そば打ち体験&蕎麦畑見学ツアー・そば食楽部北竜(北竜町)

2014/08/20 14:44 に 寺内昇 が投稿   [ 2014/08/24 14:44 に更新しました ]
2014年8月21日(木)

8月9日(土)、北竜町で初めての「そば打ち体験&蕎麦畑見学ツアー in 北竜」が開催されました。
「観て・体験して・味わう」という蕎麦の魅力をまるごと堪能するツアーです。
今年の3月に北竜町ポータルに寄せられた、そばツアー開催に関するお問い合わせメールがきっかけ。その後、メールによる打ち合わせ、北竜町にご来町されての事前打ち合わせなどを経て、ツアーが実現しました。

参加された皆さんは、mixiの「北海道の手打ち蕎麦」コミュニティのメンバー。
札幌在住の方々など、お蕎麦をこよなく愛する7名の方々です。

開催場所は、そば食楽部北竜のそば道場&北竜町のそば畑。
「そば食楽部北竜(中村尚一 会長)」の皆さんが、そば打ちの指導、そば畑ガイドなどをされました。


そば食楽部北竜(北竜町)  そば打ち道具 
左:そば食楽部北竜(北竜町) 右:そば打ち道具


今年10年を迎える「そば食楽部北竜」は、お蕎麦をこよなく愛する会員の方々およそ40名が参加し活動されていらっしゃいます。皆さん、午前10時にそば道場に集合し、まずは中村尚一会長と梶正信 監事によるそば打ちデモンストレーションからスタートです。


そば食楽部・中村尚一 代表(4段) 
そば食楽部・中村尚一 会長(4段)のご挨拶

xxx  ツアーのスケジュール説明 
左:高橋利昌さん(3段)から説明  右:本日のスケジュール


蕎麦打ちデモンストレーション

<そば粉>
 ・そば粉:500g
 ・小麦粉:200g
 ・水  :約315cc
 ・打ち粉:適量


1.粉をふるいにかける


粉をふるいにかける 
粉をふるいにかける


2.水回し

・水を少しずつ(3分の1くらいずつ)、上の方からまわしてかける
・右手・左手を交互に円を描くように混ぜ合わせて、平均的に全体に粉に水を浸透させる
・粉によって水の浸透率が異なるので、様子を見ながら少しずつ水を入れる(3回~5回)
・どこで水を入れていくのか見極めが難しい(経験が必要)
・小さな柔らかい玉ができてくる
・さらさらの状態になるまで続ける
・更に水を加え、玉が少し大きくなってきたら、全体をまとめる

◎「一鉢二延し三包丁(いちはち にのし さんほうちょう)
 一番大事なの木鉢の工程(水回し・練り)で、ここで蕎麦の良し悪しがほぼ決定してしまうほど重要。
 次に延し、最後が包丁の切り方となります。
◎ 蕎麦修行は「鉢が3年、延しが3ヶ月、切りが3日」で一人前
◎「粉の一粒一粒に水をしみこませていくことが大切!」

そば打ちに対する心構え、手の動き、感覚、注意すべきポイントなど、
ひとつひとつ丁寧に解りやすい中村会長の説明が続けられます。


水を少しずつ(3分の1くらいずつ)、上の方からまわしかけていく 
水を少しずつ(3分の1くらいずつ)、上の方からまわしかける

右手・左手を交互に円を描くように混ぜ合わせて、平均的に全体に粉に水を浸透させていく 
右手・左手を交互に円を描くように混ぜ合わせて、平均的に全体に粉に水を浸透させる

小さな柔らかい玉ができてくる 
小さな柔らかい玉ができてくる


3.練り(ねり)

・しっかりと体重をかけながら、蕎麦粉の粘りを十分に引き出す作業
・親指の付け根の柔らかい部分を使って表面に艶がでてくるまで何回も続ける


自分の体重をかけながら、手前から向こうに押すように 
自分の体重をかけながら、手前から向こうに押すように


親指の付け根の柔らかい部分を使って練ります 
親指の付け根の柔らかい部分を使って練りこむ
中村会長の面白い説明に思わず笑みがこぼれます


4.延し(のし)

・打ち粉を振って、時計の2時から10時の方向へ、手のひらで生地を押し広げる
・押しては回転させて、生地が同じ厚さ(約1cm)になるように、徐々に丸く延ばす


手のひらで生地を押し広げていきます 
手のひらで生地を押し広げて


5.丸延し(まるのし)

・直径が20~30cmくらいになったら、麺棒で延ばす
・手を猫の手のように握って綿棒を転がしながら押す
・時計と反対回りに少しずつずらして、同じ厚さになるようにできるだけ丸く延ばす


麺棒で延ばしていきます 
麺棒で延ばして

手を猫の手のように軽く握って綿棒を押します 
手を猫の手のように軽く握って麺棒を転がしながら押す

同じ厚さになるように丸く延ばします 
同じ厚さになるように丸く延ばす


6.四つ出し

・直径が40~50cmくらいになったら四角い形にする
・麺棒に生地を巻き、延し板にこするように引いて転がす
・90度回転させて広げていきます。巻きつけては転がして引いて延ばす


生地が同じ厚さになるように延します 
生地が同じ厚さになるように延ばす

均一な薄さ 
均一な薄さ


7.本延し(ほんのし)

・生地が同じ厚さになるように延ばす


麺棒に生地を巻き、延し板にこするように引いて転がします 
麺棒に生地を巻き、延し板にこするように引いて転がす

巻きつけては転がして引いて延ばします 
巻きつけては転がして引いて延ばす


8.畳み(たたみ)

