第15回地域特産物マイスターの集い(東京都)で黒千石事業協同組合・高田幸男 理事長 北海道から一人認定される

2016/02/28 12:18 に 寺内昇 が投稿   [ 2016/03/07 17:03 に更新しました ]
2016年2月29日(月)

2月22日(月)、公益財団法人日本特産農産物協会主催による「第15回地域特産物マイスターの集い」が、三会堂ビル9階・石垣記念ホール(東京都港区赤坂)にて開催されました。

集いでは、地域特産物マイスター認定交付式、特別講演会、討論会、さらに地域特産物マイスター協議会総会、マイスターの方々の懇親会が行われました。


第15回地域特産物マイスターの集い
第15回地域特産物マイスターの集い


地域特産物マイスターとは

地域特産物マイスターは、地域特産物の栽培・加工技術に優れ、その技術の伝承を推進し、産地育成の指導者的役割を担う農業従事者に認定される称号です。公益財団法人 日本特産農産物協会が、2000年(平成12年)に制定したもので、今年度で15回目を迎えます。

これまでのマイスター認定者は全国で244人、道内では10人。
平成27年度においては、全国で24人、北海道内では、黒千石大豆で高田幸男さん(北竜町)がただひとり認定されました。


黒千石大豆・地域特産物マイスターの名刺も準備されていました
黒千石大豆・地域特産物マイスターの名刺も用意されていました

高田幸男さん、教子さんご夫妻
認定証を前に高田幸男さん、教子さんご夫妻


ご挨拶

公益財団法人日本特産農産物協会・髙橋徳一 理事長、そして農林水産省生産局・栗原眞 地域対策官のご挨拶です。
日本特産農産物協会・矢野哲男 専務理事が総合司会を務められます。


集いの演壇
集いの演壇

公益財団法人 日本特産農産物協会・矢野哲男 専務理事
公益財団法人 日本特産農産物協会・矢野哲男 専務理事


公益財団法人日本特産農産物協会・髙橋徳一 理事長


公益財団法人 日本特産農産物協会・髙橋徳一 理事長
公益財団法人 日本特産農産物協会・髙橋徳一 理事長


「地域特産物マイスターの皆様は、風土に根ざした農産物を大切にし、そこに新しい知恵を盛り込んで、消費者ニーズに即した特産物を作り上げていらっしゃいます。そのことによって、特色のある農業経営を行っていらっしゃると共に、地域リーダーとして、産地の育成、技術の提唱、食育の普及に多大な貢献を尽くされていらっしゃることに、心より御礼申し上げます。

我が国の農業を取り巻く環境は、厳しさを増しています。こういった時であるからこそ、これまでの幾多の困難を、地域の力で結集して克服してこられました皆様の力は大きいものであると思います。地域の農家の原動力として、一層御活躍して戴けることを期待しております。

地域特産物マイスターは、光る技、地域に対する強い意識と誇りを持って、先頭に立って地域特産物作りに立って戴く方のための称号です。今日の授与式を期に、それぞれの地域で益々の御活躍を期待申し上げます。
私共も マイスター協議会の皆さんと協力しながら、マイスターの皆様が一層御活躍されやすいような環境づくりに取り組んでいきたいとと思います。

今日の集いは、全国のマイスターが一堂に会して情報交流をしながら、お互いに知識を深め合い、かつ、技を磨き合う貴重な機会です。

マイスターの方々の分野は多々ではありますが、直面する課題は、後継者の問題、品質の向上、販売流通の強化など共通する点が多々存在します。その中でも特に、地域特産物の価値を理解してくれる、販売先をどう確保するか、あるいは、消費者の心をどう掴むか、生産者の気持ちをどう伝えるか、といったマーケティングに関する関心事が大きいと思います。
そうした意味で、今日、特別講演をしてくださる、JAはだのファーマーズマーケットの安居院 店長のお話の中に様々なヒント等があると思います。

