2014年6月14日(土)午前11時〜12時、北竜町公民館大ホールにて、気象キャスター・菅井貴子さんの講演会が開催されました。テーマは「今年の夏は本当に冷夏か?5年振りエルニーニョ現象発生?!」。
主催・黒千石事業協同組合、後援・北竜町です。
気象キャスター・菅井貴子さん講演会会場(北竜町公民館)
公民館大ホールには、今年の夏の天候を気になさっている農家の皆さんをはじめ、菅井貴子さんの大ファンの皆さんなど100名を超える方々が、菅井さんのお話に熱心に耳を傾けました。
黒千石事業協同組合・辻正昭 副理事長の司会により会は進められました。まずは、村井宣夫 会長のご挨拶、そして村井さんによる菅井貴子さんのご紹介です。
● 村井宣夫 会長・ご挨拶
今日は、お忙しい中にもかかわらず、大勢お集まり戴いたことに厚くお礼申し上げます。
この度は、黒千石事業協同組合が主催する講演会です。
そして北竜町が後援をしてくださるという有難いご支援を戴きましての開催であります。
菅井貴子さんは、北海道文化放送(UHB)で気象キャスターとして毎日活躍されていらっしゃいます。横浜市生まれ、明治大学理工学部数学科ご卒業。数学教育のテレビ番組を担当いたしまして、放送局で司会やレポーター等務め、気象予報士の資格取得後は、気象キャスターとして全国隈なく九州から北海道にまで赴いて気象予報。最終的にあこがれの北海道に移住。NHKの「おはよう北海道」「おはよう北海道土曜プラス」等に出演されました。
現在、気象経済分野の研究活動中。また、小中学校へ環境に関する出前授業や講演、コラム執筆などを行っていらっしゃいます。
皆さんからは「そんな素晴らしい方が北竜町に来てくださるの」と言われるくらい人気の高い菅井貴子さんです。私共にとっては、憧れのスター的存在です。今日ご紹介させて頂くことに大変光栄を感じております。
私と菅井貴子さんとの出会いは、北海道大学の学生が主催するイベントに参加したことがキッカケとなりました。その時、私が菅井貴子さんにお天気に関する話をしたところ、すっかり関心をもって戴き、私と菅井さんは「昔の天気予報の話」で意気投合しました。
例えば、朝ごはんを食べて、今日の天気はどうだとか、猫が顔を洗ったから今日の天気はどうだとか、遠くの音が聞こえたから、遠くのものが近くに見えたからどうだとか、蛇が騒いだからどうだとか、あるいは、カラスの巣を見て今年の天気を占うなどです。
そんな昔の話が、いっぱい私の中に入っています。
もしいつかお許し頂ければ、菅井さんに変わって、私が気象の講演をしたいという気持ちもないわけではありません(会場大笑)。
今日は、今年の予報で2009年から5年ぶりに発生するといわれている「エルニーニョ現象」について、お話をお伺いします。できるだけ、北竜町が今夏の天候に備えて欲しいとの想いから、菅井さんに来て戴きました。ここに改めて歓迎申し上げて、ご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。
講演会場
● 菅井貴子さんのお話
今日は、北竜町の皆様にお話を聞いて戴ける機会を頂きまして、誠に嬉しく思います。今日の話は、私自身も勉強しながら、楽しみながら準備をさせて頂きました。
これまで幾つか講演をさせて頂いておりますが、一番苦手なことは、農家の方が沢山いらっしゃる場合です。その地の天気を一番ご存知なのは、農家の方・地元の方なのかなと思います。
ところで、お天気の世界は、周囲20kmくらいの平均した天気を天気予報として扱っています。20km四方というのは、結構広い空です。今日は車できたのですが、最初はどしゃぶり、一度晴れてまた小雨が降ってと、この20kmの中でもお天気が変化しました。
20kmの地域を平均して気象学として扱っています。まだまだおおざっぱな分野で日々仕事を行っています。
今日は、分かることは分かる、分からないことは分からないと率直にお話させていただければと思います。
▶ 自己紹介
北海道は10年目です。横浜育ちですが、何故北海道に来たかというと、とにかく北海道に憧れを持っていて、北海道が大好き。大学時代、自転車部に入部していて、自転車で北海道半周旅行をしました。道東の釧路・知床・標茶・旭川を回りました。
その時の北海道の青空に感激。さらに食、そして何より人の良さに感激です。
北海道の方に「北海道っていいとこですね」といったら「そうでしょう!ありがとう」と言葉がかえってきます。
