認知症サポーター養成講座の内容を私なりにわかりやすくお伝えしたいと思います。精一杯頑張りますのでよろしくお願いします。

認知症の2つの症状【04】

2016年7月19日(火) 

北竜町はこれから夏本番を迎えます。北竜町といえば「ひまわり」です。この時期、背丈がいつの間にグングン伸びます。北竜町のひまわりの里は8月上旬が見ごろと言われています。ひまわりが一面に咲き誇る壮大さは毎年たくさんの観光に訪れた人々の心を魅了しています。


《認知症の2つの症状》

≪ 質問 ≫  これって、もの忘れ?認知症?

1. 「トイレ」「テレビ」「クルマ」など、よく知っている単語が出てこない
2. 挨拶した人の名前を忘れていて、後からになって思い出す
3. デパートの駐車場のどこに駐車したか思い出せない
4. 冷蔵庫から財布が出てくるなど、なくし物がとても意外なところから出てくる
5. 作った料理を忘れていて、食卓に出さない
6. 料理を自分で作ったのに、作ったこと自体を忘れる
7. 本当は90歳なのに、年齢を伺うと「20歳」とあたりまえのようにこたえる
8. 真夏なのに、コートを着て出かける
9. 数ヵ月の間に、人が変わったように怒りっぽい性格になる
10.ケーキなどを腐らせるほどたくさん買ってくる

≪ 答え ≫

1.認知症 2.もの忘れ 3.もの忘れ 4.認知症 5.もの忘れ
6.認知症 7.認知症 8.認知症 9.認知症 10.認知症

加齢による「もの忘れ」と認知症の違いをクイズ形式で出題してみました。

もの忘れは、出来事の一部が欠けているもの忘れです。体験の一部を忘れる、ヒントを与えられれば思い出せる、時間・場所は正しく認識しています。そして、重要な事は「日常生活に支障はない」という事です。

それに対して認知症は、出来事の全体が欠けたり抜け落ちます。出来事全体を記憶できない、新しい出来事を記憶できない、ヒントを与えられても思い出せない、時間・場所の認識が混乱する、そして日常生活に支障が出てきます。


《御不浄??》

先日、名古屋に旅行にいってきました。
名古屋に到着すると、まず真っ先に感じたのが、なんともいえないうだるような暑さです。熱気がジワジワと湧き上がり黙ってても汗が噴き出してくるようです。気温は34度。地元の方とはちがい、北海道の真夏日で悲鳴をあげている位の私ですから、観光どころではありません。熱中症が怖くて駅構内に駆け込みました。

デパチカはクーラーがきいてて、天国にきたような気分。
観光ガイドで「味噌煮込みうどん」の美味しいお店が紹介されていました。こんな暑い時に食べる人いるの?とお店に行くと人気店という事もあってか店内は賑わっていました。

名古屋といえば八丁味噌。赤味噌と一般的に呼びます。原料は豆を使っているそうで、一般的に家庭などで使っているものは米や麦が代表的といわれています。私は小さい頃、東海や関西で暮らしていたこともあり、赤味噌にはとても馴染みがあり大好きです。味噌汁ひとつ取っても、昔を懐かしみ自らのルーツをあらためて思い浮かべることができます。

日本の地域の特色や慣習、食文化の違いを紹介するテレビ番組も人気がありますよね。
自分の住む地域とのちがいであったり、新しいものを発見したり…。


高齢者施設での私の過去の記憶をさかのぼり、ちょっとした出来事についてお伝えしたいと思います。

ある高齢者の女性のAさん(アルツハイマー型認知症)から
Aさん『すみません、ごふじょに連れて行ってください』と声をかけられました。

 私  『ごふじょってなんですか?』わからないので聞き返しました。
 Aさん『だから、ごふじょです』やや不機嫌そうに返事がかえってきました。

そのあと私はAさんをあちこちに連れて行って、ようやくそれがトイレだとわかったのです。


ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、『御不浄(ごふじょう )』、これは昭和初期の時代の言葉でトイレを意味するものだそうです。Aさんの住んでいたところでは「ごふじょ」という発音であったのかもしれません(Aさん、すぐにきづいてあげれなくてごめんなさい)。

うまや、せっちん、はばかり、御手洗、お便所、トイレ等々、色々な呼び方があります。人は場所や場面で使い分けています。昔は、口にだしていう事自体がはばかれるといったことが「はばかり」の語源になったともいわれます。日本人の文化や生活様式、本人の自尊心や恥じらう気持ちなど配慮していきたいと思います。私は普段「トイレ」といいますが、「お手洗い」あるいは「便所」のほうが高齢者の方には馴染みがあるのかもしれません。

その方の生きてきた時代や歴史、生活習慣や地域性、ことばひとつとってもその方のルーツを知ることができます。それは大切なサインですから、その意味だけでなく、言い方、どうしての言葉を使ったのだろうと背景もあわせて考えることが大切だと感じてます。
もし、理解することができればAさんの事もより深く知るきっかけになりますし、私に尋ねてくださった時も、トイレに気持ちよく行くことができたのではないかと感じます。


《認知症の2つの症状》

認知症の2つの症状
認知症の2つの症状(作:香味尚之)

(画像をクリックすると別画面でスライドが読めます)


認知症であってもなくても、人はひとりで生きていくことは難しいことです。
もし私が認知症になったら、家族や地域の方々や専門の医療機関や福祉施設などの世話になると思います。

家の場所、家族の顔を忘れてしまい、自分ができたこともしだいにできなくなり、たくさん失敗したり、自信をなくし人に迷惑をかけたくないとおもって家にひきこもったりするかもしれません。いままで我慢できていたことも、感情をコントロールできなくなり、家族やお世話になっている方に思ってもいない言葉を吐くことがあるかもしれません。周囲の人の心は離れていくかもしれません。

綺麗ごとかもしれませんが、それでも「失敗してもいいんだよ」とか「一緒にいて手伝います」とじぶんの存在を見捨てずにあたたかい言葉をかけ続けてくれたらと思います。


次回はある事例をあげて2つの症状について掘り下げてお伝えしていきたいと思います。


Kamiの認知症ケアサポート 
おちょこ(制作・撮影:香味尚之)


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