2013年11月7日(木)
10月27日(日)、雨上がりの空に、七色の虹が、鮮やかに光輝いたその日。
北竜町では、女声合唱団「北竜町ひまわりコーラス」(土居ひで 代表)による創立25周年記念演奏会が、北竜町公民館大ホールで開催されました。
ひまわりコーラスを囲んで、有志の方々、豪華ゲストなど(総勢72人)とともにベートーベン「第九」の歓喜の歌を高らかに歌い上げます。会場となった大ホールは、300人を越える来場者で埋め尽くされました。
・主催:北竜町ベートーヴェン第九コンサート実行委員会
・協賛:北竜町ひまわりコーラス、公益財団法人 北海道市町村振興協会、北竜町
・後援:北竜町教育委員会、サンフラワーパーク北竜温泉
・指揮:山本徹淨さん
・ピアノ:中島和子さん、芹沢真理さん
総合司会は、ひまわりコーラスメンバーの杉本育子さん。厳粛な中にも、美しく流れるように、演奏会は進められていきます。
北竜町ひまわりコーラス 25周年記念演奏会(撮影:2013年10月27日)
▶ 第1部:「震災復興と平和を願って」
「ひまわりコーラス」の皆さんの合唱4曲(あの鐘を鳴らすのはあなた、瑠璃色の地球、ハナミズキ、いのちの歌)
▶ 土居ひで団長のご挨拶
「心配していた台風は、山本先生が追い払ってくださって、無事演奏会が始められます。今朝、ダブルの虹がかかっていたのを皆さんはご覧になられたでしょうか?
私達の第九演奏会は、今回で3回目です。1回目は5年前の20周年記念演奏会、2回目は翌年の追悼演奏会です。そして今回を迎えました。一口に5年前といっても、悲しい出来事がたくさんありました。佐光陽子団長や山本徹淨先生の奥様とのお別れ、東日本大震災でたくさんの方々が亡くなられ、家を無くされたりしました。先日も大雨による伊豆大島の災害がありました。この5年間は『いのちの尊さ』について考えさせられた日々でした。
今回の演奏会は『いのちと平和』をテーマに構成されています。
ベートーベンは、宮廷の人々だけが楽しんでいた音楽を、万人のための音楽として、第九を作曲されたと言われています。
今回の演奏会のために東京、大阪、札幌、旭川、留萌、滝川、夕張、深川、奈井江、沼田、雨竜、秩父別、アメリカなど、実にさまざまな所から駆けつけてくださいました。
この小さな町でも、立派なホールでなくても、みなさんが集まって合唱・合奏できるのは、ベートーベンの『第九』だけでしょう。この音楽が、こんなに全世界で親しまれているのを見て、ベートーベンさんは、草葉の陰(会場笑)で、いえ、天国で、喜んでいらっしゃることと思います。
それでは、皆さん、感動を胸いっぱいお持ち帰りいただけますよう、最後までごゆっくり楽しんでいただければと思います」
土居ひで 代表 ご挨拶
「ひまわりコーラス」の皆さんの合唱
▶ 第2部:「日本と世界の音楽の調和を願って」
・女性弦楽四重奏グループ「ドルチーニ」のヴァイオリンとチェロの弦楽アンサンブル
谷口いづみさん(ヴァイオリン)、山本理沙さん(ヴァイオリン)、松尾佳奈さん(チェロ)
左:谷口いづみさん(左)、山本理沙さん(中)、松尾佳奈さん(右)
・ゲスト4氏の独唱
菊入三恵さん(ソプラノ)、鳴海優一さん(テノール)、西野郁子さん(メゾソプラノ)、豊島雄一さん(バリトン)
左:菊入三恵さん(ソプラノ) 右:鳴海優一さん(テノール)
左:西野郁子さん(メゾソプラノ) 右:豊島雄一さん(バリトン)
▶ 25周年特別合唱団代表:北竜町・佐野豊 町長のお言葉
「今日は、沢山の皆さんにご来場頂き、誠にありがとうございます。『北竜町ひまわりコーラス』は、1988年(昭和63年)にママさんコーラスから始まり25周年となりました。
2007年(平成19年)からは、秩父別町の常楽寺ご住職・山本徹淨先生のご指揮のもと、素晴らしい合唱団に成長いたしました。
今回のテーマは『命と平和』。東日本大震災での悲しみへの鎮魂歌『いのちの歌』、迫力あるソリストの方々の独唱、素敵な弦楽アンサンブルの方々の音色は、素晴らしい感動を私達に与えてくださいました。
『小さな町の大きな演奏会』ベートーベンの第九です。
まっすぐに澄んだ歓喜の声が、会場いっぱいに響き渡ります。
皆さんとともに、この感動を共有したいと思います」
▶ 第3部:「永遠の平和を願って」交響曲第九番「歓喜の歌」第四楽章
・合唱:ひまわりコーラスと賛助出演者による25周年特別合唱団
・合奏:ピアノ、弦楽器(ヴァイオリン、コントラバス)、電子楽器(エレクトーン、シンセサイザー)、
打楽器(ティンパン-、トライアングル)による25周年特別合奏団
・ソプラノ独唱:菊入三恵さん
・アルト独唱:西野郁子さん
・テノール独唱:鳴海優一さん
・バリトン独唱:豊島雄一さん
・指揮:山本徹淨さん
・ピアノ:中島和子さん
ベートーヴェン第九交響曲「歓喜の歌」
荘厳なる歌声と管弦楽の音とが重なりあい、響き合って奏でるハーモニー。
その勇壮なるメロディーは、会場全体を不思議な和音で包み込み、人々の心に大きな大きな感動の渦を巻き起こしました。 「ブラボー!」鳴り止まぬ拍手喝采!!!
ブラボー! 鳴り止まぬ拍手喝采
▶ 指揮者・山本徹淨氏のお言葉
「ベートーベンの第九は、苦労のトンネルをくぐり抜けた末に歓喜がやって来ると信じて書かれた曲です。
前回、この『和』の地で第九を演奏した時に、地名の和(やわら)の和は『和音の和』だと言いました。
今回のテーマは『和(やわら)の和』、『平和の和』、『和らぎを与える和』です。
今回、いろんな地域から、世代を超えて、いろんな人々が集まってくださって新しいハーモニーの和音を奏ででくれました。私達は、世界中の日本全国の悲しみに浸っている人々に、心寄り添いながら、音楽を通して、励ましたいと集まり、今日の演奏会となりました。
天候の悪い中、会場いっぱいにお集まり戴いた皆様に心から感謝申し上げます。ありがとうございました」
山本徹淨先生のお言葉
『和(やわら)の和』、『平和の和』、『和らぎを与える和』
演奏会のこの日、
グレーの雲に覆われた大空に、七色の光を放った虹は、
「雨」という困難の後に訪れる「虹」・・・
まさに「歓喜の光」だったのです。
ベートーベンの「第九」の中に流れている魂は、
すべての人々の心に存在する「いのちと平和と歓喜」
苦しみを乗り越えた時こそ、現れてくる歓喜の光
この歓喜の光を見出した時、すべてのものが
ひとつにつながって、広がっていく・・・
命あるすべてのものが集い、
いのちと平和と喜びを分かち合って
高らかに奏でる歓喜の歌に
永遠の愛と感謝と祈りをこめて。。。
花と虹(写真:freepik)
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◇ 撮影・編集=寺内昇 取材・文=寺内郁子