北竜けん玉クラブ・岸直樹 代表(北竜町教育委会・社会教育主事)講演「北竜けん玉クラブの歩みと誰でも楽しいけん玉レクリエーション」@北竜町ひまわり大学

2024年9月17日(火)

9月12日(木)10:00〜、公民館大ホールにて「北竜町ひまわり大学講座(教育委員会主催)」が開催されました。

目次

◉ 講師:北竜けん玉クラブ・岸直樹 代表(北竜町教育委会・社会教育主事)
◉ 演題:北竜けん玉クラブの歩みと誰でも楽しいけん玉レクリエーション@ひまわり大学

講師は、北竜けん玉クラブ・岸直樹 代表(北竜町教育委会・社会教育主事)、演題は「北竜けん玉クラブの歩みと誰でも楽しいレクリエーション」です。

ひまわり大学の学生の皆さん30名ほどが参加し、北竜町における「けん玉を通じた社会教育」について学び有意義な時間を過ごしました。

北竜けん玉クラブの歩み
北竜けん玉クラブの歩み
北竜けん玉クラブの歩み
北竜けん玉クラブの歩み

3年周年を迎える北竜けん玉クラブ

北竜けん玉クラブは2021年(令和3年)設立、今年9月14日(土)で3年周年を迎えます。

北竜けん玉クラブ・岸直樹 代表
北竜けん玉クラブ・岸直樹 代表

けん玉種類の説明

左から:おもちゃけん玉、競技用けん玉「大空」、スイーツけん玉、ダイスけん、筒けん、5連けん玉[
左から:おもちゃけん玉、競技用けん玉「大空」、スイーツけん玉、ダイスけん、筒けん、5連けん玉
 

  1. おもちゃけん玉
    ○ ガチャで入手できる小さなけん玉
     
  2. 競技用けん玉「大空」(日本製)
     
  3. スイーツけん玉(アメリカ製) 
    ○ 現在主流となっているけん玉
    ○ 日本製との違いは、皿が少し大きめ、玉が滑りにくく乗りやすい、安定性の良い作りになっている
    ○ ワールドカップでも使われている
    ○ ワールドカップには申請すれば誰でも参加可能。今年は、旭川からきている子が、年齢別の競技で3位入賞しています。
     
  4. ダイスけん
    ○ 玉が球ではなく、サイコロ状の「面」になっている。3Dプリンターで制作したけん玉
     
  5. 筒けん(筒の長さに大小がある)
    ○ ポテトチップスの箱のような筒にボール(中に砂入り)を飛ばして乗せて遊ぶ
    ○ 筒けんは、「グッド・トイ 2021受賞」& 部門賞「多世代交流賞」受賞
     
  6. 5連けん玉
    ○ 5個の玉を一気に皿に乗せるけん玉
    ○ 10連・20連けん玉などがある

 

5連けん玉
5連けん玉

北竜町けん玉クラブ発足の経緯

けん玉クラブの発足の切っ掛けとなったのは、2020年(令和2年)に実施された「子どもと高齢者のふれあい事業(教育委員会主催)」のイベント「けん玉けんちゃんがやってくる!」でした。

発端は2020年のイベント「けん玉けんちゃんがやってくる!」

2020年(令和2年)に実施され子どもと高齢者のふれあい事業イベント(教育委員会主催)「けん玉けんちゃんがやってくる!」
けん玉けんちゃんがやってくる!(教育委員会主催)
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子どもと高齢者のふれあい事業とは、高齢者のもつ豊かな経験と多彩な能力を活用して、次の世代を担う子どもたちに、高齢者と触れ合い活動を通して、高齢者に対する尊敬と思いやりの心を育てるということを目的とした事業です。

子どもと高齢者のふれあい事業
子どもと高齢者のふれあい事業

岸直樹氏の発案で「けん玉」を北竜町に

北竜町に来る前は、深川市音江町にある「北海道立青少年体験活動支援施設ネイパル深川」で3年間勤務されていた岸さん。そのときの人脈から、北竜町で「けん玉」イベントを開催されました。