本日の特別講演、マイスターの方々の発表、自由討論を通じまして、今後の課題に立ち向かう上でのプラスとなり、認識が深まり、地域農業の活性化に寄与することを祈念致します。宜しくお願いいたします」と、髙橋理事長のお言葉です。


農林水産省生産局・栗原眞 地域対策官


農林水産省生産局・栗原眞様 地域対策官
農林水産省生産局・栗原眞様 地域対策官


「今日様々な環境の中で、国産のいいものに、どうやって頑張っていただくかということが現状の根幹にあります。外国の農産物が国内に入ってきた時、国産農産物が、海外のものと明らかに違う差別化された立派なものとして、存在することができるかどうかということが大きな問題となります。

そういう意味において、皆様は、国内の地域の優れたところを活かした農産物の生産・技術、いろんなものを支えていらっしゃる方々です。皆様の力をお借りして、地域をますます元気にしていく『戦って勝てる』地域に、これから更に力をつけていくことが大事なこととなってきます。

私達『農政新時代』と銘打ちまして予算を設定いたしました。予算だけで日本の農業が変わっていけるわけではありません。もちろん、予算措置は重要ではありますが、それだけではなく、人、そして土地・地域というものが一緒になって動いていかなければならないと痛感しております。

私も、新規就農の担当・農業教育の担当など色々担当してきましたが、その中で、お金に換算できない無形の力の大きさと重要さを痛感しております。農政新時代の中でも、予算措置をしたもの以外の課題があります。予算でも制度でもないものが含まれています。それを今から検討して、この秋さらに来年に向けて、皆様を応援していけるように頑張りたいと思っています。

皆様と同じ目線で一緒になって進んでいくことが、とても大事なことだと思っております。皆様の存在を、農家の人々だけではなく、もっと多くの人々にアピールしていくことも重要なことだと考えています。
これからの大事な局面で、今まで以上に皆様のお力が必要となってきます。これからも引き続き、皆様の能力を日本のために活用して戴きたい。
これからTPPの合意を受けて変化をしていく中でも、足腰が強く、これまで以上に外国産に負けない、日本のいい物を守っていきたいと思います。日本の消費者は、日本のいいものを買いたいと思っている人が非常に多いです。その気持ちに応じられるように頑張っていきたいと思います。

皆様の取り組みが益々、力強いものとなりますよう、また日本特産農産物協会をはじめとした方々のご尽力をさらにお願い申し上げまして、ご挨拶とさせて頂きます」と、栗原氏のお言葉です。


マイスター認定証交付式

公益財団法人日本特産農産物協会・髙橋徳一 理事長より、平成27年度地域特産物マイスター認定24名の皆様へ認定証が交付されました。


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高田幸男さん認定証を受与
最前列の高田幸男さん
最前列の高田幸男さん

認定証授与の模様
認定証授与の模様


地域特産物マイスターの皆様(敬称略)