この地元の北海道を愛する気持ちに感激しました。
また、旅の途中「どこから来たの、地元のこの特産品を食べていかないと損だよ」いろいろ教えて頂きお世話になりました。
こうしたことから北海道のファンになり、いつか北海道で働きたいと思うようになりました。
気象士になってからは西日本が多く、最初関東から出発し、山口県・長野県・四国は愛媛県・九州は福岡県・熊本県・長崎県とまわりました。
その後、北海道でNHKの募集に応募したところ採用され、北海道に渡りました。移住して現在10年目です。
▶ 移住者から見た北海道の魅力
・北海道物産展が全国で開かれていて、本州の方は北海道が大好きです
・北海道のものは、美味しい・安全・新鮮だと思う気持ちがあります
・北海道からのお土産には困らない。北海道のお土産は皆さんに大変喜ばれます
・逆に横浜から北海道へのお土産に困ります
・横浜の名物は「崎陽軒のしゅうまい」(原料は北海道産というシール付)や「マーロウプリン」(北海道の特選生クリーム使用)というもので、北海道の生クリーム使用のプリンや北海道産の原料が使われているものを、北海道へのお土産になりにくいものです
・羽田空港でお土産を探しているうちに気づいたことは、原料に北海道産のものが使われているお土産が多いこと
・虎屋の羊羹の小豆、京都の鰊そばの鰊、水戸納豆の大豆は半分は北海道産・カナダ産、伊勢の赤福餅は、あんこも餅も北海道産です
・北海道に来て北海道の美味しさを実感することが、観光のツールになればと思います
▶ 北海道へ来ると太って当たり前?
・本州の人々を北海道に来てもらって、いろんなところへ案内し、朝昼晩、美味しいものを食べてもらいます。すると「太った」と言葉が返ってきます
・そこで「大丈夫!北海道は体重が増えるのはあたりまえなの。何故なら、北海道は本州に比べて遠心力がかからないから」といいます
・赤道あたりは高緯度地方に比べて遠心力があるので、人は宇宙に引っ張られて体重が軽くなります
・北に行けば行くほど遠心力がかからなくなるので重くなります
・沖縄で60kgの人が北海道に来ると、
60kg+80g=60.08kgと80g増加します
・こんな話をすると、皆さんなんとなく安心して北海道の美味しいものをたくさん食べて帰ります
・80g以上増えたら、実は食べ過ぎなんですが・・・
▶ 北竜町における過去の最高気温は?
・北竜町に一番近いアメダス情報(石狩沼田)から北竜町の気候を調べてみました。北竜町における過去の最高気温は?
(1)32.5℃ (2)35.7℃ (3)37.8℃
・正解は「35.7℃」。25年前の1989年の8月7日
・「32.5℃」は昨年の最高気温
・「37.8℃」は北海道で一番暑い帯広市の気温です
・先週、音更町も37℃を超えています
・北海道の春は遅いですが、夏は早く、夏が来ると気温が急上昇します
・沖縄の最高気温は35.4℃なので、北海道は沖縄より暑いです
・北竜町も、沖縄の過去の最高気温よりも暑いことになります
・気温が上がる原因は、山によるフェーン現象。そのせいで高温となります
▶ 北竜町における過去の北竜町の最低気温は?
(1)ー24.8℃ (2)-29.7℃ (3)ー41.0℃
・正解は「ー29.7℃」36年前の1978年2月17日
・北海道には最低気温の地域が沢山あります
・正式に記録されているのが旭川の「-41.0℃」、これは108年前に記録されているものです
◎ 北竜町は、最高気温「35.7℃」、最低気温「ー29.7℃」と、気温の変化が「65.4℃」と大変大きいです
▶ 気象予報士からみた北海道の魅力
(恵まれている北竜町の気候)
・北海道は3つの海に囲まれており、海水温が海によって違います。北海道の気候は豊かです
・西の海は比較的温かいので、西風が吹くと爽やかで清々しい
・流氷のなごりがあるので東の海は冷たく、東風が吹くと寒い
・東風が吹いて、オホーツク側が気温が下がりますが、北竜町はそれほど気温が下がらない
・何故なら東方に大雪山連峰があるからです。その山が冷たい東風をブロックします
・そのため、北竜町だけは気温が高いという年が結構あります
・年によっては、南風が強いと蝦夷梅雨になります
・太平洋側は霧になり、気温も上がりません。札幌あたりまでグズグズします
・蝦夷梅雨は北竜町までは届きません
◎ ですから、北竜町の夏場の気候は、どこよりも恵まれている気候だと思います
・北海道の気候は、場所によって様々です
