真竜小学校5年生「稲作体験」稲作成長経過観察(高田ファーム)

2024年7月10日(水)

7月8日(月)10:00過ぎから、北竜町立真竜小学校(鎌田定男 校長)の5年生10人が、北竜町三谷の(株)高田のファームにて稲の成長経過観察を行いました。

稲作成長経過観察

生徒さんが田植えをした圃場
生徒さんが田植えをした圃場

真竜小学校5年生の生徒さん
真竜小学校5年生の生徒さん

空知農業改良普及センターの北島潤係長はじめ、普及職員の倉下桂輔さん、葉山秀太さんにお越しいただきました。

空知農業改良普及センター職員の方々
空知農業改良普及センター職員の方々

北島潤 係長(空知農業改良普及センター)のお話

この日は、空知農業改良普及センターの北島潤 係長にご説明いただきました。

北島潤係長さんのお話
北島潤係長さんのお話

「北竜町は盛んにお米が作られている地域です。この北竜町があるのは、空知管内の北空知地域です。北空知地域は、空知管内でも一番沢山お米が栽培されている地域です。

北竜町は有数の米どころ

岩見沢、栗山など南空知でもお米を盛んに作っている地域があります。北竜町、雨竜町、秩父別町、沼田町は、お米を作ることに一生懸命取り組んでいる地域です。

30年前、40年前からお米が少しずつ余ってきて、田んぼにお米以外のものを作りなさいという国からの指示がでて、田んぼに「そば、大豆、麦」を作ったりしました。

北竜町では、お米以外のものを作る割合が低く、ほとんどがお米を作るために田んぼが使われています。とても貴重な地域です。

この町を見渡しても田んぼが多いと感じているとは思いますが、9割以上がお米に使われています。

北竜町は「ひまわりライス」と名前をお米に付けています。

他所ではなかなかないことです。農家のみなさんが、一緒にルールを作って、そのルールを守りながら安全なお米を栽培することに取り組んでいます。

『家が農家だという人はいますか?その中でお米を作っている人?』
(『はーい』と手を挙げる生徒さん。)

皆さんのお父さんお母さんも美味しいお米、安全なお米を作るために頑張っています。1日中一生懸命作業し疲れて帰ったきたお父さんお母さんに、『お疲れ様』と言ってあげてください。

多くの苦労が現在に繋がる

今日の資料の中では、北海道でお米が作られている地域のグラフが出ています。この空知では、北海道で作っているお米の46%を作っています。ほぼ半分です。

いつからお米が作られ始めた歴史が書いてあります。北海道で初めにお米を作った恵庭町、函館市など北海道稲作発祥の地ということで石碑が立っています。

積極的に取り組んで栽培が可能になった地、稲作を始めた場所など、各町々で稲にまつわる石碑はいっぱいあります。町を歩いたときには、そうした石碑に意識を向けて観察してみてください。

大正の始め頃には、稲作が始まっています。石狩川、雨竜川の周辺は、昔は年に4〜5回も洪水の被害を受け、この辺の土地は水に浸かったことが多々あったと思います。

そうした多くの苦労の中で、お米が作られてきましたが、次第に水害予防の方法・解決方法なども研究されました。

そして地域の皆さんが努力して、お米を作り続け今日のお米作りに繋がっています。物凄い人々が、物凄いお金をかけてお米を作ってきたことが現在の田んぼです。

それ以降、どのくらいの面積で、どのくらいのお米が作られてきたかというグラフが資料には示されています。

北竜町の水稲栽培作付け面積は平均15ha〜50ha

お米の品質が上がってきた経過、北海道では1戸あたりの水稲作付面積の数値がグラフにでています。北竜町では、平均15ha以上30〜50haの水稲栽培作付け面積を持っています。

田んぼを大きくしていくことも、少ない農家さんの数で田んぼをいっぱい作るという努力のひとつです。

皆さんも、北竜町で、お米を作るのにどんな努力を重ねてきたかを図書館などで調べて実感して欲しいと思います。何かの機会に触れてみてください。

北島潤係長さんのお話
北島潤係長さんのお話

水稲育成1年間の作業

資料3ページ目がお米の1年間の作業と水稲育成の年表です。

  • 3月:雪を溶かして、作業が始まります
  • 4月:種まき、田んぼ耕作、水を入れて、田植えまで、色々な作業を重ねます
  • 5月:苗を育てます。現在は農業機械で行いますが、昔おじいちゃんおばあちゃんの時代は、手作業で行っていました
     
  • 田植えなどの苦労を労う行事として、秋のお祭りやバーベキューなど皆が集まって収穫の出来秋を喜び感謝しました
     
  • 7月:幼穂形成期にあたり、穂ができる時期です。
    大変大事な時期で、この時期に寒いと穂ができにくくなったりします。水の深さも寒さを和らげるために田んぼに入れたりします。水をずっと入れておくと、根が酸素不足で根腐れを起こしたりします。根が元気になるように水を出し入れします。
     
