2010年11月5日(金) 北海道の「地域おこし協力隊」及び「集落支援員」の情報交換会が、北海道庁別館12F「共用会議室」(北海道札幌市)にて行われました。 道内の地域おこし協力隊(22名)・集落支援員(2名)・市町村名職員(10名)・道事務局の合計約40名の参加となりました。 現在、道内では、地域おこし協力隊・17市町村・41名、集落支援員・7町・20名が活躍されていらっしゃいます。参加人数も増化傾向にあり、今後の発展が期待されているところです(参照:地域おこし協力隊検索ページ)。 まず、北海道総合政策部地域づくり支援局参事の安達亮介氏よりご挨拶があり、情報交換会が開始されました。 駐車場から臨む秋の北海道庁旧本庁舎 (赤れんが庁舎) @北海道庁(北海道札幌市)撮影:2010年11月5日 ◆道内における地域おこし協力隊の状況について そして、同局地域活力グループの小林幸治氏より、道内における地域おこし協力隊の状況についての説明がありました。 地域活性化のための「地域おこし協力隊」「集落支援員」「アドバイザー(外部専門家)」、3つの制度についてのご説明です。 地域おこし協力隊は、地方自治体が3大都市圏をはじめとする都市圏から都市住民を受け入れて「地域おこし協力隊」として委嘱します。隊員は、住民票を異動させ、1年以上3年程度地域で生活し、地域協力活動に従事します。委嘱方法や期間、活動内容は、地域の行政の実情に応じて、幅広い対応が可能。その他、財政措置(財源手当額、対象経費、地域要件等)についての詳細な説明がありました。 スタート年の平成21年度は、隊員数89人。2年目の今年2010年度(平成22年度)は隊員数が300人に達し、全国的に広がっています。 集落支援員は、地域の実情に詳しい人材で、地方自治体が集落対策の推進に関してノウハウ・知見を有した人材を委嘱するものです。2008年度(平成20年度)にスタートし、2009年度(平成21年度)、全国の集落支援員数449人、2010年度(平成22年度)500人。道内では20人の方々が活躍されていらっしゃいます。 アドバイザー(外部専門家)においては、市町村が、地域力創造のための外部専門家に年度内延べ10日以上活用するもので、2010年度(平成22年度)は、全国で155名が制度に登録されています。 さらに、地域づくりメールネット等の利用により、広域的ネットワーク作りが推進されています。 こうしたお話は、隊員同士が活動を再確認し、地域同士がお互いに情報交換し合っていく上で元気づけられるものでした。 ◆地域おこし協力隊事例発表 ◇上士幌町地域おこし隊 石井あゆ子さん 次に、協力隊事例発表として、上士幌町(かみしほろちょう)地域おこし隊の石井あゆ子さんのお話がありました。上士幌町の様子、協力隊の実情や仕事内容、さらに現役隊員の使命と課題についてお話されました。 「『情報』と『企画』と『実践』が大切だと考えています。外部から情報を収集し、地域の情報以外のものを発信することが重要。そして、異業種の経験を町で活かすことも大切です。地域の人間関係においても、新しい関係だからこそ可能な行動を起こすことができると考えています。 地域においても、地域外においても、人と人との繋がりを広げることや、地域の人達を元気にすることが大切であると考えます。また、地域が活性化していくための切っ掛けになることが使命であると思います。地域に住み、住民の方々に寄り添って、考えを共有していくことが大切だと考えています。 課題として思うことは、4年目以降の活動に、それまで蓄積したことをどう繋げて行けるかということです。3年間の築き上げてきた活動・地域のご縁を生かして、自分で仕事を作り上げていくことが必要ではないかと思います。そして、行政側の具体的なサポートが必要だと感じます」 ◇登茂別町地域おこし協力隊マネージャー 山田冬太氏 次に、喜茂別町(きもべつちょう)地域おこし協力隊マネージャーの山田冬太氏によるお話です。 