2017年11月22日(水)
11月17日(金)、第10回コープさっぽろ農業賞表彰式が、札幌パークホテル(札幌市)「エメラルド」の会場にて開催されました。
札幌パークホテル(札幌市)
節目となる第10回のコープさっぽろ農業賞の北海道知事大賞には「ハスカップファーム山口農園(厚真町)」、農業賞部門コープさっぽろ大賞は「坂口農園(富良野市)」、漁業賞部門コープさっぽろ大賞は「厚岸漁業協同組合(厚岸町)」、そして農業・漁業交流賞部門・札幌市長賞には、「チームノースドラゴン(北竜町)」が受賞となる等、27農業漁業者の方々の表彰が行なわれました。
第10回コープさっぽろ農業賞 受賞者
第10回コープさっぽろ農業賞・交流部門・札幌市長賞 受賞
チームノースドラゴン(北竜町)の皆さん
コープさっぽろ農業賞は、生活協同組合コープさっぽろが、「食の安全や環境との調和を図り、先進的で持続可能な農業漁業の取り組みの中で、消費者との交流を積極的に行う生産者を応援する」というコンセプトの元、2004年(平成16年)にスタート。
2006年(第3回目)には、「漁業部門」、2010年(第7回目)には、写真の町・東川町の協力の元「写真部門」が創設。今年2017年(第10回目)には、「ビジネスモデル賞」「北海道農業・漁業貢献賞」が記念に開設されました。これまでの応募者数は累計1,192件。そして、累計164名の生産者の方々が表彰されています。
コープさっぽろ農業賞実行委員会(北海道、札幌市、ホクレン農業協同組合連合会、北海道生活協同組合連合会、生活協同組合コープさっぽろ)が主催し、東川町の協力、そして(社)北海道消費者協会、北海道市長会、北海道町村会、日本政策金融公庫、北海道新聞社をはじめ、各種新聞社、テレビ局、ラジオ局の後援により開催されました。
当日の配布資料
表彰式は、フリーアナウンサー真砂徳子氏(審査委員)による全体司会でスタート。
会場の様子
▶ Ⅰ部:事例報告会、コープさっぽろ農業賞からの進化報告
▶1.過去受賞生産者事例報告会:(有)大塚ファーム・大塚早苗様(新篠津市)
「顔が見える農業」から「取り組みが見える農業」へ
(有)大塚ファーム(大塚裕樹 代表)は、2004年第1回コープさっぽろ農業賞農業大賞、コープさっぽろ会長賞を受賞。
(有)大塚ファーム・大塚早苗様(新篠津市)
農薬や化学肥料に頼らない有機農業による栽培、野菜のプリン、干し芋、ドッグフードなどの加工品の生産による雇用創出、障害者の雇用、自立支援などへの取り組み、消費者との交流として、コープさっぽろ主催の「畑でレストラン」に参加、さらに修学旅行生、研修生の受け入れ・指導、台湾や香港への野菜の輸出も開始など、「取り組みが見える農業」経営の積極的な活動についてのお話がありました。
(参考記事:大塚ファーム・畑でレストラン)
畑でレストラン@大塚ファーム
2014年には「日本農業賞個人経営の部大賞」、「農林水産大臣賞」を受賞!!!
