身心の健康に大切な「油」、でも意外と知らない「油」のこと。分かり易くお伝えできればと思います。 

植物油のバイオ燃料への利用【No.07】

 1.新たな需要・バイオ燃料への利用

植物油の新しい利用用途として登場したのが、バイオ燃料(ディーゼル)です。2014年の生産量は3,041万トンにもなっています。

図11は、原料として利用された油種別にバイオディーゼルの生産量を示しています。
バイオディーゼル製造の原料となる主な油種は、大豆油、菜種油、パーム油で、食用に利用されて廃棄された油脂(廃食用油)の利用も行われています。


資料:一般社団法人 日本植物油協会HP
資料:一般社団法人 日本植物油協会HP


2013年・2014年の植物油の生産量は全体で1億7,413万トンですから、バイオ燃料の3,000万トンは実に、全体の17%強となります!

個人的な感想ですが、世界中を見回したときに食糧不足で何億人という人々が食糧難で苦しんでいるというのに、食料としての植物油を燃やしてよいのか?って思います。

表5は、国・地域別のバイオディーゼル生産量を示しています。
油種別には、EUでは2014年には644万トンの菜種油がバイオディーゼル製造に用いられましたが、これは、EU域内の菜種油総消費量1,023万トンの63%に当たり、EUにおいて菜種油の消費はバイオディーゼルが主導していると言っても過言ではありません。

アメリカ、アルゼンチン、ブラジルでは大豆油、インドネシアではパーム油が、それぞれバイオディーゼルに製造に使用されていますが、EUにおいてもパーム油の利用が進んでいます。


資料:一般社団法人 日本植物油協会HP
資料:一般社団法人 日本植物油協会HP


バイオ燃料使用の言い分として、「化石燃料である石油を燃やしてCO2を増やすより、リサイクル燃料である植物油を燃やしてCO2を吸収し地球温暖化を抑制することができる」とあります(いわゆるカーボンニュートラル)。でも、本当にそうなのでしょうか? 
食べ物は大事にしなければなりません。他にできることがあるように思います。

※ 美味しく食べてお元気に!(これ、日清オイリオグループのギフトのキャッチフレーズ)


東郷さんの油の話 


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