・例えば、夏に気温が一番低い数値は、上士幌町の3.5℃、松前町が10.2℃。ちなみに、北竜町は6.0℃前後です
・この7℃近い気温差は、東北〜九州間に相当します
・北海道の気候は、本州の気候をきゅーっと凝縮したのと同じになります
・こうした理由から、北海道では栽培できない作物はなく、北海道の原料が多く使われている理由がここにあります
・日照時間で最も晴れるのが「池田町」。池田町の晴天2,041時間は九州・四国並み
・それに比べ曇りの多い稚内は1,166時間
・北海道は、メリハリのある気候だなぁ~とつくづく思います
・関東や九州では、天気予報が晴れの場合、周辺地域の天気はほとんど「晴れ」
・それに対して、北海道の場合は隣町でも大きく変化します
・気象予報士として、北海道は気温の変化が激しいので大変予報が難しい地域です
・こんなに気候が豊かだと、ちょっとしたバランスで天気予報が変わってしまいます
▶ 北海道はグローバル気候
・北海道は北半球で気候に恵まれた地域だと思います
・例えば、流氷がこんなに南までくるのは世界的に珍しい
・北極海で見られる流氷が、北海道で見ることができます
・台風は南国のものですが、年に何度か台風も訪れます
・雪も降れば、夏は沖縄より暑くなります
・北半球で、北海道はなんでも揃っている所だと思います
◎ 北海道は、世界中の天気現象が集まったグローバル気候と言えそうです
▶ 北海道にないもの
▷ 春にないもの
・スギ花粉(症状がひどく、白樺花粉の比ではない)がない
・上士幌町や釧路市では「スギ花粉疎開ツアー」が行われています
◎ 「北竜町にはスギ花粉はありません」というメッセージは、本州の人々にとって魅力的な言葉です
・暴風災害が少ない、地震が少ない
▷ 夏にないもの
・台風が少ない
・湿気が少ない。本州のようなサウナ状態がない
・水不足がない。四国の天気予報は梅雨の前に水不足になります
・すると節水になって、水道の蛇口をひねっても1時間程水が出ない状態となります
・北海道は、日本一雨が少ない
・それでも水不足にならない理由は、山の雪解け水があるからです。平均貯水量は全国で3番目です
・ゴキブリがいない(ゴキブリがいないことは、私が移住する大きな要因となりました)
▷ 秋にないもの
・ないものはない
▷ 冬にないもの
・食べ物がしっかりしているので、身体が冷え切らない
・寒くない。外は寒いけれども、ストーブをガンガンに焚くので室内は暖かい
・関東は外も家も寒いので、一度外に出ると夜お風呂に入るまで、冷え性状態となります
・私は北海道に来て、冷え性が治りました。あまり信じてもらえませんが・・・
・「十勝晴れ」では、昼晴れると夜が長い。宇宙丸見え状態が長く続き、天体観測宇宙開発・研究に適しています
・陸別町では天体望遠鏡による天文観測が盛んです。大樹町では、宇宙開発が行われています
◎ 北海道の「ないもの」が、北海道のこれからのチャンスになっていくのかなと思います
▶ 命を守る天気予報
・湧別町・中標津町などでは暴風雪で、多くの方々がお亡くなりになりました
・私達は、こうした災害による人々の被害を最小限に留めることをコンセプトに「命を守る天気予報」を掲げています
▶ 最近の天気の流れ
・現在、北海道の北にある低気圧はこれからがやっかい
・「寒冷渦(かんれいうず)」は、上空に冷たい勇気を背負っていて、上空の沼にすっぽりとはまり動かない
・動かないということは、同じような天気がしばらく続きます
・北竜町の天気は今日もグズグズしていますが、明日、明後日、もしかした明々後日まで続くかもしれません
・先週は記録的な猛暑、今週は大雨。特に白老町が過去にない大雨に見舞われました
・気圧配置が変わらない。大雨の要素がようやく収まったと思ったら、今度は「寒冷渦」
・わりと気温も低めで、グズグズした状態が、来週前半まで続きそうです
・ただ、この低気圧がようやく抜けると、6月らしい青空が戻ってきます
・異常気象が増えていると言われていますが、確かに増えています
・今月の北海道の天候は普通ではありません
▶ 異常気象の原因
(1)温暖化
(2)都市化
・いままで森だった所を開発していくと、気候が変化します
(3)目撃者が増えた
・例えば、竜巻が発生しても昔はわかりませんでした
・今では人が住める所が広がり、写メールやスマホで竜巻の証拠を残せるようになりました
・証拠が残せるので、異常気象としてカウントされ、竜巻発生やゲリラ豪雨の発生数が増加しています
