2015年4月2日(木)
3月28日(土)~29日(日)、1泊2日で北竜町立美葉牛小学校40回卒業生・美葉牛中学校9回卒業生クラス会が北竜町で開催されました。
サンフラワパーク北竜温泉(道の駅・サンフラワー北竜)
昭和35年(1960年)卒業生は14名。今回の同窓会参加者は、新田リツ先生を含め8名となりました。
卒業して55年の歳月が経過。現在、同級生は、札幌市(7名)、岩見沢市、深川市、苫小牧市、沼田町(2名)、北竜町、そして道外では、埼玉県(さいたま市)、神奈川県(横浜市)などに在住。
札幌在住の方が多いこともあり、これまでの同窓会は、札幌等で開催されてきました。
故郷、北竜町で同窓会を行うのは50年ぶり。
北竜町に在住している唯一人の永井捷弘さんが今回の幹事を務められました。
昭和35年(1960年)北竜町立美葉牛小学校40回卒業生・美葉牛中学校9回卒業生
平成27年(2015年)クラス会(2015年3月28日)
▶ 美葉牛小中学校
・明治36年(1903年):加葉田市太郎、細川市太郎の両氏により私立教育所として発足
・明治37年(1904年):奥美葉牛公立簡易教育所として創立(児童14名)
・大正8年 (1919年):美葉牛尋常小学校と改称(児童112名)
・昭和22年(1947年):北竜村立美葉牛小学校と改称
・昭和26年(1951年):美葉牛小中学校の併置(複式学級)
・昭和57年(1982年):閉校
小学校と中学校は、ひとつの校舎。小学校、中学校ともに複式学級。小学校は、低学年と高学年が別れて、それぞれ一つのクラス。中学校は1年生から3年生まで一緒のクラスで学びました。
開校以来、小学校は77年間で888名、中学校は31年間で423名の卒業生を送り出しました。閉校の年・昭和57年、巣立っていった最後の卒業生は小学校4人、中学校1人です。
『美葉牛小中学校・閉校惜別記念誌』(昭和57年)
今回での同窓会は、夜の部・懇談会、そして昼の部・町内バスツアーの2日間のスケジュールが設定されました。
暑寒別岳方面に沈む春の夕陽
▶ 懇談会
北竜温泉にて、28日18:00より。幹事・永井捷弘さんより、今回の同窓会の開催に至る経過報告からスタート。
幹事・永井捷弘さんより今回の同窓会が開催に至る経過報告
「今回は、昨年2014年10月19日に、藤田さんより「同窓会開催」の電話がありました。
1965年(昭和40年)に地元で開催して以来、50年ぶりの故郷北竜での同窓会となりました。今年に入り1月6日に出欠の案内を送付した所、すぐに返事がありました。
村井俊博先生は、昨日ドクターストップがかかり、いらっしゃることができなくなり、大変残念です。本州方面で、様々な事情でこられない方々からは、メッセージを頂いております。後でゆっくりごらんください。
明日は、温泉のバスで、美葉牛地区をめぐりますので、楽しみにしていてください」と幹事・永井さんの報告です。
▶ 皆さんからの一言
● 藤田洋一さん
「今日は、三つの楽しみがあります。ひとつは、みんなに会えること。ふたつめは、温泉に入ること。3つ目は、昔話ができることです」
藤田洋一さん(中)
● 松坂恵美子さん
「皆さんにお会いできるのを楽しみにきました。本州の方や体調不良の方が訪問できなくて、大変残念に思います。用意してくださった資料に、皆さんのコメントが記されていて、それを拝読しながら、昔の思い出が走馬灯のように巡っています。今日は、楽しく過ごさせていただきたいと思います」
松坂恵美子さん(中)
● 水谷俊夫さん