・麺体を8枚に畳む
・麺体の右端を左端に合わせ2つに畳む
・右上をつまんで、下半分に重ねて4枚折る
・更に下から上へ重ねて8枚折となる


麺体を8枚に畳みます 
麺体を8枚に畳む


9.切り

・小間板は、左手の親指・人指し指・小指で軽く押さえる
・包丁は上から下へ、手前から向こうへ押し切るように切り下ろす
・下まで切り下ろしたら、包丁全体を左へ少しだけ傾ける
 (上げる、下ろす、倒すの動作をリズミカルに繰り返す)
・打粉を優しく払い落とす


小間板は、左手の親指・人指し指・小指で軽く押さえます 
小間板は、左手の親指・人指し指・小指で軽く押さえる

打粉を優しく払い落とします 
打粉を優しく払い落とす

出来上がり 
出来上がり


10.茹で

・たっぷりのお湯に約1分、ゆったりと茹でる


たっぷりのお湯に約1分、ゆったりと茹でます 
たっぷりのお湯に約1分、ゆったりと茹でる


11.洗い

・麺をすくって水に浸し、ぬめりを取るように冷たい水で洗う
・ぬめり取りの後は、氷水に浸して、そばを締める


麺をすくって水に浸し、ぬめりを取るように冷たい水で洗います 
麺をすくって水に浸し、ぬめりを取るように冷たい水で洗う

氷水で締めた後は、盛りつけます 
氷水で締めた後は、盛りつける


12.盛り付け(完成)


盛り付け 
盛り付け

有段者の手打ちそば  宮島さんハウスのネギ  宮島さん手作り漬物サラダ風 
左:そば食楽部メンバーの手打ちそば  中:宮島さんハウスのネギ  右:宮島さん手作り漬物サラダ風


蕎麦打ち体験

ご指導にあたるのは、全麺協で認定された、そば打ち有段者の方々。 中村尚一 会長(4段)、宮島きよ子 副会長(4段)、藤井光子 幹事(4段)、高橋利昌 事務局長(3段)、梶正信 監事(3段)、米本正和 幹事(3段)、吉本一夫さん(初段)。 (一般社団法人 全麺協 公式ホームページはこちら >>

丁寧で親切なご指導を受けながら、皆さん真剣に取り組んでいらっしゃいました。
見ているとできそうにみえる手さばきは、実際に自分で体験してみると、スムーズに動かない難しさを、皆さん実感されたようです、


xxx 
そば打ち体験


そば打ち体験の皆さんで記念撮影 
佐野町長とご一緒に、そば打ち体験の皆さん記念撮影


そばを味わう

美味しいお蕎麦をいただきながら、皆さんに一言感想をいただきました。

<参加者皆さんの感想>

・もっと上手くできたのではないかという反省点が多々ありました。また是非北竜町に来たいです

・練っている時に、蕎麦の香りがしましたが、食べた時も香りがあって、やっぱり本物の蕎麦は違うなと思いました。反面、自分の未熟さが悔しい。頭では分かっているのに、上手くできないのが悔しかったです

・今回は2回めの手打ち体験でした。見てると簡単に見えて、実際に体験すると難しい、最後に食べると美味しいという3つを今日は実感しました。また機会がありましたら参加したいです

・今日は皆さんと一緒にそば打ち体験ができてとても楽しかったです。観ているのは楽しいのですが、作るのは本当に難しくて、全然上手くできずに悔しかったです。美味しいお蕎麦を作れるようになるまで練習をしたいと思います

・今日はお蕎麦が自分で作れてよかったです。とても美味しかったです。ありがとうございました

・そば打ち体験は2回目ですが、やればやるほど蕎麦の難しさを実感しています。これからは、お蕎麦を食べる時は感謝していただきます。それと、そばデモンストレーションのときの中村代表のお話がとても面白かったです。また機会がありましたら是非参加したいです。ありがとうございました

「そば打ち体験は、観るは楽し、打つのは難し、食べて美味しい」を実感なさった皆さんです!!!


箸が止まりません  そば食楽部北竜のそば 
左:箸が止まりません  右:そば食楽部北竜のそば
中村尚一 代表  感想を語りあう楽しいひととき 
感想を語りあう楽しいひととき


そば畑見学

お腹いっぱい美味しく戴いた後は、そば畑を見学。
そばの白い花が一面に咲き乱れ、漂ってくる独特の香り。
黒い皮で覆われた蕎麦の実は、白から黒へと変化し、しだいに固くなっていきます。


北北竜町のそば畑のひとつ   そば栽培の勉強  そばの花 
左:北竜町のそば畑のひとつを見学  中:そば栽培の説明  右:そばの花

緑肥用ひまわり 
緑肥用ひまわり(左)とそば畑(右)


北竜町 眺望の丘

その後、北竜町の町が一望できる「眺望の丘」へ移動。
丘から見る町一面の景色は、蕎麦畑の白、田んぼの薄緑、大豆畑の濃い緑、そして収穫を終えた麦畑の茶色など、爽やかな色彩に彩られています。
皆さん一緒に、素敵な笑顔で記念写真をパチリ!!!

その後、ひまわりの里見学、観光センターやサンフラワーパーク北竜温泉など、
三々五々自由行動を楽しみ解散となりました。


記念撮影 
眺望の丘で記念撮影
眺望の丘に駐車  眺望の丘からの景色 
眺望の丘からの景色に魅入る


そば打ち有段者のご指導を受けながら、
そば打ちを全身で感じ、
打った蕎麦をみんなでお腹いっぱい味わって楽しむひととき!

壮大に広がる蕎麦畑のひんやりとそよぐ風を感じながら
蕎麦の魅力をまるごと堪能する真夏の体験ツアーに
限りない愛と感謝と笑顔をこめて。。。


眺望の丘の眼下に広がる北竜町 
眺望の丘の眼下に広がる北竜町


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◇ 撮影・編集=寺内昇  取材・文=寺内郁子