2011年9月2日(金)
9月1日(木)、恵岱別ダム(北竜町)にて平成23年度(2011年度)「北竜土地改良区断水式」(土地改良区・金山信幸 理事長)が厳かに執り行われました。 空は青く澄み渡り、爽やかな秋風が頬に心地よく吹き抜けています。 普段は閉じられている祠には、御米、塩、酒、魚(キンキ、タイ)野菜(大根、人参、きゅうり、トマト)、果物(バナナ、リンゴ、ミカン)、お菓子などの、五穀豊穣を感謝するお供え物が献上されています。
真竜神社・松田克雄宮司さまの祝詞が厳格に奏上され、西野陽一町長をはじめ、参列者の方々の玉串奉納が厳粛に行われました。 北竜土地改良区理事長・金山信幸様、北竜町長・西野陽一様、きたそらち農業協同組合・北竜地区代表理事・小松正美様、北竜土地改良区・理事長代理・近江博信様、総括監事・河野朗様、管理委員長・西野利幸様、理事・藤江秀俊様、理事・渡辺隆様、理事・川上健康様、監事・宮島利春様、恵岱別ダム・管理主任技術者・岡部秀文様。
続いて、北竜土地改良区・金山信幸理事長のご挨拶です。 「宮司さまの祝詞の中に、『水は命の要』という有難い御言葉があります。 五穀豊穣に導いてくださる水の神様に心から感謝いたします。 天候にも恵まれ、今年の稲作は順調のようです。ただ心配なのが、これから訪れようとしている台風です。稲穂やハウスに被害が及ばぬよう祈るばかりです。今日はお忙しい中、お参り戴きありがとうございました」
4月末の通水式から今日の断水式までの4か月間、町内約2,300haの農耕地に絶やす事無く、農業用水を供給している惠岱別ダム。恵岱別ダムは、雪解け水又は雨水を貯めておき、雨があまり降らない農耕期(5月~10月)の田、畑に水を供給していきます。 こうした水利施設の管理は、土地改良区の事業のひとつです。 土地改良区は、土地改良法による組織変更(1951年)以来、今日まで60年の歳月が流れました。 北竜地区の開拓から110年の足跡を振り返ってみました。
ダムを見守るかのようにそびえ立つ記念碑・・・この地の開拓からダム建設に携わった先人の方々、関係者の皆様へ敬意と感謝を表する記念碑です。
「豊湖」(篠田弘作書) ・・・この大事業完成のかげには地域住民の熱意と先覚者の指導べんたつと当局の理解が こん然として存在したことを忘れてはならない。われわれは それらの人びとと 直接この難工事を担当された技術関係各位に感謝の微意を表すため この記念碑を建立する・・・(全文はこちら) 昭和42年9月8日 土地改良区理事長 松原作造
先人の方々が計り知れない困難を乗り越えて、これまで築き上げられた偉業と努力・・・感謝の言葉とともに、現在に受け継がれている熱い魂が伝ってきました。
全国には、およそ7,000もの土地改良区が存在し、総計40万kmにも及ぶ膨大な水路網を維持しています。この地球10周分に相当する水路ネットワークが、安全で安心な「食」と「農」の基盤づくりを行っているのです。 土地改良区は、食料の安定供給のため、必要な用水や農地を確保するとともに、その機能が十分に発揮されるよう水利施設の適正な管理を行っている農家の組織です。 事業内容は、農業用水の全体量の調節、各地区へ水の配分、田んぼの整備、用水路の管理などです。土地改良区によって確保された水は、農業生産のためだけでなく、地域を循環し、生き物を育み、生活の用水として多面的に寄与しています。
近年、土地改良区は、新しい愛称「水土里(みどり)ネット」を用いて、新しい地域づくりを目指して「21世紀土地改良区創造運動」に取り組んでいます。 水土里ネットとは、水(農業用水、地域用水)、土(土地、農地、土壌)、里(農村空間、生活空間)が包含しあうことを意味しています。このネットワークは、農家のみならず、農村と都市の共生対流をも促進しているのです。 こうして、水と密接に結びついた豊かな地域環境を守っていくために、大地と水を守る土地改良区の活動は、計り知れぬほど大切です。
清らか水、肥沃な大地、食を創り上げていく農村空間そして人々 すべてが循環し、繋がり合い、創り上げられていく・・・ 「命の要」である水の神様に、 大いなる尊敬と感動と感謝をこめて。。。
・北竜土地改良区断水式が執り行われました(2010年9月1日) ◇ いくこ&のぼる
◆ 北竜土地改良区
〒078-2512 北海道雨竜郡北竜町字和11−1
Tel:0164−34−2311 |