2021年10月25日(月)
午後2時に、下川町役場政策推進課・亀田慎司 主幹と待ち合わせした、まちおこしセンター「コモレビ」を訪問。
- 1 まちおこしセンター「コモレビ」
- 2 下川町:持続可能な地域社会の実現に向けて〜SDGs未来都市 しもかわ〜
- 3 一の橋バイオビレッジ
- 4 フプの森
- 5 下川町地域間交流施設「森のなかヨックル」
- 6 ヨックルガーデン
- 7 その他の写真
- 8 関連記事
- 9 下川町
まちおこしセンター「コモレビ」
「コモレビ」は、モノ・コト・ヒトが結びつく町の情報発信施設です。
館内案内図
入居団体:下川ふるさと興業協同組合、下川町産業活性化支援機構 タウンプロモーション推進部、NPO法人しもかわ観光協会、JA北はるか下川支所(併設)等が設置されています。
観光案内所
町の特産品や職人さんたちが作った作品の展示室
下川町:持続可能な地域社会の実現に向けて〜SDGs未来都市 しもかわ〜
コモレビ館内、企画開発室にて、政策推進課SDGs推進戦略室・亀田慎司 主幹による、下川町の取り組み「持続可能な地域社会の実現に向けて〜SDGs未来都市 しもかわ〜」についての紹介がありました。NPO法人しもかわ観光協会・亀田亜弥さんが同席されました。
- 下川町はどんなまち
- これまでの取り組み(〜2015年)
- これからの取組み(2016年〜)
- 多様な主体とのパートナーシップ
- 何故、SDGsを取り入れるのか
下川町はどんなまち
下川町の概要
- 危機や困難に挑戦し続ける「しもかわイズム」
- 持続可能な地域社会の実現に向けて
- 循環型森林経営
- 森林の恵みを余すことなく 森林資源のカスケード利用
- 森林共生型社会 経済✕社会✕環境の統合的向上
- 一の橋バイオビレッジモデル 環境未来都市モデル:
下川町「一の橋地区」は、2009年には人口95人(高齢化率51.6%)の小規模集落。2010年に集落再生に着手し、超高齢化に対応するエネルギー自給型の集住化エリアが誕生。
集住住宅(26戸)、熱供給施設、地域食堂、住民センター(郵便局・警察官立寄所・住民共有スペース、特用林産物栽培研究所、コンテンナ苗栽培、薬用植物育苗等設置
これまでの取り組み(〜2015年)
持続可能な集落へ 新しい人の流れを創出
- 限界化する集落再生を目的に「地域起おこし協力隊」を導入
- 活動内容:廃屋の撤去、ICT見守り、生活・買い物支援、除雪、地域食堂運営、ハウス栽培、石窯ピザ販売、商品開発、機能性植物栽培、環境保全、障害者支援施設支援、集落支援型NPO法人支援、施設管理、水源管理など
- 近年:2016年木工作家が移住、2017年元地域おこし協力隊員が起業、2018年エゾシカ加工起業希望者が移住
- 人口がほぼ変わらず、生産年齢世代が増加。高齢化率が、2009年に51.6%から、2021年には25.6%に半減する
近年の傾向
- 活躍する移住者たち:(株)フプの森、NPO法人森の生活、林業✕チェンソーアート、木工作業
取り組みと成果
- 2017年第1回ジャパンSDGsアワード受賞 下川町が、SDGs推進本部長(内閣総理大臣)賞受賞
これからの取組み(2016年〜)
基本
- 地域資源(森林資源等)を最大限・最大効率で活用・発展させ持続可能な“しもかわ”を目指していく
SDGsを取り入れた地域づくり 好傾向拡大・将来課題解決
- 2030年における下川町のありたい姿 下川版SDGs
第6期下川町総合計画(最上位計画)2030ビジョン実行計画
- 計画目的に位置づけ
- 2030年ビジョンを将来像に位置づけ
- ありたい姿の指標設定
- 施策分野ごとに関連するSDGsのゴールを位置づけ
- ありたい姿
- 打ち手(事業)
しもかわSDGsインディケーター
- 下川町・法政大学・地球環境戦略研究機構(IGES)が共同開発
下川版SDGs実現のための取組
- 経済:循環型経済を創る
- 社会:住み続けられるまちを創る
- 環境:脱炭素社会を創る
多様な主体とのパートナーシップ
SDGsを取り入れたことによる動き
地域内 パートナーシップ
- ありたい姿の実現を考える住民有志の会
- 未来の下川町を考えるワークショップ
- 下川りくらしネット(女性活躍、支え合いの社会)
- しもかわSDGsマップ作成
地域外 パートナーシップ
- お互いが補完し支え合う共創関係
- 三井不動産、吉本興業、日系BP社、ユニリーバ・ジャパン、東京建物、地球環境戦略研究機関、法政大学、横浜市・札幌市
吉本興業株式会社 SDGsでつながり展開
- 2017年 第1回ジャパンSDGsアワード:
下川町が内閣総理大臣賞受賞し、吉本興業株式会社がパートナーシップ賞受賞!! - 「ローカルカ」と「エンタメカ」でSDGs連携の好事例を創出
- プロジェクト「下川町株式会社」を創設!
