2016年6月24日(金)
6月21日(火)~22日(水)、「元気村・夢の農村塾」農業体験が、北竜町美葉牛地区の永井稔ファームにて実施されました。元気村・夢の農村塾(谷口保幸 塾長)は、2002年(平成14年)開始され、空知管内の農家が、小学校・中学校・高校の生徒を対象に農業体験の受け入れを実施している事業です。
ファームスティする生徒さん達は、東海大学付属仰星高等学校中等部2年生の男子生徒4名(大阪府枚方市)。
中等部の研修旅行は、1年生が静岡県、2年生が北海道、3年生はハワイ研修が実施されているそうです。
今回の永井ファームでの農業体験は、ハウス解体作業、大型トラクターの試乗、味噌作りの加工体験が実施されました。
6月21日(火)18時頃、永井ファームへ到着。まず、今回の研修内容など、北海道農業士の永井稔さん(37歳)からレクチャーを受けました。
永井稔さんからレクチャーを受ける生徒さん達
▶ バーベキューでジンギスカン
北海道農業士である永井稔さんの全体説明を受け、早速、大型倉庫内でのバーベキュー体験!
木炭にバーナーで火をつけるところからスタート。
火の周りが速いように、空気ポンプで風を送り込みます。
炭を準備します
バナーで火を着けます
エアーポンプで空気を送風
火を熾している間、食材の準備!
お肉は北海道ジンギスカンのマトンをじめ、ポーク、焼き鳥、ウインナーなど盛りだくさん!
美保子さんの手作りおにぎり、手作りパウンドケーキ、ひまわりスイカ、穫れたてアスパラ、じゃがい、椎茸、ピーマンなどなど地元の新鮮野菜が並びます。
焼き肉を焼いて準備中
いい具合に焼き上がり、いただっきまぁ~す ♬
永井さんのご長男・寿くんんもお兄さん達と一緒にいただきま〜す。
さあ、どんどん食べろよ〜♬
うまぁーーーっ!!!
うまぁーーーっ!!!
夕食後、サンフラワーパーク北竜温泉で汗を流し、旅の疲れを癒やしました。
その日の夕陽
ちょっぴり暑かった夜もぐっすりと就寝。。。
翌朝9時には、農業体験スタートです。
翌朝9時には、農業体験スタート
▶ 「マダーボール」のハウスを見学
まずは、永井ファームで栽培しているスイカ「マダーボール」のハウスを見学。
「マダーボール」のハウスを見学
マダーボールは、果皮が薄く甘味が強い、ラグビーボール型小玉スイカ。
ハウス内には、出荷を待つマダーボールたちが、びっしりと並んでいます。
マダーボールの特徴、こまめな温度調整などの栽培の話を聞きます。
マダーボールたちが、びっしり
▶ ビニールハウスの直管パイプの止め具外し
車で移動し、ビニールハウスへ。
作業は、ビニールハウスの直管パイプの止め具外し。
握力を必要とする作業で、初体験にもかかわらず、瞬時にコツを掴み、作業を柔軟に対応。要領よくてテキパキとこなし、作業を分担して進めていくチームプレーはお見事!!!びっくりです!
ビニールハウスの直管パイプの止め具外し
「気合いと根性でいくでぇーーー!」と頼もしい生徒たち!
「手がいてぇ~、そやけど、おもろいわぁ~」
接続している直管パイプを外すのはコツがいるよ〜
1時間びっしり作業した後は、ほっと一息、休憩タイム。
美保子さんが、軽トラで、ドリンクとお菓子を届けてくださいました。
休憩タイム
サイド直管パイプの取り外し後は、キャタピラー車に乗車して、天井の直管パイプ取り外しにトライ。
1時間後、100mハウスの直管パイプの取り外しを無事終了!
天井の直管パイプ取り外し
▶ 大型トラクター・ジョンディアの運転
場所を移動し、農業機械・トラクターなどの説明を受けます。
そして、ひとりずつ、永井稔さんの指導の元、大型トラクター・ジョンディアの運転。
初めての体験に、ドキドキ!ワクワク!!!
