| 2012年10月17日(水)
 10月16日(火)、「親和愛土」と墨で書された貴重な杢(モク)の板が、佐野豊町長立ち会いのもと、町に寄贈されました。
 書は、佐藤辰雄さん(83歳)によるもの。堂々として力強くも、温かみが感じられる書です。
 板は、佐藤家代々で受け継がれてきたもので、現在3代目の佐藤辰雄さんが所有されていらっしゃったものです。
 
 
 右:佐藤辰雄さん  左:佐野豊 町長
 町に寄贈される「親和愛土」と、佐藤さんの所蔵の杢板「天正長判」
 
 
大きな板は、およそ縦1m、横2.5mもありそうな美しい木目の板。木は、北竜町産の樹齢600年と推定される「タモ」の名木。この板は、モクセイ科のタモの木の製材過程で、稀に現れる木目の「杢(モク)」と呼ばれる貴重な板。
 装飾性の高い美しい杢は、通常のタモの木の中でも何倍も価値が高いものとされてます。
 
 また、杢の木の表面は繊細で、カンナで削ることができないため、ヤスリなどで丁寧に削られ磨かれた手工芸品。
 寄贈された板には、鶉(ウズラ)の羽根にも似たような、見事な木目模様が現れています。
 
 
     左:美しい杢目  中:見入る佐野豊 町長  右:佐藤さん所蔵の杢板「天正長大判『拾両後藤(花押)』」
 
 
「北竜町から生み出された樹木として、この先祖代々のお宝を、この町の名木として残していけたら嬉しいです」
 
 穏やかな優しい目で語る佐藤さん。
 
 
 「ありがとうございます。町として有り難く受けさせていただきます」
 
 と佐野豊町長は、深い感謝の心をもって、しっかりと受け止めていらっしゃいました。
 
 
 今後、寄贈された板の設置場所などについては、検討されるとのことです。
 
 この名木が、町民の皆さんの前にお目見えする日をお楽しみに!
 
 
 「親和愛土」の書と杢の板
 
  ※ タモの木は、モクセイ科トネリコ属の落葉広葉樹。北海道に多く分布。
 
 ・辺心材の境界は明瞭で、辺材は淡い黄白色、心材はくすんだ褐色。年輪は明瞭で時に美しい杢を有する。 
 ・材はやや重硬で、家具材、造作材などに使われる。 
  特に、弾力性に富むのでバッドやラケット、スキー板などの運動具材として重用。 
 ・鳥取県諏訪神社の「大タモの木(樹齢550年)」が、天然記念物に指定されています。
 
 ◇ 撮影=寺内昇 取材・文=寺内郁子
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