(4)マスコミの報道の仕方
・「何年ぶり異常気象」のニュースタイトルだと、関心をもって見てもらえることがあります
・ある教授から「温暖化報道について題材を適切に使うように」というご指摘を受けたことがあります
・「温暖化を表現する映像に、氷河が崩れ落ちる映像を流しているが、氷河は崩れて当たり前。氷河は崩れる所と成長する所があって、繰り返している。崩れる所ばかり見せて氷が溶けていますというのは間違いだ」というご意見を戴きました。アラスカでは、氷河が崩れるのが観光資源にもなっています
・「地球温暖化の影響で永久凍土により家が傾いている」という事例では、家が傾いている写真を使うことがあります
が、家の中でストーブをガンガンに焚いたため氷が溶けている写真です
・これからの気象予報は、本当に正しいことを見極めて、しっかりと伝えていかなければならないと思います
・この「異常気象」という言葉は、便利な言葉。なにをもって異常とするのか、物差しはあります
・気象庁は30年に一度だと「異常気象」と定めています
・異常じゃない年のほうが、異常だったりすることがあります
・毎年ブレがあり、毎年何かがおきています
・ただ「観測史上一番」は、科学データに基づいた正真正銘の「異常気象」です
・観測史上一番という言葉に耳を傾けていただいて、これこそが正しい情報と考えてください
▶ 北竜町で集中している観測史上一番
(1)4月:記録的に晴れの日が多かった(過去にないぐらい晴れの天気)
(2)5月:気温が高かった(月平均11.9度)
(3)6月:猛暑日があった(6月4日:35.3度)6月としては初めての猛暑日
◎ 観測史上一番が立て続けにおきています。普通ではありません
▶ エルニーニョ・ラニーニャ現象とは
・今年は「エルニーニョ」が発生するだろうと言われています(まだ発生していません)
・エルニーニョは北海道から遠く離れた海の海水温が上昇すること
・地球のバランスが崩れて、世界中の異常気象につながっていくと言われています
・海水温が高くなると貿易風(東風)が弱まります
・逆に海水温が低くなるのがラニーニャ現象
・4~5年に一度「エルニーニョ」「ラニーニャ」のどちらかが発生しています
・東風が弱まると雨雲がずれて、普段雨の少ない所で雨となり、多い所で少なくなってくるという異常気象が発生します
・日本の場合、太平洋高気圧の張り出しが弱くなります
・張り出しが弱いと冷夏となる傾向となります
・太平洋高気圧は夏の主役で、頑張れば頑張るほど猛暑となります
◎ エルニーニョが発生すると「冷夏暖冬」になりやすい
▶ エルニーニョが発生した2009年(5年前)の北竜町の天候
・北竜町は冷夏
・月別平均気温7月・8月・9月が平年より低く、
気温が上がっていない
・6月の雨量:101mm(平年の2倍)
・7月の雨量:244.5mm(平年の2倍以上)
・気温が上がらない以上に雨が極端に多かった(平年の2倍の降水量)
・日照時間:6月・7月は平年より少ない
・日照時間:8月は平均並み、9月が平均より減少
・30度以上の真夏日が3日間
・8月に入り、9日・10日・11日と3日続けて真夏日となったが、暑い日も少なく平均気温も少ない
▶ エルニーニョが発生した年の統計データによる天候
・エルニーニョ発生の年は、冷夏になるといわれていますが、統計的には本当に冷夏になるかというと半々です
・時代を逆上った統計によると、夏の平均気温が低いのが50%で、平年並みが50%というデータになっています
・つまり冷夏にならない可能性も半分なのです
・2009年の冷夏だけを取り上げているのは、進みすぎた報道なのかもしれません
・統計的には、エルニーニョの年でも、平年並みの気温の年も半分あるということです
・エルニーニョの年の日照時間は、75%は日照が少ないという統計が出ています
・エルニーニョの年でも13%はよく晴れていいます
・雨量は少ない可能性は13%、並みの可能性が49%、多い可能性が39%
・エルニーニョの年で50%は平均並みになっています
・確かに2009年は雨が平年の2倍降りました
・しかし、エルニーニョの年をもっと遡っていくと、平年並みという可能性も高いと言えます
・気象庁から1ヶ月・3ヶ月の長期予報が出ていますが、不確定要素が多く、精度が高いとは言えない現状です
・私の伝えられることも、残念ですが、こうした統計的なものしかお伝えすることができません
▶ お天気マーク以上に予報士の声に耳を傾けて!