  • 道立青少年体験活動支援施設は道内6個所に設置されている(砂川市、深川市、森町、北見市、足寄町、厚岸町の6施設)。各施設間の交流は盛んで活発に情報交流が行われている
  • 当時、けん玉けんちゃんこと斉藤烈さんは、以前、森町のネイパル施設で勤務されていた
  • 北竜町役場に転職したことを契機に、北竜町でけん玉をやってみようと思った。けん玉けんちゃんこと斉藤烈さんに声をかけたところ、すぐに「いいよ〜」と快諾してくださり、北竜町での事業イベントが実現
  • 斎藤さんは北海道胆振東部地震(2018年9月発生)の影響により、森町から厚真町へと引っ越していた。けんちゃんはその頃すでに、厚真町でけん玉クラブを立ち上げていた
  • 2020年はコロナ禍で皆マスクをして意気消沈気味だったが、皆でけん玉楽しむことができ暗い雰囲気も吹き飛んだ
  • けんちゃんのイベントは、けん玉の技を争うものではなく、けん玉で積み木やドミノをやって遊んだ。それがすごく面白くて、子どもたちがわぁーと歓声が上がり盛り上がって、皆が協力して楽しくゲームをすることができた。子どもも高齢者も一緒になってけん玉ゲームを楽しんだ

子どもたちの楽しいけん玉もっとやりたいの声

  • 子ども達から「けん玉楽しい!」「もっとやりたい!」という声が上がる
  • けん玉苦手意識は、「難しい技をクリアしなければいけない」という思い込みからきていた
  • この日のイベント終了後に、けん玉けんちゃんから「北竜町でこれだけ盛り上がるなら『けん玉クラブ』やってみたら!」と声をかけられた
けんちゃんに「けん玉クラブやってみたら!」とアドバイスを受ける
けんちゃんに「けん玉クラブやってみたら!」とアドバイスを受ける

けん玉を通して一緒に遊べる居場所作り

  • その時岸さんが返した言葉が「いいですね、けれど、僕はけん玉の指導はできません!」と応えると
  • けんちゃんから返ってきた言葉は「けん玉の指導なんかしなくていいんだよ!子どもも大人も、このけん玉を通して一緒に遊べる居場所作りができればいいんだよ!」

けんちゃんのこの一言が、北竜町でけん玉を始めるきっかけとなり、この時はじめて、「けん玉の真髄」を感じ取った岸さんでした。

岸さんの考える社会教育主事とは「人と人をつなぐ役割」

  • 社会教育主事とは、社会教育法に基づき都道府県・市町村の教育委員会に配置されている専門的教育職員のこと(北竜町は社会教育の専門職採用をしていないので他の部署への人事異動がある)。この社会教育主事の名称は、有資格者が町から発令されると使える
  • 一方「社会教育士」は、令和2年度から開始した、学びを通じて、人づくり・地域づくりに中核的な役割をはたす専門人材の称号。公務員でなくてもだれでも資格取得可能。導くというよりは、「伴走者のように皆と一緒に走りましょう!」という感じの活動
  • 社会教育主事は、社会教育事業の企画(ひまわり大学、公民館講座など)立案、地域住民の学習活動の支援などを行う。さらに、人材の育成・把握、学校教育と社会教育との連携を推進する
  • つまり、社会教育主事を簡単に一言でいうと、「人と人をつなぐ役割」

 

「人と人をつなぐ役割」
「人と人をつなぐ役割」

北竜けん玉クラブは「子どもと大人がつながる場所作り」

岸さんは、社会教育主事が「人と人をつなぐ役割」であるならば、北竜町に今までにない「子どもと大人がつながる場所作り」をけん玉でやっていこう!子どもも大人も共にできる「北竜けん玉クラブ」を立ち上げよう!と決意されました。

2021年「北竜けん玉クラブ」創立

ところが、「よし!やろう!」と意気込んだ途端、コロナの影響で関連施設が一斉に閉館となり、けん玉クラブの活動は中断。

ついに、2021年9月14日に「北竜けん玉クラブ」を創設!発案から1年の年月が経過し、実現しました!!!

令和3年9月14日北竜けん玉クラブ創設
令和3年9月14日北竜けん玉クラブ創設
熱心に聞き入る学生さん達
熱心に聞き入る学生さん達

次々と課題を解決!