    見た目は、稲に何もしていないようにみえますが、農家の皆さんは、稲の生育が目に見えない所でどのように成長しているのか、注意深く観察しながら、水管理や草刈りなどを日々の管理を絶やすことなく稲の世話をしています。
     
  • 今月末から8月初め頃から、青い穂がで始めます。最初は真っ直ぐ上を向いて出てきますが、中の実が詰まってくると茶色に色が変わり垂れ下がってきます。
     
  • 9月:収穫になります

今後も、田んぼの風景だけでなく、稲の成長を観察してみてください。
学校の授業で、稲の学習において何かわからないことがあれば、先生に質問してください。農家の方々や私共にも質問して回答を得ることができると思います。

せっかくの機会なので、皆さんの食卓に上がってくるお米の元になる稲がどのように育っているのかを勉強する良い機会となると思います。皆さんの気づきの勉強になると思いますので、頑張ってください」と北島さん。

田んぼの稲観察

幼穂の観察:ipadで写真撮影

  • ストロー:茎の節の部分の空洞になっている部分を「ストロー」と呼ぶ(竹のように節になって伸びる)
  • 幼穂:茎を抜き取り、茎の基部の幼穂の観察
  • 止葉:茎の一番上につく葉が「止葉」で、幼穂が止葉の葉鞘の中で発達し、やがて出穂(しゅっすい)を迎えます
幼穂の観察:ipatで写真撮影
幼穂の観察:ipatで写真撮影

水管理:稲の生育状況に合わせて、深水、浅水等の水管理

「出穂した稲穂を寒さから守るために水を張ります」と(株)高田の高田秋光 会長。

ドローン飛行による除草剤・害虫防除剤散布

田植え後に、ドローンによる除草剤散布を行い、さらに害虫防除を行います。地上から3mのところにドローンを飛行させ、葉っぱを食べるイネドロオイムシの害虫防除を実施。

次回の稲観察は、お盆過ぎ頃

次回の稲観察は、お盆過ぎ頃。「かかし」を設置する頃には、登熟し穂が垂れてくる頃です。
空知農業改良普及センターの方々とは、ここで終了。

「皆さん、これからも稲の勉強をしてください。今日はご苦労さま!」と北島さん。

生徒さん達は「ありがとうございました!」と大きな声で感謝の言葉を述べ、空知農業改良普及センターの方々をお見送りしました。

高田さんと質疑応答

Q.気候について
「6月が日照不足で、低温気味でした。6月も最低気温8度でした。稲の成長は、平年と比べて3〜4日遅れています」。

Q.防除ツールについて
「防除は、無人ヘリコプターとドローンで行っています。免許を取得した二人で運営。折り返し地点に一人がついて誘導、一人が操縦しています。ドローンはGPSを搭載しているので、自動操縦が可能です」。

ドローン観察

「ドローンはどのくらいの大きさですか?」という質問に対して、実際に使用しているドローンを運んで見せてくださいました。

  • ドローンは日本製の小型機を使用
  • 実際に使用しているドローンをみせてもらい、形、大きさ、重さを観察
ドローン観察
ドローン観察

実際持って、ドローンの重さを確認。すんなり抱えて「思ったより軽い!」と生徒さん。

「思ったより軽い!」と生徒さん
「思ったより軽い!」と生徒さん

ドローンとヘリコプターの違いについての質問に対して、「積み込む薬剤の量や散布速度に違いがあります。ヘリコプターの方が、積載量も多く、散布時間も短いです」と高田さん。

「お米の作り方も省力化が進んできているので、皆さんが成人になった頃には、お米の作り方がかなり進化し変化していると思います。今後、圃場拡大した時には、ドローンによる播種等も視野に入れています」と高田さん。

ひまわりすいか試食

観察終了後、高田さんより、ひまわりすいかのプレゼントがあり、みんなで美味しくいただきました。

「わーい!ひまわりすいかだぁー!」と歓声!
「わーい!ひまわりすいかだぁー!」と歓声!
イェーイ!!!
イェーイ!!!
夢中で頬張る生徒さん
夢中で頬張る生徒さん
美味しかった〜ごちそうさまでした!
美味しかった〜ごちそうさまでした!

美味しいひまわりすいかを頬張りながら、「美味しいね!」と笑顔いっぱい大満足に生徒さん達!!!

生徒さんみんなで「ごちそうさまでした」「ありがとうございました!!!」と感謝のご挨拶をして、バスに乗車し学校へ向かいました。

高田さんお見送り!
高田さんお見送り!

生徒さん達が植えた稲がスクスク元気に成長し、栄養をたっぷり吸収して、秋には黄金に実り、最高に美味しいお米になる尊い稲穂に、限りない愛と感謝と祈りをこめて。。。

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北竜町立真竜小学校の田植え体験
 

◇ 取材・文章:寺内郁子(撮影・編集協力:寺内昇)

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