「昔、友人に「としおに『”』をつけると『どじお』になってしまうよ」と言われたほど、昔から忘れっぽい私です。昔のことで忘れていることがたくさんあります。今日は皆さんのお話をたくさん聞いて、昔のことを思い出すのがとても楽しみです」
● 森谷輝美さん
「皆さんからお話を聞くのを楽しみにしています。当時、14名のクラスメートとは、小学校中学校と9年間、家族のように過ごし、勉強し遊びました。卒業後55年経っても、こうして皆さんと会えるのは幸せであり、とても嬉しいです」
水谷俊夫さん(左) 森谷輝美さん(右)
● 大浦勝策さん
「クラス会の中でも、多く集まっているほうだと思います。古希を迎え、これからもまだまだ元気で頑張っていきたいと思います。今日は皆さんとお会いできてとても嬉しいです」
● 辻樹義さん
「村井先生と新田リツ先生は、思い出が深いです。昔、放課後に教員住宅で勉強を教えて頂き、お礼に家で飼っていた鶏の卵をお礼に持っていったのを覚えています」
● 新田リツ先生(79歳)
「中学9回卒業生は、私が(20歳の時)赴任した時は小学生でした。この子たちが小学校6年生の時から中学校の3年間、計4年間皆さんと一緒に過ごした懐かしい思い出があります。とても親しくしていただき、嬉しい限りです」
大浦勝策さん(左) 辻樹義さん(中) 新田リツ先生(右)
● 永井捷弘さん
「幹事をやるのは初めてです。藤田くんから昨年11月に声がかかって、古希を迎えましたし、地元での開催は50年ぶりということで、幹事を精一杯やらせていただきました。
飲みながら、食べながら、寝る時間さえ惜しまれると思いますが、明日もバス見学を予定していますので、思う存分楽しんで戴きたいと思います。今日は、皆さんとお話できるのが楽しみです」
ワイワイと話が尽きません
▶ 藤田洋一さんより開会挨拶
藤田洋一さんより開会挨拶
「蛍の光、仰げば尊しを聞いて、55年の月日が流れます。まずは、14人の中で、亡くなられた二人の方に皆さんで黙祷を捧げましょう。「黙祷。。。」ありがとうございました」
黙祷
「私達は、美葉牛中学校を卒業して以来、社会の中で様々な活動をしてきました。
その中で、「美葉牛魂」というものありまして、私達は70歳になっても、いつも忘れないで過ごしてきました。このことは地域の方々、両親、そして先生方にいつも感謝しています。親が言ってたことは「親の顔に泥を塗るな! 人から後ろ指を刺されるな」といわれてきました。この魂を忘れずにこれからもやっていきたいと思います。
今日は寝ないで朝までお話は尽きないと思います。楽しく過ごしましょう」
今宵は楽しく過ごしましょう
▶ 松坂恵美子さんより乾杯の音頭
「先ほど黙祷を捧げた、亡くなられた方のことを想うと辛くなりますが、今日はお二人の分迄、たくさん楽しんで過ごしたいと思います。乾杯!!!ありがとうございます!」
松坂恵美子さんより乾杯の音頭
美味しいお料理とお酒、そして懐かしい昔話、楽しいお話の数々・・・
皆さん和気あいあいと、夜明けまで尽きること無く続きました。
お料理の数々(一部)
▶ 美葉牛地区バスツアー
3月29日(日)北竜温泉前出発10:00スタート。
美葉牛地区バスツアー
美葉牛地区(平成8年10月5日撮影:『美葉牛百年史』より)
美葉牛地区は、北竜町役場から、国道275号線を北上し、碧水市街で交差する国道233号線で留萌方向へ約5km走行した所に位置します。
美葉牛川が流れ、水田地帯が広がり、転作田には、メロン・スイカ・そばなどが栽培されています。
バスは国道から農道に入り、雪に埋もれた水田を見渡しながら、美葉牛地区をまわりました。