2015年には、大塚家の三人の息子さんたちをデザインしたロゴマークを作成。100年先200年先へ、高品質な有機野菜の提供可能な農業を、次世代へバトンタッチすることをイメージしてく作られたロゴです。
大塚ファームこれからの100年ロゴ
加工品アイテムの増加、ミニトマトハウスの増設、有機認証圃場の拡大、売上倍増などをこれからの目標として、さらに前進し続ける大塚ファームさんのお話でした。
大塚ファミリー
▶ 過去受賞生産者事例報告会:えりも高橋牧場・高橋祐之様(えりも町)
えりも高橋牧場は、2011年に第8回農業大賞北海道知事賞を受賞。
えりも高橋牧場・高橋祐之様(えりも町)
昆布漁の傍ら、無農薬の牧場で約300頭の短角牛を自然放牧し、レストランや宿泊施設を運営。コープさっぽろ主催の「畑でレストラン」に参加し、ファンの皆さんに大好評を博す。(参考記事:高橋牧場・畑でレストラン)
「こうした事業を展開する中で、生産現場を消費者の皆さんに直接見て感じていただくことが大切なことであると実感し、これからも努力し継続していきたいと思います。
消費者の方々が生産現場を知った上で、それぞれの家庭で、牧場を思い描き、思い出の会話や言葉を思い出しながら食卓を囲み食事をされることでしょう。そうした食材を提供していることに対する誇りや自負を抱いて生産できることに感謝しています。
次第に、短角牛の知名度の高まり『短角牛の高橋さん』と言われるほどです。北海道短角牛振興協議会を立ち上げ、短角牛の拡大に努めています。11月はじめには、東北を含め4都道府県で、短角枝肉研究会を開催。今後の様々な課題や肉の生産技術、管理などについて熱い意見が交わされました。
短角牛の需要が増加する中で、オーガニックの餌などについての議論など、様々な課題に対応しながら前向きに進んでいます。未来の農業を考えた時、地域が高齢化し、若者の世代へとの受け渡しの方法や小学校存続と地域の連携における様々な挑戦が、これからの大切な課題になっていくように感じています。
地域の資源を生かした幅広い活動や取り組みをこれからも精一杯努めてまいります。こうした様々な交流の中で、自分たちの足元をじっくりと見つめながら、これからも短角牛の生産に取り組んでいきたいと思います。本日受賞された皆様に心からの御祝を申し上げて、挨拶の言葉とさせていただきます。ありがとうございました」と、お話された高橋さんです。
会場の様子・チームノースドラゴンの皆さん
▶ 2.コープさっぽろ農業賞からの進化:生活協同組合コープさっぽろ・大見英明 理事長
コープさっぽろ・大見英明 理事長
<農業賞のあゆみ>
「消費者の目線で北海道の優れた第一次産業の生産者を応援する」ことを目的とした「コープさっぽろ農業賞」の企画により、農業賞(北海道知事賞)と交流賞(札幌市長賞)を設けて、2004年にスタート。
第1回から第8回までの歩み、2010年に東川町との連携、2011年から3年に1度の開催、第9回(2014年)から新規就農者賞の創設、今年第10回(2017年)は、ビジネスモデル賞の創設などについて説明されました。
<審査委員会 歴代審査員長>
・第1回~3回:太田原高昭 氏
・第4回~8回:飯沢理一郎 氏
・第9回~10回:荒川義人 氏
農業賞のあゆみ
<農産物の取扱の経過>
農家の方々の家庭菜園で栽培された「ご近所野菜」の出荷(特別コーナーの設置)から規格外の野菜「ぶこつ野菜」の取り扱い、そして「有機野菜」の流通へと発展。
<畑でレストランの開催>
受賞生産者のフィールドから北海道農業の景観の素晴らしさを生かした「グリーン・ツーリズム」を追求。イタリアスローフード視察・研修から(2012年~2014年)学び、2012年より「畑でレストラン」を開催。専用キッチンカーを製造し、畑の中でのレストランを実現。
(参考:畑でレストラン「エンジョイ!北海道」)
農業賞8回以降の展開について
<食の広報誌・フリーペーパー「Cho-co-tto(ちょこっと)」発行>