- 笑いの力で地域活性化により、しもかわの笑顔拡大し、住民みんなで創る「しもかわの森喜劇」の制作と公演(2019.10.12公演)が実現
- しもかわの魅力発信として、下川町を舞台に、品川ヒロシ監督映画「リスタート」制作(2021.7.16全国公開)
- 石田明監督4コマ漫画「トマト漫才師下川はるかエイト」
何故、SDGsを取り入れるのか
- SDGsをまちづくり・地域活性化のツールとして活用し、持続可能なしもかわを実現
- 下川町の事例・モデルを国内外へ波及展開し、SDGs達成へ寄与する
SDGsを取り入れたことで、持続可能な下川町へ(2016年〜2021年)
- チェックリスト:17の目標から地域を見つめ直すことによる新たな課題の発見や気づきを得る
- バックキャスティング:未来(将来像)から現在を見て、この実現のあための手を打っていく良質なまちづくりを実行
- ブランディング:SDGsのフレームワークを通し、ビジョンや取り組みを発信、ブランドやプレゼンの向上に繋げていく
- パートナーシップ:様々な人々との出会い、連携による新たな展開をしていく
人と自然を未依へ繋ぐ「しもかわチャレンジ」
多様な人々との共創により実現し、挑戦し続ける町「しもかわ」
持続可能な地域社会に向けて、前進し続ける下川町の情熱が感じられる、沢山の素晴らしいお話をありがとうございました。
町の情報が集合し繋がっていく施設、まちづくりセンター「コモレビ」中庭を望む。。。
一の橋バイオビレッジ
説明会の後、一の橋バイオビレッジへ移動。
一の橋集住化住宅
一の橋バイオビレッジは、超高齢化に対応するエネルギー自給型の集住化エリア。
集住化住宅は、長屋風の外廊下で繋がった22戸の住宅。1LDK〜3LDKに対応シ、住宅の給湯・暖房はすべて木質バイオマスボイラーから供給されています。
一の橋住宅センター
「一の橋住宅センター」建物内には、郵便局、警察官立寄所、住民共有スペースなどが設置。
住宅センター内で、昔の最盛期の町のようすを示す地図を見ながら説明する亀田主幹。
一の橋集住化エリア
全体配置計画図
集住化住宅配置図
住宅センターから、廊下で繋がる集住化住宅配置図。
住宅の館内外廊下
小道の続く、緑に囲まれた集住化住宅
地域食堂(駅カフェイチノハシ)
一の橋地区 地域熱供給システム
木質燃料サイロ(生チップ)
木質バイオマスボイラー(生チップ焚き温水ボイラー)
制御装置
温水配管
木質バイオマスボイラー
説明してくださる亀田主幹。
一の橋地区地域熱供給システム
木質燃料を自動供給装置の付いたサイロから搬送装置によってボイラーの燃焼炉に送り、この燃焼エネルギーを温水に転換して供給するシステム。
下川町特用林産物栽培研究所
椎茸栽培ハウス
しいたけの菌床栽培は、木質バイオマスボイラーの熱でハウスを温めて育てています。
オガ粉を原料にした菌床が並ぶ棚
温度・湿度・風・培養日数の管理が栽培の大切な要素となります。
菌床に育つ、肉厚のしいたけ
管理の行き届いた菌床棚が並ぶハウス内
作業所入り口
パック詰め作業
しいたけ規格表
しもかわしいたけ「森の極」(菌床栽培)
厳選された肉厚の立派なしいたけです。
4棟のしいたけハウスが設置
フプの森
この後、「(株)フプの森」へと向かいました。
(株)フプの森・工場見学
「フプの森」下川町森林の針葉樹「トドマツ」の枝葉を生かした精油づくりです。
- 2000年に立ち上がった下川町森林組合の精油事業を、町内のNPO法人森の生活が受け継ぎ、2012年に株式会社「フプの森」が精油事業単独の会社としてスタート
- 2015年にライフスタイルブランド「NALUQ」 をリリース
- 2016年には、「NALUQコスメライン」が Social Products Award 2016 にて大賞受賞
※ トドマツは、マツ科モミ属の常緑信用高木。円錐形の樹形や、新緑の美しさからクリスマスツリーのモミの木や門松などに使わています
代表取締役 田邊真理恵さんのお話
田邊真理恵さんは、2007年に下川町へ移住。昔からエッセンシャルオイルが好きで愛用していましたが、当時会社の従業員の退職がきっかけで、仕事を引き継いで入社。