「○○さんの家があそこにあったけど、もうなくなっているね」「○○さんは農家をやめ、今は息子さんが後を継いでいます」「ここに○○さんの本家と分家があったのだけど」・・・50年以上前の面影が皆さんの心に懐かしく蘇ってきます。
北竜町美葉牛地区バスツアー
▶ 北海道旅客鉄道(JR北海道)留萌本線「峠下駅」
北海道旅客鉄道(JR北海道)留萌本線「峠下駅」を訪問。美葉牛小中学校から峠下駅まで約6.4km。
当時、峠下駅まで峠を超え歩くこと約1時間半。汽車で留萌の海水浴や沼田方面に行商のお手伝いに行っていたそうです。
現在、峠下駅は無人駅で、1日8本程運行されています。
北海道旅客鉄道(JR北海道)留萌本線「峠下駅」
▶ 美葉牛農業研修センター
美葉牛小中学校跡に建設された研修センターで、2014年に耐震工事が完了しリニューアルされました。
現在の美葉牛農業研修センターを見学
明治37年(1904年)当時、本願寺農場であった地に奥美葉牛公立簡易教育所の校舎が建てられ、明治41年(1908年)、御料地(現在の美葉牛農業研修センター)に校舎が移転新築されました。
校舎、体育館、グランドがあった懐かしの場所は、今では解体されています。耐震工事で改築された研修センターは、1Fが会議室、調理実習室、2Fが広い大広間(講堂)として立派に生まれ変わっています。
昭和10年頃の学校見取り図(『美葉牛百年史』より)
現在の美葉牛農業研修センター・会議室、調理実習室(1F)
現在の美葉牛農業研修センター・講堂(2F)
倉庫の扉が開かれ、中から登場したのは「二宮金次郎像」です。
二宮金次郎像を囲んで
当時、校門の所に鎮座していた「二宮金次郎像」には、この像を建立寄贈した方々のお名前が記されていました。
建立寄贈した方々のお名前
「骨身を惜しまず仕事にはげみ 夜なべ済まして手習い読書 せわしい中にもたゆまず学ぶ 手本は二宮金次郎」
二宮金次郎
そして、構内の東側には、雪に埋もれながら、校歌を記した記念碑の文字が鮮やかに蘇ります
雪に埋もれる記念碑の校歌
● 閉校記念碑:「校歌」作詞:片桐政雄 作曲:奈良熊十郎
みどりの丘に 雲高く
風さわやかに わたる朝
希望にもえる 窓あけて
呼ぶは 美葉牛小学校
招くは 美葉牛中学校
第17代校長 米田慎作書
清純な子どもたちの歌声が、風に乗って聞こえてくるようです。
雪に埋もれた碑を撮影
▶ 北竜温泉にて、黒千石づくしの豪華ランチ
バスツアー終了後、お昼は、サンフラワパーク北竜温泉・レストラン風車にて、北竜町特産品である黒千石大豆を使ったお料理を堪能!
お昼は、レストラン「風車」にて
尽きることのないお話は、美味しい珈琲で締めくくりとなりました。
美味しい珈琲で締めくくり
お土産は、「黒千石セット」(黒千石発芽納豆、黒千石きな粉、黒千石フレーク、黒千石豆ごはんなど)で、
黒千石づくしです!!!
皆さん、新たなる思い出を胸に秘めて、故郷を跡にしました。
またいつか会える日を思い描きながら。。。
お土産の「黒千石セット」
幼き日の故郷の思い出が蘇る母校、
汗と涙のフロンテイアスピリットが息づき、
若き次世代へと受け継がれていく美葉牛魂に
大いなる尊敬と感謝と祈りをこめて。。。
春の陽光を浴びる北竜門(サンフラワパーク北竜温泉)
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◆ 参考資料
・『びばうし』美葉牛小中学校 閉校惜別記念誌(昭和57年3月21日)
・『美葉牛百年史』(平成9年8月10日)
◇ 撮影・編集=寺内昇 取材・文=寺内郁子