「ちょこっと」との連携により「ちょこっトリップ」(地域での小旅行)へ発展。「ちょこっと」では91団体の生産者を特集で紹介するなど、生産者との交流・連携が深まる。
<新しい気づきアニマルウェルフェア>
平飼い卵の販売をコープさっぽろ全店で開始。きっかけは、デンマークにおける生活協同組合の視察。「アニマルウェルフェア」の考えにより新しい気づきが生まれる。
今回特別賞を受賞した旭川神楽の牧場「クリーマリー農夢」では、「アニマルウェルフェア」の考えに基づいて、搾乳牛に負担をかけない取り組みを実践している。
<農業問題の実践的な取り組み>
・2011年:コープさっぽろ指定農場で生産した道産飼料米を餌にした鶏や乳牛から取れる卵、牛乳を「黄金そだちシリーズ」として商品化
・2012年から3年連続でフードアクション・ニッポン・アワード大賞受賞
・2007年:体験を通して食べることの大切さを学ぶ食育イベント「たべる大切フェスティバル」を札幌で開催。昨年2016年には、全道8会場で3万2千人が来場
・農業高校・水産高校の高校生の活動の受け皿として「高校生チェレンジグルメコンテスト」開催。2017年は10校が参加
・農業交流とアニマドーレの取り組み:
アニマドーレ(食育プログラムの専門家)とは、食育の現場で子どもたちを楽しませながら教育プログラムを行う専門家
・開成中等教育学校・大通高等学校では、食・農を軸とした包括的・体験型教育プログラムが単位認定され、述べ96名が参加
第10回農業賞に向けて
「農業賞に関連する波及効果として、北海道での食育を広める活動が大きな進化を遂げていることが挙げられます。
コープさっぽろ農業賞は、これからも『つながり』を大切に北海道農業の新しい価値を発信していき、『北海道で生きることは喜び』と感じられるように邁進していきたいと思います」と、輝かしいコープさっぽろの発展を語って下さった大見英明理事長です。
▶Ⅱ部:表彰式
▶1.コープさっぽろ第10回農業賞・DVD放映
・大塚ファーム・大塚裕樹 代表のメッセージ
「私が第1回農業賞をいただいたのは31歳の時でした。日本で初めての、消費者が応援した農家を選ぶ賞ということで、すごく嬉しかったです。
この賞を弾みに一気に有機農業をすすめていきました。当時は有機農業は、まだまだ認知されておらず、まわりからは変わった人と思われていました。今では有機農業が浸透し『畑でレストラン』などを通じて、消費者の皆さんに有機農業が近い存在に変化してきました。
これから10年先20年先、息子たち後継者に安全な食を提供できる農業をバトンタッチできるよう、精一杯努めてまいりたいと思います」。
▶2.開会の挨拶:実行委員長・生活協同組合コープさっぽろ・大見英明 理事長
生活協同組合コープさっぽろ・大見英明 理事長
「コープさっぽろ農業賞は、北海道庁、札幌市役所、ホクレン農業協同組合連合会、北海道漁業協同組合など沢山のご協力をいただいて、開催となったことに深く感謝申し上げます。
厳正な審査にあたり、荒川審査委員長をはじめ、審査委員の皆様に深く御礼申し上げます。ありがとうございました。
北海道には本当に素晴らしい生産者の方々がいらっしゃることを、改めて確認いたしました。
今回は、北海道知事大賞に『ハスカップファーム山口農園』さんが受賞されました。10回目のコープさっぽろ農業賞に相応しい素晴らしい受賞だと思います。
山口農園さんは、自生種のハスカップ栽培を1978年から約40年近くの長きに渡り粘り強く続けていらっしゃいます。優良品種を選抜して栽培する『選抜育種』を導入。町内の農家にその苗木を販売することによって、厚真町がハスカップ生産日本一の町になる土台を築き上げ、地域農業の発展に貢献されました。
農業協同組合の『一人が万人のために、万人は一人のために』の相互扶助の精神を地域のために自ら実践されました。実に素晴らしいことだと思います。
今年は農業賞では優秀新規就農者賞、特別賞は3名の方が受賞され、すぐれた実践を通して多様な新しい取り組みが行なわれています。北海道農業にとって大きな可能性を実感できたことを大変嬉しく思います。