 1.高田幸男 ・72歳(北海道雨竜郡北竜町)・黒千石大豆
 2.中村元彦 ・71歳(青森県弘前市)・・・・清水森ナンバ(トウガラシ)
 3.竹内きよゑ・67歳(青森県つがる市)・・・農産加工(とう漬、すしこ等)
 4.伊藤行雄 ・69歳(岩手県花巻市)・・・・手作りチーズ・早池峰醍醐
 5.高田光紹 ・67歳(栃木県栃木市)・・・・ハトムギ
 6.池田榮  ・65歳(栃木県下野市)・・・・かんぴょう
 7.北野道代 ・53歳(栃木県下野市)・・・・かんぴょう
 8.髙橋孝次 ・84歳(神奈川県川崎市)・・・のらぼう菜
 9.和田俊信 ・63歳(富山県小矢部市)・・・ハトムギ
10.中村栄伸 ・59歳(石川県金沢市)・・・・五郎島金時(さつまいも)
11.岡元豊  ・46歳(石川県能美市)・・・・加賀丸いも(やまのいも)
12.徳橋岑生 ・82歳(福井県鯖江市)・・・・吉川ナス
13.鈴木文雄 ・66歳(愛知県西尾市)・・・・てん茶
14.太高一成 ・62歳(愛知県西尾市)・・・・てん茶
15.今堀肇  ・71歳(大阪府交野市)・・・・神宮寺ぶどう
16.馬谷秋良 ・58歳(大阪府八尾市)・・・・八尾若ごぼう等
17.浅井一也 ・47歳(大阪府八尾市)・・・・八尾若ごぼう等
18.東田義孝 ・70歳(兵庫県淡路市)・・・・淡路「一宮のふき」
19.河村修治 ・66歳(兵庫県丹波市)・・・・丹波栗
20.宮田明義 ・63歳(山口県柳井市)・・・・高糖系温州みかん(樹別交互結実栽培)
21.森智子  ・52歳(愛知県今治市)・・・・マコモタケ
22.横山健一 ・70歳(福岡県築上郡上毛町)・川底柿
23.坂下巳一 ・66歳(熊本県宇城市)・・・・不知火(デコポン)
24.清原米蔵 ・68歳(大分県国東市)・・・・大分乾しいたけ


黒千石大豆
黒千石大豆(北海道北竜町)

清水森ナンバ(トウガラシ・青森県弘前市)
清水森ナンバ(トウガラシ・青森県弘前市)

手作りチーズ(岩手県花巻市)
手作りチーズ(岩手県花巻市)

手作りチーズ(岩手県花巻市)
かんぴょう(栃木県下野市)

八尾若ごぼう等(大阪府八尾市)
八尾若ごぼう等(大阪府八尾市)

サトウキビ(香川県さぬき市)
サトウキビ(香川県さぬき市)

大分乾しいたけ(大分県国東市)
大分乾しいたけ(大分県国東市)

トマト(熊本県八千代市)
トマト(熊本県八千代市)


特別講演:はだのじばさんずにおける特産物のマーケティングについて

・講師:JAはたのファーマーズマーケット営農経済部・店舗販売課長 兼 はだのじばさんず・安居院賢治(あぐい けんじ) 店長


JAはたのファーマーズマーケット営農経済部・店舗販売課長 兼 はだのじばさんず店・安居院賢治 店長
JAはたのファーマーズマーケット営農経済部・店舗販売課長 兼 はだのじばさんず店・安居院賢治 店長


▷ 秦野市の概要、「はだのじばさんず」の概要、販売実績の推移、「はだのじばさんずの目的、じばさんずの店内風景、安心・安全の取り組み、出荷・販売手順、バーコード貼付など


「はだのじばさんず」の販売実績の推移
「はだのじばさんず」の販売実績の推移


▷はだのじばさんずの販売戦略

1.消費者ニーズを知る

 ・食の安心・安全を確かめたい
 ・スーパーにはない「発見と感動」を見つけたい
 ・「顔」の見える農産物、「物語り」のある加工品がほしい
 ・地場産ならではの「旬の味」「本物の味」を知りたい
 ・「食と農」を通じて生産者と交流をしたい
 ・年に1回消費者アンケートを実施


じばさんずの店内模様
じばさんずの店内模様


2.生産者の思いを伝える

 ・安全対策(安全・安心)を消費者(お客様)に知らせる
 ・鮮度感のある商品(直売所の売れ筋品目)提案する
 ・生産者の「思い」をPOP・メッセージで伝える
 ・試食・レシピ・体験で「本物の味」を知らせる
 ・追加出荷の商品で「自分」を売り込む


