美しい花の町・北竜町(北海道)

2011/05/23 4:45 に 寺内昇 が投稿   [ 2011/05/23 21:37 に更新しました ]
2011年5月20日(金)

5月半ばを過ぎ、北竜町の町のあちこちの田んぼに張られた豊かな水は、青空と白い雲を映し出し、陽を浴びて、キラキラと輝いています。 

ラワーポットへの鉢植え
フラワーポットへの鉢植え(北竜町商工会・女性部)


5月20日(金)、この日、北竜町の空は雲で覆われていましたが、町中は、赤、ピンク、黄色の可愛い花達があちらこちらに飾られ、彩りを添えました。

商工会女性部・金山サワ部長を中心に、女性部員5名の方々が参加してのフラワーポットの花植えです。そして、町役場・産業課の方々や商工会事務局の方々も皆さん協力して、丁寧に真心こめて行われました。

植えられる花は、3種類「ベコニア(赤・ピンク)、マリーゴールド(黄)、サファイアブーケ」。

肥料が混ぜ込まれた土を、プランターに入れる作業。用意された1,000株の花の苗。バケツの水の中に入れられたポットは水をブクブクと吸い込まみます。たっぷりと水を含んだ苗は、40鉢程あるプランターに丁寧にバランス良く、植え込まれていきました。

寄せ植えされたプランターは、北竜町商工会館前、和十字路交差点(有馬商店前)、役場入口等に設置されます。この小さな可愛い花達は、町民の方々によって水やりなどの手入れが施され、大切に育てられます。秋を迎える9月過ぎまで、道行く人々の心を和らげ、楽しませてくれることでしょう。


北竜町商工会女性部によるフラワーポット設置


◆ 町を挙げての「花いっぱい運動」への取り組み

この花植えの活動は、長野県松本市で行われている「花いっぱい運動」に基づくもので、北竜町では、10年程前から商工会女性部のメンバーの方々で続けられています。

「花いっぱい運動」とは、昭和27年(1952年)4月8日、当時、松本市の小学校の教員だった小松一三夢先生によって始められました。

花いっぱい運動の創始者である小松一三夢氏のお言葉「花のいのちをいとおしむことは、人のいのちを慈しみ、尊重し、この地上の大自然と社会環境を守る平和運動であり、衣食住と同じように、人間生活にとって欠くことのできないものであります」に、運動の原点が記されています。

松本市を発祥地とし、世界を花の輪で結ぶこの実践活動は、全日本花いっぱい全国大会から世界大会へと飛躍的に広がっています。町の人々が心合わせて、町を花でいっぱいにしようという想いが広がり、町が花で潤うことによって、町全体が綺麗に、明るく元気になっていくという願いが込められているのです。


◆ 美しい花の町・北竜町

北竜町の町あげての環境美化運動への取り組みが高く評価され、昭和57年度(1982年度)、日本農村振興協会が主催する「第4回わが村は美しくコンクール」で、農林水産大臣賞を受賞しました。この賞は、日本で一番美しい町に贈られるもので、北海道では初めての受賞です(記事下部・参考資料を参照)。


◆「わが村は美しく-北海道」コンクールで各賞を受賞

「わが村は美しく-北海道」運動とは、国土交通省北海道開発局がすすめている事業。道内各地で地域の魅力と活力を高めようとする地域住民の努力と行動に光をあて、全国に伝えるとともに、活動を支援し波及させていくことによって、農山漁村の新たな発展を目指していくものです。「景観」「地域特産物」「人の交流」を3つの大きな柱として、隔年で運動コンクールを開催しています。

北竜町は、コンクールで数々の賞を受賞されています。

・第1回コンクール(2002年)
   景観部門:特別賞受賞「ひまわり農園」
   地域特産部門:銀賞受賞「北竜町特産品販売協議会」 

・第2回コンクール(2004年)
   人の部門:銀賞受賞「北竜町ひまわり観光協会」
   地域特産部門:銀賞「北竜町ひまわり観光協会」

 ・第4回コンクール(2008年)
   地域特産部門:銅賞受賞「北竜ひまわりライス生産組合」


◆ 花の観光地づくり大賞「フラワーツーリズム賞」を受賞

2008年には(社)日本観光協会が主催する、平成20年度(2008年度)「花の観光地づくり大賞」で、北竜町が「フラワーツーリズム賞」を受賞されました。

「花の観光地づくり大賞」は、花の名所や景観を整備する「花の観光づくり」事業を推進し、地域の観光振興に寄与している団体等を表彰するものです。

北竜町の人々が、一致団結して互いに助け合い、心和らぐ美しい町づくりにかけるチャレンジ精神は、真心のこもった、地道な活動の継続によって、次世代に着実に受け継がれていくように実感しました。


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樽への鉢植え@北竜町商工会前


30年もの時を越えて受け継がれる華麗なる花への熱い想い。。。

町を愛し、花を愛する、ひまわりの里・北竜町

町が花でいっぱいになれば、

人々の心にもいっぱいの花が咲き、

太陽のように、町全体が明るく元気になれる。。。

命の美しさ・尊さを与えてくださる可憐な花達に

限りない愛と感謝と笑顔をこめて。。。


◇ いくこ&のぼる



◆ 参考資料(引用)


「美しい町づくり日本一」
 読売新聞<道内地域版>ほっかいどうNOW・昭和58年(1983年)8月28日(日曜日)


 北竜町は昨年度(昭和57年)、日本で一番美しい町に選ばれた。日本農村振興協会が主催する第4回の「わが村は美しく」コンクールに、全国で一ヶ所、道内では初めて農林水産大臣賞受賞地区に決定した。

 41年以来、町を挙げて環境美化運動に取り組んで来た成果だ。「花いっぱい運動」に始まり、神社や墓地、公共施設の清掃活動、家の周囲の整頓美化、農業機械・器具類の整備、掃除など、全町でさまざまな美化運動を繰り広げた。

 43年には、道の環境美化運動重点町村の指定を受け、町内2地区が実践モデル地区となり、一層運動にはずみがついた。

 各家庭の花壇は、規模こそ小さいが、色とりどりの花で美しく飾られ、42年から始めた「花壇コンクール」も、優劣をつけがたいほどに整備されたため、その目的を達成したとして「卒業」したぼど。

 町内のいたるところに花壇やフラワーボックスが設けられ、文字通り、花いっぱいの町。「恵まれた緑の町を大切にしようと、木を1本切るのにも慎重に決めます。すべての花壇は町民の自主的な造成によるもので、美しい町づくりを願う意欲はどこにも負けません」と、町は胸を張っている。


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