  • 人が集まる仕組み=人を呼ぶ・集めることの難しさを実感
  • 社会教育主事の仕事の中で常に実践していた問題解決手法で課題を解決!
  • 課題解決すると前進できると実感していたので、課題解決することが得意(好き)だった。人が集まる方法を考えてみた

人が集まる仕組み作り「自由に!」「楽しく!」「遊ぶときは本気で!」

  • ゆるい3つのルールを設定!
    「自由に!」「楽しく!」「遊ぶときは本気で!」
「本気で遊べ!」
「本気で遊べ!」
  • この集まりは「少年団」でも「内輪の集まり」でもない
  • 部活のように厳しくすると子どもたちのモチベーションが難しい
  • 「いつ休んでもいいよ」「いつ来てもいいよ」と「ゆるい感じ」の自由参加をアピール

参加可能な時間帯を設定!夜の6時から7時までの1時間

  1. 子どもも大人も来れる夜の時間を設定
    バレー少年団の公民館での練習時間が夜7時まで。大人も仕事終わりの時間帯なら可能。故に、夜の6時から7時までの1時間をけん玉クラブの活動時間に設定!更に、野球少年団が来れる曜日である火曜日を選択  
     
  2. 町内だけではなく、町外からの参加もOKにする
    町内では、子どもから家庭内に自然に勝手に広がり、一週間後には「けん玉クラブ」の存在が周知されていた
     

インスタグラムで情報発信

  • メディアに取り上げてもらうことが、一番知ってもらうきっかけになる。その窓口としてインスタグラムを開設
  • 普段の活動を発信!情報がリアルタイムで更新されているので、一目瞭然で活動様子の周知が可能
  • インスタグラムのフォロアーが現在1,238人となり、自分自身の自信にも繋がり、活動の励みになる
SNS「インスタグラム」フォロアー数1238人
SNS「インスタグラム」フォロアー数1238人
  • このインスタグラムを見てマスメディア(NHK旭川・北空知新聞の新年の一面など)で取り上げらている
  • ネットに情報を出すと、マスメディアに取り上げられ副次的効果も高い
  • 町内の人々にも知れ渡り、「やってみたい!いってみたい!」と、より多くの町民の皆さんに思っていただけることを望む

けん玉のイメージを「ワザを競う」から「遊ぶ」イメージに変える

けん玉の「ワザを競う」から「遊ぶ」イメージにかえる
けん玉の「ワザを競う」から「遊ぶ」イメージにかえる
  • ユニコーンレースなどのゲームで、優勝したのは大人ではなく当時4年生
  • しっかりと優勝メダルを獲得するので、子どもたちのやりがい・意欲を増進する動機づけとなっている
ユニコーンゲームを楽しむ!
ユニコーンゲームを楽しむ!
  • けん玉の技ができなくても楽しいという活動を目指す
  • 現在、北竜町以外の雨竜町・沼田町の子どもたちも参加
  • 遊びに夢中になれる時間を作ると、楽しいが勝手に生まれる!

けん玉が楽しく感じるのは「できた!」時の達成感

「できた!の達成感が楽しさを生む
「できた!の達成感が楽しさを生む
  • 「できた!」と思う瞬間、この達成感が楽しさを生む
  • 「こうやったらうまくなるかも」と努力を積み重ねて、身体感覚で技をクリアできたときの喜びと気づきが自分の成長につながる
  • クリアできた瞬間は、大人も子どもも感動と喜びに満たされる
クリアの喜びを身体全体で表す!
クリアの喜びを身体全体で表す!
喜びと悔しさとの両表現!
喜びと悔しさとの両表現!

けん玉の技をクリアする仕組み作り

◉「大皿」という技の構成要素

  1. 持ち方を覚える
  2. 膝を使って玉を真上にあげる
  3. 落下地点を予測する
  4. 皿を落下地点に移動する
  5. 膝を使って落下の勢いを逃がし、皿の真ん中でキャッチする

と考えると「難しい!」と感じてしまうので、思考転換をして、

◉「大皿」を3段階に分けて実践練習

段階的に楽しくできるように、簡素な練習を重ねた上で実際の技に挑戦する。

  1. 大皿おとし玉:上から玉を落として取る
  2. 大皿ホップ:膝を使って、玉を上に上げて取る
  3. 大皿:三段階目に、大皿の技に挑む

大皿の技をクリアする場合、あえて3段階に分けて、「できた!」を増やしていくことで、もっとやりたい意欲が増す!

「できた!」が増えて、もっとやりたい意欲が高まる!
「できた!」が増えて、もっとやりたい意欲が高まる!