じばさんずではレシピを用意
じばさんずではレシピを用意


3.食の提案

・試食をしてもらう
・地場の「旬」を売り込む
・簡単調理のレシピをつける
・保存の工夫を伝える


オリジナルキッチンのレシピ
オリジナルキッチンのレシピ


4.イベントの開催

 ・スーパーのまねごとをしない
 ・生産者参加型のイベント(収穫体験など
 ・消費者参加型のイベント(試食体験、料理コンテスト)
 ・生産者・消費者参加型のイベント(家庭園芸教室、園芸相談)
 ・地域の節供にちなんだイベント(七草粥、鏡開き、節分、収穫祭等)


地元保育園との苗植え
地元保育園との苗植え


討論会:地域特産物マイスターの活躍の現状と課題

・座長:地域特産物マイスター協議会・山田琢三 会長(平成12年度認定「さとうきび」)


山田琢三 会長ご挨拶


地域特産物マイスター協議会・山田琢三 会長
地域特産物マイスター協議会・山田琢三 会長


「今年で全国全県から、マイスターが誕生いたしました。今日に至るまで、長い歴史もありました。それぞれの方々が苦労を重ねて、ここまで駆け上がってこられました。
私どもの仕事をより温かく、より深くより以上にご理解いただきたい。マイスターの称号をより充実したものにしたいと考えております。
お互い、希望と前途に向かって、誰にも負けない気持ちで頑張っております。本日の皆さんとの討論会が、より明るく、より尊いものでありますようにお願い申し上げて、挨拶とかえさせて頂きます。ありがとうございます」と、山田会長のお言葉です。


マイスター認定者・討論者のお話


高田幸男さんのスピーチ
高田幸男さんのスピーチ


▷ 高田幸男さん・黒千石大豆(北海道北竜町)

「北海道の黒千石大豆は、北海道の在来の品種で晩成な豆です。昔は越冬用の家畜の餌であったり、十勝地方の畑作においては緑肥の肥料とされていました。一旦途絶えましたが、農業研究家が、黒千石大豆の実の栄養価が高いことなどを発見し、再び栽培がはじまられました。寒冷な北海道より温暖な地域で栽培しようと最初は岩手県で栽培されましたが上手くいかず、2005年(平成17年)に北海道に持ち帰り、栽培も軌道に乗り事業がスタートしました。

黒千石大豆は、皮が固く、まんまるで小粒な所が特徴です。去年10周年を迎え、64人の農家の方々が、およそ250トンを生産しております。納豆には約100トン、その他加工用(きな粉・豆腐)、生豆では、黒千石豆ご飯にすると美味しいと人気が高く、地元では、北空知の学校給食の食材に取り入れられ子供達にも人気の豆です。

生産と同時に販売にも力を入れ、2005年(平成17年)から道庁前で開催されている『北のめぐみ愛食フェア』にも参加しています。札幌・道内のお母さんたちに評判が高く、以来札幌・道内のお母さんたちが味方になってくださり、協力を得て販売促進に活躍戴いております。
私自身は65歳まで栽培に従事し、その後営業・販売に携わりながら現在に至っております」と高田理事長のお言葉です。

認定されたマイスターの皆様から、それぞれの熱い想いが語られました。


▷NPO法人 ちば農業支援ネットワーク・多田和子 理事


NPO法人ちば農業支援ネットワーク・多田和子 理事
NPO法人ちば農業支援ネットワーク・多田和子 理事


「長年行政事業に関わり、皆様の傍らにいて、皆様のご苦労・悩み・楽しみを共に味わって仕事をさせていただいております。今日新たに、マイスター認証を受けられた方々に心よりお祝い申し上げます。おめでとうございます。皆様のお話を伺って、地域特産物に対する並々ならぬごご尽力、ご苦労、そして産物に対する熱い想いを感じ、心より敬意を申し上げたいと思います。感じた中から2つお話させていただきます。

ひとつは、最近メディアで報道されているように、外国から来るお客様の関心が、電気製品の爆買から、本当に美味しい日本食を食べたい、日本の文化に触れたいというように観光客の志向が変化しています。それには、それぞれの地域に昔からある生活文化・正月・祭り・お祝いごとなどに伴う食がきちんと継承されていくことが、これからの日本の観光にプラスになると思います。