「トドマツの葉からエッセンシャルオイルを抽出しています。
下川町は林業の町なので、林業で倒した枝の部分を有効活用しようということで始めました。『フプの森』を立ち上げてから今年で9年目です。『フプ』は、アイヌ語で『トドマツ』を意味します。
伐採している森林に出向いて、手作業で、丁寧にトドマツの葉の部分を切り集めて、カゴいっぱいに詰め込んで原料にしています。
蒸留作業は、原料を窯に入れ蒸気で蒸し、その蒸気を冷やすと液体に戻り芳香蒸留水が取れます。二層に分かれた上部のオイルと下部の蒸留水を抽出します。蒸留後の葉も、乾かして一部、枕にしたりして有効活用しています。残りは堆肥として使っています。
もともと、モミの木のオイルは、ロシア、ヨーロッパなど海外では日常に使われていました。サウナ、呼吸器のケア、風邪予防、血行促進などの効果があるのは知られています」」と、田邉さん。
水蒸気蒸留法で、オイルと蒸留水を抽出
「FUPUNOMORI」シリーズ
北海道モミのスッキリする香り、森の香りをできるだけそのまま閉じ込めたラインナップ。
「NALUQ」(ナルーク)
北海道の森の香りを楽しむ、森のライフスタイルブランド。
「『北海道の森』をイメージし、森の植物成分をベースに、様々な香りがブレンドされた天然エッシェンシャルオイルです。

北海道の香りといえば、ハッカ、ラベンダーを思い浮かべますが、『トドマツの香り』は、森の香りとしては新鮮で、外国っぽい軽い香りです。懐かしさを感じる、北海道の第三の香りとして認識されるようになればと思います。」とお話くださった田邉さんです。
その日のすべてのスケジュールを終了し、夕刻の懇談会は、「ゆうずる亭」にて、亀田ご夫妻、関さんとご一緒させていただきました。有意義な楽しいひとときをありがとうございました。
下川町地域間交流施設「森のなかヨックル」
この日の宿泊は、下川町地域間交流施設「森のなかヨックル」にて。「森のなかヨックル」は、キッチンなど生活に必要なものが、一通り用意され、長期滞在も可能なコテージ。NPO法人森の生活が指定管理者として、ヨックルの管理運営を行っています。
リビング
各部屋に設置されたパネルヒーターは、木質バイオマスボイラーから温水が供給され、ぽっかぽか!
パネルヒーターのサーモハンドル
窓下に設置されたパネルヒーター
キッチン
台所用品
鍋一式
食器一式
脱衣所(洗面台・洗濯機設置)
バスルーム
トイレ
ベットルーム(2部屋)
ヨックルガーデン
ぐっすりと快眠で、気持ちよく目覚めた翌朝、敷地内にあるヨックルガーデンを、関さんが案内してくださいました。
ヨックルガーデンは、「パーマカルチャー」「無農薬無化学肥料」「自然農法」の元、野菜やハープが栽培されています。
宿泊者は、朝食にガーデンの野菜を自由に摘み取って食べることができます。なんとも素敵な計らい!
残念なことに訪問した時期は、野菜もほとんど終わっていました。
夏の真っ盛りに訪れたときは、美味しい野菜たちにたくさん出会えるかも。。。
楽しみですね!!!
北海道道北上川郡下川町の宿泊施設。長期滞在も可能なキッチン付きのコテージです。ビジネスホテルとしての利用も可能です。道北…
未来が明るく輝き、広がっていく偉大なる町・下川町に導いてくださった関係者の皆さんに、心から感謝申し上げます。
自然と共存し合い、生命が循環して、すべてが繋がっていく素敵な下川町に、限りない愛と感謝と祈りをこめて。。。
その他の写真
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◇ 撮影・編集=寺内昇 取材・文=寺内郁子
下川町
【下川町役場】
北海道上川郡下川町幸町63番地
Tel:01655-4-2511
【面積】644.2k㎡
【人口】3,124人・1,687世帯
【観光入込客数】令和元年:92,390人(五味温泉、万里長城他)
【イベント等】令和元年:16,200人(うどん祭り、アイスキャンドルミュージアム他)「町勢要覧資料(2020年版)より」
【ホームページ】下川町 -道北・”ワクワク”が生まれるまち-