岸直樹 氏と「北竜けん玉クラブ」のこれまでの動き

2021年

○ 9月14日 北竜けん玉クラブ創設&1回目の活動
○ 10月 2日 旭川市のけん玉ショップ店長の赤松氏と出会う
○ 10月 5日 はじめての技術指導を受ける。講師には旭川市けん玉ショップ店長 赤松氏
○ 11月26日 グローバルけん玉ネットワークのけん玉MAPに掲載
○ 12月21日 初の自主イベント開催。第1回北竜けん玉祭りを開催

2022年

○ 1月 1日 北空知新聞の一面を自主イベントの様子が飾る
○ 2月23日 グローバルけん玉ネットワークのけん玉先生研修講座を受講
○ 2月23日 グローバルけん玉ネットワーク公認のけん玉先生になる
○ 7月 5日 自主イベント第2回北竜けん玉祭りを開催
○ 9月20日 北竜けん玉クラブ1周年記念大会を開催

2023年

○ 1月21日 自主イベント第3回北竜けん玉祭りを開催
○ 3月 8日 NHK(道北版)で北竜けん玉クラブがTVデビュー
○ 3月18日 自主イベント第1回碧水駐在所杯を開催(駐在所と共催)
○ 7月 9日 自主イベント第4回北竜けん玉祭りを開催
○ 8月 9日 ひまわりの里でけん玉ブースを開設(4日間)
○ 9月 6日 おさんぽ北海道でTV全国デビュー
○ 9月26日 北竜けん玉クラブ2周年記念大会を開催
○ 10月 1日 深川市生きがい文化センターで開催されたわんぱくまつりでけん玉ブースを開設
○ 11月12日 沼田町ゆめっくるで開催された町民交流フェスタでけん玉ブースを開設(午前)。深川市中央公民館で開催されたまなびピアふかがわでけん玉ブースを開設(午後)
○ 12月31日 NHK紅白歌合戦 けん玉ヒーローズとして出場

2024年

○ 1月27日 自主イベント第5回北竜けん玉祭りを開催
○ 4月 2日 自主イベント第2回碧水駐在所杯を開催(駐在所と共催)
○ 4月21日 筒けんアンバサダーの資格を取得
○ 6月25日 自主イベント第6回北竜けん玉祭りを開催
○ 8月 4日 ひまわりの里で初の自主イベント開催。第1回北竜けん玉フェスティバル(8月4日開催):~満開のひまわりを見ながらけん玉しよう~約70名参加
○ 8月 8日 北海道テレビ取材(巷のonちゃん):放送日 10~11月頃
○ 9月24日 北竜けん玉クラブ3周年記念大会を開催予定

けん玉は健康に良い!

  1. けん玉は全身運動:ウォーキングに近い消費カロリーがある。雨の日にも良い運動
     
  2. 脳の活性化:バランスを取る。目を動かす。身体を動かす。ながら運動ができる
     ○ 慣れているワザをすると集中力を養う脳への効果がある
     ○ 慣れてないワザをすると脳が活性化し記憶力が向上する効果がある
     ○ 認知症予防にもなる
     
  3. ストレス発散:「できた!」は充実感や達成感に繋がる
けん玉の健康に良いポイントをアピール!
けん玉の健康に良いポイントをアピール!

けん玉「手のせ灯台」ゲームに全員でチャレンジ

  • 3グループ(各10名)に分かれて「灯台のせ」ゲームで時間を競う!
  • 玉の上にけんを両手で乗せて静止させるワザ。順番にプレーして全員クリアした時間を競う

各自で練習!

各自で練習!
各自で練習!
灯台のせゲームにチャレンジ!
灯台のせゲームにチャレンジ!
落ち着いて敏速に!
落ち着いて敏速に!
最速にクリアしたチームは?
最速にクリアしたチームは?
有意義で楽しいひとときに感謝をこめて。。。
有意義で楽しいひとときに感謝をこめて。。。

創立3周年を迎えた北竜けん玉クラブ!

子どもと大人、人と人、地域と地域を結びつながっていくけん玉クラブ!
「できた!」の達成感に喜び・感動し、仲間と一緒に技に向き合い、切磋琢磨して思いっきりプレーを楽しむ北竜けん玉クラブに、限りない愛と感謝と祈りをこめて。。。

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北竜町は「喜びを共感する」笑顔と元氣あふれるハッピーな町…

 
◇ 取材・文章:寺内郁子(撮影・編集協力:寺内昇)

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