そのためには、担い手をどうするかという問題があります。
今、農林水産省の農の雇用事業に関わっておりますが、農業経験のない若者が、2年間の研修を受けて、新規就農を目指しています。千葉県の蓮根産地で、毎年3名ほどの研修生が入ってきています。皆さん非農家の方々で、目指すものは自立です。是非、定年離農者の方々に、地域の産物、技術の伝達などの多様な担い手育成にご尽力戴きたいと思います。地域の特産物を維持したり、地域の文化を担っていく人材を発掘し育成して頂きたいと思います。

和食が、ユネスコ無形文化遺産に登録されましたが、栄養バランスがよく、健康にいいだけではなく、自然を大事にし、味を大切にする食、つまり加工したものではなく、素材の本来の味を大事にした食であることが理由となっています。

 皆さんが取り組んでおられる特産物の生産が、いかに日本の文化に関わっているかを改めて感じました。
今後共、皆様のご活躍をご期待したと思います。」と、多田理事のお言葉です。


▷ はだのじばさんず・安居院賢治 店長


安居院賢治 店長
安居院賢治 店長


「今まで30年ほどJAに奉職しています。『販売なくして生産なし』という組合長のお言葉を元に、販売を進めております。農家の方々が、これまでは『生産物を店に渡す』という考え方から、『生産物をどう販売していくか』という考え方に変化しています。

我々の『じばさんずファーマーズマーケット』のような直売場は、全国で3,000軒以上存在します。大型のファーマーズマーケットが飽和状態になり、潰れていくものも増えています。
その中で必要なものは『農協・店長の「食への方針」がどこを向いているか』ということだと思います。経済原理に偏っていると、食の安全性が手薄になって、売れればいいという方法に向かってしまいます。ファーマーズマーケットでありながら、海外産のものが販売されていることが全国のファーマーズマーケットでも見受けられます。本来のポリシーは何なのかと疑問になることがあります。

消費者の方々のアンケートには『農協で取り扱っているものは、国内産の安心安全なものであると思う』と書かれています。『地場において皆で生産したものを、皆で売っていこう』という考えを共通に抱いています。その中で、大切なことは『農業における教育』だと考えています。販売における厳しさをもっと自覚し、深く現実を理解してもらうことが大事だと思います。

出荷者の平均年令が65歳以上で、高齢者の方々が頑張っていらっしゃいます。80歳で年に100万円以上の売り上げていらっしゃる方が、年平均3~4人はいらっしゃいます。そんな方々を表彰し、赤いジャンバーを贈呈しています。まわりの皆さんが、頑張って高齢者の方々を温かく見守っていくことが、人間らしさの現れだと感じています。

店内では、料理方法を知りたい消費者の為に、レシピを作成し設置しています。一つの商品の食べ方、使い方、作り方を説明し話しをする場所を設けることによって、人の輪が広がり、その商品が売れていくきっかけに繋がっていきます。
新しい商品の開発よりも、温故知新で今まで埋もれていたものを今一度商品開発をして、消費者が購入しやすく食べやすい方法を見出していくいくことに力を注いでいます」という安居院氏のお話でした。


▷ 農林水産省生産局・栗原眞 地域対策官


農林水産省生産局・栗原眞 地域対策官
農林水産省生産局・栗原眞 地域対策官


「マイスターの方々のお話を伺って、印象に残っているのが、在来種・伝承作物を一生懸命絶やさずに、種子種苗を増やしていくところから始まって、苦労されながら頑張って取り組んでいらっしゃる方々のお話、試験場での品種改良のお話、ハトムギのお話、加工品に取り組んでいらっしゃる方々のお話、好評なてん茶のお話などです。お話を聞く度にそのものが美味しそうに感じ『食べたいなぁ』と感じるものばかりです。