「喜茂別町には10人の協力隊が任用されており、私は、全体の取りまとめをしています。役場が中心となり、NPO法人きもべつWAOと、北海道ふるさとづくりセンターが支援・研修指導を行っています。 活動における特徴は、5つの集落にそれぞれ2名の協力隊が担当となり、それぞれの集落に住んで、様々な活動支援を行っていくことです。お祭り支援、高齢者宅へのパトロール、農業支援、高齢者生活支援などの活動を通じて、地域住民の方々とのコミュニケーションを密にとっていきます。 また、住民の要望に応じて、地域の人々が集まる「お茶会」を設けて、協力隊と住民とのコミュニケーションの場としてます。外部の視点に基づく活動が広がっています。 私としての今後の目的は、協力隊員が定住し、将来に向けて起業・就業できるように支援していくことです。地域おこしとは、単に人口増化を目的とするものではなく、町民の方々が元気に笑顔になるように活動していくことが使命ではないかと思います」 さらに、最後の意見交換においても、情報の入手方法や、一人で活動する場合の状況等に対する質問など様々な意見が飛び交いました。あっという間の情報交換会でした。 それぞれの地域において、環境・行政・町民の方々の考え方があること、その町の要望に基づく様々な活動があることを知り、大変勉強になりました。 落ち葉の絨毯に秋を満喫 @北海道知事公館構内(北海道札幌市)撮影:2010年11月6日 今回の情報交流会で感じたことは、人と人との繋がりの大切さ、その地域に埋もれている潜在力に気づき、それを引き出して、活性化させていくことの大切さです。 私達は、人生の前半を東京で過ごし、ご縁があって北竜町へ移住して半年が過ぎました。 引越しの翌日から、町営「サンフラワーパーク北竜温泉」の年間会員となり、温泉に雨の日も風の日も入る毎日。そこで、お湯に浸かりながら交わす町民の方々とのお話。 ひまわりすいか、メロン、お米、黒千石の播種から収穫までの取材における多くの農民の方々とのお話。 町長や副町長のありがたいお話し。そして、役場の担当の方とのミーティングによるお話。 この半年間、多くの町民の方々との温かいコミュニケーションは、多くのことを私達に教えてくださいました。 今回のミーティングを機会に、いままでの生活を振り返り、地域おこし協力隊としての私達夫婦の仕事をまとめてみました。 ◆情報発信による地域愛の再認識 私達が毎日ネットで情報を発信している内容は、地域の人々が先人の偉業を受け継ぎ、日々改善努力してきた事柄です。さらに、町の人が普段あたりまえに接している自然、食べ物、木々や花々、動物や虫たち、命あるすべてのものです。 それらは私達にとって、今までの都会の生活ではあまり触れることの無かった新鮮な出来事であり、大自然なのです。北竜町における生活そのものが、新しい生き方への気づきの連続です。 そして今、町の人々が営んでいること、当たり前に積み重ねてきた事柄そのものが、じつは地域愛そのものなのだと気付きます。私達は、文章や写真を通じて、町の人にとっては当たり前すぎて気付きにくい地域愛を表現していると言えるのかもしれません。 当たり前に思われる事柄が、宝ものだと思うのです。私達が町の方々の地域愛を感じ、表現して発信することが、町の人に地域愛を再認識してもらえる契機になることを願っています。その再認識こそが、地域の素晴らしさを次の世代を担う子供達に伝える、力の源泉だと思うからです。 時代に即したビジネスとは、町の人々が地域が持っている潜在能力に気づき、その力を引き出してこそ創造されると確信しています。 私達は、今まで携わってきた仕事・人生観などの経験を最大限に生かし、情報発信を通じて、北竜町の皆さんの元気と笑顔を目指して、精一杯努めていこうと思います。 人々が愛の心で繋がり、ひとつとなって、 大きな元気と笑顔が、地域に、日本に、世界に、 そして宇宙いっぱいに広がっていくことに 偉大なる愛と感謝と願いをこめて。。。 ◇ いくこ&のぼる |