指導に携わっていらっしゃいます。昨年度は、ひまわり大学の講師として、お口の健康に関する講話をして戴きました。それでは、よろしくお願いします」と、西野さん。
役場住民課・西野麻奈美 保健士
▶ 言語聴覚士・北風祐子 先生のお話
「言語聴覚士の仕事は、言葉と聴覚に関するリハビリや指導です。言葉のリハビリでは、口全般の問題やトラブルに関して相談を受けたりしています。今日は、口の健康についてお話です」と、北風先生のお話がスタート。
言語聴覚士・北風祐子 先生
▶ お口の健康について
・お口は健康ですか?
・お口の役割「口腔機能」は、「食べる」「話す」「息をする」
・口を使う機会は、意外と少ないので、意識して口を動かすことが大切になってきます
・人間と動物の食べることの違いは、楽しんで食事をすること。動物は生きるためだけに食す。
食事を楽しむことは人間の特権です
研修会風景
▶ 口の運動に意識を向けることが、健康に繋がる
笑いがあふれる研修会
▶ 口の動きが良くないと発症する病
・誤嚥性肺炎:間違って気管の方に食べ物が入って、これが元になって肺炎を起こす病気。
・「むせる」という身体の機能は、気管に食べ物が入るのを防止し、誤嚥性肺炎にならないようにするための
防御反応です。「むせる」ことを我慢しないで、咳をして出すことが必要となってきます。
肺炎の中でも、1/4が、誤嚥性肺炎によるものとされています
▶ 誤嚥性肺炎を予防するための体操
<肩>
・口の周りの土台となる筋肉を鍛えるためには、肩の筋肉を動かす
・両肩を思いっきり上げて一旦止めて、一気に下ろして(上下運動)筋肉の緊張をほぐす
・胸をはって、肩甲骨を内側に寄せる(肩コリに効果あり)
<首の運動>
・姿勢を正して、肩に力を入れずリラックスして、顎を引いて下へ、正面を向き、上へ首を動かす
・耳を肩につける感じで首を左に倒し、正面にもどして、右に倒す。身体をねじるように首を左右に向ける
・10秒~20秒かけて、できりだけゆっくりと動かしいくことがポイント
・筋肉はゆっくり動かすと伸びていきます
首と肩甲骨周りの運動
▶ 上手に食べるために大切なこと
・虫歯を放置しない
・人と話す機会を多くする
・舌を綺麗にする(舌は体調を表すバロメーター)
・口の中をきれいに保つ
舌を綺麗にする
▶ 食べるためには頭の活動が大切
・食べる行為は、脳で判断している(美味しそう、まずそう)
・脳トレにトライしてみる
「昨日の晩ごはんのメニューを細かく思い出す」(普段考えないことを考えてみる)
「日に一本線を足して、漢字を考える」(目、白、田、旧、旦、申、甲、由)
漢字を思い出しながら、字を書くなど
脳トレ風景
▶ 声を出す
<口の体操>
・「アー」(口を大きく開ける・指が3本入るくらい)
・「ウー」(上唇を前に突き出す感じで)動かすことで筋にハリが出てシワが伸びる
・「イー」(歯を全部みせる気持ちで、横に広げる)首筋も伸びるので、飲み込みの力が鍛えられる
・「唇を閉じたまま舌を回す」
・「舌を前に出す、鼻の頭につける、上下、左右に動かす(口の中で動かす)」
・「口の中で、舌先で奥歯から一本ずつ歯を数えるようにぐるっとなぞっていく
・こうした舌の運動は、 顎の付け根、喉の筋肉が鍛えられ、唾液の分泌が活発になる
<早口言葉>
・大きな声で、最初はゆっくり、慣れてきたらできるだけ早く3回繰り返す
・「生麦 生米 生卵」「隣の客はよく柿食う客だ」「東京特許許可局」
「信長殿も信長殿なら 寧々殿も寧々殿じゃ」
「瓜売りが瓜売りに来て 瓜売り残し 瓜売り帰る 瓜売りの声」
「こうした運動は、薬と違って、やったから直ぐに良くなるものではありません。少しでもコツコツと続けることが来年の自分を支えるというゆるやかな気持ちでやっていくといいかなと思います」と、お口の大切さを様々な視点から、わかりやすく丁寧にお話くださった北風先生です。
▶ 古作長生会・松本則夫 会長のご挨拶
古作長生会・松本則夫 会長
「世の中が急激に変化し、介護保健法の改正など、老後の生活に大きな影響を及ぼすような状況になってきています。
今後も、出来る限り様々な先生方のお話を聴講して、これからの老後の生活に役立て、健康で楽しく過ごしていきたいと思います。今日はありがとうございました」と松本氏のお言葉で、合同研修会が終了となりました。
古作長生会・松本則夫 会長
その後、各町内会の老人クラブが、それぞれに昼食会での楽しいひととき。そして温泉で温まって、ゆったりとした時間を皆さん一緒に楽しく過ごされました。こうした町内会の例会が、様々な形で、月2回ほど開催されているとのことです。
昼食会
健康を考えた場合、食べ物や運動に意識が向き、口腔機能の大切さを忘れがちになります。
身体の運動と同様に、お口の運動も合わせて行っていくことが、健康を維持するため重要なポイントとなることを学びました。毎日の生活の中で、お口の体操、舌の運動、頭の体操など身体の細部に至るまで意識を広げていくことの大切さを実感しました。
サンフラワーパーク北竜温泉から駐車場を眺めて
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◇ 撮影・編集=寺内昇 取材・文=寺内郁子