何故、そう思うかと考えると、私は昭和33年生まれで、子供の頃は、母親に連れられて八百屋さんにいき、野菜を買って食べていた年代です。八百屋さんにいくと『今日はこれが美味しいよ』と八百屋さんとの会話があり、旬のものを自然に当たり前に食していました。あの頃は、生産者と消費者が八百屋さんを介して、ある程度繋がっていました。

今のスーパーでは、野菜は食品として置いてあり、表示してあったとしても、生産者との繋がりが希薄に感じます。今日の『じばさんずファーマーズマーケット』さんのお話も、そういった部分の隙間を一生懸命埋めていく取り組みのひとつだと思っています。直売所の人気が高いのは、こうしたことが要因にあり、大切なことだと思います。

日本の消費者の皆さんは、外国の安いものがいいものだと思っていません。ただ、スーパーにおいてあるものが、単なる餌だと思ってしまえば、安いほうがいいと感じているだけです。食べものが、自分が本当に食べたいとう想いをこめて食べるものであれば、決して安ければいいとは思っていません。本当にいいものを食べたいという想いをもって買うことが出来るかということが大切になってきます。

農水省における様々な取り組みにおいて、生産者の想いを消費者に伝える部分においては、まだまだ不十分な所が多々あります。今後、生産者の想いを、遠くはなれた消費者の沢山の皆さんへ、どうやって届けることができるか、特に人口の中核を担っていく若い世代にどうやって伝えていくか、お母さんに連れられて八百屋さんに買い物にいけなくなった人々に、どういう想いが伝えられるかということが大事だと感じています。

皆様の取り組みは、想いを伝える大切さを秘めていますので、これからも皆様のお力をお貸し戴きたいし、我々も自分たちで足りながった部分を少しでも埋めていけるように、これからも頑張っていきたいと思います」。 栗原 地域対策官のお話に、農業における明るい光を感じました。


「それぞれの方々から、それぞれの想いを伺い、私達が明日から進んでいく道をしっかりと振るい直して行きたいと考えております。ありがとうございました。」という山田会長の力強い締めのお言葉で、閉会となりました。

この後、地域特産物マイスター協議会総会、そして懇親会が開催され、マイスターの方々の交流が行われました。


討論会の模様
討論会の模様


地域を愛し、地域の伝承や開発に、人生をかけて取り組む、
マイスターの方々の真実の熱い想いに、
大いなる尊敬と感謝と祈りをこめて。。。


皆さん揃って記念撮影
皆さん揃って記念撮影


第15回地域特産物マイスターの皆様(公益財団法人 日本特産農産物協会 作成パンフレットより引用)
  ※ 画像をクリックすると別画面で拡大します

上:高田幸男さん 下:中村元彦さん 上:高田幸男さん 下:中村元彦さん 上:竹内きよゑさん 下:伊藤行雄さん 上:竹内きよゑさん 下:伊藤行雄さん 上:高田光紹さん 下:池田榮さん 上:高田光紹さん 下:池田榮さん 上:北野道世さん 下:高橋孝次さん 上:北野道世さん 下:高橋孝次さん 上:和田俊信さん 下:中村栄伸さん 上:和田俊信さん 下:中村栄伸さん
上:岡元豊さん 下:徳橋岑生さん 上:岡元豊さん 
下:徳橋岑生さん
上:鈴木文雄さん 下:大高一茂さん 上:鈴木文雄さん
下:太高一茂さん
上:今堀肇さん 下:馬谷秋良さん 上:今堀肇さん
下:馬谷秋良さん
上:浅井一也さん 下:東田義孝さん 上:浅井一也さん
下:東田義孝さん
上:河村修治さん 下:宮田明義さん 上:河村修治さん
下:宮田明義さん
上:森智子さん 下:横山健一さん 上:森智子さん
下:横山健一さん
上:坂下巳一さん 下:清原米蔵さん 上:坂下巳一さん
下:清原米蔵さん


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◇ 撮影・編集=寺内昇  取材・文=寺内郁子