・後は、皆さんのご判断と対策によるものにお任せするしかないと思います
・とはいえ、毎日の天気予報は精度が上がっています。皆さんが思う以上に当っています
・「外れましたね」と言われた時、何故そう思われたかという理由のひとつに「天気マーク」があります
・お天気マークは4種類のみ
・言葉で説明していることも、曇や雨のマークで示されると、見ている方は視覚でインプットされることが多く、言葉が素通りしていくことが多々あります
・無数に存在する予報は、お天気マークでは表現できないのです
・聴覚だけのラジオのほうが、誤解がなくていいかもしれません
・テレビで天気予報を見る時は画面だけでなく、気象キャスターの説明に少し耳を傾けてくださると、思ったよりは当っているかもしれません
▶ 週間予報を見る時間は、午前11時過ぎ・お昼ごろがベスト
・週間予報は、一日一回だけ大きく変わる時間があります
・午前11時過ぎてからです
・民放もNHKも気象庁も気象会社もみんな同じです
◎データが揃うのが10時頃なので、お昼過ぎてから見るのがベスト
・天気予報の後半にやたら曇りマークが多いときがあります
・晴れか雨か分からない時は「曇り」とつけることがあります
・明日の天気、今日の天気は一日3回放送しています
・明日の天気は、夕方5時を過ぎた放送のほうが当たりやすい
◎5時の天気予報は、最新の情報が集まって、最新の状態でお話することができます
▶ 農家の方の天気予報
農家の方からお話を伺いました。「種はその次の年を予測してできている。種を同じ場所にずっと播いていれば、種自身が乗りきれるように成長していく」というお話です。目からウロコでした。種はどこかへ持って行っても、他の種を持ってきてもダメだよというお話でした。
▶ 北海道それぞれの地域のことわざ
北海道は、昔から自然と向き合って生きていくのに長けているのだと痛感いたしました。
・こぶしの花、上向きに咲けかんばつ、下向きは雨多く、横向きは風が強い、花多ければ洪水、冬の気温が低ければ春先の気温が高く、豊年型の天候となることが多い(北村)
・クモが家の軒下に巣を作ると雨が近い(幌加内町)
・ハンノキの花の多い年は、豊作(沼田町)
・桜の花の色が薄い年は寒い(砂川市)
・ひと夏に布団を着ないで寝る夜が10日あると豊作、ひばりが高くあがって鳴くと暖かくなる(奈井江町)
・とんびが低く輪をかいて飛ぶと、明日は雨が降る(秩父別町)
◎ 空知地方は、北海道で一番、お天気のことわざが残っているような気がしました
▶ 北竜町の可能性と魅力は世界に広がる
・アイヌ語で「アイヌモシリ」は「北海道=人間の大地」を表します
・北海道は、北半球でも食・環境・水が豊かな場所
・環境エネルギーが豊富
・昔ならではの知恵に富む
・地元のポテンシャルと人間の力で、北海道はますますキーポイントになっていくのかなぁと思います
◎ 魅力がいっぱいの北海道が、私は大好きです
「北竜町の可能性と魅力は世界に広がる」
その後、会場の参加者皆さんとの活発な質疑応答が行われました。
笑いが飛び交う質疑応答
● 高田幸男 理事長・御礼のご挨拶
多数の方々にご参加頂き、誠にありがとうございました。
菅井先生がおしゃっていた通り、北竜町という恵まれた土地で営農を続けられることに、大きな誇りと自信を持ちたいと思います。
今年、エルニーニョが発生しないよう、たとえ発生しても冷夏は確率50%ということなので、素晴らしい豊作の秋を皆さん揃って迎えられますよう、そして菅井先生が、ますますお元気でご活躍なさることを合わせてご祈念申し上げ、御礼のご挨拶とさせて頂きます。
今日はどうもありがとうございました。
盛大なる拍手をもって、菅井貴子さんのお見送りです。
その後、北竜町公民館ロビーでサイン会が行われました。
明るくサインに応じる菅井さん
とても丁寧で解りやすい菅井貴子さんのお話は、北海道そして北竜町の素晴らしさが、ストレートに伝わってきて、感動的なお話の数々でした。様々な視点から気候の変化や北海道の魅力が、楽しく発見できたことに心から感謝いたします。
ありがとうございます!
左より:黒千石事業協同組合・高田幸男 理事長、村井宣夫 会長、菅井貴子さん、辻正昭 副理事長
◆ 関連記事
・黒千石大豆・黒千石事業協同組合の紹介
・(お知らせ)気象キャスター・菅井貴子さん講演会「今年の夏は本当に冷夏か?」(2014年6月4日)
・半田晋二郎 気象予報士のご講演「近年の気候変動と農業への影響」(北竜町農業研究会)(2013年1月31日)
◇ 撮影・編集=寺内昇 取材・文=寺内郁子