交流賞では、農業の大切さや農業実践を進める取り組みがしっかりと根付き、学校教育の現場でも行われていることは大変うれしい限りです。公共教育との連携は、北海道の農業を今後底辺から支える取り組みとして、大いに期待できると思います。今回の受賞が、さらに大きく今後広がりの契機となれば幸いです。
その受け皿として、コープさっぽろが何ができるかを追求していきたいと思います。北海道の農業漁業生産者を応援し、消費者と組合との交流を促進していくことは、コープさっぽろでしかできないことです。
そして私達の未来を繋ぐ北海道の持続的な農業の取り組みを応援する次のコープさっぽろ農業賞は、3年後の2020年東京オリンピックと同時開催となります。しっかりと皆さんの期待を受け止めて開催して参りたいと思います。
今日栄えある賞を受賞された皆さん、応募いただいたすべての農業漁業生産者みなさんの益々の活躍をご期待申し上げます。農業賞に関わるすべての皆様に感謝申し上げて、第10回農業賞の挨拶にかえさせていただきます。ありがとうございます」。
▶3.来賓の挨拶:北海道農政部食の安全推進監・森田良二 氏
北海道農政部食の安全推進監・森田良二 氏
「受賞され皆様に心よりお喜び申し上げます。これまで生産者と消費者との架け橋として大変な役割を果たし、記念すべき10回目を迎えられました。これまで必死に取り組んでこられたコープさっぽろの皆様、関係者の皆様に心から厚くお礼申し上げます。
北海道は食料地域と言われ、最近では海外から多くの方々が北海道に来られ、北海道の美味しい食を楽しまれています。北海道の暮らしや食が、アジア各地に拡がっています。ただ一方で、一次産業を巡る状況は、担い手の問題、国際貿易のグローバル化の問題、自然災害の問題など様々な問題や課題をかかえています。
今後、一次産業が北海道で発展し、安全で安心な良質な食を提供し続けるためには、生産者と消費者の皆様が、それぞれの立場や状況を理解し、連携し合うことが大変大切なことであると思います。
本日の農業賞は、そうした取組を精力的に行ってきているものであると考えています。是非この農業賞が今後とも、こうした取り組みを積極的に推進する先導役になれるよう、私どもも積極的に連携し協力して参りたいと思います。
先程大塚さんがおっしゃていた『顔の見える関係から取り組みが見える関係』へとさらに関係を発展させていくことが不可欠だと思います。
本日受賞された皆様にお祝い申し上げるとともに、ご出席の皆様のご健勝と今後益々のご発展を心より祈念申し上げます。本日は誠におめでとうございます」。
▶3.来賓の挨拶:ホクレン農業協同組合連合会・坂東寛之 代表理事専務
ホクレン農業協同組合連合会・坂東寛之 代表理事専務
「10回を迎えたコープさっぽろ農業賞表彰式が、このような多くの皆様のご参集のもとに盛大に開催されることを心よりお喜び申し上げます。
コープさっぽろ農業賞が、北海道の一次産業の取り組みに光をあてていただき、農業者・漁業者を評価していただき、広く消費者の方々にその姿を紹介していただいていることに改めて敬意を表するとともに、深く感謝申し上げます。
受賞された方々は、まさに消費者の皆さんや地域に求められ支持される取り組みを、様々な創意工夫と確固たる信念、何よりも熱い情熱をもって実践されております。私も審査に同行させていただきましたが、そのご努力に深く敬意を表するとともに、心からお祝いを申し上げます。
私どもも、生産者の皆さんとともに、しっかりとその生活を支え、素晴らしい農産物を販売してくという役目をもっておりますが、全グループ上げて農業者の皆さんをさらに支えていきたいと考えています。
本日受賞されました皆様の益々のご活躍とご出席の皆様のご健勝、並びにコープさっぽろ農業賞が末長く続きますことをご祈念申し上げます。本日は、誠におめでとうございました」。
▶ 4.各種表彰:農業賞、漁業賞、農業・漁業交流賞、ビジネスモデル賞、北海道農業・漁業貢献賞、写真部門賞
