北竜町地域公共交通実証実験・説明会が開催されました

2013/11/02 16:50 に 寺内昇 が投稿   [ 2013/11/02 17:04 に更新しました ]
2013年11月2日(土)

11月の1か月間、北竜町で試験運行される「北竜町地域公共交通」の説明会が行われました(自宅前送迎サービス)。

北竜町には、サンフラワーパーク北竜温泉という素晴らしい温泉があり、現在くの多町民の方々が、健康のため、楽しみのために利用しています。また食料品、生活用品の確保の為に、和市街地の「Aコープ北竜店」、碧水地区の「セイコーマート」は生活していく上で大切な存在となっています。

近年、北竜町の高齢化率は40%を超え、自家用車の運転を止め、送迎バスを利用する高齢者の方々が年々増加の傾向にあります。このような状況の中、町における交通手段の必要性は高まる一方です。

地域公共交通とは、地域における住民の生活び必要なバス、その他の公共交通を利用して利運性の増進や旅客輸送の確保を図ることを目的として、地域の実情に即した運送サービスを行うものです。
「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律 (平成19年10月1日施行)」に基づき、「北竜町地域公共交通会議(議長・竹内範行 副町長)」が設置されました。

現在、北竜町では、「スクールバス」「デイサービスバス」「温泉送迎バス」が運行されています。

しかし、北竜町には沢が多く、手のひらのような地形をしていることから、他の地域に見られるような周回路線を採用することができません。直線の往復経路を取らざるを得ず、路線バスが走っていない地域がありました。
また、高齢になり、冬場などバス停に行くのが大変だと、自宅前送迎を求める声が町民より上がっていました。
さらに、スクールバスについては、乗客が少ない時間帯に走っているのは「もったいない」との意見も寄せられていました。

そこで、北竜町地域公共交通会議では、町民ニーズを満たすために、下記の3点を目的に新しいサービスを考えました。

(1)自宅前送迎を新たに行う
(2)今まで走っていなかった地域にもバスが走るように路線を設定する
(3)総合的に経費を削減するために、使用可能な資源(バスなど)を使い、自宅前送迎については、自己負担をお願いする

今回、試験運行されるのは、「地域公共交通」運行の実施に伴い、現行の各種送迎バスの一部変更に加え、自宅前送迎サービス(有料)を並行して行う運行サービスです。


会館内に飾られた書「和心」
会館内に飾られた書「和心」(撮影:2013年10月9日)


10月9日(水)、試験運行における説明が、北竜町役場企画振興課・高橋利昌 課長、藤井政信 課長補佐により、各町内会毎、6つのコミュニティーセンターにて順次行われました(美葉牛研修センター、生きがいセンター、西川コミュニティーセンター、三谷集会所、板谷コミュニティセンター、すこやかセンター、10月10日はすこやかセンター)。

現在、送迎バスを利用している方々も多く、質問や意見が活発に取り交わされました。
バスを使用している年配の女性の方々が多くいらっしゃいました。


◇ 主な質問・意見

・今回の域公共交通による運行サービスなどの話は、アンケートを含め、試験運行される前に事前に町内会毎に話し合いを持つことができるようにして戴きたい。町民に、運行サービスの説明をした上で、アンケートを実施して欲しかった。

・町民の生活環境が変化する話題については、試験的なものであれ、実施される前に町から町内会を通して、町民に話をもってきて戴きたい。

・公共交通の利用状況は、町と集落では異なる。アンケート調査結果については、現在バスを利用している方と利用していない方とを分けた集計結果を教えて戴きたい。

・実際には、自宅前送迎とはいえ有料になる。いままで無料でバスを利用できていたものが、有料なので利用しにくくなる。かえって不便になってしまうように思う。

・試験運行のスケジュールにある無料バスだと、朝8時前に温泉に着くが、温泉が開くまで待たなくてはならない。自宅を出る時間も、7時台は早すぎてキツイ。

・バスは発着の時間が決まっており、行きは良くても、特に帰りの時間帯の利用が難しい。目的地での用事が終わったあと、無料バスを長い時間待たなければならない。

・自宅前の送迎サービスが可能ならば、個人が自由な時間に自由に使用できるタクシー券なども考慮してほしい。

・バス乗車予約の際、高齢のためにその都度電話をすることが難しい。

・従来通りの無料バスを並行して行った上で、自宅前送迎サービスを有料で行うならわかる。しかし、一番利用している時間帯の無料バスを削って、固定された時間帯の有料自宅前送迎サービスを行うのは負担が大きい。

・自宅前送迎サービスとともに、健康で現在動ける町民が利用できるバス運行についても考慮してほしい。


各町内会への説明会模様
各町内会への説明会模様


各町内会毎、個性的なご意見が真剣に交わされました。

町民の生活環境の中で、足となる交通手段は、大切なコアになっていく部分です。
今後、日常生活に少なからずも発生してくる重要な問題点です。

町民の皆さんがお元気で、健康的に行動でき、毎日を楽しく過ごせますよう、
今後の北竜町の発展を心より願っております。


会館を彩る花
会館を彩る花


◆ 関連ページ

(お知らせ)11月1日(金)より北竜町全域で「自宅前送迎車」などの実証実験が行われます(北竜町地域公共交通会議)(2013年10月7日)

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事業事例集・人口別事例一覧

北海道運輸局・地域公共交通


◇ 撮影・編集=寺内昇  取材・文=寺内郁子