農業機械・トラクターなどの説明
大型トラクター・ジョンディアの運転
バックも体験
後ろをみながら・・・
倉庫内の様々な農機具について説明
▶ 加工体験「味噌作り」
午後からは、加工体験「味噌作り」。ご指導は、永井美保子さんです。
まずは、『現代農業(2015年12月号)』の「味噌に惚れた!」の記事から、参考になるページを見ながらお味噌の勉強。
そして、マスク&ビニール手袋をして、スタート!
容器、鍋などすべて、アルコール消毒します。
「味噌作り」について説明
お味噌作りの材料・器具
沖縄の塩、北竜町竜西農場で製造される糀。茹でた大豆・3kg。
沖縄の塩、北竜町竜西農場で製造される糀
茹でた大豆・3Kg
材料は、大豆、塩、米糀、茹で汁。
<作り方>
1.一晩水に浸した大豆を煮て、フードプロセッサーで潰す
2.塩と糀を混ぜる
3.潰した大豆を混ぜて、ひたすらこねる
4.茹で汁を加え、固さを調整する
5.味噌玉にして容器に詰める
6.6か月後、食べごろになります
大豆を潰す作業とこねる作業とを二人ずつ交代で行う。
ひたすら、つぶしてはこねる作業を繰り返し、休むことなく1時間以上続けました。途中、味噌の固さを見ながら、大豆の煮汁を少しずつ加えていきます。
塩と糀を混ぜる班と、フードプロセッサーで大豆を潰す班
2班がフル回転
しっかり大豆を取って混ぜます
「腕がしんどっ!」と生徒たち・・・
「がんばれ~」と美保子さんのあたたかい声援を受けながら・・・
柔らかく滑らかな味噌に仕上がりました!
「この滑らかさは、男味噌だね~ さすが!よくがんばったね~」と美保子さん!
柔らかく滑らかな味噌に仕上がりました
練上がった味噌を丸めて、しっかりと空気を抜くために、叩きつけるように容器に投入!
一球目は、勢いをつけすぎて、味噌の破片が天井まで飛び散ってしまうほど。。。うわぉ~!
叩きつけるように容器に投入!
表面を平にして、塩を乗せ、蓋をしてできあがり!!!
パチパチパチ!拍手!!!
表面を平にして
塩を乗せ
完成!!!
味噌は、半年間じっくりと熟成させ、「食べごろ」に学生さんたちの元へ送られます。
きっと、半年後、真心込めて作った初めての自家製味噌を食べるたびに、
北海道の雄大な大地と爽やかな風と永井ファミリーの優しさがじんわりと思い出されることでしょう!
永井さんご両親のお庭にて
▶ 宿帳に記された生徒さんたちの感想
宿帳に記された生徒さんたちの感想の言葉は、
「初めての農作業は、すこし手が痛かったけれど、楽しかったです。そして、はじめて食べたジンギスカンは、少し硬くて食べにくかったですが、すごく美味しかったです。そして、なにより、北海道の人達は、すごく優しいことを知りました。ありがとうございました」
「農業はとても大変だったけど、とてもやりがいがあって楽しかったです」
「農業体験をして大変だった。でもとても楽しかった」
「味噌を作ったり、バンドを取る作業は、手が疲れて大変だったけど、楽しかった」。
しんどかった農業体験は、優しさと楽しさに包まれて、北海道の素敵な思い出として、彼らの心にしっかりと刻み込まれていくことでしょう。。。
永井さんご両親のお庭にて
食べものを栽培する農家の人々の話を聞き、心を交わし、
実際に身体を動かして、農作業の大変さを実感することを通して、
生命ある食べものの尊さを学んでいく農業体験に
大いなる愛と感謝と祈りをこめて。。。
ぐんぐん育つ稲(北竜町美葉牛地区)
▶ 写真(177枚)はこちら >>
◆ 関連記事
・高校生の農業体験@永井稔ファーム(元気村・夢の農村塾)(2015年6月24日)
・神奈川県の高校生が田からもの(佐藤稔 代表)で農業体験(元気村・夢の農村塾)(2012年7月11日)
◇ 撮影・編集=寺内昇 取材・文=寺内郁子