北海道知事大賞:ハスカップ ファーム山口農園 (厚真町)
北海道知事大賞:ハスカップ ファーム山口農園 (厚真町)表彰状授与
▶ 農業賞
・北海道知事大賞:ハスカップ ファーム山口農園(厚真町)
・コープさっぽろ大賞:坂口農産(富良野市)
・優秀新規就農者賞:えづらファーム(遠軽町)
・特別賞:石田めん羊牧場(足寄町)
・特別賞:駒谷牧場(様似町)
・特別賞:クリーマリー農夢(旭川市)
・奨励賞:山本農産(大空町)
・奨励賞:十勝うらほろ高橋農園(浦幌町)
・奨励賞:宇野牧場(天塩町)
・奨励賞:杉村農園(網走市)
・奨励賞:山田農場(七飯町)
優秀新規就農者賞 :えづらファーム (遠軽町)
特別賞・左より:石田めん羊牧場 (足寄町)、駒谷牧場 (様似町)、クリーマリー農夢 (旭川市)
奨励賞・左より:十勝うらほろ高橋農園(浦幌町)、宇野牧場(天塩町)
▶ 漁業賞
・コープさっぽろ大賞:厚岸漁業協同組合(厚岸町)
・特別賞:蝦名漁業部(羽幌町)
・奨励賞:川口洋史(北見市)
特別賞:蝦名漁業部(羽幌町)
▶ 農業・漁業交流賞
・札幌市長賞:チームノースドラゴン(北竜町)
札幌市長賞:チームノースドラゴン (北竜町)
<審査委員のコメント>
チームノースドラゴンは、地域で生産された米の販売、消費拡大のみならず、米という食を通じて子どもたちに食べ物の大切さを伝える食育の推進に取り組んでいます。また構成員も生産者に加え、役場、農協、商工会の関係者が関与しており、地域ぐるみで取組を行っているのが、高く評価されました。
札幌市長賞授賞の様子
チームを代表して。
高田昌幸 代表(JAきたそらち青年部北竜支部)、三原淳平 副代表(北竜町商工会青年部)
笑顔で見守る北竜町・佐野豊 町長。
笑顔で見守る北竜町・佐野豊 町長
賞状と賞金目録
・特別賞:風の村(江別市)
・特別賞:幌加内高校(幌加内町)
・特別賞:岩見沢農業高校(岩見沢市)
・奨励賞:ふるさとファーム(札幌市)
・奨励賞:網走川流域農業・漁業連携推進協議会(網走市)
特別賞・奨励賞受賞の皆さん
▶ ビジネスモデル賞
・優秀賞:ニセコ高橋牧場(ニセコ町)
・優秀賞:白糠酪恵舎(白糠町)
・奨励賞:留萌・麦で地域をチェンジする会(留萌市)
・奨励賞:しあわせチーズ工房(足寄町)
・奨励賞:寺坂農園(富良野市)
▶ 北海道農業・漁業貢献賞(第10回記念)
・優秀賞;多田農園(中富良野町)
・優秀賞:奥尻潜水部会(奥尻町)
▶ 写真部門
<4枚組の部>
・コープさっぽろ賞:小野高秀さん
・奨励賞:菊池亜季さん
<1枚組の部>
・写真の町東川町賞:勝山重雄さん
・コープさっぽろ賞:塩浜郁夫さん
・奨励賞:前田英明さん、大鹿静彦さん、客野宣雄さん
写真の町東川町賞:勝山重雄さん(東川町・松岡市郎 町長より授与)
素晴らしい賞を受賞された皆様、誠におめでとうございます。
心よりお祝い申しあげます。
▶4.審査委員講評:荒川義人 審査委員長(札幌保健医療大学看護栄養学部栄養学科教授)
荒川義人 審査委員長(札幌保健医療大学看護栄養学部栄養学科教授)
「各賞の受賞者の皆さんに心からお祝い申し上げます。
年々レベルが高くなり、今年は激戦が予想される審査となりました。最終審査を通過した各部門合計26件の皆さんの所に、今年の1月から9月にかけて計6回、14名の審査員を中心に現地審査を行って参りました。
今回現地審査を行ってみて、現地の内容が書類を上回るケースがほとんどでした。当初から予想されていた高いレベルでの審査を強いられました。審査員の方々は大変苦労されました。
それぞれの生産者の方々のご苦労をヒシヒシと感じられました。前に進むという凄いエネルギーが感じられ、また積極的にどんなことにもぶつかっていくという強い意思が感じられました。
今回特に印象的だったのが、アニマルウェルフェアを尊重した生産など、畜産でも漁業でも皆さんがとてもこだわっていらっしゃることです。審査員の皆さんが共通して敬意を表する部分です。
コープさっぽろ農業賞を通して、新しいご縁をいただきました。今後生産者の皆さんをいかに応援していくかという思いを強く抱いたところであります。生産者の皆さんとの接点をもたせていただき、改めてコープさっぽろ農業賞の使命が深くなってきたことを実感いたしました。
今回、審査員が共通して新しい大きな感動を感じるケースがほとんどでした。審査するというよりは『ありがとうございます』という想いがこみ上げてくる審査の数々でした。受賞された皆さんには『おめでとうございます』という言葉と同時に、『ありがとうございます』という言葉をお贈りしたいと思います。
コープさっぽろ農業賞を柱として、受賞された皆さん、応募された皆さん、関係者の皆さんといろいろな形で絆を強くして、北海道農業の発展に努めて参りたいと思います。本当にありがとうございました!」。
受賞された皆さん
▶ ご挨拶:北海道知事大賞受賞:ハスカップファーム山口農園・山口善紀 氏(厚真町)
ハスカップファーム山口農園・山口善紀 氏(厚真町)
「素晴らしい賞をいただき、感謝いたします。ありがとうございます。
2005年にハスカップの栽培をはじめた時に、厚真町を日本一のハスカップの町にしたいと思いました。
私一人で日本一になったわけではなく、100件のハスカップ生産者、厚真町、農協の担当者など沢山の方の応援と協力で日本一の産地に成長しました。
これからも100件の生産者の誇りと自信で作り上げてきた、美味しいハスカップを沢山の人々にお届けしたいと思います。本当にありがとうございました」。
▶ ご挨拶:農業賞・コープさっぽろ大賞受賞:坂口農産・坂口邦夫 氏(富良野市)
坂口農産・坂口邦夫 氏(富良野市)
「コープさっぽろ大賞をいただき、誠にありがとうございます。
明治33年に淡路島から入植いたしまして、北海道でメロンをつくりはじめたのは1974(昭和49年)。メロンの他に玉葱など、寒暖の差が大きい気候により、自然の甘味による糖度の高い作物を栽培しています。
これまで沢山の関係者の方々にお世話になり、やっとここまでくることができました。これからも消費者の皆さんに美味しい野菜・食べて健康になれるような野菜が届けられるよう頑張りたいと思います。ありがとうございました」。
▶ ご挨拶:漁業賞・コープさっぽろ大賞:厚岸漁業協同組合・川崎一好 代表理事組合長
厚岸漁業協同組合・川崎一好 代表理事組合長
「私達の町・厚岸町は、牡蠣・アサリが自然繁殖している町です。
1983年(昭和58年)に、牡蠣大量斃死が発生しました。我々に与えられた宝物である牡蠣をもう一度復活させたい想いが募り、沢山の方々の智慧をお借りして、やっと今の形になりました。
山を大事にする、木を植える、厚岸の農業の皆さんとも手を組んで、山と川と海をしっかりと守っていこうと、厚岸町上げて取り組んでいます。今は、大昔からある牡蠣を復活するために、厚岸古来の牡蠣を再生中です。他の地域との差別化を図り、厚岸独特の風味ある美味しい牡蠣を消費者の皆さん方に提供していきたいと思っております。
私達の漁業は『獲らない漁業』を提唱しております。あまり力を入れて捕りすぎると、資源がなくなります。しっかりと『資源を守る』こと『漁場を守ること』の2つを皆で実行していけば、必ずや厚岸の漁業も北海道の漁業も日本の漁業も、消費者の皆さんに喜んでいただけるような魚貝類を提供できるようになると思います。この度は、大変名誉な賞をいただき、心から御礼申し上げます。ありがとうございました」。
▶ 5.記念写真撮影
記念撮影
チームノースドラゴン・高田昌幸 代表
受賞を記念して
▶ 写真(256枚)はこちら >>
◆ 関連記事・サイト
・第10回コープさっぽろ農業賞2017・交流部門「札幌市長賞」アグリファイターノースドラゴン受賞・交流会(2017年11月22日)
・祝!チームノースドラゴン!第10回コープさっぽろ農業賞・交流賞部門で「札幌市長賞」を受賞!(2017年10月25日)
・コープさっぽろ農業賞
◇ 撮影・編集=寺内昇 取材・文=寺内郁子